しゃぼん暮らし
DiaryINDEXpastwill


2004年09月30日(木) 〈えみめくり〉

【えみめくり】

更新されています

東京漂流委員会

写真は大谷さん
構成はヤマザキさん
書はひろた

ご覧になってください

紙のPスペースからどうぞ
http://www.amy.hi-ho.ne.jp/psfin/


2004年09月26日(日) しょっぱい手



海へのバスに




風穴をみている




けわしい岩場の
ところどころ
水が溜まっていて



手をつける


2004年09月25日(土) りんごぱん狙い

おんぶして
うえのひとがパンを食らう

施設の連合スポーツ・フェスで
ユイはパンを頬ばる
予備のパンがいくつもあまって
何度も走るひとたち
いろんなひとが
知らないひとをおぶっている
アリガ老人におんぶをせがまれる
老人の眼は義眼めいている

二人三脚、風船わり、スプーン・レース
ひとによって安定する姿、楽な姿勢、と
いうのはさまざまである


なんとか抜け出して
マラリーへ、と思っていたのに
かなわなかったな
舞台で炸裂、するひとたちを想う

夕方からブラス・バンド演奏、踊り
などがはじまって
帰宅するともうくたくた
子供達よりさきに布団にはいっていたら

電話で起こされる

京都の〈とんぼ〉の面々であった
声がつぎつぎと変わって御礼されていたようだ
よくおほえていないのだれど
むこうの皆さんは〈ぐでんぐでん〉
明度たかい

今度きょうといらっしゃい
のみましょう



ねむくてねむくて

見知らぬひとたちにいちいち頷いていたと思う


2004年09月22日(水) 水平

鉄塔にのぼって

水平に腕をのばせば

風は




げんきですか


半月の途
自転車で走る子供は
すぐ見えなくなってしまいます


もうひとり、
こんぺいとうをざらざら食べる子の
あたまをおさえながら
帰る



2004年09月20日(月) スリッパ係

祝日
朝早くから
各種敬老イベントの準備

健やかな皆さんのために

せっせと

姉妹はホールで待ちかまえていて
履き物を差し出すのであった


おつかれさまでしたあ、と夕方
はてしなく公園でぼんやりしていたら

「ひろたさあん」
とむこうから乙女のような声が
ジェンヌがやってきた

「こっちの公園であうの、珍しいね」

坂上のお家から車で自転車やら三輪車やらボールやら
そして三姉妹、犬、
を運んで遊びにきたらしい

子供らと犬はかってに遊んでいるので
なんとなく草っぱらにしゃがんでおしゃべり
話題はやがて
わたしたち共通の友達のことになる

「虫がいる」「かゆいね」

もう一年以上、いわゆる自閉症でひきこもっている
幼稚園の送り迎えや家事などはすべて父親が仕事をしながらこなしている
遠足のときなどまわりのママがびっくりするほど
きれいな手作り弁当だった
ときどき様子をのぞきにゆくと
母親がいなくても子供達はなんとか暮らしているのだった
むしろ自分達でやらなきゃ、とこの一年ですごく逞しくなっている


