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2004年07月18日(日) JY: 高円宮杯 静岡クラブ予選 Honda FC U-15 戦

04年7月18日 (日) 13:00開始 鈴与三保グラウンド
 第16回静岡県クラブユース (U-15) サッカー選手権大会 決勝トーナメント決勝
 (兼:スルガカップ静岡県ユース (U-15) サッカー選手権大会 クラブ代表決定戦)
 対 Honda FC U-15 ※25分ハーフ


▼布陣
清水エスパルスJrユース:           Honda FC U-15:
−−−−−−前田−−山口−−−−−−     −−−−−−相曽−−古橋−−−−−−
− 杉山和 −−−−−−−−−佐藤−−     −−−−−−−−深谷−−−−−−−−
−−−−−−滝戸−−田村−−−−−−     −−− 中倉拓 −野末−−影山−−−−
−−石垣−−鍋田−−小関− 桑原尚 −     − 小久保 −市原− 中倉航 −徳増−−
−−−−−−−−吉田−−−−−−−−     −−−−−−−−鈴木−−−−−−−−
後半6分:山口 →庄司            後半14分:相曽→松島
後半12分:杉山和と前田 をポジションチェンジ
後半15分:滝戸 と庄司 をポジションチェンジ
後半21分:庄司 →佐野諒


▼試合展開
[前半]
ホンダ       清水エスパルス
4(0) シュート 5(2) ×前田、×和毅、○山口、×鍋田、○田村
0(0) 右クロス 1(0) ×山口
1(0) 左クロス 4(3) ○和毅、○和毅、○和毅、×山口
1(0) 右側CK 2(0) ×和毅、×和毅
1(0) 左側CK 1(1) ○滝戸
1(−)  犯OS  0(−)
2(0) ファウル 5(2) ・和毅、・田村、×和毅、×和毅、・滝戸

[後半]
9分、ホンダ、カウンターで8番が中央ドリブルから思い切ってループ気味の25Mミドル。吉田がファンブルし、0−1。
14分、庄司に警告 (異議)

ホンダ       清水エスパルス
3(1) シュート 4(2) ×佐藤、○庄司、○田村、×田村
1(0) 右クロス 4(1) ×田村、○尚希、×佐藤、×佐藤
0(0) 左クロス 1(0) ×前田
0(0) 右側CK 3(1) ・和毅、・和毅、○和毅
0(0) 左側CK 1(0) ・滝戸
1(−)  犯OS  0(−)
8(2) ファウル 3(1) ・鍋田、庄司、×鍋田

清水エスパルスJrユース 0−1 Honda FC U-15


▼選手寸評
田村 亮介 (CH): 身体能力が高く、テクニックもあるが、何より頭が良く、スペースを意識したポジショニングが絶妙。
小関 教平 (CB): 対人守備が強い。安易に相手を振り向かせず、逆に相手と体を入れ替えボールを奪うのを得意とする。
深谷 泰介 (ホンダ・トップ下): キックに絶対の自信。流れの中でシュートを撃ったのは彼だけと、攻撃を一手に担った。



04年7月17日 (土) 16:00開始 藤枝総合運動公園サッカー場
 JFAプリンスリーグU-18 東海 2004 最終節
 藤枝東高校 対 名古屋グランパスエイト ※45分ハーフ

藤枝東高校:              名古屋グランパスエイト:
−−−−−−河津−−中村−−−−−−  −−−−−−上村−−津田−−−−−−
−−三輪−−−−−−−−−−閨谷−−  −−永芳−−−−酒井−−−−根津−−
−−−−−−赤星−−増田−−−−−−  −−−−−−高橋−−稲垣−−−−−−
−−原田−−小関−−知野− 井上翔 −  −−−−吉田−−森本−−福島−−−−
−−−−−−−−碓井−−−−−−−−  −−−−−−−− 森 −−−−−−−−
交代:後半00分:知野→滝田       交代:後半33分:酒井→新川
        中村→山田          後半40分:根津→久保
   後半21分:滝田→大塚
   後半37分:閨谷→西形

前半03分、名古屋、稲垣?のフィードに上村が走り勝ち、シュートはGKが弾くが、津田が走り勝って詰め寄せ、0−1。
後半38分、藤枝東、西形ロングスロー×2で右CKを得ると、赤星のキックがほぼ一直線にファーサイドネット、1−1。

藤枝東高校          名古屋グランパスエイト
2(1)/4(2) シュート 4(3)/4(2)
3(0)/7(1) 右クロス 2(0)/3(0)
2(0)/1(0) 左クロス 3(1)/5(4)
3(1)/1(0) 右側CK 0(0)/2(0)
2(1)/2(0) 左側CK 1(0)/2(0)
0(−)/1(−)  犯OS  0(−)/1(−)
7(0)/6(0) ファウル 10(1)/6(3) ※内側が前半/外側が後半の数字

藤枝東高校 1−1 名古屋グランパスエイト


[個人的好印象選手] 小関 佑典 (藤枝東・3年・CB)、稲垣 順  (名古屋・3年・ボランチ)



2004年07月17日(土) プリンス東海 静岡学園戦+ほか

04年7月17日 (土) 18:15開始 藤枝総合運動公園サッカー場
 JFAプリンスリーグU-18 東海 2004 最終節
 対 静岡学園高校 ※45分ハーフ
 天候:曇

▼布陣
先発:                終了間際:

−−−−−−−−石垣−−−−−−−− −−−−−−−−−−−−−−−−−−

− 鈴木真 −− 山本真 −−−柴田−− −−−−−−− 篠田悠 −−−−−−−

−−−−−−池田−−枝村−−−−−− − 桑原卓 −池田−−枝村− 山本真 −

− 桑原卓−佐野克− 村越− 高野美 − −−− 佐野克− 村越−−石垣−−−−

−−−−−−−−風間−−−−−−−− −−−−−−−−風間−−−−−−−−

控え:山崎晃、岩本、渥美、桑原彬、谷野、岡村、小泉、篠田悠、町田
交代:後半19分:柴田 →小泉  (そのまま右SHに)
   後半26分:鈴木真→篠田悠 (小泉を左SH、山本真を右SH、篠田悠をFWに)
   後半26分:小泉 ・退場  (池田を左SH、篠田悠をトップ下に)
   後半29分:高野美・退場  (山本真を右SBに)
   後半36分:池田 →谷野  (そのままCHに)

静岡学園高校:

−−−−−−青木−−加門−−−−−−

−−−−−−−−狩野−−−−−−−−

−−井出−−清水−−前島−−中村−−
                   交代:後半08分:加門→林内 (20番)
−−−−小西−−藤田−−木庭−−−−    後半19分:前島→木場 (11番)
                            (清水ワンボランチ、林内・青木・木場の3トップ)
−−−−−−−−高田−−−−−−−−    後半36分:井出→能登


▼試合展開

 プリンス東海最終節。既に磐田ユースが全勝で勝ち抜けを決めたが、残り2枠は藤枝東高校−名古屋グランパスエイト、清水エスパルスユース−静岡学園高校の直接対決に委ねられることになった。静学が清水を勝点で1つ上回るため、この試合、同点では敗退。0.5点、静学がリードしている状態と考えれば、わかりやすい。
 清水は3試合ぶりに主将の枝村が、右足のスネの痛みから復帰。前節復帰した美臣も先発。一方、前線は岐阜工戦で2人で4得点3アシストと大爆発した篠田悠・町田に代えて、石垣・山本真が2トップを組む。真希は基本ポジションはFWながら、精力的に動き回って中盤にも幅広く貢献、石垣は静学の弱い空中戦を突く目的だろう。3年生4人・2年生4人・1年生3人、1年生は大会通じて最小の数となった。GK前田を除けば残りは選択の問題で、ほぼベストと言えるのではないか。
 一方の静学は、さすがに層が厚い。登録選手が三桁を数えるチームは、プリンス東海では静学だけだと思われる。3年生8人・2年生9人・1年生13人の清水とは、対照的である。北海道・屯田FC出身の小西からヴェルディ出身の木庭、ガンバ出身の加門と東西幅広く選手が集まっており、地元からもFW青木はエスパルスSS静岡出身、藤田・高田はヤマハジュビロSS沼津出身。様々な土地から集まった選手が激しい競争に揉まれている。このあたりも、1年が多くの出場機会を得る清水と対照的だ。事実、先発の顔ぶれも春先から大きく変化した。先発は3年生が実に9人、2年生では井出が、1年生では藤田がその競争を勝ち抜いている。

[前半]
 立ち上がり、静学サッカー部員の送るいろんな意味で物凄い声援のせいか、この試合に勝たなければならないというプレッシャーのせいか、明らかに清水の選手が硬い。一方の静学は、「静学=ドリブル」というイメージに反して、かなりコレクティブでソリッドなサッカーを展開。長いボールを前線に当てつつ、DFラインを積極的に押し上げて効果的なプレッシングを行ってきた。このあたり、さすがに井田監督は狡猾である。村越・佐野の両CBは焦りが先に出るのか、ポジショニングが悪く、FW青木に競り負けたり、後逸したりすること多数。11分にはドリブルで抜け出そうとする相手を引き倒し、早くも村越が警告を受けている。良い形で守→攻の切替ができないため、良い形の攻撃もなかなか生まれない。本来、空中戦を得意としない静学も攻め倦むが、これは試合を殺すという狙い通りだろう。
 0分、静学・井島の左クロスに村越のクリアを、静学ボランチ・清水が掬い上げるようにミドルは、GK風間。6分、美臣のクサビを石垣が戻して池田のミドルは枠上。9分、中村の右サイド突破から小さく横に流して静学・清水のミドルも、ニアに外れる。10分、池田が得意とする奪いながらのパスで真司にクサビ、左に回った真希を囮にミドルも枠上。15分、桑卓のパスミスを加門が奪ってドリブルからミドルは枠右。双方、PA内どころかサイドを崩す場面もなく、淡泊な攻め合いに終始した。
 しかし、22分。真希がダイレクトで戻したボールを枝村がダイレクトでスルーパス、真希がワンツーの格好で右サイドに抜け出し、クロスを送るがファーの真司に合わず。このあたりから枝村が中盤でフリーになるようになり、彼独特の間によるキープから、SBの攻め上がりを引き出すサイドチェンジ、相手3バック横のスペースへの対角線フィードなどを通して、攻撃に「意図」を生み出した。

