放った矢が跳ね返って来て
自分の胸の奥に突き刺さった

ほんの小さな棘みたいな
痛みなのに

アナタの前だと
どうしてこんなに素直に泣けるの？？

｢イトオシイ」って抱き締めてくれて
一緒に泣いてくれて
ありがとう・・

シアワセだよ
あったかいね
ふわふわしてるよ

いつもするりとすり抜ける
私をどうか許してね・・

追いかける事にも疲れてしまい
私はただここにいる

ひんやりして来た空気の中で
空に尖った一粒のミカン

真っ黒で星も見えない夜
ときおり鳴いている猫たちの声

汚い過去は消し去りたい
醜い生き物は見たくない

欲しいモノは手に入らず
要らないモノばかり纏わり付く

この殻を全部脱ぎ捨てて
もう一度再生してみようか

搾り出すように涙を流して
新しい夜に背筋を伸ばす・・

グレープフルーツのカクテルを
飲みながら
メールが来るのを待っている

時折り雨は激しくなって
アタシのイライラ感を募らせる

あの時のアタシの決断が
それからのストーリーを
作り出していったね

お伽話のように
なんだか絵本を見ているようだよ

綺麗なアナタと汚れたアタシが
作り物の恋をして

だけどまやかしの想いを
引き摺ったまま今夜は眠れない

あるはずも無い噂を言いふらす
あんたのその醜い唇を
切り取ってやりたい

行く先々でいい顔を振りまいて
アタシはいい人ですって
宣伝して回る

小賢しくて腹黒い虫けら
踏み潰してやりたいけど
もっと生かして苦しませてあげる

あんたが苛められたのは
自分のせいだよ
嫌われる素質を充分持ってる

あんたなんか好きじゃないけど
嫌いになるほどの価値もない

白いナニも無い世界で
アナタの薄い唇からは
きっと嘘ばかりが吐き出される

うっとりするような綺麗な嘘に
身をまかせて絡まって
もう解けなくなっている

それでも夢見心地で
何をされても平気でいられる

アナタの幻と感じ合っていたい
この世が終わるまで
ずっと繋がっていたい

私は待ってる
もうきっといないはずの
アナタをずっと待ってる

空が泣いている
土砂降りの涙を流して
空っぽで泣けない私の代わりに

カラダを少しずつ千切って
魂を少しずつ売って
ぬくもりを買い集める
偽物だらけのコレクション

早く真っ白にならなくちゃ
黒く塗り潰されてしまう
マーブル模様の私

クルクル回りながら
渦の中に溶けていって
いつのまにか消えていく
泡沫の夢のようだ

いつか　旅立って行く
薄紫の　霞の中を
足元が　見えないまま
道なき道を

透明な　天女の羽衣
シフォンのドレス
身に纏い

ただ　導かれるままに
耳を澄まし　声のする方へ
背中を　押されるように
手探りで

迷い　悩み　倒れ　眠り
そして
また起き上がり　歩いて行く