宿題

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2002年10月31日(木) 図書館リサイクル
『J・Jおじさんの千夜一夜物語』 植草甚一 晶文社
『ドバラダ乱入帖』 山下洋輔 集英社
『ひも』 道明新兵衛 学生社
『仕事が俺を呼んでいる』 矢作俊彦 新潮社
『宮沢賢治詩集』 浅野晃編 白鳳社
『父の言い分』 太宰治 ランティエ叢書
『八木重吉詩集』 彌生書房
『帝国の陰謀』 蓮實重彦 日本文芸社
『小説の羅針盤』 池澤夏樹 新潮社
『ムツゴロウの雑居家族』 畑正憲 文春文庫
『河童手のうち幕の内』 妹尾河童 新潮文庫
『竹久夢二 (現代日本美人画全集8)』 集英社
『珍作ビデオのたのしみ』 青弓社
『少年愛の美学』 稲垣足穂 角川文庫
『気弱なギャンブラー』 蛭子能収
『岬』 中上建次 文春文庫
『幻想文学の手帖』 學燈社
『ロックンロール・バビロン』 中江昌彦訳 百夜書房
『基礎被服材料学』 成瀬信子 文化出版社
『岡本かの子 林芙美子 宇野千代 集 (現代日本文學集45)』 筑摩書房
『外骨という人がいた!』 赤瀬川原平 ちくま書房



■計20冊。
毎年楽しみな図書館リサイクルでもらってきました。
他にも普段買わないような雑誌を50冊くらい。
休みながらとはいえ、もらったダンボール箱にいれて、
車まで運べちゃう自分にびっくり。
竹久夢二のなんて40×30くらいあるのに。