 30分に村越の後逸したヘッドを危うく風間が飛び込んでキャッチ、31分に村越がFW青木にのしかかったとしてファウルを採られるが、30M程の距離を残した狩野のFKは枠上に外れる。最終ラインは依然、落ち着かないが、32分、柴田とのダイレクトで細かいワンツーから、枝村が見る人を唸らせるダイレクトロングスルーパス。左サイドに飛び出した真司から左足インに掛けたクロスが入ると、猛然と走り込んだ真希が井沢くんを思わせる跳躍でダイビングヘッド! が、左ポストに嫌われた。33分、スローインを受けた加門?が反転即、鋭い左クロスを送るがファーに流れ、池田が左に開いた真司に当てて速攻。真司がワントラップ反転で鮮やかに中村?を抜き去ってスペースを駆け抜け、斜め前方に大きな左クロスを送るが、中央の石垣に合わず。しかし、ファーで真希が追いつき、放ったシュートはDFがブロック、更に自ら拾って今度はドリブル突破。たまらずDFが手で背中を押したかに見えたが、真希が倒れただけでPKはなし。続けて34分、枝村のスルーパスから真司が左CKを奪うと、池田のキック (枝村は右足の甲を使った強いボールは蹴られないようだ) をファーで佐野が頭で折り返すと、高い打点から石垣がヘッド。ループ気味になったが、ネットの上に落ちた。
 だが、37分。中村?に抜け出されそうになった佐野が背後からボールごと引っ掛け、警告。39分には左に流れた加門?を美臣がスライディングで滑り込んでボールを奪ったが、これも警告。その左CK近くの狩野のFKが、右足インに掛かって大きく緩く、だが正確に曲がると、ボールウオッチャー状態の清水DFを尻目にファーに木庭が単独で飛び込んだ、が、ヘッドはゴール右に外れる。この2つの警告でリズムを崩したか、以後は両者に好機なく、前半を折り返すことになった。清水のDFはスピードにやられる場面が多く、ファウル数は12対2と偏った内容になった。

静岡学園      清水エスパルス
5(1) シュート 5(0) ×池田、×真司、×枝村、×真希、×石垣
1(0) 右クロス 5(0) ×柴田、×真希、×美臣、×柴田、×美臣
3(1) 左クロス 2(0) ×真司、×真司
1(0) 右側CK 0(0)
1(0) 左側CK 1(1) ○池田
0(−)  犯OS  0(−)
2(0) ファウル 12(3) ・美臣、・美臣、・枝村、・村越、・村越、・石垣、・石垣、×池田、×佐野、×美臣
               ・枝村、・??

[後半]
 ハーフタイムを挟み、様々なプレッシャーからようやく解放されたらしい。シンプルにパスを回すと、2分にスローインの静学DFの処理ミスから右CKを得る。真司の蹴ったボールは短く、ニアでDFがクリア。しかし、素早く奪い返した美臣?が池田に繋ぐと、右サイドに残っていた真司にクサビを入れる。真司は左利き、中央へとスライド移動して右45度からミドルを狙う様相を見せるが、そこで小さく内側に横パス。親友・枝村が走り込む勢いのままに右足を振るうが、DFがブロックしてボールが高く弾む。PA内で素早く落下地点をスクリーンアウトした石垣だが、前島がその背後に回り込んでヘッド。だが、無理なクリアはあまりに小さく、枝村がそこに再び走り込むや、左足一閃。痛めていない左足で放ったシュートが、遂に均衡を破った。1−0。枝村の大会初ゴールが、高円宮杯出場権を引き寄せる。
 形勢逆転し、攻めなければならない静学は、前半のロングボール攻撃から本来のドリブル&ショートパスに切り替えようとするが、焦った拙攻が清水の波状攻撃を呼び込む。6分、相手陣内で池田が相手を潰すと同時に縦パス、受けた真司が更に左サイドへスルーパス、入れ替わって真希が飛び出し、低くて速いクロスに石垣が合わせたが、足下に入り過ぎて威力なく枠の左。10分、静学のロングボールをまたも村越のヘッドが後逸してしまうが、忠実にカバーに入っていた佐野が大きくクリア。これを石垣が狙い通りにバックヘッドで後ろに逸らすと、真希が単身抜け出して独走。最後はPA内でGKが倒れ込むのをよく見て、左足でゴールネット天井に蹴り込み、貴重な追加点をあげた。2−0。
 更に11分、桑卓が攻め上がりから、左CKを得る。池田の正確なボールをファーの同期・佐野が折り返すが、それは静学DFクリア。しかし、素早く柴田?がカットして右に流すと、自陣に残っていた美臣が攻め上がって、真希にクサビを入れる。真希はボールの勢いのまま、まずPA内へと縦に勝負して小西を置き去りにすると、続けてカバーに入った前島に対して内側に切り返し、GK高田のポジションが定まらぬ内に左足で流し込み、3−0。怪物っぷりを遺憾なく発揮し、試合を決定づける3点目を奪った。

 その後も清水は、静学に反撃の糸口すら掴ませない。14分、小西が真希のユニを掴んで引き倒すと、右45度30MほどのFKを真希自ら直接狙うが、ファー上に外れる。18分にも真希がまたも小西に右サイドで倒されるが (共に警告なし) 、怒りのクイックリスタート。前のスペースに枝村が抜け目なく飛び出し、右20度からシュートを狙ったが、強烈なボールをGK高田が止める。更に19分に投入された小泉は、21分に不可解な警告を受けたものの (枝村が倒されながら笛が吹かれず、倒れた枝村の足下のボールに対して小泉も絡んで蹴り合いになったもの。異議?)、俊足を活かして積極的に右サイドで仕掛け、トドメを刺しに掛かる。22分にジャンプしなかった青木にのしかかる格好になった村越が、何故かファウルと判定されて中央25MほどからFKになるが、狩野が直接狙ったボールを壁が跳ね返し、続いての二次攻撃もカバー。流れを渡さない。
 ところが、26分。痛んだ真司が悠輔に交代した直後、競り合いで桑卓のファウルとされたのが不服だったのか、距離をとるのが遅れた小泉に静学のFKが当たり、主審はためらわず「距離不足」で小泉に2枚目の警告、退場。雲行きが怪しくなる。27分にはスローインから中村の入れたクロスが、ゴール至近距離の静学選手の足下に入る混戦。なんとかゴールを振り向かせず、何を乗り切った。かに見えたが、29分、1枚目同様、後方から回り込んだ美臣のスライディングタックルが警告を受け、退場。遂に藤枝東 VS 静岡学園戦と同じく、9人 VS 11人 の勝負になった。

 こうなるともう、流れは一方的に静学に。清水は戦い方を変えるか戸惑い、中途半端に攻め気を出しては、カウンターで簡単に数的同数・不利を許してしまう。30分、青木のミドルはGK風間がキャッチ。実は静学、後半の初シュート。直後、4対3の数的不利は、左に開いた林内 (20番) がオフサイド。36分、足を攣った池田がピッチ外に出て8人 VS 11人なっていた時間帯、谷野投入を待たずに真希が右サイドをドリブルで突破しようとするが、井出?に奪われる最悪の結果。またも4対3の数的不利でトップ下の狩野からのスルーパスを、抜け出した木場 (11番) に桑卓の手が掛かり、転倒、PK。しかし、藤枝東戦・磐田戦とPKで得点している狩野のキックを、GK風間が右に飛んで魂のストップ! 3年生の意地を見せる。
 このあたりから清水も落ち着きを取り戻し、4−2−1−1のバランスを保ってゾーン別にカバー。枝村と悠輔が活きる展開ではなくなってしまったが、彼らと谷野がコースを切りつつ4枚のDFで跳ね返す意識を徹底する。42分には逆に谷野のスルーパスから枝村が静学の右サイドを抉り、クロス。石垣がDFと競り合ってボールがこぼれたところ、悠輔が粘って反転してシュートまで持ち込んだが、至近距離まで詰めていたGK高田が跳ね返す。その直後、右に流れた青木の入れたクサビに対し、林内 (20番) がPA内で半身で受けると、DFの枚数が足りない清水はマークに付けきれず、反転して抜け出す余裕を与えてしまった。3−1。 (筆者は得点を20番=林内と記録したが、各紙報道によると木場とのこと)
 だが、これで清水は守りの戦術を強化。1枚前線に残していた石垣を最終ラインに戻し、5−2−1でひたすら跳ね返す。静学は一方のサイドだけで攻める小さな展開が多く、ましてゴール前では常時混戦状態になってしまい、数的不利の穴を広げられなかった。最後に47分、スローインから静学・清水の放ったミドルは大きく枠を外し、万事休す。3分のロスタイムを凌ぎきり、終わってみれば磐田以外の相手に無敗で、清水がプリンス東海2位通過を決めた。

静岡学園      清水エスパルス
8(3) シュート 6(4) ◎枝村、×石垣、◎真希、◎真希、×真希、○枝村
5(2) 右クロス 4(1) ×小泉、×小泉、×枝村、○枝村
3(0) 左クロス 1(1) ○真希
0(0) 右側CK 1(0) ×真司
3(0) 左側CK 1(1) ○池田
1(−)  犯OS  1(−) ・石垣
10(4) ファウル 11(2) ・枝村、・桑卓、・小泉、×村越、・桑卓、・小泉、・美臣、・池田、×桑卓、・枝村
               ・真希


▼試合結果

清水エスパルスユース 3−1 静岡学園高校
 得点:後半03分:清水・枝村 匠馬 ※シュートリバウンド
    後半10分:清水・山本 真希 (石垣 勝矢・スルーパス)
    後半12分:清水・山本 真希 (高野 美臣・クサビのパス)
    後半42分:静学・木場 正義 (青木 亮太・クサビのパス) ※各紙報道による
 警告:前半11分:清水・村越 大三 (反スポーツ的行為)
    前半37分:清水・佐野 克彦 (反スポーツ的行為)
    前半39分:清水・高野 美臣 (ラフプレー)
    後半21分:清水・小泉 慶治 (異議?)
    後半26分:清水・小泉 慶治 (距離不足)
    後半29分:清水・高野 美臣 (ラフプレー)
 退場:後半26分:清水・小泉 慶治 (警告2回)
    後半29分:清水・高野 美臣 (警告2回)


▼選手寸評

[私撰MVP]
●山本 真希 (2年・FW→右SH→右SB→右WB)
 怪物。新たに2点を加え、大会通算8得点でチーム得点王となった。枝村がチームの中心ならば、真希はチームという枠の外にいる存在。規格外の運動量と突破力と正確かつ強いキックで、攻守に強引に貢献した。なにしろ、新潟のU-18代表からとんぼ返りしてきた選手が、後半40分過ぎに逆サイドと連動して攻め上がろうとするのだから、恐れ入る。

[私撰MIP]
●池田 康彦 (1年・CH→左SH)
 負傷の枝村に代わってチームの重心を任された1年生は、その期待に十分に応えた。バイタルエリアの要所を見極めたポジショニングは、清水のマケレレと言うに相応しい。本調子でない枝村、規格外の真希に代わって、潰し・繋ぎを丹念にこなすだけでなく、コーチングで既にキャプテンシーを発揮しつつあり、名実共にチームの重心となった。

●桑原 卓哉 (1年・左SB→左WB)
 大会を通して最も成長した選手だろう。今年はレフティの駒が多く、岡村や佐野という選択肢もある中で、左SBの定位置を確保。一体感のあるドリブルや変化の付けられるキックに加え、守備で大きく成長。対地・対空共に競り合いに強く、この日も相手のキーマン・中村を封じたが、大会チーム最長出場記録を誇るスタミナ面こそ称すべきだろう。

[個人的好印象選手 (相手方) ] 清水 俊典 (3年・ボランチ)


