「隙 間」

2008年07月27日(日) 「接吻」とドキドキ

「接吻」

 をギンレイにて。
 豊川悦司、小池栄子、仲村トオル主演。
 まったく無関係の一家三人を惨殺した殺人犯をニュースで知った女が、他人とは思えない、と彼の弁護士を通じて差し入れからはじまり、手紙、面会と、やがて心を通わせるようになってゆく。
 女は彼のことすべてを理解し、彼には私が必要であり、私にも彼が必要だと、そして裁判が続くなか、拘置所内の彼と結婚をし、判決後も彼と会えるようにする。
 警察にも弁護士にも、彼は一切、犯行について口を閉ざし、頑なに自分は死刑を受けるべきだと、決意していた。
 女にも犯行に関しては何も話すことはなく、女は彼のそうすることの意味も理由もわかっているつもりだった。

 が……。

 判決が出て、控訴の同意を求める弁護士に最後の最後で認めてしまう。
 控訴など有り得ないはずだと彼のことを理解していたつもりだった女は、彼との間仕切り無しでの面会を許されたその日に、ある決意をもって面会に向かう。
 もうすぐ彼の誕生日ということで生クリームたっぷりのイチゴのケーキに火をつけ、ハッピー・バースデーを歌い、さあ吹き消して、と。

 そして……。

 ……。

 何かのインタビューで、監督が「理不尽さを感じてもらえたら」と答えていた。
 つまり、作品に共感や理解を求めたりしない、ということ。

 なんで女が犯人に共感し、一途にのめり込んでしまったのか。
 なんで彼は殺人を犯したのか。
 なんでこの展開を辿っていったのか。

 無差別殺人(通り魔)事件が相次いでいる昨今、「他人事とは思えない」という、犯人側の境界に近寄っている言葉が耳にされていた。

 すべてのことにおいて、あちらとこちらの境界線は、常にすぐ足元にある。

 折れてしまいそうなとき、なにくそと立ち上がるか、折れるままに地に臥してしまうか。

 衝動に駆られたとき、一線を超えるために踏み出す力を出すか、踏みとどまるためにこらえる力を込めるか。

 どちらの力も、わたしは最近使った覚えがないかもしれません。
 使わないですむような、そんなこざかしいところへよけていっているのでしょう。

 もうじき、そんなこざかしいことができないところへゆかねばなりません。

 さあ、追い込みます。
 境界線のギリギリのところで、堕ちてゆくか、しぶとくそれでも飛び続けるか……。

 人生、ドキドキです(汗)



2008年07月22日(火) 奥歯ガタガタいわしたろうかいっ

 耐え切れず、かかりつけの歯医者に朝一番で飛び込みました。

「あらぁ、随分赤くなってグズグズになっちゃってますねぇ」
「耐えられないっす」
「前回と同じですね。反対側とか上とかは大丈夫ですか?」
「右下だけです……」

 毎回綺麗な女医さんなのに、ぼへえっとそれを楽しむ余裕なんかあった試しがない……。
 とにかく消毒して、抗生物質と痛み止めをだしてもらいました。

 疼きがおさまらないまま、会社へ……。

 痛み止めも気持ち程度しか効きません。
 痛みで常にイライラ、思考するどころではありません。
 まともに食べられないし……。

 涙が滲みっ放しでした。
 痛みによる涙です。

 くぅおら、われいっ。
 奥歯ガタガタいわしたるぞっ。

 この脅し文句の怖さが、実体験を通してわかることができました……。

 もう奥歯をガタガタいわさせないでください……涙



2008年07月21日(月) 疼く、奥の痛み……

 頭が疼きます。

 歯茎内の親不知ポケットが炎症を起こしているようです。

 ジンジンギリギリ。

 どうしようもありません。
 歯医者はやってなし、やってたとしても、消毒液を注入して炎症が治まるのを助けることのみ。

「根本的に治すには外科的な治療、要は切開して顎から削り取らないといけなくなりますから」

 へたに大掛かりな治療してなんらかの影響が出るかもしれないことをするよりも、炎症起こす度に消毒して対処したほうがよいだろう、と。

「痛みを気合いで乗り越えて、炎症が治まるのを待ってもいいんですか?」
「来院しても消毒するしかないですから、早く痛みから解放されるかどうかの違いですねぇ。痛み止めも市販のがあればそれでもいいですし」

