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2002年10月26日(土) Jユース杯 予選リーグ ジュビロ磐田戦(A)

02年10月26日13:00開始 ジュビロ磐田スタジアム
 第10回Jユースカップ2002・Jリーグユース選手権大会 予選Dグループ
 対 ジュビロ磐田ユース(A)

▼布陣
−−−−−仁科−−阿部−−−−−

−大瀧−−−−−−−−−杉山拓−

−−−−−枝村− 杉山浩 −−−−

−篠田−−高山−−渡邊−−天野−

−−−−−−−風間−−−−−−−

控え:杉山雄、森安、上埜、岡村
交代:後半00分:杉山拓→上埜(そのまま右MFへ)
   後半15分:杉山浩→岡村(大瀧をボランチ、岡村を左MFに)
   後半44分:篠田 →森安(そのまま左SBへ)

ジュビロ磐田ユース:

−−−−−岡本−−藤井−−−−−

−−−−−−−中村−−−−−−−

−上田−−船谷−−徳増−−沼野−

−−−森下−−峰村−−佐藤−−−

−−−−−−−八田−−−−−−−

控え:松井、山本、萩原、大杉、曽我、岩本、笹垣
交代:後半15分:中村→笹垣、後半20分:佐藤→萩原、後半31分:上田→曽我


▼試合展開

 筆者にも、学習能力はある。今日は天気予報を確認して傘を持参(実際は家を出た時に雨が降ってたので)、切符は前日に買い(実際はみどりの窓口が開いてる時間に仕事が終わったから)、やや迷ったものの(実際はかなり焦った)殆どロスタイムもなく、15分ほど前にジュビスタに。雨は試合中、止む時間帯もあったが、1時間ほどから本降り。そして寒い。何しろ筆者は、Tシャツとジャケット1枚という格好なのだ(←学習能力なし)
 清水はGKキャンプとU-15トレーニングキャンプで、真希と海人・前田の両GKが村に出征。風間が一人で銃後を預かる。対する磐田は、前節から船谷・藤井が復帰。3年生の笹垣もベンチ入り。ベンチ入り含め日の丸経験者9名はダテじゃない。清水は6名。

[前半]
 試合は清水がサイドを攻め、磐田は同じくサイドながら早めにクロスを入れるという、もはや見慣れた堅い展開で始まる。例によって序盤の磐田は物凄い。特に船谷・徳増がよく動いて、フリーの相手を作らない。
 清水の左サイド(磐田の右サイド)で裏の取り合いが繰り返されていたが、16分、左に飛び出した枝村が大瀧のパスから惜しいクロスを上げる。すると、その直後に浩太から阿部にクサビ、これを横の仁科に渡すと飛び出した浩太へスルーパス。浩太の狙い澄ましたシュートは僅かにDFに当たり、際どくゴール横に外れた。これが両軍合わせて、初めてのシュート。対する磐田は22分、左CKからPA手前の選手がボレーでミドルを狙うトルシエ方式。そのリバウンドから更に2回シュートを狙うが、都合3度、全てブロックした清水DFが上。
 25分には枝村がPA内で奪い、DFを交わして突破するがDFがタックルで潰す。すると磐田もサイドチェンジを藤井が落として岡本がPA内で突破を図るが、渡邊が体を入れ、僅かに体が離れたところを高山がクリアする。攻防互角の展開。

 34分、大瀧の右CK。阿部がニアに飛び込むが掠れ、しかし流れたファーがポカリと空く。これをダイビングボレーでキッチリと、だが豪快に詰め、清水が先制する。1−0。先制の殊勲者は腕をグルリと回す、王子様なガッツポーズ。って、高山くん、あなたですか! イメージ違うんですけど。何か乗り移った吹っ切ったような素晴らしき高山の成長に爆笑拍手。ほら、いつの間にか雨も上がってるではないか(その後、降り出したけど)。
 追い掛ける立場となった磐田は、その直後に船谷が持ち上がってミドル。これがDFの肩に当たり、ループになって前に出た風間の指先も越えるが、ゴール左角で飛び跳ねる。シュートブロックを除くと、これが磐田の初シュート。試合は動き出し、磐田は活発に動く前線の3人に長いボールを合わせ、清水は仁科・浩太・枝村が左右に動いて崩しにかかるが、互いに守備陣が一歩先にラストパスをカットする。42分、右に流れて追い付いた仁科が、切り返しでマークを転ばすとフリーでセンタリング。阿部がスライディングして流し込むが右ポスト直撃。最近のブンは、どうもついてない。

 ロスタイム、沼野のクロスに対する渡邊のヘッドが弱すぎ、岡本に拾われる。渡邊は素早く寄せるが岡本は粘って横に出すと、船谷の前に体を入れた浩太がファウルの判定。PAギリギリでのFK。船谷の左足キックは壁の右をライナーで抜いて、サイドネットに突き刺さる。1−1。ボールをハーフサークルに戻したところで前半終了の笛。
 浩太が激昂していたが、それは壁の裏に決められたら相手の技量に兜を脱ぐしかないが、壁の横を抜けたボールはGKが責任をもって止める必要があるということかと思う(ほぼ中央でのFKだったので、どちらのサイドの切るかは判断が難しいところだったが)。ま、浩太の王子様気質と風間の気概は、大人しい選手の多い清水では貴重ですな。

