青春の思ひで。

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2001年12月31日(月)

さて。
21世紀最初の年2001年もとうとう終わります。

思えば激動の1年です。

受験。
不合格。
卒業。
合格。
失恋。
旅立ち。
東京。
独り暮らし。
入学。
恋愛。
友情。
いのち。


大きな幸福も不幸も一遍にやってきた激動の年です。

幸福でした。
不幸でもありました。

鳴呼。

でも。

たくさんたくさん。

いろんな出逢いがありました。
いろんな思いをしました。
いろんな気持ちをもらいました。

それで。
よかったのですね。

ありがとう。
ほんとにありがとう。

これからも。
瞳冴は。
ここにいます。
見て下さい。
もっと。


2001年12月27日(木) キセイ。

「キセイ」と打とうとしたら「ジュセイ」と打ってしまいました。
「受精」……でしょうか。
今月のアンネ(古っ)は無事に参っております。
絶好調。
どうして実家に帰ろうとするとやってくるんだ、彼女は。
おかげで荷物増えるじゃんか、もう。。。

と、言うわけで明日から実家に帰ります。
帰りますったら、帰ります。
明日のバイトの忘年会はほんのちょこっとだけ行きたかったけど。
朝早くお部屋を出ねば帰れません。
今日はまた徹夜です。
東京に戻ってくる予定は新年明けて5日です。
それまでの更新は、日記・掲示板レス含めおそらくないだろうと思われます……。
できたらするけど。

それよりもほんとうに東京に戻るんでしょうか、あたしは……。


いろいろ。
すべてへたくそなんだと思います。
あれもこれも。
へたくそすぎ。
何にも知らないし。
へたくそな言葉しか使えない。
小さいことにこだわってさ。

嗚呼。

誤解は解けるのでしょうか。
ねぇ。


話題は変わりまして。
「事の顛末」を書いておりませんね、あたし。
あれを……形にして残したくないのだと思います。
でも、そうしないから自分の中で区切りがついてないような気も……またします。
だけど。
「あおぞら」をもらいました。
あたしはそれを忘れてはいけないのだと。


これから徹夜で片づけしつつ年賀状作成です。
年賀状、作ったのはいいけど誰に送るかかんがえてなかったです。。。
おいおい。


2001年12月24日(月) メリークリスマス。

お友達のみなさん。
いつも来てくれるみなさん。

メリークリスマス。

「神」が生誕されたという今日。

あなたの幸福を。

いつにも増して切に祈ります。

いつもありがとう。

限りなく愛しています。

瞳冴は。

人間が嫌いで、人間が好き。

だけど、あなたに向いている感情は、間違いなく「好き」なのです。

あたしは幸せです。

ありがとう。

だから、あなたも。

どうか。

幸せでありますように。

ほんとうは。

ひとりひとり名前を列挙してお祈りしたいくらいです。

心の中でこっそりしておきます。


教会になんか行かないし。
聖書も読まないし。
賛美歌も歌わないし。
「神」もあまり信仰してないけど。

だけど。

メリークリスマス。

どうか。
星の数ほどの幸福が。

あなたの頭上に輝きますように。


2001年12月23日(日) 牢獄。

ここから出れるのなら。

学校辞めて地元に帰るしかないのなら。

そうしたい。


2001年12月22日(土) 散財。過食。拒食。徹夜。惰眠。

ストレスでしょうか。
散財と過食と拒食を繰り返します。
そして、徹夜して、次の日は一日中惰眠を貪ります。
不健康、この上なし。

いきなり日本育英会の奨学金がもらえることになって。
(学校行ってないのになぁ、おい)
ン十万円(4月から9ヶ月分の奨学金総額)を頂いてしまったので。
たぶん、今月すでに5万円以上、遊びに使ってるような……。覚えてるだけでも、よんまんえん。。。
クリスマス、帰省の関係で10万くらい使っちゃうのかな、今月。。。

散財は……主にお洋服に。
今日も2万6千円のワンピースを購入。
……した後に、別のお店で1万2千円で似たようなデザイン発見。
少しだけ、後悔。
だけどね、やっぱり買ったブランドが好きなので。いいや。
着てみたら、思った以上に可愛くて。
「お嬢さま」のようだった(笑)。
うん、たぶん安かった方のブランドじゃこの品は出ないわ。
ノースリーブのワンピースなのでついこの間買った1万6千円の毛糸ふわふわのカーディガンと合わせると良い感じだ。
ね、これだけでよんまんえん。。。

お洋服、好き。
もう開き直ったから。
流行に乗れなくても自分の好きな服を着たい。
お洋服を着ることと、裸でいることは正反対のようでいて実はとても似通ってるんじゃないかと。
あたしは裸も好き。
夏なんかお部屋の中では結構、裸……(笑)。
全裸なときよりは、流石に下着を着けていることの方が多いけど(苦笑)。
智恵の林檎は一応食べてるらしい。
着たくもないださくて適当なスウェットなんか着るよりかは裸がいい。
(って、今まさにそれ着てますけど。流石に冬は裸になれない……)
好きなお洋服を着ると別の自分になれるような気がする。
自分の理想である自分。
本来そうである自分。
「本来そうである自分」に無条件でなれるのが、裸。
「好きでもないけど嫌いでもない」程度のお洋服を着るときよりも、自分の好きなお洋服を着ることの方が裸に近いと思う。
自分を飾ること、作ることって、本来の自分を目指す行為じゃないかしら。
(最近、お化粧さぼってるなぁ……。お化粧したいのに、さぼるってダメダメ。したいならば、しないと)
お洋服ってすごい。
だから最近は敬称を付けて「お洋服」と表現することにしました。
(ツッコミたければツッコメ)

散財のもう一つは過食へ。
変なものばかり食べます。
ポテチだとかコンビニオムライスだとかクッキーだとかチョコだとかチョコだとかチョコだとか。
主食、チョコ。
副食、みかん。
過食と言ってもまともなものは少しも食べてない。
うーん。。。
太るよなぁ、これじゃ。
最近一日一食だし。
太るのはいや。絶対、いや。断固拒否。
だけど、運動をする時間も機会もなく……。
あ、またおなかがすいた。。。