 なら、気合いで乗り切ります……。

 これが来週に疼いていたら、大変なことになってました。
 ツイてるということでしょう。

 昨日、お好み焼きと焼きそばを詰め込んだ罰なのかもしれません。

 滅茶苦茶ぁ腹ぁ減っても、食べる気になりません……。

 蛇の生殺し、です。

 駄目とわかっているからこそ、不忍池の伊豆栄の前で、うなぎを睨んでみたりします。

 試験の参考書を読破したら、それで中身が全部頭に入ればよいのに……。

 あながち間違いじゃあないです。
 ぐいん百何十冊の物語を把握できているのなら……。

 やはり別のもののような気がしてきました。

 なんとかならんのかしらん……?汗



2008年07月20日(日) 恐れ入谷の朝顔市と「マイ・ブルーベリー・ナイツ」と「卍」

 入谷朝顔市です。

 昼飯はガッツリ露店に決定です。

 ……のつもりが、気づいたら午後三時です。

 恐れ入谷の鬼子母神。

 てけてけ向かいました。
 寛永寺を抜けて鶯谷を通り過ぎ……到着です。

 朝顔はさておき、さあ、食事です。

 お好み焼きと焼きそばと……浴衣姿の女子になぞ目もくれず、一周して店を決めます。
 お好み焼きをかけつけ一枚、そしてどうしても気になる焼きそばを……買ってしまってました。

 しかも、「爆盛り」「激盛り」「愛情盛り」「感謝盛り」の、ある意味、名物の店の焼きそばです。

「広げて持っててくださいね」

 ビニル袋を渡されて、

「いきますよ」

 パック二つ折りを広げた上に山盛りの焼きそばが、ストンと袋の中に急降下。

 こりゃあ二人前以上あるって……。
 必死で食いました。
 そういえば、去年もこの店で焼きそばを買って、この尋常じゃない量に辟易したことを思い出しました……。

 恐れ入谷の鬼子母神。

 朝顔通りの鬼子母神側に朝顔市の店が並び、反対側に露店が並び、そして中央分離帯が休憩スペースという構成なので、色気と食い気が混戦する心配はありません。

 歩くのもしんどいくらい、腹が膨れてしまいました。
 コレステロールをとりすぎましたね、完全に。
 あとでちゃんと対処しなくては……。

 連なる軒下に並べられた朝顔の鉢々の光景は、圧巻でした。

 来年は、さつきなるひとと来たいものです……。
「しゃべれども〜」のさつき(香里奈)のほうです。
 なんといっても朝顔といえば「団十郎」なのはなぜでしょうか?

 まだまだ勉強が足りません(汗)

「マイ・ブルーベリー・ナイツ」

 をギンレイにて。
 ジュード・ロウ、ノラ・ジョーンズ主演、ウォン・カーウァイ監督作品です。

 ウォン・カーウァイ監督作品は、ある種の視覚的作品な印象を個人的に持っていて、内容的にどうという期待を抱いてはいませんでした。

 偏見です(笑)

 わたしの彼独特のストーリー観(感?)は、変わらずでした。
 一年間、彼女が戻るのを待ち続ける男と、一年間もかけて彼のところにゆく気持ちになる彼女。

 待つだけなら、何事も起こりえない環境のわたしなら負けやしないぞ……笑

 それはさておき(汗)、この作品を観ていて、ダイナー・ディールズ(?)の類いをパクつきたくなりました。
 反面、そんな食事ばかりの世界では、わたしはあっという間に心筋・脳梗塞でおっ死んでしまいそうだなぁという予測も同時に……汗

 飯田橋の「CANAL CAFE」の花火が夜空を照らしました。

 今日は何日分の今日だったのか、今日なのか、落ちた日は特に曖昧に感じます。

 持ち帰った仕事の図面も、

 なぁんでおいらが設計みたいなことまでやらなあかんねんな。設計すんねんのは、先方の仕事やないのんかい?
 あぁ、めんどくさ。
 休み明けに手ぇ動かさしてもらうねんに、ネタぁ用意してあげとかんと遊ばせとくいうんなってまうし、試験前だから定時に帰らさせてもらいますいうんも言われてんし、わいかて帰りたいわ、試験のためなんて甘い理由とちゃうねんけど、いや別に試験が甘い言うん違って、そりゃあとても大事なことやし、試験受かるつもりが足りひんわてこそが、それで引き抜きをあんじょううまくいかへんことの足ぃ引っ張ってるっちうことを実体験したばかりやさかい、軽く見るいうことはないんよ。でも、試験と仕事を同じ土俵にあげて考えるいうんは、ちいとおかしい気ぃするんよ。
 会社で資格を重要視して配慮するいう風潮やけれど、なぁ。