2002年10月30日(水) インタビューチャンネル(第一回)/藤子F不二雄
長い間、漫画家生活を続けてきましたが、幸いこの『ドラえもん』というマンガは、

その中でもヒット作品となりました。

このヒットした原因というのは、実はこれは誰にもよくわからないんですけども、

のび太君の"ダメ人間"ぶりにあるんじゃないでしょうか。

たいていの人たちは、自分の中に多かれ少なかれ"野比のび太"をかかえこんでいるのではないでしょうか。

そういう中のダメな自分、"10%のび太"である、20%、30%…、

ちょっと気の毒な人になると"70%のび太"という人もいるかもしれない。

読者のそれぞれ"のび太的部分"が、『ドラえもん』のマンガを読むときに、

ひそかな共感を寄んでいるのではないかと、ぼくはそういうふうに考えております。


★インタビューチャンネル(第一回)/藤子F不二雄★



■私の「のび太率」は年々上がってる気がします。
このインタビュー はこれからも更新されるみたいで、すごい楽しみ。

2002年10月29日(火) 横浜おでかけガイドブック/沼田元氣
「おでかけ」はどんなに近場であっても、

「おみやげ」がつきものでした。

といっても、どこそこのシューマイだったり、中華まんじゅうだったり、

カステラといった類のもので、家に帰ってから皆でお茶をするため、

もっと云ってしまうと皆で紐を解き、包みをあける愉しみだけの為といった、

実に他愛のないものでした。

しかし今思うと、そこには、確実に「青い鳥」がいたのです。


★横浜おでかけガイドブック/沼田元氣★

2002年10月28日(月) まほちゃん/島尾伸三


定職のないまま、決まった収入もなく、潮田登久子さんと私は、まほちゃんという元気な子どもに恵まれ、

楽しい生活を送ってきました。

家や車や財産もないし、社会的な地位もありませんが、小さな幸せで毎日が楽しいので、

時間がたつのも夢のうちです。


元気な赤ちゃんには「まほ」という名前が付けられ、

ええ、私はこの小さな生き物が次第に可愛らしく思えるようになりました。

赤ちゃんは、お下がりでもらったサークルベッドの中に置いてあるミルクを自分で勝手に飲んだり、

玩具で遊ぶので、それを遠くから時々眺めるのですが、それだけで私は充分に楽しめました。

―島尾伸三


世田谷豪徳寺の古びた西洋館の二階の一室から始まった三人の生活は、

まほちゃんが生まれて二カ月たった、1978年12月の末の頃からでした。

南に大きく開かれた窓から冬の日差しがたっぷり入るその部屋を、

私たちはいっぺんに気に入ってしまいました。

その時から伸三さんと私の、まほちゃんがご機嫌に遊ぶ姿を見守る、平安な日々が続くのです。

―潮田登久子


自分が大きくなったことを少し申し訳なく思う時があります。

わたしが大人にならなければ、わたしたち家族は小さな家族のままだったかもしれない。

小さな部屋ひとつの中家族3人で大きな窓から陽射しをあびて、いつも昼寝をしていたかもしれない。

時に他人を家族よりも大切に思う事なんて、大きくならなければなかったのに、と。

―しまおまほ


★まほちゃん/島尾伸三★



■好きなものがムダに多いからか、なんでも一番を決めておくのが好きで、
写真集の一番はこの「まほちゃん」。

島尾さんも潮田さんもしまおさんのことも知らずに
古本屋さん等で見つけていたらどんなに嬉しかったことか、
とか思ってしまいます。

2002年10月27日(日) 欠陥/プラモミリオンセラーズ
ウソ技(テク)を見破る術ばかり身に付けてく僕は

通学路に仰向けで許してもらえるのを待ってる

穏便に過ごしていけることが何よりつらくて

もて余してる分を陰口と髪型で埋めつくす

恋焦がれたりくやんでみたり

生い立ちが僕をシカトしてくれたらいいのに

あくせくしたり伺いたてたり

雰囲気が僕をシカトしてくらたらいいのに


破れたり病んでるフリに酔うことなどできないし

リモコンとピックと股ぐらを行ったり来たりする右手

今何か起きつつあるとやたら思いたがる人

割り当てや打ち上げに充実感を得られる人

駄目なやりとり落ち込んだつもり

生い立ちが僕をシカトしてくれたらいいのに

どうしようもない続きはいらない

雰囲気が僕をシカトしてくれたらいいのに


★欠陥/プラモミリオンセラーズ★



■今歌詞カードを見直してたらこの曲の歌詞を指差してる
かわいい生き物の絵が書いてあって、
「この曲は今イチの出来だヨ!」とかふきだしがついてました。

穏便と割り当ては結構好きかもしれない、
けどこの曲も好きです。

2002年10月26日(土) 業音/松尾スズキ
私が言ったことをまだ覚えていますか。

人間というのはひとつの情報だ。

死んで肉体は消えるけどあんたのことを皆が覚えている限り情報としてのあんたは生き続ける。

感じの悪い情報として残るくらいなら、感じの悪い肉体として生きなさい!


★業音◇日本総合悲劇協会/松尾スズキ★



■草月ホール

2002年10月25日(金) 憧れられたい/プラモミリオンセラーズ
運動神経良くなって、滅茶苦茶お金持ちになって、やさしさをかいまみせて、

憧れられたいな。

無垢なカンジにふるまって、インディーレーベル立ち上げて、何もかもさらけ出して、

憧れられたいな。

古くからのファンを自称して、何かにつけ毒づいてみて、ハンドメイド感覚で、

憧れられたいな。

福祉活動に精出して、国民の前で手を振って、ユーモラスな死を遂げて、

憧れられたいな。


★憧れられたい/プラモミリオンセラーズ★



■大好き大好き。

「ファミコン、アコーディオン等を駆使して」つくられたという曲が25曲入って、2000円。
ここから買ったのですが、送料なしで、紅茶とあめとシールが1コずつ、
おまけとしてついてきたのも嬉しかったり。

2002年10月24日(木) 『フルスクラッチ』帯より/風のように永田
夜中に書いた手紙は夜中のうちに出すこと。

鼻歌を最後まで歌いきること。

愚痴の裏付けを探さないこと。

無駄な争いは避け、部屋の中で悪戦苦闘すること。

そんなふうに紡がれた奇妙なハーモニーが、街の僕らを蹴飛ばして行く。


★プラモミリオンセラーズ『フルスクラッチ』帯より/風のように永田★

2002年10月23日(水) ニンゲン御破産/松尾スズキ
頃は幕末。

一人の変わった狂言作者が時代をかけぬけた!