●(04.08.08更新)
 JFAプリンスリーグU-18 東海 2004 今更企画 個人的ベストイレブン

【 GK 】
森 真也 (3年 名古屋グランパスエイト) 一長一短あって波の激しいGKが多い中、粗が少なく、最も安定していた。

【 DF 】
森下 俊 (3年 ジュビロ磐田ユース)   磐田の頭脳。絶妙のカバーと、組み立てのチェンジ・オブ・ペースは見事。
中川 裕平 (2年 四日市中央工業高校)   空中戦・地上戦共に絶対の存在感。DFの本分では、東海地区最強だろう。
小関 佑典 (3年 藤枝東高校)       広範囲で活躍できる高い運動能力も特長だが、その「声」こそ最大の武器。

【 MF 】
山本 真希 (2年 清水エスパルスユース)  精神的にも身体的にも圧倒的な持久力と爆発力を発揮し、一皮剥けた怪物。
中村 豪 (3年 ジュビロ磐田ユース)   惜しみない運動量と鋭い戦術眼に、正確なダイレクトタッチで急所を突く。
稲垣 順 (3年 名古屋グランパスエイト) 名古屋の心臓。様々な意味で「タフ」な男でエースを抑える能力は一級品。
池田 康彦 (1年 清水エスパルスユース)  真希や枝村の奔放な動きに対し、それを上回る運動量でスペースを埋めた。
狩野 健太 (3年 静岡学園高校)      独特のセンスを持つ静学の王様は、意外に運動能力も高く、化ける予感も。
桑原 卓哉 (1年 清水エスパルスユース)  攻守の1対1の強さと、チーム最長出場時間を果たしたスタミナを誇った。

【 FW 】
藤井 貴 (3年 ジュビロ磐田ユース)   得点王。サポート役だけでなく、突破力と神トラップで局面を打開できる。

−−−−−−−−藤井−−−−−−−−

−−−−−−狩野−−中村−−−−−−

− 桑原卓 −池田−−稲垣− 山本真 −

−−−−中川−−小関−−森下−−−−

−−−−−−−− 森 −−−−−−−−

【 MVP 】 藤井 貴 (3年 ジュビロ磐田ユース)
【 新人王 】 池田 康彦 (1年 清水エスパルスユース)



2004年07月16日(金) JY: 高円宮杯 静岡クラブ予選 ヤマハジュビロSS沼津戦

04年7月17日 (土) 12:30開始 鈴与三保グラウンド
 第16回静岡県クラブユース (U-15) サッカー選手権大会 決勝トーナメント準決勝
 (兼:スルガカップ静岡県ユース (U-15) サッカー選手権大会 クラブ代表決定戦)
 対 ヤマハジュビロサッカースクール沼津 ※25分ハーフ


▼布陣
清水エスパルスJrユース:       ヤマハジュビロサッカースクール沼津:
−−−−−−前田−−山口−−−−−− −−−−−−春田−−中里−−−−−−
− 杉山和 −−−−−−−−−佐藤−− −−−−松井−−−−−−磯崎−−−−
−−−−−−滝戸−−田村−−−−−− −−−−−−岩本−−本間−−−−−−
−−石垣−−鍋田−−小関− 桑原尚 − −−今村−−芹沢−−森川−−山島−−
−−−−−−−−吉田−−−−−−−− −−−−−−−−川俣−−−−−−−−
後半0分:杉山和と前田 をポジションチェンジ
後半5分:山口 →庄司
後半19分:鍋田 →川端
後半24分:佐藤 →佐野諒 (前田を右SH、杉山和を左SH、佐野諒をFW)


▼試合展開
[前半]
3分、尚希のロングフィードから佐藤が競って右CKを得ると、和毅のキックに中央で滝戸が高い打点でヘッド、1−0。

沼津        清水エスパルス
1(0) シュート 7(3) ◎滝戸、○前田、×山口、○山口、×鍋田、×佐藤、×田村
1(0) 右クロス 4(3) ×前田、○滝戸、○滝戸、○佐藤
2(0) 左クロス 4(3) ○和毅、×石垣、○和毅、○和毅
0(0) 右側CK 1(1) ◎和毅
0(0) 左側CK 2(1) ×滝戸、○滝戸
0(−)  犯OS  0(−)
1(0) ファウル 1(0) ・田村

[後半]
9分、沼津、ファウルの判定が逆転して沼津のFKになると、中盤からのロングボールに11が単身抜け出して、1−1。
13分、尚希?の縦フィードから和毅が右に抜け、切り返して左足で小さく折り返すと、右45度から佐藤がボレー、2−1。
20分、沼津、今村に警告 (異議)

沼津        清水エスパルス
4(1) シュート 4(3) ○前田、×庄司、◎佐藤、○和毅
5(1) 右クロス 4(3) ○和毅、×佐藤、◎和毅、○和毅
3(0) 左クロス 0(0)
2(0) 右側CK 0(0)
1(0) 左側CK 0(0)
0(−)  犯OS  1(−) ・庄司
3(0) ファウル 7(3) ・前田、・滝戸、・前田、・鍋田、×田村、×滝戸、×石垣

清水エスパルスJrユース 2−1 ヤマハジュビロサッカースクール沼津


▼選手寸評
杉山 和毅 (左SH→FW): 徹底マークを受けても、最も頼れる存在。圧倒的なキープ力を誇るが、判断の速さは課題か。
鍋田 圭吾 (CB): 身長169cmとはにわかに信じ難いほど空中戦に強い。シンプルな攻撃に対し、よくサイドまでカバー。
春田 雄士 (沼津・FW): 荒削りだが身体能力が高く、高く・速く・積極的。チャンスメイクもゴールも担う能力がある。



2004年07月11日(日) JY: 高円宮杯 静岡クラブ予選 エスパルス藤枝+藤枝明誠戦 (寄稿)

04年6月20日 (日) 9:30開始 鈴与三保グラウンド
 第16回静岡県クラブユース (U-15) サッカー選手権大会 決勝トーナメント1回戦
 (兼:スルガカップ静岡県ユース (U-15) サッカー選手権大会 クラブ代表決定戦)
 対 エスパルスサッカースクール藤枝 ※25分ハーフ

先発:                終了間際:
−−−−−−山口−−前田−−−−−− −−−−−−古牧− 佐野諒 −−−−−
− 杉山和 −−−−−−−−−佐藤−− −−小嶋−−−−−−−−−−横山−−
−−−−−−滝戸−−田村−−−−−− −−−−−−滝戸−−平井−−−−−−
−−石垣−−鍋田−−小関− 桑原尚 − −−曽根−−奥山−−小関− 佐野将 −
−−−−−−−−吉田−−−−−−−− −−−−−−−−吉田−−−−−−−−
交代:後半09分:前田 →佐野諒
   後半11分:桑原尚→佐野将
   後半15分:杉山和→小嶋、山口→古牧、田村→平井
   後半20分:鍋田 →奥山、佐藤→横山
   後半24分:石垣 →曽根

清水エスパルスJrユース 5−0 エスパルスサッカースクール藤枝
 前半11分:田村 亮介 ※ミドルシュート
 前半20分:前田 陽平 (滝戸 諒  ・左クロス)
 後半03分:杉山 和毅 (山口 恭兵 ・ポストプレー)
 後半08分:山口 恭兵 (前田 陽平 ・左クロス)
 後半10分:佐野 諒  (田村 亮介 ・右クロス)

  コーナーキック:  7−4
  枠内シュート:  13−4
  枠外シュート:   5−2
  左右クロス成功:  8−0
  左右クロス失敗: 13−8



04年6月20日 (日) 13:00開始 鈴与三保グラウンド
 第16回静岡県クラブユース (U-15) サッカー選手権大会 決勝トーナメント2回戦
 (兼:スルガカップ静岡県ユース (U-15) サッカー選手権大会 クラブ代表決定戦)
 対 藤枝明誠SC ※25分ハーフ

先発:                終了間際:
−−−−−−山口−−前田−−−−−− −−−−−−滝戸−−小澤−−−−−−
− 杉山和 −−−−−−−−−佐藤−− − 杉山和 −−−−−−−−−佐藤−−
−−−−−−滝戸−−田村−−−−−− −−−−− 岩崎真 −田村−−−−−−
−−石垣−−鍋田−−小関− 桑原尚 − −−石垣−−川端−−小関− 桑原尚 −
−−−−−−−−吉田−−−−−−−− −−−−−−−−柴田−−−−−−−−
交代:後半14分:鍋田 →川端、山口→岩崎真 (滝戸をFW)
   後半21分:前田 →小澤
   後半23分:吉田 →柴田

清水エスパルスJrユース 4−1 藤枝明誠SC
 前半03分:清水・田村 亮介 ※ミドルシュート
 前半15分:清水・山口 恭平 (桑原 尚希 ・ロングフィード)
 前半21分:藤枝・22番   ※左シュータリング
 前半22分:清水・杉山 和毅 (滝戸 諒  ・ショートパス)
 後半25分:清水・滝戸 諒  ※ミドルシュート

  枠内シュート:   8−2
  枠外シュート:   7−3
  左右クロス成功:  4−0
  左右クロス失敗: 16−0



ほか
 清水エスパルスJrユース (中3) 3−1 清水エスパルスJrユース (中2) (前半終了)
 藤枝東高校 4−1 東邦高校



2004年07月10日(土) プリンス東海 岐阜工業高校戦

04年7月10日 (土) 15:15開始 大垣浅中総合公園球技場
 JFAプリンスリーグU-18 東海 2004 第8節
 対 岐阜工業高校 ※45分ハーフ
 天候:晴れ 時々曇 一時雨

▼布陣
先発:                終了間際:

−−−−− 篠田悠 −町田−−−−−− −−−−− 篠田悠 −町田−−−−−−

− 鈴木真 −−−−−−−−−柴田−− −−岡村−−−−−−−−−−小泉−−

−−−−− 山本真 −池田−−−−−− −−−−− 山本真 −池田−−−−−−

− 桑原卓−佐野克− 村越−−上埜−− − 桑原卓 −岩本−−村越− 高野美 −

−−−−−−−−風間−−−−−−−− −−−−−−− 山崎晃 −−−−−−−

控え:晃太、石垣、岩本、渥美、谷野、岡村、小泉、長沢
交代:後半14分:上埜 →高野美 (そのまま右SBに)
   後半19分:風間 →山崎晃 (そのままGKに)
        鈴木真→岡村  (そのまま左SHに)
   後半31分:柴田 →小泉  (そのまま右SHに)
        佐野克→岩本  (そのままCBに)

岐阜工業高校:

−−−−−−−−19−−−−−−−−

−−−−07−−臼井−−栗本−−−−

−−−−−−10−−奥田−−−−−−
                   交代:後半00分:19→13 (臼井と13の2トップ)
−−14−−04−−03−−05−−         05→15 (14が右SB、15が左SBに)
                      後半26分:栗本→02
−−−−−−−−清水−−−−−−−−         04→20


