十夜一夜...Marizo

 

 

「教えて おじいさん」 - 2021年04月05日(月)

郵便局に入った瞬間の違和感。
それが花の香りだと気が付くまでに少し時間を要した。
窓口のカウンター上に飾られたアレンジメントフラワーは
一つ目につくと次々に我も我もと視覚に入ってくる。
持参した郵便物を窓口に出しながら、ひときわ大きなそれを見ると
花に囲まれた真ん中の立て札には
「祝・○○(個人名)局長就任」と書かれていた。
送り主は○○(局名)郵便局一同となっている。

お花は大きさに違いはあるものの
ざっと見渡しただけでも20個前後はあった。
そしてそれらはほぼ全てが別の地域の郵便局からの
ものであろうことは容易に想像がついた。

4月。人事異動の季節。

思わず窓口の女性に花を見ながら
「こういう風習があるのですか?」と問いかけたところ
その女性は笑顔で「局長が代わったものですから」と答えた。

私は何度か知り合いにお花を贈ったことがある。
それは不祝儀であったり、開店祝いであったり、結婚祝いであったり。
必要な時は立て札をつけてもらった。
贈った先がそのお花をどうするかは私の預かり知らぬところだが
最近は斎場や仏間、または店舗前に飾ってある写真を
お礼と共にメールでいただくことが多い。
その類と同列と思えば…まぁ…思えなくも…ない…か…か?

正直に言おう。
「なんか変」

もっと正直に言おう。
「バカなの?」

身内から贈られた「局長就任、おめでとう」の花を
客前に出すことは普通のことなのだろうか?
局長室(というものがあるのならば)内に飾るものではないだろうか?
っつーか、そもそもお祝いの花なんか必要?


ものすごく当たり前に飾られた花たちと窓口の女性の笑顔。
これは世間一般では当たり前のことなのだろうか?
もしかして私のほうが変なのだろうか?

教えて、おじいさん。
Marizo


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