拒食は……たんに食べるよりも睡眠の時間に充ててしまうだけです。
まぁ、起きてないからあんまりエネルギーいらないかもね。

今日はもう徹夜です。
……でも少しは寝ようか。

時間が足りない。
圧倒的に足りない。

お部屋は荒れる。
あたしも荒れる。

お洗濯がしたい。

嗚呼。
はやくここから出して。


2001年12月21日(金) 雪。

雪が降りました。

田舎ではめったに見れないので、うれしくなったり。

わざわざ屋根のないところを通って雪に濡れてみたり。

寒いけど。


純白の雪に埋もれて死ねたら……。

なんて少し夢想。


それにしても。
ひとは雨が降ると憂鬱になるのに、雪が降るとはしゃぐのは何故でしょうね。
大学でも、学生はしゃぎまくり。
雪だるま作ったり。。。
うちの大学のこういうばかさ加減は大好きですよ。


ほんとうに。
空から羽根が堕ちてくるみたいでした。


2001年12月19日(水) 精神的疲労。

疲れる。

だけど、まだ「つーかーれーたー」と言って苦笑できるから、幸福。きっと。

メールが溜まってる。
レスも返してない。
ちゃんとした日記も書いてない。

だけど。
インターネットは疲れる。
目、じゃなくて。
精神的に。

今のあたしは。
メールの返事も。
レスも。
できないくらい疲労しきっております。
こころが。

(返事をするより、新規の方が気分が楽なのは何故だろう。。。今はそれすらもきついけど)

元気です。
食欲はあるし。
学校にも行くし。
もちろんバイトもするし。

ああ……バイト。
バイトがなければもう少し疲れずにすむのかな。
でも。
「ほんとうにそれでいいの?」
あんな目は初めて見た。
少し……いや、かなりどきっとした。
逃げてしまいたい、って思った。

だから、実はお互い様。


現実世界がいい。
インターネットは疲れる。
傍観するだけでも。
自分を見せるのも。

わかってないと思ってるんでしょう。

何が違うんだろう。

正直になろうと思ったけど。

少し、気がそがれちゃった。


かなしい。

かなしい。


「かなしい」と言えば。
とある素敵な素材サイトを見つけて。
素材もたまらなく素敵なんだけど。
キャッチコピー(?)みたいなものがピンポイントであたしのツボにきて。
…………書いてみようかと思ったけれど、やっぱりやめた。
もったいないや。
あんな素敵な言葉をこんなところに置くなんて。


夜が好き。
夜に生まれ、夜に生き、夜に死にたい。


だけど、インターネットはいや。
いや、いや、と言いつつ。
毎日泳ぐのだろうけれど。
夜の海に似た。
暗闇の電脳空間。


最近、「ごめんなさい」しか口にしてないような気がする。
なんかやだな。

あたしは……「非」だらけですか。

もういい。

人間はひとりだし。
いつかはすべてと別れるし。
ひとりじゃ生きていけないことも知ってるけど。
ひとりじゃ生きていけないかもしれないけど。
誰からも愛されなくても、生きていける。
たぶん。
そんなことを言いつつ、愛されなくなったら、愛してくれる人を探して、縋りつくんだろうな。


かなしい目で見ないで。
逃げたくなるから。
強くない。強くない。
自分で選んだけど、耐えられないかもしれない。
きれいごとばっかり。

強欲で。
プライド高くて。

こんなにも、あたしが弱いだなんて。
もう少し、強いかと思ってたよ。

あたしはいつもあたしを裏切る。


支離滅裂で「ごめんなさい」


2001年12月16日(日) 減速する愛情。

どうにもこうにも。

自分の恋人から「他に気になる人がいるんだけど……」と相談(?)されてしまって。

あたしは今、どうすればいいのでしょう。


なんて思っていたのですが。

思い返してみれば、それは明らかに「あたし」が原因。

優しさに甘えて。
付け上がって。
奪い取るだけ奪い取って。
何にも与えなかった。


嗚呼。それは愛情も減速してしまうわ。
他に優しくしてくれる女の子がいたら癒されたくなって逃げてしまうわ。
(だって、あたしだってそうしてしまうよ、きっと)

なんでね。
こんなに冷静なのかわからなかったのです。
電話をしながらも。
なんとなく現実感に欠けて。
すごく冷静に取り乱すことなく聞いていました、彼の話を。
(最近のあたしは「リアリティ」に欠けるそうです。半分夢の世界に逝ってるのかもね)


そう言えばね。

付き合い始めて数日なのに、ゴールデンウイークの所為で離れ離れになったね。
寂しかったからさ、携帯の着メロをあなたと同じ曲にしたんだよ。
実家にいても、その音楽が聞こえてくると幸せになれたんだよ。