▼試合展開

 愛知県一宮市で床下浸水が起きて新幹線も止まった日に、岐阜県大垣市で行われたプリンス東海第8節。13時から行われた四中工−暁 (3−1、四中工の中川と中林、西井が目立ってた) の前に雨はあがったが、ところどころに水たまりが残る悪コンディション。元より芝生が禿げ上がる部分が目立つグラウンドは、前の試合で90分間「耕され」、酷い状況になっていた。加えて豪雨はどこと。水蒸気が立ち上り、とんでもない蒸し暑さが選手を襲う。
 前節、磐田に大敗し、大会初黒星を喫した清水は、大幅に選手を入れ替えた。本来、前節ミスの目立った渥美に代えて上埜を右SBに起用、中盤ではJrユース相手とはいえ4点を決めた柴田を大会初先発させた。前線は石垣・長沢のツインタワーに代え、篠田悠・町田の点獲り屋2人の2トップ。築館前監督を思わせる、かなり攻撃的な布陣だ。3年生4人、2年生3人、1年生4人。これでも1年生は、今までで最少人数だ。
 清水同様、前節は大敗を喫した岐阜工 (対 名古屋0−6)。暁戦こそ完封 (ドロー) したものの、それ以外の相手に3失点以上で7試合25失点と、守備崩壊を立て直せないでいる。3年生の層が薄く、2年生中心で戦っていると聞くが、やはり名将・大野監督が転勤した影響もあるのだろう。ここまで密かに4試合、岐阜工を観戦している筆者だが、DF陣は屈強ながらスピードに脆い印象がある。さらに、たぶん2番のU-16代表・松井は、名古屋戦で出場停止になったのか姿なし。後半、右SHに2番が入ったが、違う選手だと思う。関係者でもなんでもない筆者は、メンバー表を持っていないので、上記はあくまで推測。間違ってたらすいません。


( 背後のピッチを見てもらえば分かるとおり、かなり酷いグラウンドコンディション。
 整列は左から、村越、真希、悠輔、柴田、上埜、町田、佐野、桑卓、真司、風間、池田)

[前半]
 酷暑と悪ピッチは、個人技重視の清水に不利と思われた。立ち上がりが勝負と見たのか、清水は快調に飛ばす。開始直後、東邦戦以来4節ぶりの先発復帰となる町田が飛び出して、いきなりオフサイド。1分、悠輔のシュートはDFブロック、GKが拾いきれずにこぼれたボールを町田が反転シュート、DFに当たって枠外。4分、左に開いた町田が浮き球トラップで突破、中に切れ込みつつ左に叩くと、ボランチの僚友・池田が大外に回り込んで左クロス、DFクリア。これを拾った真希が、再度左サイドを突破。スピードで強引にブッ千切ると、全力を込めた高速クロス。町田が飛び込んで合わせたが、DFと交錯してボールがこぼれる。すぐ近くにいた悠輔が体ごとDFとGKの網を押し広げ、ボールをゴールに収めた。1−0。PA内の強引さは、さすがスペイン仕込み。清水が一気呵成に攻めきった。
 その後も清水は、攻め手を緩めない。7分にも、真希が奪うと自ら右サイドを突破、高速クロスにDFが処理ミス、こぼれたボールが足下深く入ったのを巧く処理して、悠輔がPA内でシュートを放ったが、GK清水が横っ飛びでパンチングする。中盤の底に池田を一人残し、その前で自由奔放に真希が動く格好で攻める清水だが、4−2−3−1でサイドを重視する岐阜工も簡単にはサイドの攻防で譲らず、次第に展開が縦に急ぐ単調なものに。町田が順調にオフサイドを稼ぐ。19分に柴田が浮き球トラップでDFを交わしスピードで縦突破、抉って右クロスはニアの悠輔に合わず、だがその裏にいた町田がボレーは、ニアポストに嫌われる。
 久々にサイドを攻略した清水だったが、その後の21分。岐阜工は中盤左からロングボールをPA内右に対角線で送り込むと、右MF栗本がCB佐野の前に走り込む。体を寄せる佐野を肩でブロックしつつ、ダイレクトでボレーシュート。難易度の高いシュートを枠内にコントロールしたのはさすがだが、生憎コースがなく、GK風間が弾くと、カバーした桑卓が右CKに逃れた。奥田の右CKはニアで真希がクリア、ファーで流れて上埜がキープし、町田がポストからスルーパスは、一歩間に合わずGKが抑えた。だが、それに突っ込んだのは、最初にクリアした真希。相変わらず恐ろしい運動量である。


(28分、ポストに入った悠輔が巧くファウルをもらい、右45度35M程ある位置から真司のFK。ニアの悠輔がバックヘッドを放つがDF4番に跳ね返され、リバウンドを真希のシュートはブロック、更に池田のミドルは枠上)

 カウンターで一つ形を作った清水。酷暑の疲労で序盤のフォアプレスは弱まり、逆に岐阜工のプレスが上回ったのを見て、速攻モードに切り替えた。29分、岐阜工プレスにパスが乱れ、上埜が高くクリアして時間を稼ぐと、センターサークル付近で真司が待ち受ける。とりわけ芝が荒れたその位置で、真司は巧みなトラップと重心を低くしたターンでキープ、代わって左に流れた池田に捌く。池田は前の真希に当てて更に左へ回るが、真希はその動きを囮に中にトゥットっぽいスライド移動からミドル。GK清水、横っ飛びで好セーブ。32分には、やはり岐阜工のプレスを避けてGK風間に戻す。風間は長く蹴り出そうするが、一人真希が最終ラインの右に顔を出し、パスを要求。ボールが渡った時、真希に加納隆次が乗り移る。「藤田東のフラッシュパス」発動。真希から彼と入れ替わって中盤右に位置する上埜へ、ダイレクトで叩いて右サイドに開いた柴田へ、ダイレクトでPA手前の町田へ、そしてPA内にスルーパス。飛び出した悠輔が溜めて溜めて、耐えきれずにGK清水が体勢を崩した瞬間、初めて右足を一閃。GKの上を越えて、ゴール中央に吸い込まれた。恐ろしいまでの落ち着きっぷり。2−0。ハッキリ全部覚はえてはないが、ほぼ全てがダイレクトだったはず。しかし、現実であれにお目にかかれるとは…。
 その後、34分にも池田→上埜→真希が縦突破→町田ポスト→悠輔スルーパス→真司オフサイドという速い攻撃があったが、清水の攻撃は一段落。岐阜工がボールを持つ時間も長くなり、38分には7番?に抜け出され、たまらず上埜が手を使って止め、岐阜工に右35度30MほどからFKを与えてしまう。だが、岐阜工は中途半端に素早く始めてしまい、結局、誰かのミドルシュートをゴール前で真希がブロック (また、この男かよ) 。岐阜工はなおもサイドから攻めるが、前節石神にヤられた桑卓が、相手のキーマン・右MF栗本にコンタクトで優位に立つ汚名返上。2−0のまま、試合を折り返した。

岐阜工       清水エスパルス
2(2) シュート 10(5) ○町田、◎悠輔、○悠輔、×悠輔、×真希、×真希、×町田、×池田、○真希、◎悠輔
3(0) 右クロス 7(1) ×真希、×上埜、×柴田、×真希、×上埜、○柴田、×柴田
0(0) 左クロス 7(2) ×池田、◎真希、×真司、×悠輔、×町田、○池田、×真司
1(0) 右側CK 5(0) ×真司、×真司、△真司、×真司、×真司
0(0) 左側CK 3(0) ×池田、×池田、×池田
0(−)  犯OS  7(−) ・町田、・町田、・町田、・真司、・町田、・悠輔、・悠輔
6(3) ファウル 8(1) ・上埜、・真希、・真希、・町田、・真司、・悠輔、×上埜、・悠輔

[後半]
 後半開始。キックオフから清水の攻撃を岐阜工が跳ね返すが、それを奪い返して中盤の真希に。すかさず、真希が低く鋭い弾道でスルーパス。立ち上がりで集中力を欠いたのか、前半に7つものオフサイドを奪った岐阜工の最終ラインは、後半から投入された左SBの15番が残っていた。単身抜け出した真司は、ゴールライン際から左クロスを送る。ゴール直前に飛び込んだ悠輔に僅かに合わず、「ああ〜」と思った瞬間、右サイドから詰め寄った柴田が右足インサイドで「逆サイドネット」に折り返す。3−0。これで岐阜工は気落ちしたのか、前半から酷く走り回された疲れのせいか、一方的な展開に。「耕された」グラウンドは非常に重く、強く速く低いボールの蹴れる清水との差が如実に表れ、またボールを「泥」に付けない浮き球の処理にも雲泥の差があった。筆者の事前の予想と逆に、フィジカル以上にテクニックの差が優劣を分ける。10Mほどの横パスも満足に繋げないほど、岐阜工は疲れていた。


(4分、悠輔のスルーパスから真司がバックチャージを受け、獲得したFKを真希が直接狙うが、威力が今一つでGK正面)

 それでも岐阜工は、ファウルも厭わぬ粘りで暫く凌いでいたが、10分、柴田のオフェンスファウルで得たFKを、焦って始めてパスミスし、敢えなく清水のスローインに。上埜が素早く始めると、受けた柴田がスルーパス、そこに今度は右サイドにやってきました、山本真希。ゴールライン際で強引な方向転換でDFを抜き去ると、痛烈な右クロスをFW2枚が同じポジションに重なりながら、一歩先に悠輔が柔らかくGKの左肩上を狙うコントロールショットを決めた。4−0。悠輔、あっさりとハットトリック達成。淡々とした悠輔に町田が両手を合わせて喜びを分かち合うが、「次は俺に譲ってくださいよ!」って言ってるようにも見える (笑) 。
 15分、自陣左からのスローインを受けた真希が前線の町田に長いクサビ、そして自らも一直線に30Mを猛ダッシュ。キープする町田と猛烈な勢いで入れ替わりつつリターンをもらい、そのまま走り込んではPA手前で右横へ飛び跳ね、豪放なミドルシュート炸裂。ゴール右に叩き込んだ。5−0。駆けつけたサポーターに大人気の真希、高らかに応援歌を歌われる。…あ、平岡のと同じだ。攻撃の手を緩めない清水は17分、中盤で美臣→真希と繋いでクサビを入れると、町田が右斜めにドリブル開始。この時、悠輔が左斜めに抜け出してスルーパスを受ける体勢に入ったが、敢えて無視。柔らかい足下のドリブルでDFを崩すと、PA外から右足アウトに掛けたミドルシュート。町田らしくない (爆) 鮮やかな曲線を描いて、ゴール右に吸い込まれた。6−0。お祭り男・町田、このゴールに大喜び。散々はしゃいだ挙げ句、美臣と腰を突き合わせ、「ハッスル、ハッスル」(笑)