 磐田        清水
2(1) シュート 3(2) ○浩太、◎高山、×阿部
8(2) 右クロス 4(1) ×天野、×拓也、×阿部、○仁科
4(0) 左クロス 7(0) ×篠田、×大瀧、×大瀧、×枝村、×篠田、×大瀧、×浩太
3(1) 左右CK 5(1) ×浩太、×浩太、◎大瀧、△浩太、×大瀧

※◎は得点/アシスト、○は枠内/味方に繋がったもの、△はショートコーナー。( )内は◎と○の総数である。


[後半]
 後半開始後、試合はいきなり動く。大瀧−阿部ホットラインの開通である。中盤でボールを奪った大瀧が、そのまま中央スペースにドリブル。次の刹那、左足アウトに掛けたスルーパスを大外に回った阿部が受け、勢いのままシュート、ニアを割る。2−1。前半は阿部のマークをほぼ切らさなかった磐田だが、出会い頭に阿部が身体能力を発揮する隙を与えてしまった。
 再開後も右に流れた枝村がPA内に侵入して2人を突破、3人目に弾かれるが仁科が拾って戻すと、途中交代の上埜がアーリークロス。これが独特の柔らかい軌跡を描き、165cmの大瀧の頭にピンポイント。ファーに流すがGKパンチングクリア。12分、枝村が中盤でカットするや否や大瀧にサイドチェンジ。大瀧は目一杯に開いて追い付くと、一気にスペースを抉ってセンタリングを送り込む。その先には起点となった枝村が、GKの手前にまで迫って突っ込むが…、合わず。そして、その先で阿部が美味しくガラ空きのゴールへごっつあんです。3−1
 これで浩太は交代。枝村が中盤の新たなる王として君臨する。磐田は運動量が切れて中盤を船谷が一人で埋めるだけで2ラインになってしまい、みすみす禅譲を許す。浩太に代わってゲームマスターとなった枝村は16分、中盤で奪取すると素早く縦に。クサビで受けた仁科が振り向いてドリブル、PA手前で振り返ると遅れて駆け上がった阿部が強烈な低い弾道のミドル砲。これはGKが正面で受け止める。25分、左の展開から大瀧が戻したボールを、引いて仁科が受ける。前線で左に阿部、右に入れ替わった枝村。この2人がDFを引き連れた隙に、仁科はその合間を中央突破。右回転しながら、DF3枚の左外に回り込んで抜き去ったところで、峰村がたまらず押し倒す。このPKを仁科が自ら決め、4−1。高円宮での失敗の汚名を返上する。

 以後、大量得点という余裕とスカスカの中盤の相手を前に、清水は最短距離で中央突破を図る単調な攻撃が多くなる。この前掛かりの隙を、磐田はロングボールで突こうとするが、それでも中盤支配権を握る清水が圧倒的に攻める。27分、上埜が体を張ってカット、拾った阿部がゴリブルでDFを押し込むと、カカトで戻して大瀧がミドル、GK正面。大瀧の支援効果で阿部の各能力は50%増になるらしい(笑)。豊富なスペースを得て32分、奪った仁科がすぐさまスルーパス。阿部が背中でDFを押し退けて独走。シュートはGKが恐れずに飛び出し、足でブロック。
 39分の磐田、深い位置から右アーリークロス。誰にも合わずに左に流れるが、藤井が拾って折り返す。このセンタリングを風間が迷って中途半端に飛び出してしまい、裏に流れたのを1.5列目から飛び出した笹垣が空のゴールに押し込んだ。4−2。あまりといえば、あまりに大味な失点。

 雑な展開が続いていただけに嫌な予感はあったが、41分、流れた岡村のセンタリングを逆サイドで上埜が拾う。軽く中にスライドすると再び外に切り返して60度からのミドル。これも緩くはないが柔らかい軌跡を描き、見事にゴール左角にピンポイント爆撃。跳ね返りをPA内で枝村が反応、冷静に左に切り返してシュートコースを作りシュート。冷静に右ポスト内側命中。こうなると決めるのは、ごっつあんゴーラー阿部。誰より鋭く飛び出して手堅く詰めた。5−2
 ロスタイム直前の44分にも、大瀧の右CKからニアの阿部に合わせるが僅かに掠めると、その中央で何故かフリーで渡邊優希。というか渡邊がCKの攻撃側に参加してるのも不思議だ。不思議な魔力に吸い寄せられるように、ゴールが決まる。6−2
 これ以後も篠田のクリアから阿部が独走するなど、大味な展開は変わらず、ホイッスル。上埜・岡村に貴重な経験を積ませ、浩太後の未来予想図が垣間見えた試合だった。

 磐田        清水
2(1) シュート 14(9) ◎阿部、○大瀧、◎阿部、×阿部、○阿部、×高山、◎仁科、○大瀧、
               ×阿部、○阿部、×上埜、×枝村、◎阿部、◎渡邊
3(0) 右クロス 5(1) ○上埜、×上埜、×上埜、×上埜、×上埜
4(1) 左クロス 9(2) ×浩太、×大瀧、◎大瀧、×篠田、×岡村、×篠田、○岡村、×岡村、
               ×岡村
1(0) 左右CK 6(3) △浩太、×浩太、×大瀧、○浩太、○枝村、◎大瀧