それで帰ってきたらさ、何だか照れくさくて。
顔がまともに見れなかったよね。


あたしが何の理由もないのに、激しい鬱になって。
ぼろぼろ泣いていたら、「大丈夫だよ」って言ってくれたよね。
抱きしめてくれたよね。


初めて2週間も逢えなくて。
やっと逢えた時は、安心して溜め息を吐いたね。


ねぇ。
たくさんもらったね。
忘れていたよ。
さいしょのきもちを。


喧嘩しても不満があっても、他にもっといい男がいても。
あたしはあなたを選んだのに。
あなたはあたしを選んでくれたのに。


慣れすぎて、何を見失っていたんだろう。


冷静だったのだけど。
とあるHPの掲示板にあったカキコを見てこころが揺れました。

一緒……だなんて言っていいのかわからないけれど。

その方のカキコで気付きました。


あたしはまだ手遅れじゃないはずだ。
だとしたら、なんとしてでも守らないと。


ねぇ。
たくさんの「ごめんなさい」を。
たくさんの「ありがとう」を。
たくさんの「愛してる」を。

あたしは。

伝えなければ。


何を勘違いしていたのだろう。
何を忘れていたのだろう。


まだ大丈夫。
大丈夫と思いたい。


ねぇ。
限りなく愚かだったよ。
ほんとうに何もわかっていなかったし、何もわかっていないのかもしれない。

だけど。
あたしは悪あがきをするべきなんだ。

今。
全部伝えないとだめなんだ。

もう。
聞きたくないってくらい言ってやる。
「好き」だって。
「愛してる」って。


それしかできないし。
それしか方法がない。


どんな卑怯な真似をしても。
どんなに汚い武器を使っても。

ちゃんと伝えてきます。
これから。


2001年12月15日(土) 着メロ。

着信メロディと受信メロディを変えて見ました。
気分一新のつもりで。

今までの着信はジャングルスマイルの「おなじ星」で、受信は椎名林檎ちゃんの「あおぞら」でした。

あたしの心の2大ベストソングです。

で、、、。
今は。

着信が「Left Alone」で受信が「小フーガト短調」

……………………。

「Left Alone」はジャズの名曲ですが、タイトルから見て痛い。
とある作家さんの作品の中で使われていたので初めて知ったのですが、その作家さん曰く「エンドレスで聞きながら小説(サブタイトルが「Left Alone」で、微妙に暗い話)を書いていたら死にたくなった」とのこと。
…………わかるような気がする。

「小フーガト短調」は言わずと知れたアレ。
ちゃ〜ら〜ら〜ら♪ちゃらららららら♪
これでママからメール来たりすると恐怖です。

地獄の着信(受信)音。


精神衛生上好ましくなさそうなので3日で打ち切ります。

音楽って大事ね。
や。ほんとうに。
気分への影響って大きい。

と。
いうわけで。
これから気に入りの曲をかけましょう。
実は一般販売してない曲なのだけど。
あたしに音楽を聞いて楽譜に写し取れる力があれば、この曲で着メロ作って永久に変えないのだけど。

その名も「HEAVEN」と言うのです。
とてもとても優しい曲。


「Left Alone」も「小フーガ」も好きなのだけど。
もっともっと落ち着いたときにゆっくり聞きましょう。

自虐趣味だからといっても。
自分でやって自分で結構堪えてしまう、この選曲は。


2001年12月14日(金) バイト。

もう1週間ほど学校に行ってません。
いわゆる「ひきこもり」です。
最悪。

だけど、欠かさずバイトには行ってます。

バイト先は不思議です。
ほんとうに。
嫌なことは全部考えません。
考えずにいられます。
バイト先で嫌なことっていうのはたくさんあるけど。

ビジネスとプライベートを分けれてるってことなのでしょうか?
でも、あたしにとって「ビジネス」は「学業」でなければいけないのにな……。

嗚呼。
そう言えば。
チーフの包丁はよく切れるんです。
へたくそなあたしがピーマン切っても、芸術的に細く切れます。
で、勢いにのって、どんどんにんじん切ってたら、指を切っちゃいました。

と、言ってもかすったので1ミリ程度。

痛いんです、これが。

野菜を切ってるので、野菜の汁とか沁みて痛いんです。

チーフの包丁は刃がきらきらしててぞっとするようなカンジできれいです。
日本刀の様な美しさ(と言っても「洋包丁」だけど)。

なんだか。

「あれ」よりも痛いだなんて不思議な気分でした。


それにしても。
バイトは大事だ。
もっとはやくからしておけばよかった。
うちの親は学歴主義なので、あたしがこのままレストランに就職するのなんか許さない、と言ってますが。
外食産業だって立派な産業。
誰かが従事しなければ成り立たないんですよ、社会は。
少しもレベルの低い仕事だと思いません。
しかも、うちは大手だぞ、言っとくけど。
(まぁ、就職する気はないんですけどね)

あたしはのろいので相変わらず役立たずで悔しい。
やっぱりどうしても比べられてしまうから。

結果がすべてじゃないけど、結果を出さなければ意味がない。

「結果がすべてじゃない」と言って逃げたくない。
「結果」がすべてだよ、ある意味。


「結果がすべてじゃない」けど、「努力がすべてでもない」


久々にいい言葉を聞いたよ。
残しておこう。


2001年12月13日(木) 記録。

ほんとうに一瞬だった。
自分でも、意外なくらいにあっけなかった。

最初に走ったのは白い筋。
例えば、爪で強くひっかいたらできるような白い筋。

あれ?
こんなもの?

でも、覚悟としては。
何にもなくて。
あのカチカチという音が好きで。
ダークになると、思わず握ってしまう。
さっきも。

カチカチ。
カチカチチチチ。

もちろん、それだけのつもりだったのに。

悲しい電波の向こうから発せられた言葉に。
(その「言葉」をすでにはっきり覚えてないのに)
右手が空を斬った。

音もしなかった。

あれ?
こんなもの?

勢いはあったと思ったけど。
実際、筋は2センチ程度。

リピーターの気持ちが一瞬わかった。

だけど。
やっぱり滲み出てきて。

赤い。

だから電話を切った。

ティッシュを探って。
押し当てた。


はじめての。
自傷行為。
手首じゃないから。
リストカットじゃない。


だんだん怖くなった。
たかだか2センチの傷なのに。
血が止まらない。
赤く染まるティッシュに。
恍惚と恐怖でからだが震える。

カチカチと。

あの鉄じゃなくて。
あたしの歯が音を立てた。

痛い、です。

ほんの2センチだけど、内部にえぐれてるのがわかる。

今は、まだきれいです。
傷。

肉の色と鮮血の色。
少量だから、美しい。


怖いです。
自分が。
怖いです。

ごめんなさい。
ごめんなさい。
ごめんなさい。

かすり傷なのに。
取り返しのつかないことをしてしまったようです。


包帯とテープと滅菌パッドの残りがあったので。
手当、らしいものをしてみた。
消毒しなくて平気だろうか?
でも、手元に消毒薬はない。
夜中なので、外出も出来ない。

傷を作った刃で。
傷を守る包帯を切る。

嗚呼。
何て矛盾。
嘲笑。

包帯をぐるぐる巻いてみた。
ぐるぐる。
ずれるし、大げさなのですぐに外した。


愚かだと。
思っていたのに。
「リストカッター」なんて。
ばかげた言葉だと。

自殺なんて。
自ら神の国を放棄すること。


痛い。
痛い。


何度刃物を自分に向けただろう。

はじめては。
いじめられていた小学5年生のとき。
教室で。
朝のホームルームの時間にこっそり机の下で刃を腹に当てた。
スカートのウエスト部分のごついところに当たって。
それで、終わった。

