白虎草紙
『遙か』の白虎組についての四方山話、SSなどです。

2007年09月25日(火) 或る個展によせて


 

ご無沙汰いたしておりました。

皆様には、お元気で、ご活躍でしょうか。




きのう午後、大好きな、
或る画家の、個展へと、出掛けておりました。



その方の、作品は、
時間を掛けた、油絵も、
さっと、描かれた水彩も、
本当に、ことごとく、こちらの胸に来て。


並ぶ、一枚一枚の、
絵の前に、立つたびに、
まるで、心の中にある、
筋肉を、もみこまれ、
緊張を、ほぐされて、弛緩をするように。


うっとりと、とろかされ、
体中、あたたまり、
幸せで、何かもう、たまらなくなります。





人体の、デッサンを、
することを、禁じられ、
けれど、生涯人間を、えがこうとした人。 


一切の、妥協なく、
下書きを、繰り返し、
たった、ひとつの本物を、えがこうとした人。




自身への、妥協ない、
そういった、厳しさが、
逆に、かかれた作品を、あたたかくするのを。



こんなに眩しくすることを、見る者は知らされ。




その人を、知るほどに、
作品を、見るほどに、
作品も、その人も、いとおしくなります。








今、手元に買い込んだ、図録がありますが。


中を、めくって見ていると、
ぬくもりが、蘇り、
また、ふたたびあの場所へ、出掛けたくなります。


















 



2007年09月18日(火) メルフォにつきお知らせ


 

いつも、お訪ねくださいまして、ありがとうございます。



これから先、断続的に、
家の、事情がありまして、
やや、バタバタしますため、
メールフォームを一時だけ、取り外しております。


メルアドを、ご存知で、
お急ぎの件がありましたら、
直接そちらにお送りいただけましたら幸いです。


ご不便をお掛けしますこと、
大変恐れ入りますが、
ご了承の程、どうぞよろしくお願いいたします。















2007年09月14日(金) 旅日記・番外編 「国際会議中」

  




戦争の、ない星を、
めざし、協議中――








その裏の、立役者、
同時通訳グマ。




 
 




9.11の、事件から、もう、六年が。



でも、記憶は日を経ても、薄れはしませんね。





















2007年09月12日(水) うたかたの


 

『現れて、消えてゆく、水の、泡のよう……』




全国を、駆け抜けた、ニュースに驚いて。


でも、本当のところは、
こんな、ニュースになれっこに、なっている気がした。




それは、政治のことがらに、限ったことでなく。

会社では、これ以上、
頻繁な、サイクルで、
抜擢と、更迭が、あるせいかも知れない。




この冬の、ことだけど、
自分の作った商品を、愛してくださって。


いつも、執務室に置いて、
外の、お客様に向けて、
それを、薦めてくださった、優しかったボスが。



ある、社内の問題で、職を、失った。


何も、言い訳をなさらず、
ただ、会社を守るため、即日に去られた。






驚いて、悲しくて、
でも、あまりに突然に、辞任をされたので。



ひとことの、お礼さえ、云えないままだった。







トップから、しりぞかれ、
引退を、されたあと、
あの方は、どのように、お暮らしかと思う。


















 



2007年09月09日(日) 「イージー・ライダー」


 

この頃の、空のよう、
体調が、今ひとつ、すぐれなかったので。


週末は、趣味である、街歩きを休み。
家で、懐かしの映画を、見ることにしました。


69年公開の、
ピーター・フォンダ、デニス・ホッパー、
両名優が、活躍の、
アメリカンニューシネマの傑作、『イージー・ライダー』です。



ネタバレを、防ぐため、
詳細は、避けますが、
みぞおちに、ずっしりと、
重い、パンチを食うような、
観終わって、あとを引く、そんな、内容で。


やや熱が、あったため、
観たあとは、早々に、寝たかったのですが。


お布団に、もぐり込み、
目を閉じた、そのあとも、
鮮烈な、シーンやら、台詞を思い出し。


また、映画の鍵となる、
アメリカの、成り立ちや、
あの頃の、文化やら、
ヒッピーの、ことなども、気に、なりだして…


「…ああっ、しまったぁ〜……

すごい、面白かったけど、
このままじゃ、寝られずに、熱が、上がるがな……」



そう思い、数時間、ぐるぐるとしました。





もし、その頃の映画に、ご興味がおありで。


その昔、触れました、
『時計じかけのオレンジ』や、
『テルマ&ルイーズ』や、
『突然炎のごとく』等、お好きでいらしたら。


この、『イージー・ライダー』は、よいかも知れません。





いい男、いい音楽、
あの国で、なかったら、生まれないお話。



斬新な、映像も、脳に、響きます。



もし、機会がありましたら、
ぜひ、体調の良い晩、お楽しみください――


















 



2007年09月07日(金) 横は、会議中


 

「ねっ、見てよこれ…!!