おしはかる、ことの

なんというか、手をぶらぶらさせたくなる感じ

恥ずかしい

何度か彼女宛に手紙を書いてたのだけど
翌日読むとなにか
出せないのである

すこし電話で話をしたよ、というジェンヌ
足を掻きながら

「さくらん、」と言った






2004年09月19日(日) 『しゃぼんデイ』

関内・馬車道1929ホールへ

アコーディオン弾きの女の子が
ちいさな個展をやってる

もともと銀行であった建物は
もともと金庫であった空間がギャラリーになっている

わたしの知らなかった
中二階の隠れ屋のようなところに案内されて
和紙で出来たかわいいぼんぼりをみる

あかりが点る

おどるように紙のひとびとが浮かびあがる




ほどなく
ライヴがはじまって



「さがして、さがして、、」と


ヴォーカルの男の子が澄んだ声をあげる


2004年09月18日(土) 秋のじかんさ

小学校の運動会

今年は気のとおくなるくらい
美味しいお弁当をつくる

まだ眠っているひろたさん(夫)に
「そろそろと起きてきてね」と
ちびと家を出る

はやめに来たのに
もう後ろのほうしかシートを敷く場所がないよ
脚立だらけ

みんな記録に夢中だ

かけっこ
ユイの走りはたいへんゆるやかである

夫、娘の出番が終わっても
まだこない

電話したらまだ眠っていた

なんとか次の出番には間に合った
「よかった、わたしたち三人家族かと思ったよ」


昼食の時
コヤマさんがやたら烏龍茶をすすめるので
いただいたら烏龍割でびっくり
「わかんないーわかんないー」
彼女のあかい顔が唄うようだ

そのいきおいで
『ひまわり音頭』
を子供達と踊る

子供達が玉葱で染めたという手ぬぐいは
ひまわり色だ





2004年09月16日(木) 〈極楽とんぼ〉

京都のカット師の御友人から
依頼があり

小料理屋の看板の字をかいていた

楽、の字のひらいた窓に
いろんなものを
通してゆく






2004年09月15日(水) いちごすいの胸

朝いちばんで
眠れないひとがやってきて
砕いた苺を食べながら

作戦会議

ながい髪の毛先をちょちょっと切ってあげた



真闇の
ゴミ箱をみて
姉妹は「きたんだね」と言っていた


2004年09月12日(日) 合い言葉は゛いない゛

防災用ダイヤル゛171゛

甘さを言ってはいられない

「舌がひりひりする」とちびは泣きそうである
わたしだって野菜から刻みたかった
いろんなスパイスと
らっきょや福神漬けがあってもいいじゃないか

防災訓練の日
よく晴れて防災にはもってこいである

わたしはいつのまにか炊事班チーフ
責任をもって200人分のボンカレーを熱くした


2004年09月11日(土) コンクリいろ

曇天

雑多な駅
慣れない知らない駅だ
人がひっきりなしに通る
ともだちを待ちながら

わたしは今どき不携帯なので
困るのはこういう時

駅前を見当違いの見当をつけて
うろうろ歩いたり
しばらくじっとしていたり

あめ、ふるのかな

ようやく
ミドリの電話を見つけて
連絡がとれる


「見えるところにゆくから」

とそのひとは言った


2004年09月09日(木) みあげてごらん

音楽室のオルガンのうえに
のぼって
高窓を開ける

暑い日だ

みんな汗をふきながらやってくる


秋の発表会へむけて
ただいまの練習曲は『さとうきび畑』『みあげてごらん夜の星を』
人気曲なのでいろんなアレンジで幾種類かの楽譜が出ています
だって、ざわわーざわわー♪もあれば
ざっ、わわ、ざっ、わわ♪もある風の声

フルヤ先生が楽譜と声のあいだで
きりりと指示を出してゆきます

「空気をダイレクトに」「吸うことを考えない」「くちさきで言葉をつくる」「もう一回やれると実力」「和音のなかに溶けこむことができれば自由に移動できる」


唄っているとすぐ時間がたってしまって
幼稚園のお迎えの時間になり
わたしひとり
音楽室を出て階下へ
校門を過ぎた肩に


みあーげてーごらんー♪
と声がふってきた





2004年09月07日(火) マーガレット会

雨がふってきたので
地区センターのベンチにこしかけて

しばらく
やむのを待っていたら

顔みしりのひとが
大きな袋をかかえて
やって来た

「あ、おはようー」

「なにかあるの?」

これからここでお菓子作り講座があるのだと言う

「ひろたさんもどう?」

「どんなものをつくるの?」


「ちよっと、いろんなものをつくるの
ちよっと、家ではつくらないようなものを」


袋をもったまま壁にもたれて
顔をすいっとあげてそのひとは言った


2004年09月06日(月) 周回

自転車で走るひとに
つきあって

ぐるぐるしている

親戚のお姉さんのおさがり自転車が
ほとんど新品同様で送られてきて
姉妹は

ぐるぐる

走りながら

公園の雲も、もう秋のものだ




あたらしい防犯登録証をもらいに
近所の自転車屋さんへ

小柄なしろいツナギの老人がていねいに
車体をみてくれた
ネジや細かい部品が整然とならんでいる
戸棚にいくつかのトロフイ、自転車組み立てコンクール、なんて
あるのだなあ

棚のすみに
ふるぼけたぬいぐるみが飾ってある
これはニヨロニヨロ、ですね、

ムーミン谷の

なぜこんなところに
と思いつつ、

ふたたび
輪業のひとを見やる


2004年09月05日(日) [3voices]

馬車道BankArt1929ホールにて

クリス.トネリ/巻上公一/足立智美
ヴォィスパフォーマンスを見る

伊津野重美ちやん、田中槐さんとすこしお話できて
楽しかった

■ff■朗読会のホール
とてもいい空間ですよ
おいでませ、ヨコハマ

11月28日(日)
晩秋のヨコハマへ


2004年09月03日(金) 差し入れ屋

差し入れ屋

刑務所に差し入れするには
ここの店のもの、と

決まっているのである

Y刑務所に近いわが家に
とうぜん差し入れ屋も近しい

看板が大きくて
お店じたいは小さいのだ
いつもガラス戸の閉ざされた店

土間に犬が
いる

雑誌や食品、日用品が並んでいるのが
見える

客を見たことがない




「ブルーステックがいいのよ、あそこの」


と言った人がいて
差し入れ以外のふつうの買い物をする人もいるのだった
なぜだろう
子供の泥んこの靴下を洗いあげるのに
あおい棒の石鹸がいいのだそうだ

早朝
走っていると
差し入れ屋に仕入れをする業者の方を見かけるようになった
かもめパン、とかかれたトラックが止まっている

数年前住んでいた家のそばに
かもめパン本店とパン工場があった

わたしが目覚める前に
パンは香っていたのだ




2004年09月02日(木) 自由研究

合唱の練習

小学校へ

校舎には
ぎっしり夏の研究が並んでいた

素朴ななかにも
くすぐられるものおおし



すきな
もの




*太陽系でもっとも近い天体セドナ

*紙による水の吸いあげ方について

*飛鳥自転車の旅

*虫デニムバック

*にわとりのかぞく

*夏目漱石について

*音の反射ー音が反対の方から聞こえてきた

*パチンコ

*塩の結唱

*枝豆と大豆のちがい

*電池の原理とフルーツ電池

*さいころ

*UFOこま

*絵が動くオルゴール

*日本のきしようどうふつ

*マヨネーズのつくりかた

*シロンのせい長記

*紙のメリーゴーランド

*りようり

*ふじのちやわん

*海の思い出

*HAND MADE

*プロ野球12球場について



2004年09月01日(水) 〈千人刈り〉

京都の友人のため
せっせと字をかく

美容師修業のため月一カットイベント
くるひとくるひと切って切って切りまくるらしい
むろんタダ

看板とチラシを作成


ひろたえみ |MAIL