最近だと。
相棒から絶縁宣言された2月冬。
キッチンの包丁を握り締めた。
たぶん物凄い形相で見つめていたと思う。
両手で握って。
顔の高さまで持ち上げた。
だけど、それだけ。

さっきは。
片手で持ってたカッターナイフを。
カチカチと。
遊びのように鳴らしてて。
「ごっこ」のように。
カチカチ。
キスをした。
これは「遊び」
「儀式ごっこ」
それだけ、のはずだった。
だけど。
言葉を聞いた瞬間に。
何の迷いもためらいもなく。
振り下ろしてしまった。

音もなく。
当然、悲鳴なんかまったくなく。
とても静かに。


嶽本野ばらのHPで、彼の語った言葉を抜粋する。

リストカットを止めなさいと野ばらはいえません。
それをすることにより、精神のバランスを保てるなら
それも仕方ないのだと思うのです。
でもね、「ツインズ」でも書きましたが
それは疑似自殺。そして自殺は全て疑似自殺なのです。
で、幸か不幸か、タイミングがズレた時に
命は本当に絶たれてしまう。
だからリストカットはとてもリスキーなものなのです。


あたしは。
今。
自殺をしようとしたのだろうか?

過去。
あんなにも。
悩んで苦しんで。
それでもやらなかった「自殺」を。
今。
何も思わずに。
痒いところを掻くように。
さらりと。


痛いです。
怖いです。
でも。
少しだけ。
うっとりしてしまいました。
わかってます。
くだらない自己陶酔です。


愚かだと。
弱いのだと。
卑怯なのだと。

認めてください。
あたしはそういう存在です。
そんなあたしを認めてください。

弱さは。
許されないのですか。
弱いものは強くなろうとしなければ。
許されないのですか。

ありのまま、は許されないのですか。


ごめんなさい。
激しく矛盾しています。

ほんとうに怖かったのです。

だけど。
怖いけれど。
こんな真夜中。
誰にも「助けて」って言えません。
だって。
傷自体は2センチ。
3日もすれば治るんじゃないかと。


強くなりたいです。
だけど。
強さがすべてですか?

これも言い訳。
あれも言い訳。
全部、あたしの逃げなんですね。


醜いからだにまた一つ。
醜いものを作ってしまいました。


ごめんなさい。
ごめんなさい。
何度でも懺悔します。
ほんとうにごめんなさい。

「自殺」は。
あたしが最も憎んでいた行為の一つ。

ごめんなさい。
ごめんなさい。

怖かったです。
怖かったです。

もう。
二度としません。
したくないんです。




ここにこれを残すことを。
許して下さい。
ごめんね。
いつもいつも。
怖い思いをさせて。
でも。
誰にも言えない「助けて」を。
せめてここに吐き出させてください。
ほんとうは。
「助けて」なんて言っちゃいけないのよね。
ひとにそれを求めてはダメなんだよね。
自分で乗り越えないとダメなんだよね。
頭ではわかってる。
だけど。

生きてます。
大丈夫。
こんなときに頭の中の氷川きよしは歌手業を休業して隠遁しちゃったよ。

生きてます。
死にません。
今は。
絶対に。

少し吐き出して。
楽にさせてください。

ごめんなさい。

レスが少し溜まってるけど。
当分出来そうにないです。

ごめんなさい。
ごめんなさい。
ごめんなさい。

強くなりたいです。


2001年12月12日(水) 5年間。

5年間ずっと隠してきた。

辛くても辛くても隠した。

今。

暴露してしまおうか。


でも。
大丈夫。
暴露してしまって。
結果がどう転んでも。

あたしのあのひとはそれすら知ってるから。
それも認めてくれるから。
大丈夫。


2001年12月11日(火) あたしの、おうち。

おうちに行ったら、こたつが出てた。

実家ではこたつを使わないので。
こたつって新鮮。

だけど、眠っていなかったのでベッドに入る。
寒いしね。


シャワーの音とひげそりの音(笑)を聞きながら、いつのまにか深い深い夢の中に。
「行ってくるね」
の言葉には。
「うん」
と言ったような気もするけれど。

外は寒い。

ひやりと。
いきなりからだに冷たいものが触れたので。
流石に起きた。

寝起きで寝ぼけてたので。
「おかえり」
の言葉ができずに。
冷えたからだにまとわりついてみた。

「ケーキ買ってきたよ」
「ケェキケェキ

なんて現金で単純なあたし(笑)。


それから。
また眠った。
うそつきね。

起きて「ちびまるこちゃん」と「サザエさん」を見た。
毎回見てるわけじゃないんだけど。
何か、今日の話は。
まるであたしのことを言っているようで苦笑い。


「幸せだったよ」
その背中に向かって呟けば。
「過去形なの?」
って。

だって。
「おうち」から「お部屋」に戻る作業は幸せって言えないよ。


2001年12月10日(月) ありがとう。

ごめんなさいよりも。
「ありがとう」を。

伝えたいのです。


……友人知人の皆さん、心配してくれてありがとう。
うれしかったです。

今は……。
気分が楽です。
「忘れよう」とか「逃げよう」と心に決めたら。
意外にも、ふっと軽くなりました。
……そんなことできっこないってわかっていても。


もう、いいのです。
矢張り。
「必要とされてないのと同じだけ、必要としていないのだと思いたい」
これは本音です。
だって、切ないから。
あたしだけが過剰に求めるのは、慣れっこだけど。
もう、いや。
報われない気持ちはつらすぎます。


だから。
忘れます。
今まで、ありがとう、君。

だけど、君たちの言ってきたことと現状は矛盾している。
今、君たちがしていることは、君たちが非難したことと同じではないのかな。
あたしは言ったね。
同じことを繰り返すよ。
「あたしに、直接、言ってよ」



日記に、自分の気持ちを正直に書くことで。
動揺させてしまった人がいる。
ごめんね。
ありがとう。

ここはあたしの「宇宙」
宇宙は無限と言えど、あたしは汚いものを捨てすぎた。
宇宙にばらまかれた塵芥は、腐ることが無いので消滅しない。
永久に宇宙を漂う。

あたしの宇宙に限っては。
消去も出来るけど。
敢えてしない。
消去してしまったら、また書いてしまうかもしれない。

書くことで、自身の内側を浄化しています。
そういうことに「書く」という手段を使うのは弱いことかもしれないけれど。
ずっと、そうしてきた。
これからも、そうさせてもらいます。