凄い迷惑かけながら。


★ニンゲン御破産/松尾スズキ★



■DMが届きました。
キャー!

2002年10月22日(火) 世界文化賞受賞/ジャン=リュック・ゴダール
――映画を作り続ける理由

「他のことができないから。ただし、年をとるごとに映画を作る難しさが分かってきました」

 
――ゴダール氏はハリウッド映画が世界を席巻している状況について批判してきたが

「私が反米的といわれると、なんだか笑ってしまう。

私は金曜や土曜の夜に見る映画として、同じ駄作なら米国映画の駄作を選んでしまいます。

それがなぜだかは私にも分からない」


★世界文化賞受賞/ジャン=リュック・ゴダール★

2002年10月21日(月) ホフディラン活動休止/岡村詩野
8月の暑い日、活動休止を決めたばかりの2人に会った。

ワタナベイビーは「雄飛のことを悪く言うヤツがいたらこれからも俺が許さない」と言い、

小宮山は「僕とワタナベくんにしか出来ないマジックは今ももしかしてあると思う」と言った。

方向性の違いが活動休止の理由にならないのは本人たちもわかっているようだった。

だって、最初から何から何までが違う2人だったのだから。

それでも別れを決意した2人には、かなりの勇気があっただろうと思う。
 
一番好きなアルバムはファースト『多摩川レコード』と言うワタナベイビー。

かたや最新作『PSYCHO POP KILLER BEE』と言う小宮山雄飛。

要は、それが理由ということだ。


★ホフディラン解散/岡村詩野★

2002年10月20日(日) ルナティック雑技団/岡田あーみん
受験もフラメンコもいろいろあった方がいいよ

生活の仕方が賢くなる


★ルナティック雑技団/岡田あーみん★

2002年10月19日(土) さようなら、ギャングたち/高橋源一郎
わたしはたくさんの詩を書いてきた。

しかし、わたしの詩の読者はいつも少なかった。その数はかなしいほど少なかった。

わたしが20歳になるまで、私の詩の読者は三人しかいなかった。

一人はわたしだった。

わたしは、わたしの書いた詩をたんねんに読み、作者にファンレターを出しつづけた。


「くじけずに頑張って下さい。きっといいことがあります。ぼくが保証します。

イジドール・デュカスさんは死ぬまでたった一人しか読者がいなかったのに。

いつだってトム・ソーヤみたいに元気一杯でした。

歴史上、詩人の六割はたった一人しか読者をもちませんでしたし、

自分の書いた作品にうんざりして読もうとしなかった詩人もざらにあります。

読者が少ないことを気にしないで下さい。

それから一つだけ気になったことがあります。『コンドーム』は何の暗喩ですか?

『疎外された性』の暗喩だとしたら、ちょっとイージーすぎないでしょうか?

ではごけんとうを祈っています      

一読者より」


一人はわたしの母親だった。

わたしが詩を書いて送ると、わたしの母親は必ず折り返しで現金書留を送ってきた。

わたしの母親は、わたしの詩のどれを読んでも、金の催促だと思っていた。

   ◇

わたしは詩を解釈するのも苦手だ。

わたしが詩を読む時、感じる感じ方は「おや、すてきだぞ」か

「あれ、ひどいなあ」の二通りしかない。他には、ない。


★さようなら、ギャングたち/高橋源一郎★

2002年10月18日(金) 火星のカノン/阿部正也
とおくできこえる あなたのセレナーデ

わたしはつぶやく かせいへつれてって


★火星のカノン/阿部正也★



■シアター・イメージフォーラム

風間志織監督。
これは劇中で女の子が歌ってた歌の歌詞。

リアルリアル言われているこの作品に、ちっともリアルさを感じられない
自分の問題とかも感じつつ、でも逆にSFみたいに楽しめて良かったなぁと思いました。
あと「せつない」とも言われてたけど、せつないというよりは
「ひっどいなぁ」という感じなように思ったり(やな感じではなく)。