 19分、GKを途中交代させる余裕を見せる清水は、その交代直後の岡村の左スローイン。町田のポストの左横を真希が駆け抜けてパスをもらい、弾むようなステップからクロス。ゴール前を高速で横切ってファーだが、これをダフって混戦、悠輔の掬い上げるようなシュートはGK清水が間に合う。21分、岡村→真希のパスの間を桑卓が駆け抜け、パスを受けて左クロス、ニアの悠輔はDFブロック、それを近くの町田が合わせるが、今度は右ポストがブロックする。その直後、PA内で悠輔が背後からプッシングで倒れるが、審判がお目こぼし。しかし、これらの場面や1点目・3点目でも分かるとおり、悠輔と町田は得点への強い意欲をチームに持ち込んだ一方、互いに良いポジションを取ろうとして重なることが多く、PA内で無用の混戦状態を作り出す一因となった。また、突如降り出したスコールのような激しい雨が、微妙に清水のボールコントロールを狂わせ、疲労した岐阜工DFを一時的に回復させていた。
 33分、悠輔のスルーパスから岡村が左サイドを抜け出し、クロスを町田がボレーは枠上。ワンタッチあって真希が右CKでショートコーナーを選択、受けたレフティの岡村が切れ込んでニアに強烈なシュートを放ったが、DFがブロックした。その後も村越が殆どボランチの位置でプレーしたり、岩本が持ち上がって相手陣内深くまで攻め上がったり、波状攻撃を仕掛けるが一押し足りない。途中投入の岡村・小泉が幾度となくサイドを崩すが、岐阜工DFもPA内で強さを示す。41分、町田のスルーパスから岡村が左サイドを突破、スピードでDFを抜き去ってゴールライン際から折り返したクロスに、いつの間に走り込んだ町田は合わず、だがその後ろで悠輔がシュート、枠外。名手悠輔がPA内で決定機にフカす場面を見たのは初めてだ。ならばと44分、敵陣のFKを真希が小さく岡村にパスすると彼を追い抜き、岡村が体を捻転させてサイドに開いた真希へ、真希の弾道の低い高速クロス (彼のクロスはこればっかりだ) を悠輔が右足ラボーナでボレー、も枠に決まらず。圧倒的攻勢ながら追加点の決まらない物足りない後半となった、
 と思われたロスタイム。速い判断から池田が、得意の対角線に味方を走らせるロングスルーパス。逆回転を掛けたパスが同期の小泉の駆け込む先にピタリ。途中投入後、盛んに1対1を挑んでいた小泉、ここは独走で相手を置き去りにしてゴールライン際で速い右クロスを送る。ニアの悠輔とその裏にいた町田 (この2人のポジションも、こんなのばっかりだ) には合わなかったが、ファーにいた岡村が左足のジャンピングボレー。凄絶な弾道が逆サイドネットに決まって、7−0。最後に町田が通算6度目のオフサイドを稼ぎ、町田のオフサイドで始まった試合は、町田のオフサイドで幕を閉じた。

岐阜工       清水エスパルス
0(0) シュート 16(9) ◎柴田、×町田、○真希、◎悠輔、◎真希、◎町田、○真希、○悠輔、×町田、×真希
               ×町田、○岡村、×村越、×悠輔、×悠輔、◎岡村
0(0) 右クロス 9(4) ○柴田、×柴田、◎真希、×小泉、×小泉、×小泉、×小泉、○真希、◎小泉
0(0) 左クロス 7(4) ◎真司、◎真希、○桑卓、×真希、×桑卓、○岡村、×桑卓
0(0) 右側CK 4(0) ×真司、×岡村、△真希、×岡村
0(0) 左側CK 4(1) ○池田、×池田、×真希、×真希
0(−)  犯OS  3(−) ・岡村、・町田、・町田
12(5) ファウル 2(0) ・佐野、・柴田


▼試合結果

清水エスパルスユース 7−0 岐阜工業高校
 得点:前半04分:清水・篠田 悠輔 (町田 朋弥 ・シュートリバウンド ← 山本 真希 ・左クロス)
    前半32分:清水・篠田 悠輔 (町田 朋弥 ・スルーパス)
    後半00分:清水・柴田 和也 (鈴木 真司 ・左クロス)
    後半10分:清水・篠田 悠輔 (山本 真希 ・右クロス)
    後半15分:清水・山本 真希 (町田 朋弥 ・ポストプレー)
    後半17分:清水・町田 朋弥 (山本 真希 ・クサビのパス)
    後半44分:清水・岡村総一郎 (小泉 慶治 ・右クロス)


▼選手寸評

[私撰MVP]
●山本 真希 (2年・CH)
 サポーターの声援に触発されたか、色気を出しすぎて無謀なドリブル突破やミドルシュートを狙う場面が目に付き、実際にミスも多かったのだが、それでも1得点3アシストなのだから次元が違う。2点目・3点目も起点になり、実に7点中6点に絡んだ。攻守に縦横無尽に動き回り、豊富な運動量を活かすスタイルを完成させつつある。

[私撰MIP]
●池田 康彦 (1年・CH)
 ボランチとしては、真希以上に仕事を全う。真希が精力的に、だが自由に攻守に貢献する一方、池田は要所を抑えた的確なポジショニングと、スペースへの鋭いパスで、試合に落ち着きを与えた。前節・磐田戦ではそのパスを狙われて波状攻撃を許したが、相手に違いはあるが速い判断と大きな展開を心掛けており、課題に真面目に取り組む態度が感じられる。

●篠田 悠輔 (2年・FW) & 町田 朋弥 (1年・FW)
 点獲り屋2人。悠輔は足下のテクニックとマリーシア、町田はポストもできる万能型っぷりも示したが、究極的にはやっぱり点獲り屋。とにかくゴール前のポジションが重なり、とても良い補完関係とは言い難いが、それでも2人で4得点3アシストを荒稼ぎした。点獲り屋同士の負けん気がプラス方向に向かえば、実に面白い2トップだ。



2004年07月04日(日) 練習試合 清水エスパルスJrユース戦+JY (中2): ベルマーレ小田原戦

04年7月4日 (日) 08:45開始 鈴与三保グラウンド
 練習試合
 対 清水エスパルスJrユース ※30分×3
 天候:曇

▼布陣
先発:                終了間際:

−−−−−−八木−−町田−−−−−− −−−−− 篠田悠 −町田−−−−−−

−−岡村−−−−−−−−−−柴田−− − 山崎竜 −−−−−−−−−柴田−−

−−−−−−谷野−−神田−−−−−− −−−−−−谷野−−神田−−−−−−

−−上埜−−長沢−−岩本− 桑原彬 − −−岡村− 佐野克 −岩本− 桑原彬 −

−−−−−−− 山崎晃 −−−−−−− −−−−−−− 山崎晃 −−−−−−−

交代:2本目00分:長沢 →石垣勝 (そのままCBに)
         上埜 →山崎竜 (岡村を左SB、八木を左SH、山崎竜をFWに)
   3本目00分:石垣勝→佐野克 (そのままCBに)
   3本目22分:八木 →篠田悠 (山崎竜を左SH、篠田悠をFWに)

清水エスパルスJrユース:
1本目:               2本目:               3本目:
−−−−−−庄司−−山口−−−−−− −−−−−−滝戸−−山口−−−−−− −−−−−−古牧−−小澤−−−−−−
− 杉山和 −−−−−−−−−佐藤−− − 杉山和 −−−−−−−−−佐藤−− −−−−−−− 佐野諒 −−−−−−−
−−−−−−滝戸−−田村−−−−−− −−−−−−庄司−−田村−−−−−− −−小嶋−−平井− 岩崎真 −横山−−
− 石垣亮 −鍋田−−小関− 桑原尚 − − 佐野将 −川端−−小関− 桑原尚 − −−−−曽根−−川端−−奥山−−−−
−−−−−−−−吉田−−−−−−−− −−−−−−−−吉田−−−−−−−− −−−−−−−−伊原−−−−−−−−
                   14分:山口→佐野諒


▼試合展開

 ユースとJrユースの練習試合。身近な相手との試合は、昇格に向けた実力を知る格好の機会になる、のかな?
 ユースは昨日の磐田戦に出場しなかったメンバーが中心。CBだけは人数が足りず、長沢・石垣・佐野克をが30分毎にローテーションしていた。昨日の出場メンバーでは、渥美・桑原卓・小泉の各1年生が姿を見せず。一方、枝村・高野美・前田はグラウンドに顔を見せており、手に包帯を巻く前田はともかく、枝村・美臣は元気そうだった。杉山雄・小出は確認できず。
 Jrユースは所属する中学3年生21人全員が、ローテーションで出場。東海クラブ選手権に登録された2年生のうち、横山・曽根も出場したが、レギュラー格のFW前田は顔を見せなかった。

[1本目]
 予定の9時より15分ほど早く始まった試合。まあ、練習試合だからねえ。筆者が会場に着いた時、Jrユースの右SHの佐藤がサイドを押し込んだ状態で上げた右クロスに、遅れて飛び込んだFW山口が右足を合わせ、綺麗にファーへと流し込んだ。0−1。試合時間は5分ほど。山口らしい狡猾なゴール前の動きで、いきなりJrユースがリードを奪った。
 1本目のJrユースの先発は、ほぼベストメンバー。怪我で離脱していたFW佐藤が右SHに入り、本来右SHの田村はCHを務めた。リード後もきっちりと守備組織を保ち、連携の悪いユースの攻撃を岡村の単独突破程度に抑える。ユースも次第に谷野が中盤で司令塔の役割を果たし始めるが、逆に18分、和毅が桑彬相手に縦に勝負し、振り切ってゴールライン際で折り返す。岩本のクリアが乱れてファーに流れるが、辛くも上埜?がCKに逃れた。和毅は22分にも左サイドでキープする滝戸?の大外を回り、パスを受けて柴田を突破、クロスは桑彬に阻まれたが、ユース相手でも別格のスピードを見せつける。
 しかし、その滝戸の左CKはニアで谷野が跳ね返すとカウンター、岡村が右に流れながらパスを受けて突進、その前で右に開いた柴田にボールを預けると、その右外を大きく回ってパスを受けて鋭角に切れ込み、一気に60M近く走って左足シュート。GK吉田が好セーヴを見せたが、岡村は和毅とスピードで同等、更にその持続性で上回り、ユース最上級生の風格を漂わす。ユースが押し込み始めた24分。中盤で一つ間を置いた神田が、中央やや左から右斜めに走らせるスルーパス。これを右外から岡村・和毅に劣らぬ加速性能を見せる柴田が、斜めに裏へ走り抜けてゴールニアに叩き込んだ。1−1。
 その後も「勝ち越し点は俺が決めるぜ」とばかりに縦横無尽に走り回る町田を軸に、ユースが押し込むが、Jrユースも耐える。というか、ユースのシュートミスに助けられる。25分、町田のドリブルと交叉して八木のシュートは右、町田が柴田とのワンツーで裏に抜ける決定機は枠の左。とはいえ、町田の豪快な枠外シュートは、彼がゴールするためのフラグ立てでもある。一方のJrユースは28分、和毅が左サイドで桑彬を振り回し、反転して中央に流すと庄司お得意のミドル。彼らしい低くて重い弾道だったが、GK晃太が横っ飛びでキャッチし、貫禄を示した。試合は同点のまま1本目を終了。押されてはいたが、Jrユースが先輩に意地を見せた格好となった。

清水エスパルスJrユース           清水エスパルスユース
○庄司、◎山口、×田村 3(2) シュート 8(3) ×柴田、×町田、×岡村、○岡村、○岡村、◎柴田、×八木
                           ×町田
        ◎佐藤 1(1) 右クロス 1(0) ×桑彬、
○和毅、×和毅、×和毅 3(1) 左クロス 6(2) ○岡村、×岡村、×岡村、×岡村、○上埜、×上埜
        ×和毅 1(0) 右側CK 1(0) ×岡村
        ×田村 1(0) 左側CK 1(0) ×谷野
            0(−)  犯OS  0(−) 
            0(0) ファウル 1(0) ・??   ※内側から時系列順