鬱になるたびに、落ち込むたびに心配させてしまう。
ごめんね。
ありがとう。


説明させてもらうならば(苦笑)。
あのひどい日記の中の「あなた」と言うのは。
常に同じ人物ではなく。
だけど。
「あなた」があたしの「あの人」だったのは、あのひどい2つの日記の中で1回だけです。
つまり、今回は恋人と喧嘩したわけではございません。
むしろ、救ってもらった。
守ってくれようとした。
普段はそんなことしないのに。
知らない人と。
闘おうとしてくれた。
うれしかった。


ねぇ。
ありがとう。
ほんとうにありがとう。
大丈夫。
あたしは大丈夫。
「あなた」もそこにいてくれるから。


あたしは元気です。
大丈夫よ。
だって。
目下最大の悩みは。
氷川きよしの「きよしこの夜」がずっと頭から離れないことですから。


2001年12月09日(日) バイト先の新人さん。

短大の女の子だというのでギャルを想像していたら(偏見持っててゴメンナサイ)。

……………。

とても微妙なカンジ。

みんなは「天然」だと言うけれど。
あたしにはすぐにわかってしまった。

あ、イタ。

まるで、中学のときの「あたし」のような。


リアクションにいちいちいらいらしてしまう。
きちんとした敬語が話せてないのにいらいらしてしまう。
あの人種独特の話し方にいらいらしてしまう。
やたら馴れ馴れしいのにいらいらしてしまう。

あの雰囲気、きらい。


今日の仕事はいつもの3倍は疲れた。


新人なんだからさ。
もう少し控えめにしてよ。
他の人のやり方をきちんと見てよ。
ビジネスなんだよ。
あなたが作ってる「可愛さ」なんてかけらもあたしには通じないから。
語尾を延ばしてノータリンっぽく喋ってても、「可愛い」なんて思えないから。
それよりも仕事に支障をきたすから。
オーダーははっきりと読んでよ。
「えーっとぉー」はいらないのよ。
接客なんだから、髪ぐらいとかしてよ。
化粧くらいしてよ。
マナーだよ。


あのこと一緒に仕事するの、やだな。


合わないテンポで、すり減らす必要のない神経がすり減っていく。


バイト先の「花」のようだった笑顔のかわいいお姉さんは辞めちゃったしな。


ああ。でも、すこしすっきりした。


2001年12月08日(土) 今日は。

一睡もしてないので、珍しく一限に間に合うと思い、のろのろと準備。
だけど、朝御飯が食べたくなって朝マック。おかげで遅刻。

それにしても怖い。
ぞっとする。
駅前を通ったのでまたあの垂れ幕を見てしまった。
怖い怖い。

コンビニには張り紙があるけど、マックにはなかったので安心した。
 
雨。
荷物がある所為で結構苦痛。
雨自体は嫌いじゃないのに。

赤い星が落ちてるのに狂喜する。
赤い星が雨に濡れてアスファルトの宇宙をきらきら。

遅刻しつつも、教室に入ったら。
「えらいね」ってメール。

思わずその場で叫びだしたくなる。


一限が終わったら、学生生協で本を買う。
高村光太郎の「智恵子抄」
智恵子やヨウコになりたいあたしは。
とりあえず、「智恵子抄」の世界から入っていこうと思った。
次は「東京日和」だ。
だけど、智恵子やヨウコは、光太郎やアラーキーがいて、こそなので。
所詮あたしは智恵子にもヨウコにもなれません。

本を買ってたら、またメール。
甘えたいらしい。
とりあえず、逢いに行く。

口を開けば、
「助けて」
って言葉しか出てきそうになかったので。
曖昧に笑ってたら。
やっぱり心配して。
説明の仕様がなかったから。
……「あれ」を見せた。

「これはあたし」
と言ったら。
空気が変わるのがわかった。
動こうとしてくれたけど。
それはやめて、と言った。
ありがとう。
それだけでいい。
守ろうとしてくれたから。

「忘れる」ことを約束した。
きっと忘れられないだろうけど。
でも、あのひとの前でだけは忘れよう。

ほとんど寝てたけど。
珍しく全部の授業を受けて。


バイトに行く。
バイト先は不思議。
バイト以外の嫌なことは全部忘れられるから。
バイト……きついな。
だけど、あたしのきつさはたいしたことないらしい。。。


嗚呼。
それにしても。

おなかがすいた。
食べたい。
食べたい。


2001年12月07日(金) いらないもの。

弱いものはいらない。
弱さはいらいらするから。
強いものはいらない。
その傲慢さに腹が立つから。
汚いものはいらない。
目を背けたくなるから。
きれいなものはいらない。
手に入らないから。

あたしは。

あたしもいらない。
全部だから。
許せないから。

どちらかを消していいなら。
あたしを消したい。

でも。
水が自然と蒸発するように。
そうっと消えたい。

苦しみたくはない。

弱い。
弱い。
弱い。

ねぇ。
同じじゃないの。

あたしが悪いから。


そう。
悪いことなんてたくさんしたよ。
犯罪だってたくさんしたよ、あたし。
人を傷つけたり。
欺いたり。
憎んだり。
嘲笑ったり。
嫉妬したり。
呪ったり。
たくさんしたよ。

許されないのね。

矛盾するあたしは、許されない。

どの道許されないのなら。

……泣き言を言うことも悪だろうね。

あたしは弱い人間です。
あたしは汚い人間です。
あたしは臆病な人間です。
あたしは無責任な人間です。
人を傷つけました。
人を欺きました。
人を憎みました。
人を嘲笑いました。
人に嫉妬しました。
人を呪いました。

だけど。
人を愛してました。
ほんとうに。
ほんとうに。
信じてもらえなくても。
愛してました。

許されない罪には罰を。
あたしの罪は。
あたしの弱さ、汚さ、臆病さ、短慮さ。
あたしの罰は。
終身刑。

だったらいっそ。
今すぐ死刑に。


ああ。でも。
あなたに殺されるのはいやだな。

あなたにとっては殺す価値もないか。


悪事がこれだけあって。
終身刑ならば。
悪の限りを尽くしましょうか。
ねぇ。


逃げます。
もう限界だといってるので。
逃げます。
「あたし」が泣くから。
悲鳴をあげてるから。
助けてって叫んでるから。
逃げます。

あたしは結局自分本位です。
あたしが好きです。
あたしが可愛いです。
あたしがかわいそうだから。

逃避は悪ですね?
責任放棄ですから。
悪ですね。

もう、いいでしょう。

許してくれ、とは言わないから。

もう。
もう。


あたしだって。

逃げたいから逃げます。
もう知りません。
見ないふり。
見なかったふり。

悪人ですから。
人でなしだから。

逃げます。
忘れます。
脱走します。

囚人の脱走は余計罪が重くなるんだっけ?

