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+ rat rhyme +



    









小さく沈みゆく夕暮れに
何の手立ても思いつかなくて
一人 闇の中を往く


たとえ明日になったって
きみはいないのだから
明日なんか
こなくったってかまやしないさ


繋がれなかった手は
放すこともできなくて
触れられなかったココロは
傷つけることもできなくて
ましてや
同じ傷みを感じることもできない


何もかもを
忘れたフリして生きていた
この想いが
こんなにも長く密かに
留まり続ける強さがあると知っていたなら
ぼくは きっと
なりふりかまわず
伸ばした手で
きみに触れていたかもしれない


震えるような闇の中
宙を掴むのはもうたくさん
誰だっていい
きみでなくてもかまわない
ここにトドメを刺してくれないか
















    









かなしいのは
胸の痛みじゃなくて


この痛みが
いつまで続くのか
まるで わからないから


















    









気づいてしまうのがこわかった
うまくサヨナラを言えてなかったって


目も当てらんないひずみの中に
失ったものが散らばってる


けど
その苦しみに
生かされていた日々


あれからわたし
強くありたいと望んだ


だから きっと 
ここにいるんだと思う


もう一度
きちんとサヨナラをするために

















    














太陽に透かし見た過去が
いつまでたっても 
目にまぶしい


差し込んでくる
柔らかな矛盾に取り囲まれ
もう一歩もうごけない


失う時に放たれる
まばゆいばかりの閃光を
確かに見たと思っていたのに


















    








僕の心がどこにあるのか
さっぱりわからないけれど
キミを想うとき
ツーンと痛むこのあたりが
心の場所なのかもしれないね






















    








恋のはじまりは
どこからだったんだろう


終わらせられる時に
終わらせておけばよかった


曖昧なら曖昧なまま
眠らせておけばよかった


ぼんやりとした輪郭のまま
夢に葬ればよかった



















    









あの人にとてもよく似た声がして
思わず後ろを振り返る


もうわかってしまった


二度と会わないと誓うことで
より深く
あの人をこころに刻みつけようとしていた



















    







もう
あなたに会いに行かなくてもいいくらいに
あなたはわたしのココロにいる


そのあなたが
わたしを蝕むだなんて
いったいどうゆう了見なの?




















    













もしかすると
どこにもないものを
さがそうとしているのかもしれない


どこにもないんだとしたら
さがしようもないんだけど


あっちにあるいていけば
あるようなきがしてしまうのは
どうしてなのかしら


















    














絶え間なく流れるはRhapsody
寝苦しき夜にふさわしく


この繰り返される想いの果てに
僕は何を見るのだろう



















    














最後の打ち上げ花火が
あたりを照らす
仰ぎ見た空に
飛び散った色


見果てぬ夢に
追い立てられて
定まらず歩を進める
稚く淡く消え入りそうな道


振り返ると
泣けるほどの憧憬
前を見ても
増すばかりの焦燥
ひたすらに追いかけては
残りの距離を測った


もういっさいがっさいイヤになって
すべて力まかせで振り切って
今を思いきり愛していたのに


あの夏は
容赦なく照りつける


















    

















小賢しいキミ自身を
一番責めるのもキミ自身


誰かに責められてる気がすんのも
キミのココロのキミ自身


世界はキミが作り上げていて
キミが望んだ通りに映し出される


もしもキミが
今のキミ自身を大キライなら
世界もキミを大キライになるだろうさ
キミの描いた絵を
世界は忠実に反映してる


だから
パレットに
オレンジ色の絵の具を少し
ほんの一粒ひねり出して
はしっこの方から
少しずつ塗っていけばいんじゃない
真ん中から塗ってもいいんだろうけど
それは ちょっと恐いもんね


そして
ちょっぴり勇気が出てきたら
情熱の赤を 
これもほんのちょっぴり
搾り出してみるといい


すると
いつのまにか
キミは
キミが描いた絵のド真ん中で
誰を責めることも責められることもなく
笑えるようになってるんだと
ぼくは思うんだ




















    














あの恩恵に
とっととあやかって
とっととずらかろうぜ


そして
もう追いつかれないほど遠くまで逃げきったら
シメシメと笑っちゃおうぜ




















    















ほのかな雪の香りの下で
ついさっきまで星を眺めていた
風もないのに
思い出したように流れ落ちる星ひとつ
やけに楽しそうで
そのゆく先をじっと眺めていた


白い雪は
闇を青く反射して
夜汽車の窓の光を
タンポポみたいに映し出す


僕は胸いっぱいに
冬の空気を吸い込んで
冷たさに破裂しそうな肺から
いっせいに僕の温度を吐き出した
目の前が白く煙って
またたくまに消えていった


今ならば
明日もそんなに恐くはないな

















    















つまんなさそうに
ポッケに手をつっこんで歩く
ひと気のない店の一角に
逃げるように滑り込む


心底めろうなメロディに
懸命に耳を傾けているカップルに
心底気がめいる


しんじゃいたいくらいたいくつな
日曜日の午後
注文もしていないゼリーが届いた
ぼくに起こる間違いは
いつもこの程度


石ころ蹴っ飛ばしながら帰る
もうなんびゃっかいも繰り返されてきたユーウツ


地球のどこに重しをおいとけば
土曜日のまんまでいられるんだろう


















    















去年のシャツに袖通し
ひんやりとまといつく感触が
たくさんの掛け金をはずして
現在と過去を交差させるから
とまどう とても とまどう


思い出したいことと
思い出したくないことが
まったく同時に突き刺さる
だから
いったいどっちの痛みなのか
どっちに突き殺されてるのか
わからなくなるんだよ


痛みからくる涙が
ポトリと膝に落ちた
この涙は 
どんな色をしているんだろう
流れる涙はなにより美しいだなんて
もっともさみしいエクスキューズ




















    