▼試合結果
ジュビロ磐田ユース 2−6 清水エスパルスユース
 得点:34分:清水・高山 純一(大瀧義史:右CK)
    44分:磐田・船谷 圭祐(直接FK)
    46分:清水・阿部文一朗(大瀧義史:スルーパス)
    57分:清水・阿部文一朗(大瀧義史:左クロス)
    70分:清水・仁科 克英(PK)
    84分:磐田・笹垣 亮介(藤井 貴:左クロス)
    86分:清水・阿部文一朗(なし)
    89分:清水・渡邊 優希(大瀧義史:右CK)


▼選手寸評
風間翔太  4.5 飛び出しの判断も遅いが、それ以上に声出しのタイミングが遅い。

天野数士  6.5 攻撃参加は少なかったが、渡邊の裏で良いカバーリングを見せた。
渡邊優希  6.0 攻撃の意識が強く前に出る機会が増えたような。その分、やや不安定。
高山純一  6.5 見られる商売であるプロは虚栄心も必要。煽りでなく成長したと思う。
篠田大輔  5.5 俊足を生かして攻守でよく絡んだが、精度が今一歩。沼野を防げず。

杉山拓也  5.0 ドリブルが潰されることが多く、外に開くポジショニングも悪く。
杉山浩太  6.5 前日夜にモルジブから帰静、を感じさせない運動量で攻守に貢献。
枝村匠馬  7.0 潰し+捌き+飛び出しという持ち味が完成つつある。後はシュートを。
大瀧義史  7.0 全体にはミスも目立ったはずだが終わってみれば4アシスト。職人芸。

仁科克英  6.5 前節と違い大人のプレーで質素に、が効果的にプレー。後輩を導く。
阿部文一朗 7.0 運のない場面も多かったが結局ハット。地味に動きの質の点で進歩が。

上埜健太  6.0 ユースのスピードに不慣れだったが、独特のキック・間合いが武器に。
岡村総一郎 5.5 積極的に左サイドを席巻したが、ラストパスの精度とタイミングが△。
森安洋文  --- 足を攣った篠田と急遽交代。出番無し。


▼Jユース杯・Dグループ[途中経過]
09/08 日 15:00 大宮  0−5 東京V 仙元山
09/15 日 15:00 柏   2−2 大宮  あけぼの山
09/29 日 13:00 東京V 5−0 磐田  ヴェルディG
10/02 水 19:15 東京V 2−0 柏   ヴェルディG
10/05 土 13:00 磐田  1−0 大宮  大久保G
10/13 日 13:00 大宮  0−6 柏   大宮 
10/14 月 13:00 東京V 2−1 清水  ヴェルディG
10/20 日 14:00 清水  1−0 磐田  三保G
10/26 土 13:00 磐田  2−6 清水  磐田

1 東京V 12勝点(4試合4勝0分0敗) 14得点 1失点 得失点差+13
2 清水   6勝点(3試合2勝0分1敗)  8得点 4失点 得失点差+ 4
3 柏    4勝点(3試合1勝1分1敗)  8得点 4失点 得失点差+ 4
4 磐田   3勝点(4試合1勝0分3敗)  3得点12失点 得失点差− 9
5 大宮   1勝点(4試合0勝1分3敗)  2得点14失点 得失点差−12

○次回対戦 11月04日(祝) 14:00 清水ユース−ヴェルディ 清水ナショナルトレーニングセンター「J-STEP」



2002年10月20日(日) Jユース杯 予選リーグ ジュビロ磐田戦(H)

02年10月20日14:00開始 清水エスパルス三保グラウンド
 第10回Jユースカップ2002・Jリーグユース選手権大会 予選Dグループ
 対 ジュビロ磐田ユース(H)

▼布陣
−−−−−仁科−−阿部−−−−−

−大瀧−−枝村−−浩太−−真希−

−森安−−高山−−渡邊−−天野−

−−−−−−−海人−−−−−−−

控え:風間、高柳、篠田、拓也、上埜、岡村、28
交代:後半14分:森安→篠田(そのまま左SBへ)
   後半20分:真希→拓也(そのまま右MFへ)

ジュビロ磐田ユース:

−−−中村−−岡本−−山本−−−

−大杉−−上田−−岩本−−沼野−

−−−森下−−峰村−−佐藤−−−

−−−−−−−松井−−−−−−−

先発:1松井−3森下・4峰村・15佐藤−8沼野・6上田・10大杉−2山本・9岡本・12中村
控え:16八田・13萩原・5徳増・14曽我+??

交代:前半34分:峰村→萩原、後半22分:大杉→徳増、後半29分:中村→曽我


▼試合展開

バス停で並ぶことの意味を知らないオバサンに微妙に苛立ちながら、トラブル無く三保へ。まあ、切符を落としたことぐらい、トラブルの内に入るまい。
グラウンドには、先日テクニカルディレクターに就任した望月氏の姿が。望月氏も今日の試合の後、浩太を連れて成田経由モルジブ行き、という理由のようだ。ご苦労様です。しかし、ゼムノビッチ・行徳両氏の姿はなし。先日の金曜にサテ−ユース(5−0)という試合が行われたそうなので、ある程度は既に見極めができている、ということだろうか。
小雨が時折混じる曇天。例によって筆者は傘を持参せず。

[前半]
試合当初は3トップの磐田に戸惑い気味。3人目をフリーにする場面がしばしば見られ、またフォアプレスに晒され、DFラインでボールを落ち着かせることができない。そのまま前半3分、大きなサイドチェンジに磐田・山本が追いつき、マイナスの折り返しから岡本が中近距離シュート。枠上。今日もファーストシュートを許す。
清水も6分、天野の縦パスを受けた真希がDFを背負いながら反転し、右に流れた枝村にスルーパス、枝村がフリーでセンタリングするもDFカット。こうした形で何度か右の真希が突破を仕掛けるが、なかなか互いに中盤を支配しきれないまま堅い展開が続いた。