[2本目]
 Jrユースでは佐野将と川端が登場。ユースは慣れないポジションを務めていたCB長沢と左SB上埜が、それぞれ石垣勝と竜男に交代し、かなり自然な布陣になった。こうなると、流れを掴むのはユース。開始0分にサイドに開いた竜男が右30度からシュートを放つと、続けて1分には左に開いた八木の内側を、猛烈な勢いで岡村が突進。パスをもらうと町田に捌いて更に突き進み、ワンツーリターンからゴールライン直前で電光石火の左クロス。素早く絶好のポジションどりをした町田がゴール至近距離でクロスに合わせ、美味しく勝ち越し点を頂戴した。2−1。
 ユースの勢いはその後も衰えず、滝戸が前線に上がったJrユースは谷野・神田のダブルボランチを掴まえきれない。4分に神田から岡村へ (枠外)、5分には谷野から町田へ (吉田が良いディフレクト) と鋭いスルーパスを浴びると6分。町田からのクサビを右に開きながら竜男が溜めて再び中央の町田へ、もう一度右へ振ると神田が飛び出し、縦へスルーパス。抜け出した柴田だが敢えてパスを戻し、PA右角から神田! 華麗なループシュートをゴール左へ鮮やかに決めた。3−1。
 だが、その後のユースは、左SBから盛んに長い距離を走り続けた岡村が一休みしたこともあり、低調な内容。前線の八木・竜男にミスが目立ち、柴田は消えていた。Jrユースは主将の和毅を軸に反撃の機を探っていたが、15分に山口に代え、佐野諒を投入。体重38kgと学年最軽量 (下級生を含めても3番目)、怪我もあって今年は出場機会に恵まれていない佐野諒だが、一瞬の天才は健在。17分、左サイドを抉った和毅が戻したボールを受けて、佐野諒がスルーパス。和毅が斜めに走り込んでシュートを放つが、GK晃太が好セーヴ。佐野諒が滝戸と縦の2トップの位置に入ったJrユースは、今年終ぞ見ていない中央からの崩しを得て盛り返す。
 とはいえ地力で勝るユースは、町田と竜男の2トップだけでゴール前まで攻め込んではいたが、サイドが不発で攻撃が単調に。逆にJrユースが、佐野諒が中央で起点となって効果的にサイドを使うようになり、28分、やはり頼りになる和毅が突破から左クロス、これはファーに流れるが、Jrユースが拾い直して庄司が重く低いミドル、GK晃太正面。最後は1本目と同じような展開だったが、2本目はそのまま2ー0で、ユースが勝利を収めた。

清水エスパルスJrユース           清水エスパルスユース
○庄司、×庄司、○和毅 3(2) シュート 8(4) ×竜男、◎町田、○町田、◎神田、×八木、×竜男、○町田
                           ×八木
    ×佐藤、×田村 2(0) 右クロス 4(0) ×柴田、×竜男、×柴田、×柴田
    ○和毅、×?? 2(1) 左クロス 5(2) ◎岡村、×岡村、×岡村、×岡村、○岡村
        ×和毅 1(0) 右側CK 1(0) ×谷野
    ×佐藤、×滝戸 2(0) 左側CK 2(0) △谷野、×谷野
            0(−)  犯OS  0(−) 
            0(0) ファウル 0(0) 

[3本目]
 3本目、Jrユースは1本目の先発からごっそり入れ替え。控えメンバー中心の顔ぶれとなった。ユースの方は石垣勝→佐野克の最小限の入れ替えがあっただけ。開始直後こそ、フレッシュなJrユースが押し込む場面もあったが、次第にユースの最終ラインが押し上げられる。特にそれまでの和毅の脅威から解放された、柴田・桑彬の右サイドが躍動。11分、中盤からサイドに捌いたボールを右に大きく開いて町田が受け、マーク (曽根?) を縦に振り切ると、ゴールライン際から速い右クロスを送る。それを柴田がボレーで捉え、4−1。その後も、攻め上がったSBを起点にFW・SHが中に切れ込む形で、順調に好機を量産するユース。17分、左SB岡村が久々のオーバーラップ。中盤で溜める谷野?からパスを受け、マークの間に合わないJrユースを尻目に送った左クロスを、ニアの町田が (結果として) スルー、それを中央でまたも柴田がボレーで決め、5−1。
 Jrユースはユースの縦に速い攻撃に全く対応できず、それで最終ラインが下がってしまい、空いた中盤のスペースに次々と後方の選手の侵入を許す悪循環。26分にも、そのスペースに桑彬がドリブルで持ち上がり、マークが対応したところで右に捌く。今度は柴田が持ち上がり、PA手前の悠輔にクサビを入れる。さすがにこの位置には人が残っているJrユースだが、このレベルでは反則的な存在の悠輔、暫しキープして間をつくると素早い切り返しでシュートコースを作る、…と、そこでスルーパス。右外から柴田が走り込み、ファーに鮮やかに決めた。6−1。さらに28分には、ボールカットした岩本が僚友・佐野克に後方を任せて、そのまま持ち上がる。あれよあれよと相手陣内までドリブルすると、右の神田に捌いて自らは左に開いてパスを待つ。が、ここで神田がトドメのスルーパス。竜男が抜け出すと、悠々とファーに流し込んで、7−1。3試合目は、30分で4−0とユースの完勝に終わった。

清水Jrユース        清水エスパルスユース
    0(0) シュート 12(8) ×竜男、◎柴田、○八木、×町田、◎柴田、×佐野、○竜男、○町田、◎柴田
                   ○桑彬、×神田、◎竜男
×横山 1(0) 右クロス 3(1) ×桑彬、◎町田、×柴田
    0(0) 左クロス 10(4) ×岡村、×八木、×谷野、○八木、○岩本、×八木、○八木、◎岡村、×八木
                   ×岡村
×?? 1(0) 右側CK 0(0) 
    0(0) 左側CK 2(2) ○谷野、○谷野
    0(−)  犯OS  0(−) 
    0(0) ファウル 1(0) ・佐野


▼試合結果

清水エスパルスユース 7−1 清水エスパルスJrユース
 得点:1本目05分:JY・山口 恭平 (佐藤 将吾 ・右クロス)
    1本目24分:Y・柴田 和也 (神田 和哉 ・スルーパス)
    2本目01分:Y・町田 朋弥 (岡村総一郎・左クロス)
    2本目06分:Y・神田 和哉 (柴田 和也 ・バックパス)
    3本目08分:Y・柴田 和也 (町田 朋弥 ・右クロス)
    3本目17分:Y・柴田 和也 (岡村総一郎・左クロス)
    3本目26分:Y・柴田 和也 (篠田 悠輔 ・スルーパス)
    3本目28分:Y・山崎 竜男 (神田 和哉 ・スルーパス)


▼選手寸評

[私撰MVP]
●岡村総一郎 (3年・左SH→左SB)
 3年生の風格。対角線の位置にJrユースの主将・杉山和毅がいたわけだが、2人だけ早送りを見ているようだった。さらに岡村はそれに加え、長い距離を走るスピードの持続力と、守備での献身さでも存在感を発揮。ユースはひと味違うところを見せつけた。

[私撰MIP]
●柴田 和也 (2年・右SH)
 第三の早送りの選手。ただ和毅と同様に消えやすいのが玉に瑕で、和毅と違って守備に戻る分だけ対面の彼に引きずられて、やや中途半端だった。だが、スペースを得た3本目は積極的な飛び出しでそれを享受し、18分でハットトリック達成。相変わらず、よく得点に絡む。

●神田 和哉 (1年・CH)
 175cm超のJrユースのCH、田村・滝戸・庄司に苦しむこともあったが、普段のユースの試合に比べれば十分の余裕を得て、そのパスセンスをふんだんに披露した。中央から相手の急所にパスを通すファンタジーアは、彼と佐野諒だけのもの。ループシュートは鮮やか。


Jrユース (2年)
04年7月4日 (日) 11:00開始 鈴与三保グラウンド
 練習試合
 対 ベルマーレ小田原 ※25分×3

清水エスパルスJrユース:
1本目:               2本目:               3本目:
−−−−−−西澤−−池上−−−−−− −−−−−−池上−−高橋−−−−−− −−−−− 佐野孝 −高橋−−−−−−
− 佐野傑 −−−−−−−−−吉川−− − 杉山一 −−−−−−−− 佐野孝 − − 佐野傑 −−−−−−−−−吉川−−
−−−−−−深澤− 望月卓 −−−−− −−−−−−深澤−−西澤−−−−−− −−−−− 杉山一 −横山−−−−−−
−−狩野− 望月恭−岩崎広−加瀬澤 − −−曽根−−狩野− 岩崎広−望月卓 − − 加瀬澤−望月恭−岩崎広 −狩野−−
−−−−−−−−柴田−−−−−−−− −−−−−−−−柴田−−−−−−−− −−−−−−− 望月景 −−−−−−−
                   10分:柴田→望月景

[1本目]
21分、小田原、中盤のロングフィードが恭平の頭を越えると、広大・加瀬澤の間を20番がスピードでブチ抜き、0−1。

小田原       清水エスパルス
2(2) シュート 3(2) ×卓馬、○池上、○卓馬
0(0) 右クロス 11(2) ×加瀬、×加瀬、×吉川、×池上、○傑、 ○吉川、×加瀬、×西澤、×加瀬、×吉川
               ×卓馬
0(0) 左クロス 3(0) ×狩野、×狩野、×傑
0(0) 右側CK 1(0) ×西澤
0(0) 左側CK 1(0) ×傑
0(−)  犯OS  3(−) ・池上、・西澤、・傑
0(0) ファウル 2(0) ・??、・??