 谷崎潤一郎著「卍(まんじ)」

 読んではいないけれど、前回の直木賞作品の川上見映子著「乳と卵」の雰囲気と通じるものがあるのじゃないのかしらん? と思い、手を出してみました。
 宮沢世界からの反動というのもあり、先日のドクとの会話の中でも、「そりゃまた対極なものにとんだねぇ」と苦笑いもされました。
 選ぶのを渋っていたわたしに、akdが「選ぶのがないなら北方水滸伝を読みなさいな(笑)」と囁いているのを聞き流しつつ(汗)、手に取ったのです。

 まあ、全文が当時の大阪弁の口調で書かれており、改行での区切りが少ないのです。

 大阪弁の会話に含まれているリズムを、そのまま文章に生かす。

「乳と卵」の受賞インタビューの中で、川上さんも「とにかくリズムを最優先させた」と言っていました。

 わたしも、今まで聞いてきたりした下町の話し言葉で会話を描いてみたりもしたことがありますが、話し言葉は生き物であって、文字にした時点で、はたして合っているのだろうかという疑念に駆られることばかりでもありました。

 まあ、谷中は下町、無職期間中に通った店に集まってるおやっさんたちとの会話だけが頼りだったりもしたのですが(汗)

 ネタのプロットというかメモ書きをしているうちに、なんややっぱり目線違うんちゃうん? と気がつきました。

 そして、やっぱり試験の一週間前だということも……笑



2008年07月19日(土) ないす、ナスだっ食う

 ガッツリ食べるぞ。

 ということで、昼飯は神保町の「徳萬殿」にゆきました。

 久しぶりです。
 ここの常識として、普通の一食は二人前のボリュームです。

 ご飯も、おかずも。

 おかずは野菜で倍の量をかせいでいるので、栄養的にはヘルシーだといえなくもありません。

 ガッツリ食べるぞ、とはいえども、さすがにそれだけの量を店の前で想像しただけで、思わずためらってしまいました。
 そんなとき、わたしの背中を押してくれたのが、

「冷やし中華」

 の文字でした。
 これならイケる、と。

 ボリュームは他の定食と同じく、ほぼ二人前です。
 今年初の「冷やし中華」、しかも山盛り。
 お酢をかき氷のシロップのごとく、ぐるぐるとたっぷり回しかけ、ゾゾゾっ、ぞおぉっ、とすすり込みます。

 ……くぅぅぅっ。

 この遠慮がちな清涼感とボリュームの喉越し感が、たまりません。
 肉厚なチャーシューの細切り、キュウリ、卵、クラゲ、トマトらの半分を堪能したころ、隣席のおじさんが気になる会話を。

「ナス肉が復活してるよ」
「ほんとだ。復活してる」

 ナスの肉炒め定食。
 わたしの一番のお気に入りメニューです。
 ナスを、おそらく丸々四、五本分を細切りにし、豚こま少々を混ぜ炒めたものですが、あるときを境にメニューからなくなってしまっていたのです。その頃(二年近く前?)からわたしの足も遠のき、すっかり諦めてしまっていたのでした。

「えっ?」

 思わず小さな声をあげ、メニューを二度見してしまいました。

 ありました。
 わが麗しの「ナス肉定食」が。
 なぜに、はなから「冷やし中華」と決めつけ、メニューをろくに確かめもせず注文してしまったのでしょう。

 旨かったし満足だったので、それはよしとして、来週は「ナス肉定食」のために、またここ「徳萬殿」に来てしまいそうです。

 ナスが、好きです。

 ナスの字があると、そこに目が止まってしまいます。
 たまにそれに気づかず、あとで発見して滅茶苦茶悔しい気になったり、というボケナスぶりを発揮したりもしますが……。

 そこでちゃんとナスを忘れてないということで、一応フォローになっているのかと……汗



2008年07月18日(金) 夢のような夢

 今朝、目覚ましのシャワーを浴びた後に久しぶりに何気なく乗っかってみた目方。

 二キロ減。

 ……いつの間にっ?

 食うもんはちゃあんと食っとろうが。
 夏やせか?

 これなら、まさに、

 ちょうど一年間で十キロ痩せたっ!