結局、阿部のブロックされたシュートはあったものの、清水の初シュートは実に24分。天野が奪って前のスペースへ縦パス、阿部が右に流れ、センタリングを送ると、ファーに大瀧が飛び込んだが、突っ掛かって当たり損ねとなった。
これで清水が流れを掴み、25分には、浩太が中盤で奪って、右に流れた阿部にスルーパス。阿部のセンタリングに前に出過ぎた仁科が無理矢理ヒールリフトで合わせるが、枠上。
29分、渡邊が中盤前掛かりでカット、勢いのまま真希とのワンツーで右に流れると縦パス。そこには浩太がウェーブで流れ、センタリングをファーの仁科が合わせる。攻守の切替に優れた淀みない速攻だったが、惜しくも右に外れる。徐々に前線のプレスの弱まった磐田は、2列目が埋めるスペースが膨大となり、浩太と枝村に自由に動き回られてしまっていた。
しかし32分、一瞬フリーになった岡本への最終ラインの対応が遅れ、中途半端に前に出た海人を見切ってループ。海人の手を越えるが、幸いにもネットの上に落ちる。それを見届けた浩太、海人のコーチングが「全て曖昧」と強烈なダメ出し。清水が中盤優位に立つものの、前線に人数を残す磐田に対し、最終ラインがどれだけミスをせずに我慢できるかが、勝負のポイントになりそうである。

34分、真希が奪い仁科にクサビ、戻して浩太のスルーパスを真希が折り返すがDFカット。
38分、大瀧から大きなサイドチェンジ。ややマイナスに流れるが真希が抑えると、浩太が前に回り込んで受けて、丁寧にセンタリング。ファーの阿部が丁寧に、左ポストの「外側」に狙い澄ましたシュート。場内、驚きのざわめきに包まれた。それに対し、ブンもスローモーションで崩れ落ちる見事なズッコケで観衆のハートを掴む、…って違うぞオイ。
ロスタイム、浩太がタックルに行き交錯、双方姿勢を崩すがスネで間合いにトラップした浩太は、素早く立ち上がってスルーパス。左外に回りながら斜めに走り込む仁科がインサイドで合わせるが、右ポスト直撃。
一方、終了直前、集中力の切れた清水のスローインを、岡本がカット。DFはズルズル下がり、PA手前まで持ち上がってシュートされるが、最後のところで高山と渡邊がスライディングでブロック。しかし、跳ね返りを今度は中村がフリーでシュート。これは枠外に外れたが、隙を突かれた嫌な終わり方であった。

 磐田        清水
3(0) シュート 6(1) ○大瀧、×仁科、×仁科、×阿部、×仁科、×阿部、
4(1) 右クロス 15(4) ×枝村、×天野、×真希、×枝村、○阿部、○阿部、×真希、×真希、
               ○浩太、×天野、×枝村、×真希、×大瀧、○浩太、×渡邊
0(0) 左クロス 1(0) ×大瀧
1(0) 左右CK 2(1) △浩太、○大瀧

※◎は得点/アシスト、○は枠内/味方に繋がったもの、△はショートコーナー。
 ( )内は◎と○の総数である。


ハーフタイム、築館氏の指示を盗み聞き。ボードで解説しながら、一つ一つ細かく丁寧に説明する監督のようだ。


[後半]
そして後半開始。清水はサイドハーフの位置を微調整。特にスピードのない左の大瀧はかなり高い位置を維持させ、3トップに釣られた前半とは逆に相手サイドハーフの攻め上がりを牽制する。磐田のサイドスペースは前半から再三綻んでおり、それを徹底して突く方針か。その分、両SBは低い位置を維持し、3トップを警戒する。
すると早くも開始3分、足下に入り込みすぎた真希のセンタリングを、仁科がかがんだ姿勢のままジャンピングボレーで合わせる決定機。一気に攻勢に出ると、5分にも、ロングフィードを枝村が左に流れて受けて、ゴールに向かってドリブル、DFに交錯し潰されるがフォローした大瀧が拾ってセンタリング、ニアで仁科がボレーで合わせるが、GKが片手で殴り付けて、CKに逃れる。
その左CK、浩太の蹴ったボールはフリーで飛び込んだ高山に合ったかに見えたが、僅かにかすめたにとどまり、クリアボールを渡邊がミドルを放ったが、銀河の彼方へ。

10分、森安が相手ともつれながら粘って大瀧に渡したが、センタリングはGKキャッチ。すると戻りの遅い森安の裏で沼野がフリーで受け、そのままPA内に切り込む。左30度で中近距離のシュートは、しかしGK正面。海人ががっちりとキャッチ。だが、これを見て篠田の交代が準備がされた。
投入直前11分、真希の前に流れた浩太がライン際からDFを突破、PA内に侵入、角度のない位置から痛烈なシュート、GKパンチングで逃れた位置に阿部。スネで反応するが弱く、無人のゴールをカバーしていたDFが対応、こぼれをGKが抑えた。
14分、海人のフィードを仁科が受け、即座に左にスルーパスを出す速い展開。だが受けた枝村がトラップミスしDFが整ってしまう。仕方なく枝村が戻した先には投入された篠田。アーリークロスに阿部が合わせるが、長すぎて伸びきった姿勢になり、当たり損ねに。
18分、浩太から前に回り込んだ仁科へパス、ダイレクトで阿部に送るがシュートは枠外。