長塚圭史さん、中村麻美さん、小山田サユリさんのトークショー付きでした。

2002年10月17日(木) 海を見に行こう/草野正宗
何もない? 何かある? この道の彼方に


★海を見に行こう/スピッツ★

2002年10月16日(水) 清水基吉宛ての書簡/森田たま
へうたんから駒が出たみたいに議員なんかになってしまって

俳句の世界にもすっかりごぶさたになりましたが

(もともとほんたうの俳句などつくれなかったのですから)


★清水基吉宛ての書簡/森田たま★

2002年10月15日(火) 永田泰大
もっとも困ったことは、言う程困っちゃいないということだ。

そこで「困ったことに言う程困っちゃいないんだ」と口にしてみたのだが、

通じるどころかバカにされてると感じる人もいるみたい。

こんなにピュアなのにな。


★永田泰大★



■ファミ通とかってまったく読んでいなかったので、
桜玉吉さんやら餅月あんこさんを知ったのも結構最近だったり。

この永田さんもファミ通に関係ある人みたいでした。

2002年10月14日(月) カエル配りの日々(10月12日)/アライユキコ
日本総合悲劇協会『業音』(作・演出・松尾スズキ、出演も)を観に行く。

凄い舞台だった……。


なんだか決意の溢れた舞台だったのですよ。松尾スズキは変化していくぞって感じ。

あと、こんないやらしいことをやってるけど、オレがんばったからいいんだっていう開き直りに見せ掛けた野心のようなものがあって

(ほんと、すごいっすよ。若い男のコなんて観てるあいだたいへんなことになるんじゃないか……)。

少し考える頭があれば、絶望しかできないような現在を、それでも惰性で生きて行く、

自覚して生きて行く、それが「希望」だ……っていうような芝居だと思った。

公演の終わりのほうで、できたらあともう一回当日券で観にいこうと思います。

そのころまたちゃんと感想なり書いてみよう。今はまだ「がーん」としててうまくことばになりません。


★カエル配りの日々(10月12日)/アライユキコ★

2002年10月13日(日) とらばいゆ/大谷健太郎
君が将棋に負けたら、僕は晩ご飯抜きなのか?