このタイトルよくない!?」



日暮れ時、訪れた、エクセルシオールで。

隣りの席に、腰掛けた、男の子が云った。



かなり、大声だったため、
本を、読んでいた私は、思わず横を見た。




「この、『ワンナイトラバー』って、自信あるんだけどっ」

「……で、内容は?」




男の子の、発言に、答えたその人は。

ちょっと、幸ちゃんを思わす、
とても、綺麗な顔立ちの、女の子であった。



「だから、一夜の恋をさぁ、女の子がするの。
そういうの、切なくて、ちょっと、憧れない?」

「……男はそうかもね」

「女の子は違う?」

「だって、女の子にとって、メリット薄いでしょ」

「ええ、そうかなあー……」




どうも、男の子のほうは、文学青年(?)で。
恋愛の、小説を、書きたいものらしく。


そして、向かいに座るのは、
学校の、友達か、
または、お付き合いしている、彼女であるらしい。




悪いとは、思いつつ、
読んでいる、本よりも、面白い話に。


思わず耳を、そばだてる、でばがめ子になった…。




「…まぁ、おいといて。

…で、そのほかに…
タイトルの候補は?」

「うん。『一夜の恋』でしょー、
それと、○○と〜」



何本か、タイトルの、候補が出されるが。
前の、女の子はどうも、気に入らないらしい。



横の、私も聴きながら、
「…その、上から二番目は、
タイトルが、お話を、説明しすぎかも〜」



胸の中、こっそりと、参加をしてしまう。






ほどなくし、内容の、話になってゆき。


私もさすがにそれ以上、聴くのは悪いので。



持っていた、本を閉じ、立ち上がりかけたが…




「…○○くん」

「?」

「ヒロインの、女の子が、
それじゃ、見えないよ。

…なんか、イメージ先行で、中身が伴わない」



そんな、切れ味スッパリな、言葉を耳にして。




(……か、かっこええ……


……“女・幸ちゃん”だ……!!)




そう思い、女の子に、惚れかけてしまった。






……自分にも、指南をば、して欲しく思った……


















 



2007年09月06日(木) 遠くから (とり急ぎ日記)


 

関西の、友人から、メールを受け取った。


「おはよ!
台風、大丈夫?
避難勧告が出てる所もあるみたいだけど…」



遠くから、運ばれた、
その、優しさに。


携帯を、握りつつ、
胸が、じんとした。




彼女には、先週に、
二つ折りの、葉書にて、
(シークレットポストカード…?)
ごく、たわいない手紙を、送ったところだが。




こうやって、折々の、状況に合わせて。

送る、ツールを選択し、お話をするのは。



王朝の、ひとびとが、
花や、料紙を選択し、
大切な、人々に、文を、書いたのと。



根本に、あるものは、似ていると感じる。

一千年、のちの世も、変わらないと思う。







天災が、本当に、多く、起きるけど。


皆様が、お元気で、ご無事であるように…


















 



2007年09月01日(土) 風が降り

 




六本木、アークヒルズの某・カフェの前

 



渋谷から、バスに乗り、その終点で降り。

日が落ちて、間もなくの、或るカフェに入った。



オフィス街の、このまちは、土曜はすいていて。


注文の、時点では、
テラス席に、居る客は、まだ、ニ・三組。


外に居る、ギャルソンも、
或る客の、わんちゃんに、
にっこりと、近付いて、遊んだりしている。






ビルがある、せいなのか、
秋の、せいなのか――

そんな、テラスにびゅううっと、時に、風が降り。


半そでの、いでたちの、私を縮ませて。

せっかくの、あたたかい、飲み物をも冷ます。





目の前の、広場には、遊ぶ、子供たち。


そしてふと、テーブルの、下へ…目を遣れば。


どの木から、風に乗り、運ばれて来たのか…


色付いた、秋の葉が、このテラスを飾る。




















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