篠田投入で守備バランスも改善された清水だが、最後が決まらない。ここで好調の真希に代えて、中学生にポジションを譲っていた拓也へと交代。乾坤一擲の一手だが24分、浩太が奪うと右の拓也へ。拓也が中に切れ込むと、入れ替わって右外に回った浩太にスルーパス。十分に抉ってセンタリングの狙いは、ニアの阿部、中央の拓也を越えてファーの仁科へ。仁科は周到にトラップ、GKが倒れ込むのを見計らうと、その足の上を軽く越えるシュートで押し込んだ。1−0。漸くの先制点は、軽快な連携からであった。
この先制点以後、バテ気味だった磐田は、FWとそれ以外の2ラインになって中盤が消滅。清水の方も、ボールは支配しながらも雑なプレーが増え、攻める清水と跳ね返りを待って速攻で挑む磐田という退屈な構図になる。
31分、浩太からPA左側に飛び込んだ枝村にスルーパス。枝村は左足で受けて切り返し、DFを振り切って右足シュート。しかし、勢いが十分でなくGK守備範囲。
磐田の逆襲は36分。ロングボールに対するチェックが後ろにこぼれると、一瞬DF陣が棒立ちに。磐田の曽我が真っ先に反応して飛び出すが、しかし海人が勇猛に飛び込む。

38分、拓也が戻したボールを、枝村が杉山浩太的ダイレクトループスルーパス(長い名前だ…)。阿部が左45度に流れながらボレーでシュートするが、ミートしきれずGKキャッチ。
なおも41分、後方から繋いだボールを枝村が左に流し、大瀧がセンタリング。ファーに流れるが浩太が追いつき、再度折り返す。ニアで阿部がボレーで合わせたがGK正面。
その直後の磐田、右に流れた岡本からマイナスの折り返し、沼野が中に切れ込みながら受けてミドルレンジから強烈に放つが、山本が正面から受け止める。以後は動きなくホイッスル。築館新監督に初勝利をプレゼントした。

 磐田        清水
3(2) シュート 15(9) ×大瀧、×仁科、○仁科、×渡邊、○浩太、○阿部、○阿部、○阿部、
               ×阿部、×浩太、◎仁科、○枝村、○阿部、○阿部、×拓也
1(0) 右クロス 11(3) ○真希、×仁科、×枝村、×拓也、×拓也、◎浩太、×天野、×浩太、
               ×拓也、×大瀧、○浩太
2(0) 左クロス 9(2) ×仁科、○大瀧、×大瀧、○篠田、×篠田、×篠田、×大瀧、×篠田、
               ×大瀧
1(0) 左右CK 4(0) ×浩太、△浩太、×大瀧、×浩太



▼試合結果
清水エスパルスユース 1−0 ジュビロ磐田ユース
 得点:69分:清水・仁科克英(杉山浩太・右センタリング)


▼選手寸評
山本海人  6.5 時折訪れる磐田の勢いあるアタックを、正面から力強く抵抗した。

天野数士  6.0 プレッシャー下での軽慮な攻撃と、危機に対する反応の鋭い守備と。
渡邊優希  5.5 スペースを埋めきれず、軽率なミスもあり、その知性は発揮されず。
高山純一  7.0 地上戦無敵+空中戦無難。機敏なカバーにボールに必中するタックル。
森安洋文  5.0 もはや連携不足は言い訳にできまい。攻守切替・カバーの判断が遅い。

山本真希  6.5 基礎の確立した技術が身体能力を遺憾なく現出。右サイドを闊歩した。
杉山浩太  7.0 本来の運動量が戻ればこの程度は当然。当然だがその判断速度は圧巻。
枝村匠馬  6.5 ダイナミックな運動量に繊細な技術が加わり、大化けしつつあるか。
大瀧義史  5.0 一つのキックで局面を打開する職人芸が披露できず、消えたままに。

仁科克英  6.0 技術に奔りすぎて曲芸的に。技術自体は実にエンターテイメントだが。
阿部文一朗 5.5 考えられた動き出しが見られたが、シュートは何も考えずに撃ってくれ。

篠田大輔  6.0 精度が全く不安定なクロスと、意欲的な攻め上がりと、堅実な守備と。
杉山拓也  6.0 真希にはない築かれた連携で先制点を演出。投入目的を達成した。


▼Jユース杯・Dグループ[途中経過]
09/08 日 15:00 大宮  0−5 東京V 仙元山
09/15 日 15:00 柏   2−2 大宮  あけぼの山
09/29 日 13:00 東京V 5−0 磐田  ヴェルディG
10/02 水 19:15 東京V 2−0 柏   ヴェルディG
10/05 土 13:00 磐田  1−0 大宮  大久保G
10/13 日 13:00 大宮  0−6 柏   大宮 
10/14 月 13:00 東京V 2−1 清水  ヴェルディG
10/20 日 14:00 清水  1−0 磐田  三保G

1 東京V 12勝点(4試合4勝0分0敗) 14得点 1失点 得失点差+13
2 柏    4勝点(3試合1勝1分1敗)  8得点 4失点 得失点差+ 4
3 清水   3勝点(2試合1勝0分1敗)  2得点 2失点 得失点差± 0
4 磐田   3勝点(3試合1勝0分2敗)  1得点 6失点 得失点差− 5
5 大宮   1勝点(4試合0勝1分3敗)  2得点14失点 得失点差−12



