先週金曜日会議，そして土曜日教授会，終了後大急ぎで南草津での学生コンパ，そして合宿で，日曜日はＢＫＣで学生指導という具合に，よく土日に仕事が入る。木津川計先生曰く「忙しい」とは，立心偏つまり心に亡と書く。だから，心が亡ぶ。忙しいと心が亡ぶ。こう言われていたのを思い出す。だから，心が亡ばないように，金曜日夜に，わざわざ大阪へ出かけ，天満天神繁昌亭で落語を楽しんだ。夜の席は昼と違ってすいていることもあるようだ。その日がそうだった。それだけ，演者とは近く感ずる。

　なぜ出かけたのかというと，当日は「幻の」落語家桂小文吾師が出演していたからだ。京都出身で落語修行ののち，ある事情から山陰に移り，落語をやめていたけれど，最近再開し，特に山陰で活動しているが，去年1度大阪で話し，今年も繁昌亭に出演されたわけだ。

　実は，私が初めて落語の実演を見たのが，若かりし小文吾師であった。小学校の作法室という和室で行われた落語会で初めて落語の実演に触れたのだった。それで，是非とも行こうという気になったわけだ。小文吾師は73歳とかで，お元気そうであった。珍しい話を聞くことができた。これで，心も亡ばずにすむだろう。

　ここへきて，ようやく猛暑も過ぎ去り，今朝の京都の最低気温は17.9度と報じられている。肌寒く感じるくらいだ。ようやく秋の気配を色濃く感じられるようになった。これから研究もできそうだ。なにせこれまで，暑さと出張や採点などで研究の方に割ける時間が限られていた。ようやく，自分の時間を取り戻せるのではないかと思っている。この１０月には学会発表もある。でも，学会発表ができるのは，幸いなことである。そういう時間を過ごせるのは，我々には大変有り難いことだ。

　この１週間は何をしていたのだろうか。とにかく，採点，採点ではあった。でも，特殊講義をお願いしている近藤先生の講義でのゲストスピーカーでジャスダック・ネオ上場２社のバイオベンチャーの社長さんのお話は有意義であった。懇親の場でもお話し頂くことができ，幸いだった。

　その他，大学院の行政がらみの電話連絡も頻繁だったのが今週の特徴だろうか。夏期休暇も終わりに近づき，昨日は執行部会議だったし，今朝は，大学院委員会という具合に，諸会議も開かれ始めた。

　明日は，引き受けていた講座を大阪で午前中担当し，午後には大学院のゼミを開く。明後日は顧問を引き受けている経営研究会同窓会からお招きをいただいている。こういうおつきあいは大事にしていきたいと思っている。人間関係の大切さは，最近しみじみ思う。自分にとっての一番の財産は卒業生などとのつながりであり，その他いろんな人間関係がそれらを中心にできあがってきている。これらの財産を大切にしていくことで，自分という「人間」が豊かになるのだと思う。

　今年も，例の採点作業に追われている。こんな時に限って，読みたい本が山ほどある。で，気分転換に本を読む。そうでもしないと，心の平衡が保てない。おまけに，今年の異常気象で，暑さが続き，疲れがたまる。数日前から，胃腸の調子が悪く，胃腸薬を服用しながらの作業が続く。この夏の暑さが，そして，九州，広島，松本，北海道，という出張で，ついつい，暴飲暴食になっていたのかもしれない。なんやかんやで，疲れが出てきているのだろう。そこへこの採点作業。ま，お務めですね。

　あまり生産的とは言えない作業が続く中で，一服の清涼剤として読書がしたくなる。竹森俊平「中央銀行は闘う」（日本経済新聞出版社）など，大変面白く，採点そっちのけで，ついつい，読んでしまう。いままた，富山和彦「カイシャ維新」（朝日新聞出版）にはまりそうになっている。

　でもこういうのを読まないと，心の平衡が保てない。採点作業も，こういう読書で心の平衡を保っていると，それなりに進むように思う。

　９月に入ったというのに毎日暑い。昨日の京都の最高気温38.1度は9月の観測史上最高の暑さだ。この暑さの中を飛び回っていて，なおさら暑く感じる。昨日は大阪でセミナーを開いたが，どこにいても暑かった。

　今日5日になって，久しぶりに朱雀の研究室で一日過ごせそうだ。もちろんその途中に大学院のセミを開くが，それでも10日ぶりに研究室での一日となりそうだ。ということで，この10日間飛び回っていて，落ち着いて研究していないと言うことになる。もちろん研究会やインタビューで過ごしていたので，勉強にはなった。これから落ち着いてまとめに入る必要があるわけだ。

　もっとも今度の木曜日から，金融庁のお仕事でひと月あまり苦しめられそうだ。その間にもいろいろ仕事が飛び込んでくる。ま，文句を言わずに仕事をしましょう。

　札幌はとても暑かった。行った日８月３０日は９月間近なのに，今夏最高の34.1度と，京都と変わらぬ暑さだった。今日９月１日に京都へ戻ったが，今日の昼の札幌も結構暑かった。異常気象だと思う。それでも京都よりさわやかに感じた。今回の札幌出張は，よく学びよく遊び（のみ且つ食い）の３日間だった。昨日２日など朝から夜の９時まで勉強をして，それから「すすき野」で呑み且つ食った。気持ちの良い疲れ，それと，よく食べたので，今日我が家へ戻って，おそるおそる体重計に乗ってみて，そのおそれは的中。何と１キロほど超えていた。食べ過ぎに注意しましょう，というところだ。

　はてさて，明日からの東京も暑そうだ。今年の夏は，あまり動き回りなさんなと，現代人に警告を発しているのだろうが，その警告は聞こえてきているものの，思うように応えられないのが実情だ。