しゃぼん暮らし
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2004年05月31日(月) 胸がすく

夕刻

地下からでてくると
日差しのつよいこと

開港祭のにぎやかな音、音をくぐりぬけながら
駅まで小走りで

胸がすく
ともだちが頑張っているのをみるのは
いいな

雲ははやあしだ

山下公園で
路上
姓名判断、占いの屋台があった
名前がずらっとあって細長い缶カラがついていて(あ行〜わ行)
代金をいれるセルフサービス
痩身だ
軽そうだ
見渡すが無人
わたしの名前はないだろう
(たいていこの漢字はないのです)

知っているひとの名前だらけだ

このまま かかえて走りたい


2004年05月29日(土) 朝は氷の係

とてつもなく晴れて
万々歳である

わたしは氷をとりだして家を出た

アザミさんの話では エプロンも、タオルもいらない
氷だけもってくればいいそうだから
牛乳パックをからっぽにして水をいれて
口をガムテープでかちっと止めて凍らせる
二日前から冷凍庫につくっておいた


海へむかって歩く


連合子供会潮干狩り


眠っているひろたさんに
あとから子供達つれてきてね、とたのんで
わたしだけお手伝いのためはやく家を出た



八景島駅から歩いた
暑くなりそうだ 貧血もちにはつらい一日かも
でも風がくる
緑の いくとおりもの木漏れ日をみながら
すすむ

しずかで楽しい 

楽しくて嬉しい

橋をわたって野島公園まで ゆっくり氷の柱をさげて歩いた


ときどきたしかめると
かたい

冷凍庫のなかにたてて置いたので
なかほどの紙が水が氷になるときにふくらんで
(その様子はみてないけどたぶんそんなふうに)
すこし破れ目ができている

海につくまでに
すべて溶けてしまわないか
とも思ったが だいじょぶそう



思いのほかはやくついてしまう 
まだ誰もいないだろうと思ったが 
顔見知りのご家族がちらほら
アザミさん一家もとうに到着していて
子供達とお父さんはズボンをめくりあげて海にはいっている
「早起き家族だねー」
「きょうの潮ははやくしないとー」
とわたしにはわからない説明を遠くでしている



じりじりと
昼になる


これから500人分のフランクフルトを焼く係である


2004年05月27日(木) 肌色にパンチがない

(児童画刺繍・5・現在進行)

ひろた選手5の後半 ほぼ八分どおり進行です

予定表では 日付けの横に
黒い花からはじまって 青い花、青い小人、赤い小人、赤い帽子、焦茶の花、・・・・・濃い色から薄い色へ・・・・きみどりのバケツ、みずいろの花、雲1、雲2、雲3、顔1、顔2、顔3、ラストは象、はいいろの象
できたところから×印

(画が浮かびますでしょうか、いやさ、浮かぶまい)

途中、バケツではなくブランコだったのか、
とか発覚したものの
今は顔を糸でたどっている
三色試してみたのだかしっくりしない
目でみているクレヨンの色と 実際、糸で布にのせてみると違うのである
発色をそろえることの

なんてまあ



最近ママさんたち顔をあわせると
「すすんだ?」である

「クレヨンのかすれは」「うち、白があるのー」「白はむずかしいよねーうつらない」「うち塗り潰しがおおい、もういや!」「青わけたげる」「筆圧が」「あのお店にはベージュが揃っている」




こんなに一枚の画に時間かけて
つきあうことないよなあ


ここは楽園か

と思ってしまいます




お針子じんせい




痛い線いとしい線



肩凝っています


2004年05月25日(火) だれがころんでる?

だ・る・ま・さんが・・・・・



ぺらんぺらん話すひとたち
異国の言葉がつぎつぎとくりだされ
抑揚が抑揚を呼び
とりまかれる


ふしぎな群読のなかにいる


オフィス・タワーにのぼってある一室
多言語の自然習得 ヒッポファミリークラブのみなさんだ 
みんな七ヶ国語ではなせるのだろうか 
小さい子も韓国語、ロシア語など駆使しているしまつ