2002年10月14日(月) Jユース杯 予選リーグ ヴェルディ戦(A)

02年10月04日13:00開始 ヴェルディグラウンド
 第10回Jユースカップ2002・Jリーグユース選手権大会 予選Dグループ
 対 ヴェルディユース(A)

▼布陣
−−−−−仁科−−阿部−−−−−

−大瀧−−枝村−−浩太−−拓也−

−森安−−高山−−渡邊−−天野−

−−−−−−−海人−−−−−−−

控え:風間、高柳、篠田、雄也、田淵、上埜、岡村
交代:後半39分:大瀧→岡村(そのまま左MFへ)

ヴェルディユース:

−−−−−中島−−田村−−−−−

−中野−−小野−−富田−−下地−

−小澤−−塗師−−保谷−−一柳−

−−−−−−−菅野−−−−−−−

交代:なし


▼試合展開
試合開始30分ほど前に、よみうりランドに到着。クラブハウス玄関にグラウンド見学をする方は、回り道をするように指示が。ええ、回りました、回りましたとも。クラブハウスの裏側に迷い込んだ時、一般人が普通に歩いてて唖然としましたとも。
そんなわけで、結局開始数分前に到着。ま、いつものとおり、か。

ヴェルディ三連戦(トップ・サテ・ユース)、エスパルスの二敗で迎えた最終戦(涙)。
エスパルスユースは高円宮杯戦以来、約1ヶ月半振りの公式戦。そして新監督の緒戦。さらに、3年生にとっては、徐々に進路が確定していく難しい時期である。
対するヴェルディは、主戦の根占を早々にトップに合流させ、不在。

高山の腿に巻かれたテーピングの痛々しさと、枝村の光を反射するスパイクの輝きの華々しさが目立つ序盤戦。絶叫系マシンからの轟音と悲鳴が響き渡るグラウンドは、なかなかのアウェイと言えよう。三保は、汽笛が高らかに鳴り響くが。
共に慎重にパスを回す「らしい」展開だが、前半9分、天野が足下に入れたパスを浩太が反転、右サイドにスルーパスを出し、阿部のセンタリングはDFに当たりCK。
大瀧の右CKはクリアされるが、枝村が拾って高山がトップ下の位置でターンを繰り返し、DFとは思えない技巧的キープ。最後、軽く戻して仁科がミドルを狙うも枠上。
だが、浩太の判断が渋りがちな清水は、徐々に中盤の支配権を明け渡してゆく。

14分、ヴェルディ左MF中野が深い位置からアーリークロス。簡単な攻撃だが3列目から飛び出した富田をマークできず、ボレーシュートを放たれるも枠外に外れる。さらに直後の縦パスに富田がフリーになるが、これもシュートミスに助けられる。
対する清水も18分、左の大瀧からPA手前の仁科の足下に。溜めてタイミングを図り、裏の阿部にスルーパス。しかし半端に力を抜いたループは枠外に外れ、攻撃は単発に終わる。

20分、ヴェルディの中野が又もアーリークロス。ファーに逃げるボールで簡単に田村をフリーにするも、ワントラップシュートはジャストミートせず、ポストに助けられる。リバウンドを下地がスライディングで突っ込むが、DFに当たりCKへ。
このCKのコボレを仁科が拾い、左スペースに長い縦パス。阿部が追いつが、タックルを我慢したDFに迷いを見せて戻してしまう。枝村のミドルはブロックされ、好機を逸する。
ヴェルディは23分にも中野が駆け上がり、浅い位置からアーリークロス、ファーの下地がフリーになり、ヘッドの折り返してゴール前に中島が満を持してシュートに行くが枠上。多分に相手のミスと幸運に救われて、窮地を脱する。

すると清水は、一向に動かない浩太のスペースを、枝村と仁科が利用し調子を取り戻す。
26分、枝村と入れ替わって下がった仁科から、阿部に縦パス。ポストして浩太に戻すと、仁科が浩太の横に駆け上がりパスを受けるも、DFに潰される。
33分、枝村が軽く溜めると足先の動きだけでトリッキーな浮き球スルーパス。阿部が右に回りながらウェーブで受けてボレーで狙う、…が精度はテポドン級。がっくし。
35分、枝村がドリブルで前のスペースを埋めると、左の大瀧へ。大瀧は大きく開いて受けてセンタリング。ライン寸前でファーの阿部が頭で折り返すと、ゴールの至近距離に飛び込んだ枝村がヘッド! 完璧に崩した展開だったが、枠外。

浩太も37分、トラップに手間取りつつ右に開いた拓也へ。前のスペースにパスを返すと斜めに走った浩太が駆け込み、キレのあるセンタリング。走り込む阿部に惜しくも合わず。
38分、再び枝村と入れ替わった仁科が縦パス、左の大瀧からライナー性クロスはCKに。
浩太の左CKはショートコーナー、近寄って受けた大瀧が反転してセンタリング。中央の阿部がGKの目先で合わせるが、僅かに上。網を殴りつけ、珍しく感情を露わにするブン。
前半ロスタイム。右サイドでFKの機会を掴んだ清水。浩太のキックは緩い軌跡を描いてファーの大瀧に。ボレーはDFが跳ね返すが、クリアを仁科が拾いヒールリフトで混戦に突入。潰されて転がったボールを高山がミドルレンジで狙うも、弱すぎて楽々GKが拾う。
そして、ここで前半終了のホイッスル。
W杉山が機能的でないのが不安ながら、調子を取り戻してハーフタイムへ。