★とらばいゆ/大谷健太郎★



■毎年楽しみなしんゆり映画祭で。

「とらばいゆ」も監督のトークショー付きで600円。
瀬戸朝香をこてんぱにやっつけるメガネの中学生女流棋士にちょっと憧れました。

2002年10月12日(土) 人生是放浪也/天本英世
――自宅に電話がないっていうのは……

あ、それはホント。電話もないし、携帯なんか持ってない。

だいたい家は寝るところだからね。電話なんかいらないんだよ。


――じゃ、どうやって連絡とるんですか。

ぼくはね、午前中と夕方は三宿のジョナサンにいるの。

事務所からもそこへ連絡してくるんだよ。

郵便とか宅急便もジョナサン宛てにしてもらってるんだ。


――店員さんが荷物とか受け取ってるんですか。

ウン、だって家だといないこともあるじゃない。

留守で再配達とか面倒くらいからさ。

ジョナサンなら24時間、誰かいるでしょ。


★人生是放浪也/天本英世★



中州通信の2001年3月号から。 特集は「放浪のススメ」。

2002年10月11日(金) はじまり/松田マヨ
後悔するのは待って こんなに

愛しい程照らす 月が見てる

泣いたりするのは待って 今から

君を楽にするから 笑っていて


声を聞いて眠れば

君はきっと夜明けを知る


★はじまり/Daisy★



■松田マヨさんは好きですが、これは完全にジャケ目当て(藤子Aさん画)で購入。

2002年10月10日(木) スティル・ライフ/池澤夏樹
彼は手に持った水のグラスの中をじっと見ていた。

水の中の何かを見ていたのではなく、グラスの向うを透かして見ていたのでもない。

透明な水そのものを見ているようだった。


「何をみている?」とぼくは聞いた。

「ひょっとしてチェレンコフ光が見えないかと思って」

「何?」

「チェレンコフ光。 宇宙から降ってくる微粒子がこの水の原子核とうまく衝突すると、光が出る。

それが見えないかと思って」

「見えることがあるのかい?」

「水の量が少ないからね。たぶん一万年に一度くらいの確率。

それに、この店の中は明るすぎる。光っても見えないだろう」

「それを待っているの?」

「このグラスの中にはその素粒子が毎秒一兆くらい降ってきているんだけど、

原子核は小さいから、なかなかヒットが出ない」


彼の口調では真剣なのか冗談なのかわからなかった。


「水の量が千トンとか百万トンといった単位で、しかも周囲が真の暗闇だと、

時々はチラッと光るのが見えるはずなんだが、ここではやっぱり無理かな」


「微粒子ね」

「ずっと遠くで星が爆発するだろう。

そうすると、そこから小さな、ほとんど重さもない粒子が大量に宇宙全体に飛び出す。

何千年も飛行して、いくつかが地球に落ちてくる。

いくつかって言うのが、このグラスに毎秒一兆くらい」


★スティル・ライフ/池澤夏樹★



■小柴昌俊さんのノーベル賞受賞のニュースで「ニュートリノ」という言葉を聞いた時、
なんかこれ読んだことある、と思ったのですが、探してみたら「チェレンコフ光」でした。
全然ちがった。