 と、苦労もせずに痩せた秘訣を本にできるかも(笑)

 痩せるに苦労はなあんもしてないけれど、それを本にする方が死ぬほど苦労しそう……汗

 ほんと、なあんも大変なことやらしてないんだもの。

 このままだったら、夏が終わる頃にはさらに三キロくらい痩せてそうやん、自分。

 へーきか?

 肉と白飯や。
 どんぶり山盛りご飯と七輪の網一面のハラミを持ってったってや。あと、肝やキモ、それとギアラにハツにミノにセンマイに、タンモト、サンカク、ハチノス……。
 ええい、白肉ぜえんぶ、並べたってやぁ。
 たまあにカルビ混ぜたってもかめへん。
 タレはネギ味噌が基本やで、塩は、あんじょうたまあに、でよろしからな。
とっとと、そこもう焼き過ぎやないのん。ほれ、ちゃっちゃととりぃな。そこ、そうそれ。あらあら、そっちも。
 なんや、けむとうてよお見いひん、て?
 無駄な口いきかんと、パッパと口いに放り込み。
 網で踊る肉煙と、卓に並べ敷き詰められた薄赤い白肉のテーブルマット。

 夢のようやわぁ……汗



2008年07月13日(日) 「プライスレス 素敵な恋の見つけ方」

「プライスレス 素敵な恋の見つけ方」

 をギンレイにて。
「アメリ」を演じたオードリー・ドトゥが、玉の輿を狙うイレーヌに。そしてホテルのしがないバーテンのジャンを富豪と勘違いして一夜を明かし、正体がバレたジャンの前から姿を消す。
 ジャンは必死に、イレーヌのために色んな口座……貯蓄口座から年金口座、庶民口座(?笑)を崩して彼女の欲しがるものに応えようとしてゆく。
 無理をしているジャンの姿を見ていないふりをしつつイレーヌはねだってゆき、とうとう一文無しになってしまったころ、もう諦めるようジャンを諭して別れる。

 ポケットにあった1ユーロコインを取り出し、「あと十秒だけ」とイレーヌを引き留めるジャン。
 なにも言えず、ただイレーヌを見つめるだけのジャン。
 もう過ぎた、と立ち去るイレーヌ。

 くぅうぅ……。
 ジャン、痛いほど気持ちはわかるぞっ。

 やがて再会し、同志となり、そしてイレーヌはジャンが自分が教えたテクニックを駆使して頼もしく見えてくるのと同時に、もうひとつの気持ちの変化に気づいてゆく……。

 ラブストーリーの王道、とはいえ、やはりそこにスゴサと洒落を感じさせられました。

 爽やかで、洒落た、
 ラブストーリー。

 ……わたしは、いったいいつになったら書く気になるのだろう?笑



2008年07月12日(土) 踊れ、終われ、そして、はじまれ

「誰にも気づかれない場所で
 ひたむき汗流す君へ……
 フレー、フレー、その心へ
 グレー、グレー、曇り空へ」

 ひたむきに汗なんて流してないじゃん、と自らに突っ込みながら、ドラマ「おせん」のロケで使っていた、

 ゆうやけだんだん

 ……谷中銀座のメインゲートの石段を、カツカツと鳴らしながら帰っております。

 はじまりのはじまりを、

 九月

 に決めました。
 まさに誕生月です。
 あとは、おわりのはじまりを告げるだけです。

「混沌としたこの世界で、
 君と出会えたことさえ
 不思議に思う通り雨
 明日、天気になれ……」



2008年07月10日(木) 黒澤監督と「銀河鉄道の夜」

 今朝、日暮里駅に向かう途中の谷中霊園で、ピカリとわたしの目を射す強い光が……。

 巨大なレフ板に反射した照明の光でした。

 わさわさと行き来している人の群れ。
 コード。
 カメラ。

「KUROSAWA FILM STUDIO」

 と書かれた機材。

 昔からの木造家屋の前にの道に吊り上げられた、赤く大きな短冊型の一枚布。

 クロ、サワ?
 ……。
 黒澤!

 プロの監督の撮影だったのです。

 学生やインディーズの撮影だろうし、足をとめて見学してたら遅刻してしまうし、と、足早に通り過ぎてしまったのです。

 そうだと気づいたのは、頭の中でローマ字を読み返してみて、あっ、と振り返った五十メートルほど先でした(汗)

 ゆっくり見学したかった……涙

 まだまだ準備中で、アシスタントさんらしき人たちばかりだったのでしょう。役者さんらしき姿もなにもありませんでしたから……。

 御茶ノ水で山田優さんと小栗旬さんを誰かが言うまで気づかなかったわたしですから、それもまたあやしいのだけれど(汗)

 さて、

 宮沢賢治著「銀河鉄道の夜」(新編新潮文庫)

 ……どうにも申し訳ありませんが、やはり、合わないようです(汗)

 宇宙の真理、生命の真理、万物の理を彼は語りたかったのでしょう。

 そんなけったいなものはわかりっこないのだから、あるものをあるがままでいいんじゃね?