見たことのある景色に
ちょっとしたナツカシサをくすぐられてるだけさ
別に本気でそこに戻りたいだなんて
少しも思っちゃいないさ
思ってるわけないだろう


息さえ出来ず
明日もこなかった場所に
戻りたいわけがないんだ
そんなわけがないのに
そんなわけ ないのに


ヘンだよ
ようやく今
吸いきれないほどの息を吸い
深くカラダに行き渡らせて
自由に手足を動かし
それをココロから楽しめていたはずなのに


あの声に 逆らえない


あの声に 導かれていく

















    














ざらついたココロ
休むヒマなし
うなだれつつ
歩みは止めず




















    














雨が屋根をたたく
パラパラとたたく
無数の音色
響くコーラス
まだ降りやまないで
もう少しだけきかせてほしい


たしかにあったぬくもりを
あとひといきで
思い出せそう


なのに
風が雨を連れ去る
連れ去っていく


ぼくにぬくもりを
思い出させまいとする



















    










きみにあいたい
あいにいけない
むいしきに
きみににたひとばかりをさがす
すっぽぬけた感情




















    











あの夏を追っているのか
あの夏に追われているのか
よくわからなくて
すくむ足


どんなに時が経っても
折れない心を見て
泣きそうになる


もうとっくに折れて
壊れてしまったと思ってた
でも
少しも形を変えず
すっくとそこに立っていた
とてもとても強い心だった


あの頃よりも
強さを増した心で
もう一度
新しい夏を迎えていた


再び 始めようとしている
見果てぬ旅を


派手な見送りもなく 
行く先の不安もなく
ただ
静かな想いに満たされている


















    











とってもいいことを思いついたんだ
ああ どうしてもキミに聞かせたい
いちはやく キミに知らせに行きたい
メールより早く届けたい


今すぐに届けないと
鮮度が落ちちゃう
今 この時に
一字一句間違うことなく
正確にキミに伝えたいのに


それっくらい
とびっきりのいいことなんだ


明日 会ったら話そう
会ったらすぐに話そう
一緒に笑おう
涙流して笑おう


とってもいいことが
明日になったら 
どうでもいいことにかわっちゃったとしても
今度はそれを キミと一緒に笑おう


















    











昨日の夢だと思いました
夢を見返しているのだと思いました
けれど
あれは夢ではなくて
寸分の狂いもない現実そのものでした


あれから幾つもの季節を見送り
わたしは気づかぬうちに
だいぶん強くなりました
失うことや壊れることを
以前より恐れなくなりました
失うことや壊れることに
美しささえ感じます


夢のような現実で会ったあなたは
やはり以前とお変わりなく
顔をあげて 前を見て
笑っていました


重ねてきた季節の分だけ
密かに密かに増していた想いを見て
ただただ驚くしかすべがありません


たとえこの道幅が
縮まるものではないにしても
あなたと同じ速さで
前に進んでいくことができれば
わたしの見た夢は
正しかったといえるのだと思います


















    











絡みつくような焦燥に
連れ去られることはもうないわ
あなたがとても大好きだけれど
あなたがとても大好きだから
わたしはわたしの時間を生きることにした


それが正解のような気がした
















    










安心してね
もう私は
簡単にココロを引き渡したりしない
心配しないでね
もう私
あっけなくココロを留守にしたりしない


私のココロは私がしっかり掴んだままで
あなたを好きでいることが出来るんだから


















    











伝えたいコトバを
全部言い終わらないうちに
いつもキミは駆け抜けていく
追えない速度で
変わらぬ速度で


伝え切れなかったコトバを
空へと放つ 星が光る


キミがどこかで見上げた夜空に
ひときわ輝く星たちの
一つ一つを繋いでいけば
ぼくのコトバがそこにある


















    










そこにいたのは
恋に似たものなんかじゃなく
まぎれもない恋そのものだった


きみはいつだって
だれかのなにかを
変えていく


胸に大きくあいてた穴を
まじまじとみつめた


その深さに
ただ涙がこぼれた

















    









なにもかもすべて
このいとおしさのなかに


笑顔でも涙でも
どちらでもいい
それがあなたでありさえすれば




















    









そうだ
ぼくの目の前には
透明なくせに
ひどく分厚い壁があって
そんなこととは知らずに
ここより前に進めないのはナゼなんだろうと
すぐそこに欲しいものが見えているのに
手に取って眺めることが出来ないのは
どういうことだろうと
来る日も来る日も考えてたんだ


そうだよ
ある日 突然 
ぼくの目の前の
透明なくせにひどく分厚い壁は
色を持った


ぼくは少し驚いて
手にしたハンマーで
壁をコツンと叩いてみた
諦めていた
ビクともしないと思ってた
果てしない時間が必要だと思った
きっと すぐにはムリだろ


けれど 


どうしてか 胸に
初めて虹を見た時みたいな
希望だけが満ちた


無心に祈ってコツンと叩いた


壁は散り散りになってった
掻き消えてった


もう 平気 なの かな
もう 向こうもこちらもないのかな
足を踏み出せば
前へ進める の かな
進んでいい の かな
それは 怖いことではない の かな


今日を はじまり と名づけてもいい の かな


















    









いちごの匂いの染み付いた
爪先がほんのり赤い
唇にそっと這わす指
甘い残り香

















    









握りつぶした残骸


派手な寝息を立てて


忍び寄る明日を追い払い

















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