[2本目]
07分、ゴールキックをPAのDFに繋ぐが高橋がプレス、慌てたパスを池上が奪い、スルーパスを高橋が決め、1−1。
10分、深澤がキープする左外を追い抜いた曽根がパスを受けると、速く低いクロスに池上が頭で痛烈に合わせ、2−1。
14分、PA手前でキープする高橋の前を横切った一貴が右裏でパスを受けると、それと交叉して孝洋が決めて、3−1。

小田原       清水エスパルス
3(0) シュート 12(8) ○高橋、○一貴、○一貴、◎高橋、◎池上、◎孝洋、×池上、×一貴、×西澤、×池上
               ○深澤、○深澤
0(0) 右クロス 7(4) ×孝洋、○孝洋、×一貴、○西澤、×卓馬、○卓馬、○孝洋
0(0) 左クロス 1(1) ◎曽根
0(0) 右側CK 2(0) ×一貴、△孝洋
0(0) 左側CK 2(0) ×一貴、×一貴
0(−)  犯OS  3(−) ・池上、・高橋、・高橋
1(0) ファウル 0(0)

[3本目]
16分、一貴のFKはDFが跳ね返すが孝洋が拾い左に展開、加瀬澤が低く入れたボールをニアで孝洋が合わせ、4−1。

小田原       清水エスパルス
1(1) シュート 9(5) ○孝洋、×一貴、○一貴、×孝洋、○加瀬、◎孝洋、○岩崎、×一貴、×孝洋
1(0) 右クロス 1(0) ×吉川
0(0) 左クロス 6(1) ×一貴、×傑、 ×傑、 ×傑、 ○加瀬、×傑 
1(0) 右側CK 2(2) ○横山、○横山
1(0) 左側CK 0(0)
0(−)  犯OS  2(−) ・高橋、・高橋
1(0) ファウル 1(0) ・吉川

清水エスパルスJrユース 4−1 ベルマーレ小田原

[個人的好印象選手]
深澤 慶也 (CH) : フォアリベロ。寄せが早い上に、体の使い方も上手く、潰し→捌きの仕事を忠実にこなしていた。
佐野 孝洋 (左SH、FW) : 暴走機関車。あまりに荒削りだが、強さ・速さ・高さを揃えたブンの原石のような選手。
加瀬澤 大 (右SB、左SB) : 精力的に上下運動しながら、ボールを受けても少ないタッチを心掛けていて、好印象。



2004年07月03日(土) プリンス東海 ジュビロ磐田戦

04年7月3日 (土) 18:00開始 ヤマハスタジアム
 JFAプリンスリーグU-18 東海 2004 第7節
 対 ジュビロ磐田ユース ※45分ハーフ
 天候:曇

▼布陣
先発:                終了間際:

−−−−−−長沢−−石垣−−−−−− −−−−− 篠田悠 −石垣−−−−−−

− 鈴木真 −−−−−−−− 山本真 − − 鈴木真 −−−−−−−−−小泉−−

−−−−−−上埜−−池田−−−−−− −−−−− 山本真 −池田−−−−−−

− 桑原卓−佐野克− 村越−−渥美−− − 桑原卓−佐野克− 村越−−渥美−−

−−−−−−−−風間−−−−−−−− −−−−−−−−風間−−−−−−−−

控え:晃太、岩本、桑彬、谷野、枝村、八木、小泉、篠田悠、町田
交代:後半00分:長沢→篠田悠 (そのままFWに)
   後半19分:上埜→小泉  (山本真をCH、小泉を右SHに)

ジュビロ磐田ユース:

−−−−−−増田−−藤井−−−−−−

−−−−−−−−中村−−−−−−−−

−−中島−−上田−−徳増−−石神−−
                   交代:後半00分:中島→白井
−−−−萩原−−森下−−和田−−−−    後半20分:徳増→宮本
                      後半31分:石神→佐藤
−−−−−−−−八田−−−−−−−−    後半35分:増田→渡辺


▼試合展開

 GK前田、DF美臣は怪我から復帰せず、更にグランパス戦で出色の内容だったMF枝村と岡村がベンチからも外れた。さすがにプリンス東海序盤戦よりはマシなメンバーだが、0−5の大敗を喫したクラブ選手権静岡予選での対戦時を上回る野戦病院状態に逆戻り。ううむ…。枝村はアップの前までは顔を見せており、また真司がトレーナーの澤野さんとアップするなど、明らかに不自然で、直前に足を痛めたのかもしれない (枝村は結局控え登録、後日の情報によると怪我をした右スネを再度痛めたとのこと) 。また篠田悠は、グランパス戦で痛めた足を気遣っての様子見か、それとも戦術上の賭けに出たのか、先発を外れた。3年生4人、2年生2人、1年生5人。
 一方の磐田は、エースの岡本が出場停止。代わりはサイドを務めることも多い増田が担当する。とはいえ、八田−森下−徳増・上田−中村−藤井と、世代別代表歴のある最上級生を並べたセンターラインは圧巻だ。3年生は萩原も含めて7人、2年生が3人、1年生はU-16代表の中島のみが先発した。


(今年2回目のダービーに臨むメンバー。左から村越、真希、風間、上埜、長沢、佐野、真司、渥美、桑卓、池田、石垣)

[前半]
 立ち上がりは (主に清水の) サポーターが声援を送る、いつもとは違う雰囲気の中、互いに様子見の様相。だが、そんな重い空気は、突如として破られる。5分、右に開いた中村から内側にパスを折り返すと、右WBの石神が入れ替わって縦に走り込み、PA内に斜めのパスを送る。が、それを読んだ渥美が落ち着いて対処、…したかに思われたが、頭で戻したボールが完全にGK風間と呼吸を乱す。風間は横っ飛びで一度は掴んだが無情にもこぼれ、右ポスト側に転がるボールを走り込んだ増田が、余裕を持ってゴールに蹴り込んだ。0−1。実に呆気ない幕開けとなった。
 動揺の見える清水に対し、前線からの出足が非常に良い磐田。12分に真希のスローインを上埜が右クロス、これを石垣が高さを活かしてPA内に競り落とし、長沢→石垣→長沢と繋ぐがトラップ失敗、清水はそんな突発的な好機があった程度。ひたすら守勢に回ることになる。磐田のロングボール攻撃と積極的なフォアプレスを前に、せっかく長沢・石垣のツインタワーを前線に揃えながら、押し下げられた最終ラインはルックアップする余裕もない。一方、ボランチにボールを一度預けて、その間に最終ラインを押し上げようとしても、ボランチが必要な時間を稼ぐ「溜め」をつくれない。卵が先か鶏が先か、結局、苦し紛れにボランチに短いパスを預けては、それを狙い通りに磐田に奪われた。1年生ボランチの池田は、それでも何度か良いパスを通したものの、潰し役と繋ぎ役を一手に担うのは、あまりに過重負担。溜め役と繋ぎ役の不在、…枝村の穴が重くのしかかる。
 だが、失点から5分を過ぎたあたりから、最終ラインは勇気を持って押し上げるようになり、前線の動きも活性化して清水の時間も生まれてくる。だが、その隙こそ磐田の狙い目。結局のところ、守→攻に切り替えた際、前掛かりの相手が空けた隙を複数が連動して突く素早いフィニッシュこそ、磐田の最大の武器。ユースレベルでは珍しい、非常に現代的でソリッドな、大人のサッカーだ。17分、速攻から右に開いた中村がクロス、これを上田が飛び出してボレーはGK風間、こぼれたのを更に中島が詰めるが、風間の正面。18分にも速攻。清水の右からの攻撃を跳ね返すと、ロングボールを逆サイドで残っていた石神、右からスピードに乗って桑卓を振り切り、更にPA手前の切り返しでCB佐野を外して、最後は広大なシュートコースからゴール右を選択。簡単に決めてみせた。0−2。石神の個人能力のゴールではあるが、シュートコースを切らずに安易に飛び込んだ、1年生の若さが出た失点でもある。

 高い最終ラインをカウンターで崩されての失点は、1失点目以上にダメージが大きかった。最終ラインを深く引いて跳ね返すのか、浅く押し上げるのが、意思統一されないままに磐田のフォアプレスを食らう。21分、藤井の突破から上田の右CKは、ニアで藤井がバックヘッドで流してファーポスト直撃、更にリバウンドを中島に拾われ、アーリークロスにファーの藤井が合わせるが、GK正面。波状攻撃。どうにか耐えた清水は31分、上埜が右サイドに捌いたボールから渥美が真希とのワンツーで突破し、右CKを得る。真司の左足キック、これをファーで「空中戦最強」石垣が強烈なヘッドを放つが、クロスバーを直撃。言っても詮無きことながら、これが決まっていたら、その後の展開もだいぶ違っていただろう。リバウンドは真希が拾い、シュートはブロックされるが自ら拾って左に流し、佐野のクロスはGK八田。
 精神的に持ち直したか、それまでPA直前でしかボールを奪えないほど押し込まれていた清水は、だいぶ高い位置でプレスを掛けるようになる。36分、磐田陣内でポストに戻った増田から石神へのバックパスを池田がカット、そのまま突っ掛け、右に切り返してシュートを放つが、枠上に外れる。38分には、桑卓の縦パスを素早く池田が右に流し、真希がPA横から突破を仕掛ける。シュートをDFがブロックするが、なかなか良い展開だった。
 だが、そうなると火を噴くのが磐田のカウンター。組織的に完成度の高い磐田は、能動的に相手を崩すより、相手がさらけ出した隙を広げて攻めるのを得意としている。清水のような個人技は高いが、故にそれに頼って組織に粗の多い相手は良いカモだ。真希の突破で得た38分の右CK、真司のキックをDFが跳ね返し、もう一度自ら拾ってクロスも跳ね返すと、一気呵成に石神が突き進む。追走する桑卓にコースを塞がれながらも放ったシュートは、渥美?がクリア。が、攻め上がった上田が拾い、放ったシュートは右ポストに命中する。三度、清水の最終ラインは乱れ、44分にも石神が右サイドを疾走、上げたクロスは渥美が跳ね返すが、中島に拾われて左クロス。これが村越が抑えるが、痛恨のパスミスが上田の前へ。上田が躊躇なくミドルを放ったが、大きく左に外れた。
 ラインを下げれば、奪った後にボールを溜め・繋ぐ能力がなくて波状攻撃を食らい、ラインを上げればカウンター。八方塞がりのまま、後半を迎える。


(44分、流れた渥美の右クロスを抑えた池田に対し、和田のファウルで真希の直接FK。その和田に直撃し、悶絶させる)

磐田        清水エスパルス
16(9) シュート 3(0) ×石垣、×??、×池田
6(2) 右クロス 4(1) ×石垣、○上埜、×渥美、×真司
4(2) 左クロス 2(0) ×佐野、×真司
2(1) 右側CK 2(1) ○真司、×真司
0(0) 左側CK 1(0) ×池田
1(−)  犯OS  1(−) ・長沢
6(2) ファウル 4(0) ・池田、・石垣、・長沢、・真司

[後半]
 後半頭から悠輔を投入。彼の機動力・キープ力、そしてマリーシアを武器に、序盤は清水が流れを掴む。1分には悠輔自ら突破し、タックルを受けて (巧く) 転びながらパスを出すと、石垣が左に大きく捌いて真司のクロスは中央に合わず。2分に池田のパスミスから上田に際どいシュートを撃たれる場面もあったが、4分、相手陣内で池田が上田?からボールを奪うと、捌いて左60度から真司のドライヴミドルはGK八田が僅かに触れてディフレクト、僅かに枠上。


(4分、真司のシュート後の池田の左CKは、ファーで佐野が折り返したものの、磐田DFにクリアされる)