 的なわたしにしてみれば、「で、だからどうなのさ?」と、当たり前のことを蕩々と語られたところでなにもないようなのです(汗)

 語るなら自分が語るだけで十分。

 てとこでしょうか……笑

 素直じゃありませんねぇ、ほんと。

「できる○○術」的なセラー本を立ち読みでめくってみたとしても、

 ……そんなの当たり前じゃん。

 と、根本的なことの共通点にだけ気づいてしまうとサラサラとわかった気になっています。

 根本的なことなんて誰だってわかる。
 根本的なことを実際的にどう活かすかが、皆わからず気がつかず、知識ではない手法を求め、それに答えているだろうありがたい本なのだ。

 とは思えないのです。

 ですからわたしは、わかっているつもりのもの知らず、というアンバランスなままなのです。

 てか、それなら日々きちんと勉強しれ、て?汗

 雨にも負けず、風にも負けず……。
 東にムニャムニャ、西にムニャムニャ……。

 馬にもならず、鹿にもならず……。
 東の風が耳に吹いても、ただパタパタ……汗



2008年07月07日(月) サミットに同じくして臨む

 サミット、ですね。

 環境問題が最大のテーマ

 ですよね?

 ……ぼやいてみます。

 自然豊かな環境の洞爺湖サミット。

 環境の危機に、今まさに瀕している、ということを訴えられる場所や環境を開催地に……の方が良いような気がした。

 温暖化問題やらを、豊かな自然を前にして議論するのと、砂漠を前にして議論するのと、どちらが相応しく思えるか。

 原油高や穀物高の深刻な問題を、ITトレーディング盛んな現場を目の前にしながら議論するとか。

 原子力発電所の隣で開催するとか。

 原子力は、エコなんでしょ?
 安全性に自信があるんでしょ?

 少々語弊がある表現をしたが、原子力に頼る結果にならざるをえないエコロジーというオール電化を進める姿をアピールしてみてくれ。

 原子力発電は発電力の強弱ができないらしい。
 強弱には、火力水力等発電で対応しているらしい。

 皆が電化し、電力に頼る。
 昼夜間の電力差が激しくなるだけだろう。
 エコキュート?
 家庭規模の努力は、悲しいがあまり効を奏しないかもしれない。

 都市部の企業ビル等がそのすべての努力を無駄にしている、という一面がある。
 セキュリティ、データ管理の為のサーバー、シックハウス対策の二十四時間換気等の空調。
 これらの消費電力はやむを得ないとはいえ、馬鹿にはできない。

 世界の問題を少数の国で話し合うのがおかしいと、サミットの中止を訴えること。

 中止がいいんだ?

 中止を訴えるんじゃなくて、国内の各国大使館に訴えかけて意見書をかき集めて提出してみたり、そんなことじゃ、ないんだ?

 開催国のリーダーシップが試される。

 世界にそんなこと、できるんだ?
 国内のそれが、できているっていうの?

 本人も重々承知だろうから、いかにしたたかにそう振る舞ってみせるか、だろうけれど。

 ……同じようにして、わたしも次の試練に望みます(汗)



2008年07月06日(日) 虫干しと「ミリキタニの猫」とカルーセルだとしても

 今日はわたしの「虫干し」をすることにしました。
ここ最近、どうにもすっきりしないことばかりだったので、空気を入れ換えよう、と。
「虫干し」に出かけるのだからパソは持ち歩かないので、荷物はこぢんまり、のはず……。
 だけど天の邪鬼なわたしなので、読みかけの文庫と一緒にネタ帳とペンだけは忘れられません。
 書かない、考えないと決めたときに限って、やたら書きたくなったり、思い描いたりすることがままあるからです。

