十夜一夜...Marizo

 

 

「最後に」 - 2002年08月26日(月)

毎朝会社へ出勤している。
ここ数年は 半ば惰性のような状況ではあるけれど


毎朝 自分の机のパソコンの電源を入れログインをする。
顧客管理ファイルを立ち上げ 社内イントラネットの
受信トレイを立ち上げ ほぼ毎日変わらないメンバーからの
特に緊急でも必要でもない ただ社員だからという理由だけで
送られてくるメールを削除していた時
それは突然 目に飛び込んできた。


「最後に」という件名で4000人の全社員宛てに
先週の金曜日の夜遅く出されたメールは
一週間の始まりに読むには 重すぎて暗すぎて
受け止める事がなかなかできずに
見なかった、知らなかった事にしたい欲求にかられた。


気がついているけれど気がつかない振りをするようになった。
気がついてしまうと自分が苦労するような気がした。
気がついて苦労した自分が報われないのは嫌だと
思い始めたのはいったい いつからなんだろう?


そのメールは結局 一部の社員や社員を語る匿名の
掲示板をひとしきり賑わせて記憶の彼方に薄れるのだろう。
大きな輪を動かす歯車は小さくて その一つが欠けても
大きな輪は何の支障もなく回りつづけていく事を理解し
自分は小さい歯車の一つなんだと認識した時から
何も気がつかない振りをするようになったのかもしれない。


そのメールの送り主は月末で会社を去るらしい。
気がついて行動を起こした事を
後悔しない人生であって欲しいと願っている
Marizo


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見送り - 2002年08月17日(土)

今日 バイク仲間が夏休みの北海道ツーリングを終えて
本州へ帰るのに苫小牧のフェリーターミナルまで
見送りに行って来た。
苫小牧までは 下道で一時間半。
ゆっくり行こうとファルコンに乗り
早めに家を出た。
フェリーターミナルまであと5キロぐらいの信号待ちで
ミラーに映る荷物満載のツーリングライダー。
「今年は本当にお天気悪くて大変だっただろうなぁ。」
なんて思いながらボンヤリしてたら
突然 右隣で「バババンッッ!」
見ると まひちゃんだった。
右手を上げて「おぅっ!!」
そしてすぐ左隣で「ボボンッッ!」
見るとはんぞうだった。
左手を上げて「よっっ!!」


なんかこうゆうのがいいね。
向う先は一緒でも自分のペースで走っていって
その場所で「おうっ!」っていうのがね。
なんか胸がジーンとしたんだぉ。
Marizo


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晩御飯 - 2002年08月16日(金)

もうすぐ仕事が終わると言う時間を見計らって
電話をかけてくる高校からの友人がいる。
「今日 真っ直ぐ帰るのぉぉお〜?」
高校を卒業してすぐ働き始めた二人は
しばらく音信不通だった時もあったが
ここ何年間か 業種は違えど働くオンナとして
時として 同じ喜びや不満を持ち
時として 傷の舐めあいをする仲である。


そんな時 実家暮らしの身分としては
家で晩御飯の用意をしている母に「ご飯いらないコール」を
するのが礼儀になっている。
会社の電話を使って 母に電話をし終わった時
隣の席の後輩が一言
「いいですね〜。おうちに帰ったらご飯があって・・」
後輩の実家は道内だが地方にあり
札幌市内で独り暮らしをしている後輩は
仕事に疲れている体で電気のついていない部屋に帰り
そこから自分一人の為に晩御飯を作るという
荒行を毎日行っているのである。
そう。これは私にとってみると荒行以外の何ものでもない。


この話を同じ境遇の姉にしたところ「ウンウン」とうなずきながらも
先日 母から同じ話を聞かされた事を話し始めた。
母は友人が多く よくパークゴルフとか 夏はキャンプとかに
出かけては土曜や日曜日の夕方に帰ってくる。
そんな時 一緒に遊んだ友人達に
「いーわねぇ〜。娘さんがいるから帰ったらご飯あるんでしょ?」
と言われたそうである。
母は幾つになっても荒行をすることなく
母が元気なうちは私も姉も荒行とは無関係なのだと気がついた時・・・


