接吻 - 2008年07月25日(金) 離れたくない。 そう囁いて身体をゆるゆると絡ませる。 決して交わることのない男と女。 互いの存在が異質であるという事実すら魅力になり得る関係。 此れは淫らなものか。 それとも美しいものか。 接吻。 そして夜が明ける。 ... なにかが - 2008年07月16日(水) 終わろうとしている。あるいは始まるのかもしれない。 終わりと始まりは同義語なのだ。 胸のすきまでそよそよと、何かが姿を現している。 それが何かはわからない。 愚かな自分に対する𠮟責とも、恋人の生に対する漠然とした不安とも捉えられた。 けれど私のこの穏やかな日々がもうすぐ終わろうとしているのだけは分かった。 あれから2年…、私は平凡な生活を手に入れたが明らかに美貌は翳った。 以前は持っていたきらきらしたオーラも、今はどこかに身を潜めている。 体は少し肉をつけ、女性らしくなったけれど威圧感は薄れた。 鋭い眼差しは面影を残すばかりという次第である。 ずっとこのままじゃ満足できない自分がいるのは分かっていた。 でももし終りがくるとしたら、私は今の愛しいひととも別れなきゃいけないのだ。 私の世界へ一緒にくるには、あの人はあまりに優しい。 その優しさを失わせることなんて、私にはできない。 ... 時 - 2008年07月11日(金) どんな事柄も時が経てば消えてなくなる。 私は容易にひと月後の自分を想像できる。 こんな痛みはどこかへ無くなってしまっているのだ。 そうして同じベットで眠る日々が続いていく。 けれど確かに今、胸に痛みを感じている。 確かに今、ここに私が存在しているのに。 消えちゃうの? 別に死にたいわけじゃない。私はそんな死にたがりじゃない。 むしろ生きたいと思う。強く。 けれどなぜだろうか。死をとても近くに感じる。 たとえば好きな人と一緒にいるとき、弟をみるとき、両親をみるとき、私を見るとき。 身近な人の存在に死を垣間見るのだ。 いつか消えるであろうその肉体。 こうして過ごす時がたった一時の幸福だという事実。 その幸福すら時の流れにすべて消えてしまうこと。 達観しているのでも、悟ったのでもないから、本当はすごく困惑しているのだ。 どうしたら良いのかわからなくて、ずっと同じ場所に立っている。 だからこんなことを考える間もないくらいの、激しい幸福に酔いしれていたい。 或いは苦痛でも。 いつだって私の存在を記憶し続けるのは、自分で買った指輪。 男にもらったものは、いつか必ず手元を離れるときがくる。 だから本当に身につけていたいものは自分で買うと決めている。 これだから男というのは役にたたない。 過度に期待をするのは心を傷つけ、過度に信用するのは身を滅ぼす。 けれど私は信じることをやめたくはないのだ。 そんな人間になりたくはないと思うから。 少しでもマシな人間になりたいと思うから。 「王の死と乞食の死にどんな違いがあろうか。100年の時の流れはすべてを無にする。」 ...
|
|