 洞爺湖サミットのおかげで、あさがお市やらの予定が再来週辺りにずれてしまったので、まあとりあえずギンレイに向かうか、とぶらりと足を向けることにしました。

 途中のラクーアで、黄色のビニルバッグを持った女の子たちがあふれている様を見て「なにごとかしらん?」と首を傾げつつ、ドームシティでその理由がわかりました。

「夏だ!ツアーだ!ワッハッハッ!関ジャニ∞」
 がドームで催されていたのです。
 ビニルバッグにプリントされていた黄色のハチを見て、「ハドソンのイベントにしては客層が違いすぎる」と思っていたのが、ストンと腑に落ちました(笑)

 この様子じゃ水道橋のマイカフェは大混雑だろうと、直接飯田橋に向かうことに。
 その前に、若者たちのエネルギーを目ぇいっぱい浴びてから、とドーム前広場をぐるっと回って(笑)、ついでに場外馬券売り場のおやじたちの中を通り抜けて、ちょうど中和されたかしらん、と(汗)

 昨日までのことが、とんと別の世界の出来事、または大昔の出来事のように思えています。

 まだまだその途中にいるというのに(汗)

 二年前の、普通の会社勤めはしばらく無理だろう、と不安のなかの安心のようなものを覚え、とにかく書くことだけで毎日を送った日々を思い出しました。

 たったの「二年前」の話です。

 年齢にしてみたら「たったの」なんて言えないのだけれど(汗)、ぐるりとひと回りして戻ってきたような気がしてます。

 どうか、篠原さんの「S」のごとく、であるかどうかは、自分でそうと信じることでしかそうと思えないのだ、と。

「虫干し」しつつ、思うのです。
 いや、だからこそ、思うのです。

 願わくば……と。

 そして。

「ミリキタニの猫」

 をギンレイにて。
 日系人ということで第二次世界大戦時に収容所に収容され、そこで米国の市民権を放棄させられる。
 以降、反骨の人生を送ってきた芸術家……ジミー・ツトム・ミリキタニ。
 9.11、ワールド・トレード・センターが崩れ落ちるなか、いつもと同じ調子でNYで筆を動かし続けていた。

 パスポートも社会保障も、米国のものなど要らない。

 路上芸術家の彼と猫。
 主人は誰でもない、自分。

 実は、戦時の市民権放棄は無効、という証明が政府から送られてきていたことを、当時その住居を出ていた彼は受け取ることができずに、ましてや知ることもなく、過ごしてきた。

 たったひとつの、ボタンの掛け違え。

 強制収容の件は残るにせよ、もしも、と考えたときにどうなっていただろうか。

 人生に「もしも」は愚問だ。
 全ては、訪れた今日によって明日がまた今日となるべく訪れ、それが繰り返してゆくものなのだから。

 今日を過ごさなければ、
 明日は、来ない。

 だけれども、

 明日を信じなければ、
 今日は生きれない。

 たとえばそれが、カルーセルの木馬の想うことだとしても……。



2008年07月05日(土) 「にぎやかな天地」と勇気とは?

 宮本輝著「にぎやかな天地」(上)(下)

 かけひと月、他作品を何冊か読みつつですが、かかってしまいました。

 発酵食品をテーマに本作りをする主人公と、彼を取り巻く登場人物たちの人間模様……とでもいいましょうか(汗)

 発酵食品の知識はそこそこ頂きました。

 作中の言葉で、

「勇気は湧くもんやない。ひねり出すもんや。
 胸の奥んとこから、もうアカンちうくらい、精いっぱいの力でひねり出したもんやないと、それは勇気とは言えへん」

 というようなものがありました。

 ……そうしてひねり出したんか?
 ヒョイと尻馬に飛び乗っただけちゃうんか?

 ……汗



2008年07月01日(火) 「猫道楽」

長野まゆみ著「猫道楽」

タイトル買いしてしまいました。
重松さんの「きみの〜」と一緒に、だったので中身をあまり吟味せず。
……ある種のヤオイの世界を舞台とした物語です。
猫シッターのアルバイトに猫飼亭を訪れた男子学生に、

「おや、三毛猫の牡が自らやってきてくれるなんて、珍しい」

と始まり、

「私がしているのは繁殖というより、飼育の仕事だよ」

と続き……ムニャムニャ(笑)
といっても、そんな細かい描写はありません。
皆をその入口に導く、またはそちら側の人間なのだと気づかせるまで、です。

猫という言葉の持つ諸々の意味とタイトルの道楽という言葉と、そして作中の猫飼亭という言葉から、そんなことを思いつかなかったわたしの物知らずさを痛感しました(汗)

でも、わあきゃあ言うほどの内容だったとは思えませんでしたので、一般小説としてお読みいただけると思います。


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