後半開始も、流れは清水。
2分、相手フィードを拾った海人からスローイング。受けた大瀧が中央突破、一気呵成にPA手前まで突入すると軽くDFを交わしてミドル。勢いはあったが枠上。
6分には仁科の溜めて戻したボールを、今度は浩太が軽く刻んだ後にミドル。これも威力あり枠内を狙うがゴール前の 阿部がクリア(…)。
8分、自陣から大瀧のパスを仁科が左足カカトで返す妙技。大瀧はさらに前線の阿部にフィード。阿部はDFを背負って耐えるが戻した後に潰され、仁科のリターンは届かず。
12分、速攻を阿部がPAまで戻ってクリアするも、ヴェルディ最終ラインが拾う。阿部が戻れずにノープレッシャーの中、ボランチの富田が声と手を挙げてPA内へ駆け上がる。丁寧にそれを確認した塗師が前方フィード。実に分かりやすい攻撃だったが、森安が富田に競り負けて中央に流されると、渡邊も田村を抑えきれず、PA内フリーでシュート。これを止められるはずもなく、ヴェルディが後半最初のシュートで先制する。0−1

だが清水も直後の14分、枝村がPA手前の仁科へ縦パス。軽いステップでDFを外すとミドル。ゴール角を入念に狙ったが、GKが鋭く弾いて右CK。
大瀧のCKをニアの阿部が「点」で合わせ、ファーサイドに流し込む。同点。1−1。消える時間も長かっが、機会を逃さず仕事をした阿部と大瀧は見事。

さらに19分、右サイドのFKのクリアを浩太が拾うと、仁科が受けて混戦の中でキープ。近寄った拓也とのワンツーで抜け出しシュートも、ヤナギサワゾーン
22分、浩太の縦パスを阿部がキープ。DFは前半同様当たらずに我慢するが、阿部は外に回った大瀧を囮に痛烈なライナー性ミドル。しかし僅かにゴール右に外れる。
27分、下地の猛ダッシュのドリブルに、真向から森安がタックルして倒してしまう(森安に警告)。
清水右サイド深い位置でのFK、蹴るのは中野。そのキックはゴールライン際をライナー性でスライドし、ニアの中島が軽く合わせてファーに流し込む。1−2
清水DF陣は、触れるどころか競り合うことすらできなかった。これをFKの素晴らしさを称えるか、皆目改善されないセットプレーの守備の脆さを嘆くかは見る人による。なお、ヴェルディは、これが後半2本目のシュートであった。

再び反撃に移る清水。29分、枝村の縦パスから仁科が巧みにマークを外すと、追い越した枝村にリターン。枝村のスルーパスは、やや戸惑った分、阿部が一つ遅くオフサイド。
31分、ロングフィードを高山が競り合いで潰し、拓也が拾って浩太へ。浩太は阿部の足下に入れるがDFがクリア。これを大瀧が拾い、PAに突っかけると見せてサイドチェンジ。拓也が抉り、PA内の仁科に渡すが、高山との競り合いで相手が倒れていたため、外に出した。なかなかのフェアプレー精神也。天晴れ。

しかし、前半途中からの流れであれば十分に同点は可能なものだが、既に浩太は腰に手を当て、かなり苦しそうな様子。チーム全体にも重苦しい雰囲気が漂う。
そして逆に35分、ゴールキックを森安が後方に任せるが、高山の対応ができておらず、クリアをかぶってしまう。田村が拾って独走しドリブルシュートを放つが、枠外。
この後、大きな展開は封印して局地戦に終始してしまい、自ら物量作戦に陥って万事休す。新監督は、黒星スタートとなった。

しかし、アウェイのヴェルディユース戦は、恐らくは最大の大一番。築館氏にはこの敗北で窮屈になることなく、自分の色を出していってほしい。とりあえず今回のメンバーと交代は、あまりに冒険が少なかったと思いますので。


▼試合結果
ヴェルディユース 2−1 清水エスパルスユース
 得点:57分:VE・田村 直也(富田晋伍・ショートパス)
    59分:清水・阿部文一朗(大瀧義史・右CK)
    72分:VE・中島F一生(中野裕也・FK)



▼選手寸評
山本海人  6.0 ミスは無いが好守も少なく相手ミスに助けられた。フィードは不安定。

天野数士  6.0 サイドに流れる中島をよく抑えたが、長短のパスで判断ミス多し。
渡邊優希  4.5 カバーリングが遅い。かぶったり簡単に競り負けたり空中戦は致命的。
高山純一  5.5 地上戦は読み・技術共に完璧だが、空中戦でかぶる場面が何度か。
森安洋文  5.0 相手の巧さで身体能力を消され、未熟な部分を見せる。守備が後手に。

杉山拓也  4.5 持ち味の突破力を全く披露できず。守備でも中野に好き放題を許す。
杉山浩太  4.0 運動量が絶対的に少ない上に消耗も激しい。むしろ体調が心配なほど。
枝村匠馬  7.0 獅子奮迅。精力的に奔走、中盤の潤滑油に止まらず前線にも飛び出す。
大瀧義史  6.0 絡む機会が少なすぎるが、ボールを持った時は確実に仕事をしている。