知人につれられてきたものの
あまりのひらかれたあかるさに怯む
皆いきているひとと話すのがとても好きなのだ

そのうち
『人麿呂の暗号』『古事記の暗号』等の著者の北村まりえさんの講演会に
学者っぽさは微塵もない溌剌としたおしゃべり好きなお姉さん
親しみやすい語り


赤ん坊のように世界をまるごととらえることができたら

聞こえたようにしか話せない

いっぺんにわあわあ言って
いろんな国の言葉をおぼえることができるのだろうか

雨でも水溜まりでも滝でも水道水でも
アグア

犬でも猫でも虎でも鹿でも
わんわん


積み木のような文字も
読むことができるのだろうか


ア・イ・ウ・エ・オが存在するための軸


いくつかのお話のなかで
日本語と韓国語の類似について
話されたのが印象的だった



わたし ちいさいころ目を閉じて

だ・る・ま・さんが・・・

こ・ろ・ん・だ

こ・ろ・ん・だ


韓国語でコロンダ、って歩いてくる、
っていう意味なのだそうだ



そういえば
だあれも転んでいなかった

だるまさんは歩いてくるのだった

じぶんでじぶんの目を隠して
わたしなに思っていたかな



2004年05月23日(日) 地下の砂漠へ

『梅雨明け砂漠』(革命うさぎさん教室公演)
をユイとふたりで観にゆく

中華街の地下の空間へもぐってゆくと
砂漠をわたってゆくひとたちに会えます
楽団と踊り子つき

ユイはおとなの芝居どうかなあと思ったけど
最後までちゃんとじぶんなりに観ていた
鳴り物好き? 楽団があらわれると ぱっと顔をあげて
嬉しそう、ユイ

ラブリーさんはサックスを吹いていた
(あんなレクイエム、はじめてきいた)

ひさしぶりに観る夏木君はふところふかい感じ 楽しそうだ
いっしょに演ってたの10何年まえ?かな
大人になったなあ しみじみ


シンプルだけど情報量おおい芝居

抽象化、としての舞台設定、ってことを
ぐるぐる考えている
それとあの姉妹のものがたり、あの打ち出しかた、とか

いろいろかきたいこともあるのだけど


なんとあと4ステ!来週もやってます

/28(19:00)/29(14:00・18:00)/30(14:00)
中華街シルクロード舞踏館にて


2004年05月22日(土) 落手

朝の空気 ひんやりとしている

町内会館はまだ閉まっていて石段に腰かけてひとり待っていた
こういうの すきだなあ

上着をきてくるべきだったなあ
肌寒いんだ、きっと

ハギレみたいに
ほつれてゆきそうな感じが すこし消えてゆく

ひえびえと石段に座っていると

もう誰の言葉もいらない
だいじょうぶ、と思えた

ほどなく
「ごめんなさあい、おまたせしてー」とコヤマさん到着
鍵をかちゃかちゃいわせて
扉をあけて
すっとすれちがうとき
「あ、ひろたさん、なあに?なつかしい匂いする」

なんだったか
なまえを忘れていた


ほどなく皆があつまって
子供会定例会 夏のはなしだ
夏のお祭りの計画など
はなしあう



2004年05月21日(金) ビーサン

「ひろたさんは、いつもビーサンなの?」
と隣席の御婦人ににこやかに問われる

(ビーサン、ビーサン、ビーサン、)

(ビーチサンダル、のことなのか?)

(あっ ビーチサンダルはいてんだっ わたし)


体育館 PTA総会がはじまらんとする時刻
これから出番、壇上で唄うのであった

なにしろ耳をキンキンいわせながら
レイを園のサッカークラブの早朝練習にひっぱってって
そのまま音楽室へ発声練習にむかったものだから
足に頭がまわらんかったです

「えっ、えっ、と」
くちごもるわたし

合唱団は最前列に座らねばならず
えらい役員さんや先生方の眼前で
あおいビーサンはひかりを放っていたのであった

こ、これは銀河を産むビーサンです
とか
これから 夏は来ぬ、とか唄っちゃうんで
ムードづくりです
とか
言い訳を考えていたがまとまらず



出番


後の席から誰やらの上履きがまわってきた
アルトのパ−トリ−ダ−のフタツカさんが
「これはいて!」


みしらぬひとの
あたたかい靴をはいて唄う


無伴奏の曲は 耳鳴りがいいかんじでまざっていて面白かった
なんだろね、夏かいな


2004年05月17日(月) ミミゴクウ

月曜の外作業をおえてレイをおむかえにゆき
そのまま坂道をのぼって小学校へ

ユイの個人面談の日だった 担任の先生としばしの対談

終了後
ふたたび三人で坂をくだっていたら
キィーンとする
あ これは、とかがんで視線を落した

(たしかに耳の痛い話ではありましたが、しかし)