もう知らないよ。
あはははは。


2001年12月06日(木) 鬱。

あれを書き上げた後に、「あれ」を見つけてしまったことは偶然じゃないのだろうか。

もう、別にいい。

必要とされてないのと同じ分、必要としていないのだと思いたい。
思いたい。

だけどね、あたしの需要と供給のバランスは狂っていて、需要は少ないけれど、供給ははるかにはるかに多い。

ちゃんと言って。
言って。

……でも。
でも。

あなたに何がわかる?

もういやだ。
もういやだ。
もういやだ。

逃げるよ。
もう逃げたい。

そう思うなら逃げてやる。
どこまでもどこまでも逃げてやる。

わかんないよ。
あたしにはわかんないよ。

気持ち悪い。
気持ち悪い。
気持ち悪い。
吐きたい。
吐きたい。
吐きたい。

暖房の空気が気持ち悪い。
白い牢獄に溜まった毒ガスが気持ち悪い。
残ってないはずのアルコールが気持ち悪い。
「後味すっきり」のはずのロイヤルミルクティーも気持ち悪い。
言葉が。
あたしの細胞が。
気持ち悪い。

もういやだ。
もういやだ。
もういやだ。


いらない。
全部いらない。

「望んで狂えるものでもないだろうし、望んで狂わずにいられるものでもない」

いっそのこと狂いたいよ。
発狂したい。
望んで狂えるものなら、今すぐに。


もう勘弁してください。

弱くていいです。
無責任でいいです。
人間失格でもいいです。
あさはかだと。
愚かだと。
臆病者だと。
「口だけ」だと。
嘲笑っても。
怒っても。

もう、いいです。

妬ましかったとか。
知りたかったとか。

そんなのも、もう、いいや。


感情なんてなくなればいい。
機械になりたい。
人間はいや。
もっともっと。

単純なものになりたい。

存在するか壊れるか。

生まれて、生殖のために生きて死ぬか。


はじめて呪ってやりたい。
人間のあたしを。

もう嫌だ。
もう嫌だ。
もう嫌だ。
もう嫌だ。
もう嫌だ。
もういや。
もういや。
もういや。
いや。
いや。
いや。









ねぇ。
あたしが怖い?
助けて欲しいよ。
もう今は。
あなたしかすがるものがないから。
朝になっちゃったよ。
また、あたしを叱って。
そして、抱いて。


2001年12月05日(水) お友達が。

授業の空き時間に○イに行くと言うので。

「なんで、そんなにお金あるのよ……?」
と言ってみたりしたら(だってその空き時間は毎週毎週お買い物に行ってるような気がするんだもの)。

「うふふふふーこんなもの買っちゃった
とカバンから本をごそごそ。

『はじめての編み物』
(みたいなタイトル。正式名称は忘れた)

「ふーん。編み物やるんだ」

「いや、初めてだけど。手袋作ろうと思って。これから毛糸買いに行くの」

「あんた、その手に嵌めてるのは何よ……?」

「いやん。察しのいい瞳冴ならわかってくれるでしょ?」


…………そういうことですか。はい。わかりましたよ。

まだクリスマスは先だと言うのに。
街のクリスマス飾りには見慣れてしまった今日この頃。
お友達は……あたしさえいなければ、あたしの彼氏とたぶん付き合ってた女の鑑のようなお友達は、今、付き合ってる彼氏のために手袋を編もうとしている。
あ。ちょっとなんかブルー。
あたしは。
クリスマス……バイトの休みがもらえるかどうかが最大の悩み事。
休みはもらえても外泊許可はもらえないし。

ふらふらとネットサーフしていても、クリスマス仕様のデザインになってるHPもちらほら。

クリスマス、好きですよ。
本来の意味を忘れて、恋人や友達とばか騒ぎをする日本のクリスマスが大好きですよ。
クリスマス飾りや小物を見るのも大好きですよ。

だけど、ブルー。

どうせね。
彼とあたしじゃ「クリスマス」への価値も違うんでしょう。
いや、なんかやたらはりきってるけど。
だけど、たぶん不発。
あたしだってそれなりに「ろまんちっく」とか期待してみたいけど。
裏切られる(一方的にかもしれないけど)のはいやだから期待したくない。

「手作り」って。
そんなにいいものなんだろうか。
「手作り」にはトラウマしかないので(プロフ参考)。
「手作り」……。
「ろまんちっく」を期待するなら、あたしも「彼氏のために手作りの…」をするような乙女でなければいけないのだろうか。

結構、金銭主義なもので。

手作りもいいんだけど、お金をかけたい。


何が言いたいのかわかんなくなったんで、もうやめます。

今日はお給料日でしたよ。
先月よりも1万5千円も下がった。
同じ日数で仕事してる人よりも1万円も少なかった。
がっくり。
いっぱい仕事してるような気になってるのはあたしだけのかな。。。
ああ、もうやだやだ。


2001年12月04日(火) 「かわいそう」?