仁科克英  6.5 粉骨砕身。挺身的に動き、トリックで翻弄。シュートミス分だけ減点。
阿部文一朗 6.0 考えられた守備に迷いが見え、身体能力不発。それでも得点は見事。

岡村総一郎 --- 交代後5分間ほど使われず。終了直前まで、唯一積極的だった選手。

※採点は雑誌などよりは点差をつけ、分かりやすくする方針にしています。
 浩太は厳しく採りましたが、プロになれば理不尽な批判も浴びるもの。
 批判・批評などに負けてほしくない。今後の試合で見返してやればいい。



2002年10月09日(水) トップ:AFC-CL ニューラディアント戦(H)

浩太ベンチ入りと聞き、居ても立っても居られず、早退して新幹線に飛び乗りました。
乗り間違えました。結局、新横浜で40分待ち。
静岡駅を降り、背広革靴でダッシュ、タクシーへ。運ちゃんにジャーナリストと勘違いされましたが、面倒臭いので否定せず(おい)。彼はU-21のケンタの解説が人情味溢れて好きらしい。俺は嫌いだ、とは言えなかった。
開始10分頃に到着。観戦5分後…タクシー使う価値はなかったな、と。
俺は自己満足の独善的プレーを見に来たんじゃないぞ、アレックス。平松は相変わらずドリブルのためのドリブルだし、市川はアーリークロスばかりだし、2人が上手く互いに使い合った札幌戦の面影もないじゃないか…。閑話休題。

それでは、本サイトの趣旨に合わせて、ユース出身選手の感想を。


高木純平・村松潤(三期生)
圧勝劇の演出者。この2人はセットにしてでしか語れないでしょう。
前半は中盤をフラットに並べる4−4−2で村松はボランチに入っていたのですが、アレックスの動きが独り善がりなせいで、2人のプレーも単発的でした。それが後半になってアレをトップ下に上げ、右:平松・中央:戸田・左:村松という古典的ダイヤモンドに組み直したことで、左サイドが一気に蘇りました。
後半開始直後、翼くんと岬くんのようにワンツーリターンで左サイドを崩し、最後ライン直前で純平が入れたセンタリングを、左45度から村松が枠内に放った強烈ボレーが、この試合の流れを決定づけたといえるでしょう。

とにかく攻撃パターンが豊富。
裏で受けるかポストにして戻すか、中に切れ込むか外に開いてセンタリングか、大きく分けて4つのパターンを、受け手・出し手を頻繁に入れ替わって選択していく。個人で見ても、村松のクロスは予想以上に伸びてクリアしづらいし、純平はスピードがある上に左右二択を不自由なくこなすものだから、対応しきれない。
なんとクリエイティブ
2年前のユースを懐かしく思い出して、誇張抜きで泣きそうになりましたよ。右の平松・市川がそれぞれ破壊力がありながら、実に読まれ易く、点差が開くまで相手の物量作戦の前に潰されていたのとは好対照。

純平の守備の応対に格段の進歩が見られたり、村松が精力的に動き回ったりと、課題を確実に解消していたのも、見ていて頼もしかった。そう考えると、村松がMFで純平がSBというユース時代とは逆の組み合わせにも、(当たり前なんですが)目的あってのことなのだなあと、感心しました。
純平は開始から再三に渡って長い距離を駆け上がり、その走力を改めて思い知らされたり。センタリングの精度も高かったしね。
村松はキックの多彩さだけでなく、スペースを三次元で掴む視点が素晴らしかった。あとは出し手の気づくのが遅く。無駄に終わりそうな場面でも、簡単にランを中止しないようにすれば、完全に脱皮しそう。

あと、この2人に洒落た相性を急募!いくらなんでも「JUN+JUNコンビ」は、カッコワルイと思う。


塩沢達也(三期生)
塩沢らしかったのは、後方からの純平の浮き球パスを、背走しながらでカカトで受けて左スペース前方に流し、切り返してセンタリングを合わせた6点目のアシスト。
そして浮き球に体ごと飛び込んで、相手オウンゴールを誘った7点目。
さらにガッツポーズしながら、オウンゴールとアナウンスされた瞬間のズッコケっぷり
ただ、思い切りの良さは出ていた一方で、もう一つの持ち味である「スペースを作り出す考えられたフリーランニング」という点で物足りなさも残りました。どうもボールに集まりすぎるというか。同期に先行された焦りがあるんでしょうが。単純に個人能力を比較すると、明らかに太田の破壊力に劣りますので、塩沢には遠回りでもボールから遠い位置でのオフ・ザ・ボールの動きに、原点回帰してほしい。


杉山浩太(五期生)
今日は顔見せ。前線だけで何とかなる時間帯に1ボランチとして投入されたので、簡単に繋ぐ役割に徹していました。柔らかいダイレクトパスとか判断の速さとか、何気ない浩太らしさは披露してましたが。
味方CKで最終ラインに残ったのが、村松と浩太というのが、本日最大のファンタジー
浩太に出番を譲った谷川・隼人・深沢が、気になるところ。


ちなみにモルジブのチーム、個人能力は日本のユースレベル以下ですが、フリーの3人目を生かしたボールの落ち着かせ方など、規律が徹底されて予想以上に良いチームでした。


 2002年10月9日の日記: 幸せでした


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ひかる。 @H.P. [MAIL]

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