しかし 鳴っている

すこしじっとしておさまるのを待った
ひくい視線でなにかを探している

なにか共鳴するもの

はなびらでもいい
虫でもあくたでも



なんとか帰宅
めずらしく熱が出ていて横になる


姉妹もちいさい咳をしだす


2004年05月16日(日) むしんでふさぐ

ひとがものを食べるのをみているの
たいてい好きである

よりちかくで或いは遠くはなれて
きれいに食べたり汚く食べたり
はやくおそく いろんな
ひとが


バイトで食事の介助をしていても
そのほうけた集中力にうたれることがある


日曜日
空腹家族は乗り物のなかでパンにぱくついていた
でかけた先でお昼を食べそこなってしまったのだ

ひろたさん(夫)はこわい顔をして
食べている

怒っているのではない

地顔が怒り顔なのである こわもて、というやつですか
家に泊りにくるわたしの友達には
「ひろたさん 黙っているけど無口なだけだからね、怒ってないからね」とあらかじめ言うようにしている



とても昔

暮らしはじめた頃
スイスロール(というカステラ巻きみたいな菓子パン)を
一本まるごと手掴みでひたすら黙々と食べていた

おやつに


九州男児ってそうなのか、と思った





電車のなかで

小雨のけぶる窓

ひろたさん今日おおきなふんわりしたものを
噛んでいる





2004年05月15日(土) ほたるいかの足跡

マリコせんせいがさらわれて
ちょうど夕飯のお買い物に買ったホタルイカを
道に落していったのだった

手がかりに

点々とおちてわたしたちをみちびく
ほたるいか




そんな少年アニメをやっていて
(『ロックマンエグゼ』)
びっくりした


道のうえを
ほたるいか、おちてないかな、と探しながら
笑いながら歩く


海まで


くるしいほど晴れた


2004年05月14日(金) それはさみしい音ではない

わたしが糸と針でこまかい作業していると
(児童画刺繍.5.現在進行)

姉妹もそばにかたまって
ふわふわの紙をたばねはじめる

まるめて
てるてる坊主をつくって
刺繍糸で目、鼻、口、裁縫用ボンドで
くっつけてゆく

ところどころひっちゃぶりながら
なにかが足りない、と感じたらしく
首にリボン
首に鈴

これから梅雨の季節だもの
ひつようなひとがたたち




前歯、抜けそうだね

ちゅうぶらりんの
乳歯

ゆびさきでそっとふれてみる






われのみに聞こえぬ鐘にふれにしがふるへゐたりき鳴りてゐにしか(水原紫苑)



2004年05月13日(木) 「休符ではありながら!」

「7度は破局の音」
「どこがハーモニーか?」
フルヤ先生の力強い声がひびいて
音楽室



忙しいなか
ひとり、ふたりと集まって
唄っていく

肋骨をひろげる体操
肺が楽になる
肺がつぶれると地声になる
空気をからだのなかにいれながら
ぐぐっと骨をあげていると
羽、ってことや、天骨、それから
すこし水をおもう
湿気のおおい日だったから




腱を切ったピアニスト、スズキさんが復帰
片手をすっとさしあげてほそい甲を見せながら

「御心配おかけして」

と微笑んだ


2004年05月10日(月) いってらっしゃい

あしさきがびちょびちょになる、と言った

雨はいやだ、




遠足は雨天決行

バスに乗り込むひとたちを遠くから
思う

ふんでふんで
ふみこんだときの

タラップの弾力のことなど

きっとまだふきげんな
子供のこと



わたしも つれてって 


はじめてのおおきな動物園を
たくさんの友達と連れだって回る

獣とおまえのあいだに雨と檻しかない 





2004年05月09日(日) 草稿


《草稿のままの人生》

ってたしか長田弘さんの詩のなかの
言葉だったかな。

日記、引っ越しました。
これからも宜しくお願いします。

『しゃぼん暮らし』
いつも読んでくださって

ありがとう。


ひろたえみ


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