土曜日。
新宿高島屋のベスト電器の中にある、インターネット体験コーナーの横をふらりと通ったら、画面がヤフーニュースの画面になっていて、目を奪われました。

「雅子さま、女児を御出産」

「あー。。。生まれたんだー」と、とりあえずそのくらいにしか思わなかったのですが。

置き去りにされてしまったので、暗い暗い道をとぼとぼ歩いて。
明るい代々木駅に着いたところで号外を頂きました。

「お!お生まれなさったか!」
というおじさんおばさん。
「まじでー?生まれたんだー」
という若い女の子(含む、あたしってカンジでしょうか)。

そんな人々の声の中で、ツキンと胸に来た言葉は。
「雅子さま、かわいそー……」


皇室なんてあたしの中では特に信仰対象でもなんでもなく。
(だいたい皇統譜を辿っていけば今の皇室なんて正統な皇室じゃないし)
だからといって極端な天皇制廃止論者ではなく、日本特有の文化の存続のためには、彼らの存在が必要なのもわかるような気はしている。
あの高貴な空間(彼らが「高貴」なのではなく、彼らの置かれている立場・環境その他もろもろ)に、一抹の憧れを感じないこともないのだけれど。

正直、直系が途絶えることになってもあまり興味なく、今回の雅子妃の「御懐妊」もあまり関心はなく、いつの間に臨月だったの?ってカンジなんですがね。

前回、妊娠されたときに比較するとマスコミが穏やかだったので、ほんとうに気に留めることなく。

だけど、当然「号外」が出ることの予想はついていたけれど。
生まれて数時間で、デパートやらコンビにやら、いろんなお店の入り口に。
「新宮さま、御誕生おめでとうございます」
「内親王殿下の御誕生を心よりお祝い申し上げます」
などという紙が貼られていたのには、恐怖しました。

昨日は、駅ビルに垂れ幕がかかっているのを見て、身震いしてしまいました。

国民が国をあげての祝賀ムードでいっぱいになると、逆にあたしの気持ちは冷めてきて。
素直に「おめでとう」と思えない。
「彼女」の誕生を祝う声を、街角で、ブラウン管の中で、電脳世界の中で、目にするたびにぞっとします。

「彼女」はただの赤ん坊だ。
メシヤではない。
(景気の救世主にはなってくれるかもしれないが)
雅子妃もマリアではないし、「彼女」もイエスではない。

何をそんなに「おめでとう」、と言うのだろう。
見も知らぬ他人の出産よりは、故郷で結婚が決まった幼馴染に、「おめでとう」という気持ちをあたしは捧げたい。


ねぇ。
「おめでとう」と言う人よ。
垂れ幕に思いを込める人よ。


「彼女」はあなた方の望んでいた「お世継ぎ」ではないのですよ?


あたしは怖い。
「彼女」に自我が芽生えたとき。
自分が「男の子」であることを期待されていた、とか。
自分の誕生を、国民が狂ったように「おめでとうございます」と騒いでいた、とか。
そんなことを「彼女」が知るときが怖い。

「彼女」はただの赤ん坊なのに……、「生まれてきたね。おめでとう。元気に育ってね」以上の期待を掛けられている。


「雅子さま、かわいそー……」
雅子妃から生まれる赤ん坊が「お世継ぎ」だと、国民は盲信してはしなかっただろうか。
御結婚から、何年経っても孕まないことに。
国民はどれだけ、妃を追い詰めただろう。
どれだけの期待をかけてしまっただろう。
そうして、今回お生みになったのは、皇位継承権のない「女児」だ。

(かれこれ30年も女児しか生まれていない皇室の血統はもうどこか狂ってるんじゃないだろうか。太古に遡れば、「女帝」も存在したことだし、象徴としての天皇が別に男性に限定される必要性も感じないので、いっそのこと女性にも皇位継承権を認めたらどうかと思うが)

周囲から子どもを期待される夫婦は数あれど、全くの他人からもこんなにも「男の子」を期待される夫婦もいないだろう。


あたしは。
あたしの素直な気持ちを言えば。
「かわいそう」ではなく「おめでとう」と思いたい。
「彼女」の誕生が、あたしに何の影響も与えないことはわかっているし。
国民の税金を使って生きていく人間がひとり増えただけ、っていうのもわかっている。
だけど。
この世に生まれてきたことに。
(もちろん、幸せだけでなくたくさんの不幸も浴びながら「人間」として生きていくスタートに立ったことに)
そして、結婚8年目にしてようやく子どもを授かった夫婦に。
「おめでとう」と言いたい。

雅子妃も「彼女」も少しだけ「かわいそう」
だけど、きっと妃にしてみれば、「彼女」の性別なんてどうでもよく、ただ生まれてきただけで幸福なのだろう、と想像して。


あたしは「国民」が怖い。
仮定の話。
もしも、あたしが雅子妃だとしたら。
祝ってくれるのはうれしいけれど。
自分の見も知らぬ人々が、見も知らぬところで。
「マサコサマ、オメデトウゴザイマス」なんて言ってるのを知ってしまったら。

発狂しそう。

どれだけの期待が。
自分の身と「彼女」に。
そして、「オメデトウ」の言葉の裏の「失望」に。

発狂しそう。


オメデトウゴザイマスオメデトウゴザイマスオメデトウゴザイマス。
ツギハゼヒオトコノコヲ。ツギハゼヒオトコノコヲ。ツギハゼヒオヨツギヲ。

発狂しそう。


やっぱり、少しだけ、雅子妃と「彼女」を「かわいそう」と思ってしまう。

そう、思われることもまた苦痛でプレッシャーなのだろうけれど。


御誕生おめでとう。
この先は茨の道ですが。
どうか強く生きられることを。
お祈りいたします。


2001年12月03日(月) 試験前夜の東奔西走。

明日は「哲学と宗教」という授業の中間テストです。
中間テスト!
なんて懐かしい響きでしょう(涙)。

あると思っていた今日の5限がなかったので、バイトまで少し余裕もあったので、彼氏と一緒にふらふらと、教科書を探しに駅の方へ向かってました。

そう。まだあたしは教科書を買ってなかったのです。

彼はすでに買っていて、「もう紀伊国屋にはないと思うよ?」などと呑気なことをあたしに言うのですが。

そうこうしてるうちに彼の携帯に友達から電話。
「明日のテストの範囲どこ? ノート、コピらせて」
みたいなことを言ったようですが、その友達もどうやら教科書を買ってないみたく。