精神修行がなってないオンナ達の行く末を
きっと父はあの世で心配しているだろうなぁーと
思ってしまった2002年のお盆であった。
Marizo


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誕生日 - 2002年08月04日(日)

8月はまわりに誕生日の人が多い。
今日は姉の誕生日。
昨日は高校の時の友だち、そして明日は
バイク仲間の一人が誕生日である。
まぁー多いと言っても3人なんだけどね。


自分の誕生日の時は なんか・・・こう
自らは進んで言わないけれど
誰も気がついてくれないと それはそれでちょっと悲しい。
もうこの歳になると 親もわざわざ晩御飯に
鶏の足に銀紙まいた 記念日料理も作っちゃくれない。


なるべく忘れないで「おめでとう!」って
ポストカードの一枚でも送ってあげると
きっとほんわかした気持ちになるかなぁーと
思いつつ 実行はしていない。。。。。


よし!!これを機会に来月からやってみようかな?
もちろん恩を着せようとかそんなやましい気持ちはないので
安心して みんなほんわかしてくれぃ!!
Marizo


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ブラジル - 2002年08月02日(金)

先日 南米のアルゼンチンと言う国が破産した。
アルゼンチンでは銀行の口座が凍結、もしくは引き出し金額の
規制がなされ困った国民は 隣の国に行って預金を引き出し始めた。
その為 今日はその隣国の銀行までもが全取引を停止してしまった。
そしてそのまた隣国のブラジルでは
昨年一年間で二千億とも四千億とも言われる債券を
この日本で発行し その債券を購入した個人投資家が
いいとばっちりをくっていると言うわけである。


ブラジルと言えば6月のワールドカップで見せた
華麗な技を持つカナリヤ軍団。熱狂的なリオのカーニバル
極東の島国 日本よりはよっぽど世界的に認知されている
そんな国が財政破綻すると多分困るのはブラジル国民よりも
ブラジルが発行した債券を購入した 日本国民だというのは
おかしな話でもある。


お金がないと不幸せであると つい最近まで思っていたし
多分これからも宝くじを買いつづけるだろうけれど
実際 どんなにお金を貯めたところで
日本が破産してしまったら 何の意味もなくなってしまうのだ。
一時期のいい学校に行き 一流と言われる会社に就職すれば
人生安泰という考えが今はもう 過去のものになっているように
お金がなければ不幸せと言う考え方が
ブラジル国民のあの強烈な明るさにかき消される日も近いかもしれない
Marizo




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声 - 2002年08月01日(木)

一日平均 20〜30件の電話をかけるのが仕事である。
他の人よりは少ない方である(多い人は50件とかかける人もいる)
言い訳がましいが 御用聞きの電話だったら100件でも
かけられるが(がははは・・かけた事ないけど)
毎回かける前に どうやったら話を聞いてもらえて
しかも納得してもらえるかと 作戦を立てるので
実際に話す時間は10分でも考える時間が20分かかるのである。
という そんな勝手な言い訳はおいといて・・・

耳障りのいい声(自分にとって)に弱いのである。
耳障りのいい声に接するとそれだけで
この人はとてもいい人だと思い込んでしまう性質である。
思い込みは その人の外見にまで及び
素敵な声を聞いた瞬間から 頭の中には
ロマンスグレーのリッチな紳士が出来上がってしまうのである。
間違いなく 当たらない幻想だとわかっているのに
懲りもせず毎回、毎回頭の中に画像がでてきてしまうのだ。

こっちが勝手に想像しているので がっくりするのも
びっくりするのもこっちの勝手なのだが
今日は本当に驚いた。
電話の向こうにには「シロガネーゼ」的な上品でか細い奥様が
いた筈なのに 実際会ってみたらかなりフクヨカで
しかも相当の汗っかきであった。
理想の奥様は人前でくしゃみの一つもしないし
持っているハンカチは白いレースのハンカチの筈が
実際は街角でタダで配られている 消費者金融のティッシュで
汗を拭いていたのである。

気を取り直して 笑顔でお話をしていたら
そのお客様に笑顔で言われたのが
「MZOさんって もっとお若い方かとおもっていたのよ。」
Marizo


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