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+ rat rhyme +



    









わたしは 世界に愛される


なぜなら


わたしが 世界を愛しているから











    









時に
記憶というものが
最も邪魔な
ノイズとなる














    









あなたを好きだということ


これすなはち


忘却の放棄















    









あの夏がもたらしたものは
こんなにも
終わりなく
変わりなく
果てしないものだった










    










久しぶりに会ったきみは
あの頃と同じ匂いがした


けれど


ぼくのずっとずっと前を
真っ直ぐに見つめて歩いていた


前に会った時は
何かに行き詰っていたようだったけど
今のきみはもう
そんな所はとっくに通り過ぎて
ゆくべき先を見つけたみたいだ
そんな笑顔だった


もうきみに会わないほうがいいと
思っていたけど
やっぱりまた
会いたくなってしまう


きみに会うたびに
あの時の気持ちが引っ張り出されるみたいで
しばらくはきみのことを嫌いになりそうだったけど
きみを嫌いきることなんか
ぼくには絶対に出来ないんだってことだけが
いつも どんな時も
変わらない真実だった














    










それはとても長いようで
とても短い時間でした


わたしからあなたに向かって
放たれていたかそけき光は
一度もあなたに気づかれることなく
その空しさから
わたしは目を反らしてしまいました


けれど
あなたに会うたびに
決して交わることのない道の向こう側を
あなたも同じに歩んでいるのが見えてしまうから
わたしは再び
あなたに光を放ってしまうのです
そしてあなたは
残酷なほど無自覚に
この光を受け取って
自らの輝きの中に
わたしの光を取り込んでいく


気づいたことがありました
たとえあなたが
この光の来た先を知らなくても
あなたに向かって作られてしまった
この光の通る道は
決して閉ざされはしないのだと


だから もう


そのことを
悔やんだり
そのことで
泣いたりするのは
よそうと思うのです


ただ放つばかりの光のことを
愛と呼ぶに違いないと思ったのです













    










わたしはずっと
まぼろしを追いかけているのだと思っていた
けれど
あなたはまぼろしなどではなくて
ずっとわたしと共にあった
そして
それはとても
とても
しあわせなことであったと気がついた


ずっとあなたに言おうと思っていたのに
ついに言えなかったありがとうを
あなたに言う日が来ているんだと思った











    









誰かを抱きしめるのに
お金は要らないから
大切な人を
そっと ぎゅっと抱きしめることに
手綱をひいたりしませぬよう


わたしも
大好きなあの人を
ぎゅっと そっと
心の中で
幾度も幾度も抱きしめて
死ぬまでずっと抱いていく













    









決して引き戻されたのではなく
自ら戻ったのだと
認められた時にようやくわたしは
あなたから解放されるのだろう










    









あなただけの場所は
まだこんなにも存在していた


あの頃拾ったほんの小さな奇跡を
掻き集めて縫い合わせたもの
全部捨てたと思っていたはずのもの
いつも捨てるフリをするだけ


いつまであなたに会いに行くのだろう
あなたに会いに行くたびに
捨てられない思い出だけが増えていく


あなたに会っても会わなくても
ここにあなただけの場所があるなら
もう認めてしまおう
わたしがあなたを嫌いになる日など
永遠にこないのだと













    









カタチのないまま
胸にとどまり続けるきみ


カタチなきゆえに
葬り先を見つけられない












    











世界中の不幸が
ぜんぶわたし目がけて
やってきているような気がした


光の差さない窓に
息を吹きかけ
こすろうとした手を止めた
くぐもった声で
助けを乞いながら
救いの日をただ待つ
首を垂れて待つ













    











わたしの準備は
まだ終わっていない


濡れそぼる羽根は
空をゆけることすら知らない


わたしの準備は
いつ終わるのだろうか


そもそもわたしの来た場所は
あの遠い青ではなかったか













    










きみはなにさま
きみはイカサマ


イカサマなきみに
サカサマにぶらさがって
真下に見ゆる世界をみてみたら
ぼくの居場所は
どこにもなくて
ぶらさがる手に力がこもり
きみがその手を振りほどく


ほくは真下にまっさかさま


降り立った場所を
居場所とさだめるしかないようだ












    











きみのかわりは
どこにもいないと
きみではないひとにあうたび
おしえてもらうまいにち















    











とってもながいシーソーと
とってもみじかいシーソー


どっちにのろうか?














    









雫は旅をする


獣のノドを癒したり


照りつける日の光に
空気に帰ったり


再び大河に流れ落ちてみたり


旅はいつも突然に始まり
突然に終わる


それはとても静かだったり
とても煩雑だったりする


けれど


いずれの旅も
その雫だけの旅なのだ













    












午後の窓
柔らかな陽射しが落とす影
ぼんやりとまっすぐに伸びる


それがきみの
命の残り火のように見えて
両手でふんわり抱き上げる


頬を舐める舌に
削られそうな肌の痛みを受けて
きみといられる時間を
きみごと抱きしめた


そして
ぼくの影も
ぼんやりとまっすぐに伸びていた














    










羽化したサナギ
深化の苦しみ


その先にしかない光


まだその羽の乾ききらぬのに
ためらいがちに広げ
明日の中に居場所を探す











    










導火線に火をつけるための
マッチを探しているのだけれど
それがどこにも見当たらなくて
小さな子どものように
ただただ泣くばかり


そうしてるうちに
導火線が
涙で湿ってしまったわ












    










たいくつをほおばって
口の中でコロコロと転がす


たいくつなんか
早くなくなっちゃえばいい


唾液をいっぱい出して溶かす


歯でコロコロと音を立てる


しばらくすると
たいくつの立てる音を
楽しく思えていて
たいくつが
あたしをたいくつさせてたんじゃないと気づく


たいくつが舌の上でスッと溶ける瞬間
何かを手放す時のさみしさが
じゅわっと心に広がった


さよならって
みんなこんな感じ













    










どこにもハマらない鍵


どこにもハマろうとしない鍵


開けられるのを待つ扉


開けられるのを拒む扉














    










過ちが見せる景色は
どんな色をしているだろう
あらゆる選択肢の中で
あえてここを選び取ってしまった意味は?


受け入れることの出来ない
決定的な何かが
進もうとする足に重く圧しかかる


修正は 不可能













    











きみは
きみがおもうほど
かしこくはないんだよ















    











あたしのなかの
うすよごれてしまったものが
ぜんぶぜんぶいまのうちに
きえてなくなりますように


たくさんのことに
きがついて
まっさらな空に
かえっていけますように














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