紀伊国屋のような大型書店ではもうすでに売り切れちゃってるだろうと言うので、小さな個人経営の書店に入ってみる。

一軒目。
「岩波文庫」自体が見当たらない。
お店の人に聞いてみる。
「岩波はほんの少ししか取り扱ってなくて」
とりあえず店を出る。

二軒目。
一軒目よりも大きい本屋。
岩波文庫もたくさんある!
ちょっち期待できるかも!
と、思っていたらば。
……上巻だけない!!
…………。
同じ授業受けてる誰かが買ったことは明白。
みんな敵だ。。。
とりあえず、悪あがきで店員さんに聞いてみる。
「棚に並んでなければないと思いますが……」
と言いつつも一応探してくれてる。
あー。でもたぶんダメだろうなー、と思いつつ、岩波文庫のコーナーに戻ってきてみたら、若い男の人が立ってる。
この人ももしかして……なんて思ってみると。
……さっき、彼氏の携帯に電話してきた友達だった。
とりあえず、顔を見合わせて笑う。
「ここにはもうないみたいよー」
とか言いつつ、友達は紀伊国屋に行ってみる、というので別れる。

三軒目。
紀伊国屋にはあえて行かず、またまた小さな本屋に入る。
やはり岩波文庫自体がない。。。
ここもダメかよ……、と思っていたら。
「何でおまえ、またいるんだよ。。。」
振り向いたら、友達がいた……。
紀伊国屋はダメだったみたい。
本屋から出て、友達はまた別の方向に本屋を探しに行ったので別れた。

四軒目。
時間的にあたしはここがダメなら、もう諦めるしかなく。
だけどやっぱり小さな本屋なので期待せずに入ったら。
案の定、岩波文庫自体が置いてない。
溜め息を吐いて、本屋から出たら、前方から友達が向かってくる。
……………。
「ここもないよ……」
「マジかよ」


なんかねぇ。
もう笑うしかなく、ってカンジなんだけど。

あたしと違って時間に余裕のある友達は、一つ向こうの駅まで行ってみるとのこと。
たしかに、少し遠出をして大きな本屋を探せば、同じ大学のやつらが手をつけてないので、可能性も高くなる。

あたしは諦めて、ネットで情報だけ探すしかないな、と思って。

友達と一緒に彼のノートをコピりながら、バイトへ行きました。


あたしも友達も(彼も一緒だったけど)、随分東奔西走したと思うけれど。

今回、本当に文字通り東奔西走したのはすでに教科書持ってる彼氏です。

バイトが終わって、携帯のメールチェックしてみたら、「○○駅で、買った」とメールが。

うわ。そこまでしてくれなくていいのに。

で、話を聞くと自転車で各地を駆けずり回ったそう。

「俺、彼氏のランクだともうS級だよ」
……そういうことを自分で言ってしまうとランクは下がるのよ(苦笑)。

何と言うか。
価値観が違うんだなー、と。
あたしはそこまで一つの単位に対して執着がないから。
教科書、見つからなければそれはそれで。
ノートのコピーももらったし。
適当でいいや、と思っていたので。

「うれしい」とか「ありがとう」とか思わなければいけないのに、正直退いてしまいましたわ。
(ものすごく苦労した、っていうのを強調して語るのがいやらしくて退いたのかもね)


まぁ、でも努力を無にするわけにはいかないので。

これから寝ずにお勉強です。
息抜きにネットしつつ(どっちが「息抜き」になるかは明白です)。

夜食のチョコも充分だ。


2001年12月02日(日) WORLDS END

最近は、昔のようにたくさん本を読まなくなったのだけど、その分、読む本の価値が高くなったと思う。
あくまでも「あたしの中の価値」で、その本や作家に対する世間的評価なんてあまり興味ないのだけれど。


「ミシン」 嶽本野ばら 著

嶽本野ばらを知ったのは約1年前。
田舎の地方新聞の文芸欄の片隅に彼はいた。
どんな記事だったか覚えてないのだけれど、あたしの愛する「MILK」や「Vivienne Westwood」について語る彼に、もうそれだけで魅せられた。
あのときも彼の本を探したのだけれど、見つけられなかった。

東京に来て、離れ離れになった友人からある日メールが来た。
「嶽本野ばらのミシンを読んだ。泣いた。絶対、君はこの人が好きだと思う。読め」

もうそのころにはあらゆる媒体に「嶽本野ばら」は出ていて、「乙女のカリスマ」だなんて呼ばれてたことは後から知ったけれど、彼は充分に有名作家だった。


あの日。
自分の浅はかさから入ってしまった迷宮から脱出できたあの日。
あまりにも空は晴れていて。
空気が澄んでいて。
気分がよくなったあたしは久しぶりに本屋へ入ったのでした。
映画化が話題になっているおかげでしっかりと置いてあった「ミシン」
あたしはやっと自分のものにした。

「世界の終わりという名の雑貨店」
……読んでいてたまらなくなった。
「君」や「僕」があたしとダブって見えて仕方なかった。
彼らのようにノーブルでないのは明白だけれど。
あたしが求めているものが、そしておそらく手に入らないだろうものが、「世界の終わりという名の雑貨店」にはあった。

「どうして人は、本当に大切なことを喪失の後にしか気付けないのでしょう」

あたしは、まだ喪失していない。
今、本当に大切なことに気付けているかどうかはわからないけれど。
あたしは、まだ喪失していない。
「君」や「僕」と決定的に違う。だから、あたしはまだ、気付ける可能性を持っているのに。

あたしは泣かなかった。この物語で泣いた、という人はたくさんいる。
あたしは泣かなかった。
それはあたしが普段からあまり泣かないから、というわけじゃなく。
普段からよく泣くあたしは。
本や漫画をを読んでも割と泣きやすいあたしが。
泣かなかった。

けっして、「泣く」に値しない物語だったわけでなく。
「泣く」ことで、消化していい物語じゃなかったから。
「泣く」よりも、胸に突き刺さる何かに苦しんだ。


「ここは、世界の終わりではないのです」
物語は終わる。


「世界の終わり」なんて、きっと、何処にも在りはしない。


世界は続くから……、あたしは喪失の前に気付きたい。


天上旋律 |前略プロフィールゲストブック永久少女天然色夢絵巻kitchen & closetMAIL

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