でも実際「ニュートリノ」と「チェレンコフ光」はどのくらい遠い言葉なのか、
っていうとそれもわからないのですが。

2002年10月09日(水) 部長より今日の一言(10月8日)/松尾スズキ
本番だあ、本番だあ。怖いよ、本番だあ。

ちょっとトラウマになりそうな怖いシーンがあるのだあ。

みなさんは怖くないかも知れないが私は怖くて仕方ないのだあ。





★部長より今日の一言/松尾スズキ★




■今日は、日本総合悲劇協会の『業音』初日。
私も26日に観に行く予定です、楽しみ。

2002年10月08日(火) 「演劇」と「笑い」のはざまで/宮藤官九郎
松尾さんって、不思議なことを気にしてることがあるんですよ。

「え、そんなこと気にしてたんだ」みたいな。

たとえば、河原(雅彦)さんにこういうふうに言われて、こういうふうに返したいんだけど、

あの言い方だとこういうふうに返せないんだよな、とか。

そういうところでものすごく繊細なこと考えてる。

その割にはバナナを口から出したり、そういうのは平気なんだ、っていう(笑)。

だからそれは松尾さんの美意識ですよね。

   ◇

たとえばダチョウ倶楽部のフォーメーションとかすごく好きなんですよ。


★「演劇」と「笑い」のはざまで◇SWITCH vol.20/宮藤官九郎★



■私もダチョウ倶楽部は好きです。特にリーダー大好き。

2002年10月07日(月) 体内に鳴り響く業/松尾スズキ
人間が堕ちていく瞬間というか、水は低い方に流れるという話をやりたいんです。

どんどん堕ちていく、堕ちていくということに関して甘美な思いを抱いているような。

   ◇

過去の作品に人が堕ちていく話はいくらでもあるけど、もっと面白がっていたから。

今はそうじゃなくて、もっと切実に堕ちていくことを受け止めざるを得ないという感じなんですよね。

   ◇

他の劇団には絶対できないようなね。

そして本当に一回性の、もう再演もできないような。

再演したらカミさんに怒られるくらいの話にしたい。

結構ぎりぎりなところに自分を追い込みたいという気持ちがあって。

やっぱりなんかこう、ルーティンワークになってきているんですよ、劇場をとったから芝居を書くっていう。

その関係性一回壊したいぐらいの欲望を作品に持ち込んでみたい。

堕ちていくという妄想から脱却するためにも、完全に堕ちて底につきたいというか。

完全に底にタッチしてまた這い上がっていくという、そういう再生の話。

   ◇

どこまでが本当でどこまでが嘘かというのは、自分の中でもわからないくらいにシャッフルしておきたい。

俺は荻野目慶子に恋をしているのかしていないのかもわからないみたいな。

そこはあえて明確にしたくないんです。

今、意図的に恋をしようとしてるんですよ。

そんな意図的な恋っていうのは成立するのか。荻野目さんにもまだ言ってないですけどね。


★体内に鳴り響く業◇SWITCH vol.20/松尾スズキ★

2002年10月06日(日) ドラクエと僕/永野宗典
この夏、玉田君をサポートするかたちでドラクエをやり始めました。

この歳になってもね、僕も勇者みたいに成長せんとイカンなーってプレイしながら

思っちゃったりして、悶々としてきた気持ちをね、だましだましゲームするんですけど、

これは相当体力いりますよ。っていうか胃酸が出る。

小学生の頃にやった時は、平気でレベル99になるまでやってたのになぁ。

もうあの頃とは違って、何かせっぱ詰まってるなぁ。

不老不死になるアイテムどっかに落ちてねえかなあ。


★ヨーロッパ企画 『ロードランナーズ・ハイ』パンフより/永野宗典★



■しもきた空間リバティ

2002年10月05日(土) 絵本画家の日記/長新太
○月○日

老人になってモーロクすると、子どものようになる。

そうすると子どものような絵が描けるのだろうか。

そうだとしたら1日もはやくモーロクしなければならん。

セッセ、セッセと老人になろう。

あわてて老人になる、というのもむずかしい。

それになんだかヘンだ。

しかし、いい絵が描けるんだから、はやくモーロクしなければ、と決心する。

でも。すぐにさみしくなる。


★絵本画家の日記/長新太★

2002年10月04日(金) 絵本画家の日記/長新太
○月○日

本になったときとてもいやな思いをするので、できるだけ書き直しをする。

そのうちに、描いている絵がいいんだか、悪いんだか、わからなくなり、胸が痛くなる。薬をのむ。

休もう、休もう。時間をおいて、また描いてみようと、思う。

胸が痛くなるのは神経性、と医者は言う。


★絵本画家の日記/長新太★

2002年10月03日(木) 絵本画家の日記/長新太
○月○日

ある所でインディアンの子どもたちの描いた絵を見た。

見ているのはわたし1人。

紙に描いたもののほかに、薄い布に描いた壁かけもある。これが欲しくなる。

はずして、まるめて、頭に巻き、その場を脱出しようと思った。

ドロボーになろうとした日。


★絵本画家の日記/長新太★



■またまた長さんの日記から。

2002年10月02日(水) 絵本画家の日記/長新太
○月○日

生真面目というのも困りものだ。

良識派を自認しているから、正々堂々としている。

児童書の選択なども。コンクリートで出来たようなものばかりえらぶ。

たまには悪口も書きたくなるよ。

「ナンセンスに感動がありますか?」なんて詰問する。

あるのでゴジャリマスヨーダ。


★絵本画家の日記/長新太★



■また長さんの日記から。
これも直筆で、ゴジャリマスヨーダ、は少し太く書かれてます。

2002年10月01日(火) 絵本の周辺/土井章史
父、つまり僕は、子どもの本“絵本”の編集者で絵本がとても好きなのであるわけで、

その子どもは、さぞかし厳選された“いい絵本”を与えられているのだろうなと思いきや、

何をかくそう敢えていおう。

父は大切な絵本は、子どもの手の届かない本棚の奥底にかくしてしまうのでありました。

   ◇

僕が親として子どもをとりまくエンターティメントを見ていると、見事に節操がないわけで、

いってみればなんでもアリ、なんでもOK。

僕としては並べるのもイヤなのですが、ウルトラマンの絵本と長新太の絵本というのは、

子どもの中では、わけへだてなく併存していて、実際に子どもの本棚に並んでいるのです。

そこで僕ら親は、子どもの美意識というものに期待してしまうわけですが、

   ◇

僕は、子どもに「どうだオモシロイだろ!」といって父の好きな絵本を見せるわけです。

そんなときの子どもは、ちゃんとカケヒキができていて、「オモシロイ」といえば

父が喜ぶことは、わかっているので「オモシロイ」というわけです。

   ◇

子どもが、「長新太の絵本が、井上洋介の絵本が、ススキコージの絵本が、片山健が、

木葉井悦子が好き」なんていってこられると、それは、なんか大人びて見えて気持ちワルイ気がする。


★絵本の周辺/土井章史★



■土井さんはトムズボックスの主宰の人。

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