 7分、村越がアンティシペーションで奪って悠輔にクサビ、素早い反転から真司に捌くと、クロスはGK八田が長身を活かして抑える。しかし、繰り返すが相手が前掛かりになった時こそ、磐田の好機。10分、ロングボールを清水陣内で抑えた藤井、佐野と桑卓が囲みに掛かるが、適切なキープから右に捌くと石神がフリーで飛び出す。満を持して上げた右クロスに、トップ下の中村が飛び出すと、これもフリー。しかも、PA内でワントラップする余裕まで得て、悠々とゴールに流し込んだ。0−3。続けざまに12分、磐田の右サイドからの攻撃を桑卓が防ぎ、佐野に繋いだところ、佐野が痛恨のパスミス。目の前の藤井に渡してしまい、藤井は足下に入ったボールを巧みに処理して、ゴール右ニアギリギリにミドルを叩き込んだ。0−4。清水はその直後の14分に、怒りの真希の中央突破からPA内の真司にスルーパスが通るが、真司はDFを外そうとして逆に囲まれ、シュートチャンスを逃してしまった。
 実のところ、磐田は疲れていた。前半から猛烈な勢いで、フォアプレスを仕掛け、活発なオフ・ザ・ボールの動き出しをしていたからだ。勿論、それを代償に4点のセイフティ・リードを得たのだから、全く問題はない。この後は、出来る限り残り時間の密度を薄めに掛かる。「リベロ」の森下が最終ラインでフリーになってロングボールの供給役になり、山なりのボールを清水の両サイドに送り込む。2トップがサイドに流れて対応するのだが、拾えなくても全く問題はない。ボールが空中にある間は、当たり前のことだが、パスが出てくることはない。長い滞空時間の間に十分にラインを押し上げ、守備の組織を整えるのだ。森下がクリアする度に、清水の攻撃はやり直しになってしまった。

 両者共に決定機を創れないまま、淡々と試合は進んでいく。25分に池田が左に捌いたボールから真司がクロス、すかさずGKとDFの間にポジションをとった悠輔がヘッドを放ったが、枠左上に惜しくも外れた程度。とはいえ、ローリスクで遣り繰りする磐田も、疲れのせいで単純な1対1に遅れをとることが多くなり、盛んに選手を入れ替えて対応するが、警告も嵩んでくる。そんな状況下で32分、増田の左クロスを村越が頭でGK風間に戻そうとするがボールの勢いを殺しきれず、呼吸のズレた風間はキックでクリア。これを磐田に拾われると左に開いた白井のドリブルは渥美が食い止めるが、繋ごうとしたボールを上田?にカットされ、PA手前にクサビが入る。中村?がそれを中央やや右に流すと藤井。見事なキープで飛び込んだDFを外すと、針の目を通すようなミドルシュート。ゴール右ニアギリギリに決め、遂に前回の対戦と同じ5失点が記録された。0−5。
 以後は悠輔が巧みなドリブルからファウルを誘い、宮本を17分の出場で退場に追い込んだが、この判定に磐田ベンチがエキサイト。清水の選手と口喧嘩し、第四審に宥められるなど、プレー以外の部分で大荒れに。大量失点もあって平常心を失った清水は、真希や小泉の突破に頼るばかりの単調な攻撃になったこともあって、10人になってローリスクの戦術を徹底した磐田に、危なげなく逃げ切られた。

磐田        清水エスパルス
8(5) シュート 2(1) ○真司、×悠輔
1(1) 右クロス 0(0)
4(0) 左クロス 4(1) ×真司、×真司、○真司、×桑卓
3(2) 右側CK 3(1) ×真司、×真司、○真司
1(0) 左側CK 2(1) ○池田、×池田
1(−)  犯OS  3(−) ・石垣、・真司、・小泉
5(0) ファウル 2(0) ・??、・小泉


▼試合結果

清水エスパルスユース 0−5 ジュビロ磐田ユース
 得点:前半06分:磐田・増田 真士 ※相手パスミス
    前半19分:磐田・石神 啓  ※ドリブルシュート
    後半11分:磐田・中村 豪  (石神 啓  ・右クロス)
    後半12分:磐田・藤井 貴  ※相手パスミス
    後半35分:磐田・藤井 貴  (??    ・ショートパス)
 警告:後半29分:磐田・和田 新吾 (異議)
    後半30分:磐田・宮本裕太郎 (反スポーツ的行為)
    後半37分:磐田・宮本裕太郎 (ラフプレー)
    後半37分:磐田・萩原 洪拓 (遅延行為)
    後半44分:清水・小泉 慶治 (遅延行為)
 退場:後半37分:磐田・宮本裕太郎 (警告2回目)


▼選手寸評

[私撰MVP]
●山本 真希 (2年・右SH→CH)
 不甲斐ないスコアの中、一人気を吐く。押し込まれる時間が長く、彼自身もパスを受けるとすぐに複数人にプレスを浴びたが、それでも奪われず、味方の攻め上がりを待つ。守備の寄せも早く、特にドリブルに対する競り合いには無敵を誇り、守備範囲も広大。ポジションに関係なく、自陣ゴールライン際から敵陣のそれまで、縦100Mをカバーしてみせた。

[私撰MIP]
なし

[個人的好印象選手 (相手方) ]
藤井 貴  (3年・FW) : 戦術的に動きつつ、神トラップや精妙なシュートなど個人技もあり、かつ身体能力も高い。
石神 啓  (2年・左WB) : ボールを足下から離さないジョカトーレなドリブラー。自ら能動的に仕掛ける際の起点。



2004年07月02日(金) JY (中1): さなるカップ 清水予選 ヴァロルFC戦+サルファスoRs戦

Jrユース (1年)
04年7月3日 (土) 09:00開始 鈴与三保グラウンド
 さなるカップ争奪第25回静岡県中学一年生サッカー大会中東部予選
 対 ヴァロルFC ※25分ハーフ

前半:                後半:
−−−−−−鍋田−−櫻井−−−−−− −−−−−−鍋田−− 畑 −−−−−−
−−石原−−−−−−−−−−加藤−− −−関口−−−−−−−−−−石原−−
−−−−−−滝戸−−青木−−−−−− −−−−−−滝戸−−青木−−−−−−
−−荒井−−小澤−−植野−−西川−− −−荒井−−小澤−−植野−−西川−−
−−−−−−−−水野−−−−−−−− −−−−−−−−水野−−−−−−−−
                   後半00分:加藤→関口 (石原を右SH)
                        櫻井→畑

[前半]
4分、CB小澤が相手陣内で強引に奪って前に出ると、小さく捌く。滝戸のスルーパスから櫻井が押し込んで、1−0。

ヴァロル      清水エスパルス
2(2) シュート 8(2) ×鍋田、×青木、◎櫻井、×青木、×加藤、×青木、○青木、×青木
1(0) 右クロス 4(0) ×青木、×加藤、×西川、×加藤
0(0) 左クロス 3(1) ×青木、×石原、○荒井
0(0) 右側CK 1(0) ×青木
0(0) 左側CK 2(0) ×青木、×青木
0(−)  犯OS  2(−) ・鍋田、・石原
1(0) ファウル 1(0) ・小澤

5分、ヴァロル、速攻から28番が左サイドをブチ抜き、ゴールライン直前を横切る速い左クロスに28番ヘッド、1−1。
11分、相手クリアミスを畑がカットし、ドリブルで突っ掛けるとスルーパス、鍋田がGKを交わして流し込み、2−1。
21分、自陣で奪った石原のロングボールから畑→鍋田とダイレクトで左の関口へ、GKを抜いて最後は鍋田が、3−1。
24分、滝戸の対角線フィードから右サイドに石原が飛び出してクロス、ファーの関口が受けドリブルシュート、4−1。
27分、滝戸のクサビを関口が左外に捌き、荒井が攻撃参加、ニアに滝戸が飛び出すと、クサビを反転シュート、5−1。

[後半]
ヴァロル      清水エスパルス
2(2) シュート 10(8) ○植野、◎鍋田、○滝戸、○青木、×青木、◎鍋田、×石原、○畑、 ◎関口、◎滝戸
2(0) 右クロス 4(2) ×西川、×石原、○石原、○石原、◎石原
2(1) 左クロス 3(1) ×青木、×青木
0(0) 右側CK 0(0)
0(0) 左側CK 1(0) ×青木
0(−)  犯OS  1(−) ・畑
1(0) ファウル 1(0) ・畑

清水エスパルスJrユ−ス 5−1 ヴァロルFC

[個人的好印象選手]
滝戸 卓  (CH) : 攻守に粗が少なく、適切なポジショニングで渋く貢献した。奪取能力が高く、捌く判断速度が速い。
青木 達也 (CH) : 万能型。盛んな運動量でゴール前、PA左右に盛んに飛び出した。大柄ながら浮き球の扱いが巧み。



Jrユース (1年)
04年7月3日 (土) 11:00開始 鈴与三保グラウンド
 さなるカップ争奪第25回静岡県中学一年生サッカー大会中東部予選
 対 サルファスoRs ※25分ハーフ

前半:                終了間際:
−−−−−− 畑 −−関口−−−−−− −−−−−− 畑 −−関口−−−−−−
−−本川−−−−−−−−−−西川−− −−加藤−−−−−−−−−−西川−−
−−−−−−滝戸−−櫻井−−−−−− −−−−−−滝戸−−櫻井−−−−−−
−−荒井−−山田−−植野−−小澤−− −−本川−−山田−−植野−−石原−−
−−−−−−−−水野−−−−−−−− −−−−−−−−長島−−−−−−−−
後半00分:荒井→石原 (小澤を左SB、)
     水野→長島 (そのままGKに)
後半13分:小澤→加藤 (本川を左SB、加藤を左SHに)

[前半]
4分、西川の右CKが左へと流れるが、本川?がフォローして戻す。荒井のシュータリングがループで決まり、1−0。
7分、相手クリアを植野が敵陣でカット、巧いトラップからミドルを放つ。GKが反応するが、関口が詰めて、2−0。
10分、中盤で奪った滝戸が前線にクサビ、受けた畑も素早く前を向き、PA手前右75度からの美しいループで、3−0。

サルファス     清水エスパルス
1(0) シュート 11(5) ○櫻井、◎荒井、○植野、◎関口、◎畑、 ×本川、×本川、×本川、×櫻井、×植野
               ×畑
2(0) 右クロス 3(1) ×西川、×小澤、○西川
1(0) 左クロス 3(0) ×本川、×本川、×本川
0(0) 右側CK 3(0) ×西川、△滝戸、×滝戸
1(0) 左側CK 1(0) ×??
0(−)  犯OS  2(−) ・関口、・??
3(1) ファウル 2(0) ・畑、 ・??


[後半]
4分、中盤に下がった畑からのループ気味のスルーパス、飛び出した西川のループシュートにGKも触れるも、4−0。
15分、中盤で滝戸が奪うと即、前線にスルーパス。受けた関口が切り返しでGKを外し、ゴールに流し込んで、5−0。

サルファス     清水エスパルス
4(2) シュート 10(4) ○西川、×櫻井、◎西川、○西川、×櫻井、×畑、 ◎関口、×加藤、×西川、×関口
1(0) 右クロス 0(0) ×西川、×石原、×西川、×西川、×西川
0(0) 左クロス 0(0) ×本川、○本川、○本川
0(0) 右側CK 0(0) ×滝戸
2(0) 左側CK 0(0)
0(−)  犯OS  0(−) ・西川、・西川
0(0) ファウル 0(0) ・山田、・??、・関口

清水エスパルスJrユ−ス 5−0 サルファスoRs

[個人的好印象選手]
畑 直樹  (FW) : 他人をパスで動かせるクリエイティブな選手。小柄だが抜群の巧さがあるため、競り合いにも強い。
西川 和輝 (右SH) : 強力な縦突破で右サイドを制したが、中への切れ込みも鋭い。身体能力だけに頼らずに、戦術的。


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ひかる。 @H.P. [MAIL]

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