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清水エスパルスユース紹介サイト

1991年04月02日(火) 選手紹介 1991年度組

 ちなみにJrユースでの基本布陣は、こんな感じ。

中1 (2004):            中2 (2005):             中3 (2006):

−−−−−−関口−−鍋田−−−−−− −−−−−−関口−−櫻井−−−−−− −−−−−− 畑 −−鍋田−−−−−−

−−西川−−−−−−−−−−加藤−− −−−−−−−− 畑 −−−−−−−− −−山田−−−−−−−−−−柴原−−

−−−−−−滝戸−−青木−−−−−− −−西川−−山田−−青木−−加藤−− −−−−−−荒井−−青木−−−−−−

−−荒井−−山崎−−植野−−小澤−− −−−−小澤−−山崎−−植野−−−− −−深澤−−山崎−−小澤−−加藤−−

−−−−−−−−水野−−−−−−−− −−−−−−−−水野−−−−−−−− −−−−−−−−長島−−−−−−−−

 柴原、深澤が2年生。水野・荒井・滝戸・西川・櫻井が清水東、加藤が藤枝明誠に進んでいる。


▼山崎 教史 1991.04.14生 176cm/63kg CB 「ノリ」
 静岡JFC/太陽FC (服織西小)→清水JY、※U-16/14NTC・静岡選抜 (06年)、U-14NTC (05年)

 06年度清水JY主将。小学生の時に静岡JFCとして、全国の舞台を経験している。入れ替わりの激しかったこの学年のチームにおいて、常に主戦を張っていた希有な選手の一人。ナイキカップ出場権こそ逃したが、アイビーカップ、群馬チャレンジ、県クラブ新人戦、ジュビロカップと各種大会で優勝を飾る。3年夏のクラブ選手権は怪我で決勝しか出られなかったが、それを除けばDFリーダーとして不動の存在であった。

 中1で既に172cmという立派な体格を誇っていたが、この頃からサイズに頼るプレーは少なく、クレバーなDFだった。確かな読みと抜群のスピードがあり、彼が後方でカバーするかしないかで、チームの安定感がまるで違う。だが、後方で余って楽をするような選手ではなく、むしろ前に出て積極的にボールを刈り取る守備が印象的。この学年は縦にパスを展開する力がある分、相手にも縦に速攻を食らう場面が多かったが、山崎がカウンターを未然に防いでいた。奪ってからの判断、とりわけ持ち出しとパスを出すタイミングの判断が素晴らしく、キックの精度も高い。日本代表CBを数多く輩出した某高を応援する某女史曰く、誰か1人欲しいなら山崎なのだそうだ (笑)。
 課題は意外と1対1に脆いところ。なまじスピードがある分、マークする相手を離すきらいがあり、空中戦で競り負けたり、ドリブルでスピードに乗られて振り切られたりする時がある。ユースに昇格し、日頃対戦する相手のレベルが上がるだけに、今後は一人一殺、潰すべき相手を確実に潰す力を磨いていきたい。サイズでの優位性は失ってきたが、運動能力に恵まれているだけに、泥臭い守備もできるはずだ。


▼鍋田 亜人夢 1991.05.01生 173cm/58kg FW 「アトム」
 清水FC/清水第八SC (飯田小)→清水JY
 ※U-15J選抜・クラ選優秀選手・U-16/14NTC・静岡選抜 (06年)、U-14日本選抜 (05年)、U-13エリートP (04年)
  U-12日本選抜・U-12NTC東海 (03年)

 小学生時代に清水第八のエースとして、監督である父と共にバーモントカップで全国3位。U-12日本選抜としてその頃から有名だった鍋田は、青木・畑・長島 (翌年には更に深澤・成田・三渡洲) と共に、鳴り物入りで清水JYに入団した。優勝確実と思われたさなるカップ (ナイキカップ予選) こそ逃したが、その頃から1学年上に合流。2年秋口には池上を抑えて、前田とスタメン2トップを組むようになる。中3では夏のクラブ選手権で7得点の活躍、ユースにも呼ばれて出場機会を得た。一方でJFAや静岡県など、各種選抜チームの常連になっている。

 名前のインパクトもあって全国的に有名だが、初見で良さを理解するには非常に難しい。彼はいつも場面に応じた最適なプレーを最適の技術で行うため、いかにも簡単そうで目立たないのだ。クラ選決勝では、Jヴィレッジのコーチが常に「清水の14番」を見続けるよう指導していたほど。長い間見ていると、スペースを見つける視野の広さと、その広いエリア (特に背後) にパスを出すボディバランスの素晴らしさがわかる。左足のテクニックも高く、難しい体勢でも柔らかくボレーを合わせ、直接FKやミドルを叩き込むキレもあり、足下のキープ力も高い。中3で背が一段と伸び、体を張れるようになったが、同時に倒されるべき時には倒されてファウルをもらうずる賢さもある。エレガントなスタイルながら、FWらしい熱い部分を見せることも。なにしろ「サッカーを始めたきっかけ:清水に生まれたから」な男である。

 万能型で連携から点を奪うタイプだが、これといった特徴のない選手でもある。プロ、そして代表を狙える資格があるだけに、これから化け物じみた身体能力を誇る相手に、いかに対処していくかが求められるだろう。押し込まれた展開で前線に一人残ったとき、ポストプレー以外で状況を打破していく力を望みたいところ。本人も自分とプレースタイルが似ているという理由で、好きな選手にラウール・ゴンザレスを挙げており、このあたり長所も課題もよく分かっているようだ。


▼青木 達也 1991.05.18生 175cm/61kg CH 「アオキ」
 清水FC/清水第八SC (高部小)→清水JY、※静岡選抜 (06年)、静岡選抜 (05年)

 鍋田らと共に清水第八で全国3位。その頃から中盤のコンダクターを担ってきたが、清水JYでも3年間、司令塔として絶対だった。その存在は中2以降、ダブルボランチを組むことが多くなった山田が、彼には殆ど文句を言わなかったことからも伺える (笑)。

 浩太以来、清水の下部組織に久々に現れた、俯瞰した視点からスペースを立体的に把握できる選手。平面のスルーパスを出せる選手すら稀だが、彼は数枚先の遠いスペースを見ることができ、浮き球のロングパスを駆使してラストパスの一つ前、崩しのパスを出すことができる。大柄選手ながら浮き球の処理が上手く、体で食い止めてこぼれ球を自分のものにするとで中盤の底に蓋をすると、相手のプレスを確実にかわしてから、よく周囲を見た上でパスを出せる。こうした守備のタスクも浩太っぽい。同時に枝村のように前に出ていく力もあり、ミドルシュートは岩下監督に怒られるぐらい積極的。サイドに飛び出してパスを引き出す動きができ、中央でクロスを合わせることも。セットプレーでも直接狙うだけでなく、頭で合わせる側での得点も多い。
 だが、浩太に比べるとパスを浮かせてしまうことが多く、確実性に難がある (第八の僚友、鍋田・畑は浮き球が得意なので、問題にならないが)。またグイと前に出たとき、そこから枝村のように相手を抜き去ってフィニッシュまで持ち込む力が足りない。とはいえ、この2人がプレースタイルを確立させたのは、ユース時代、高2・高3の時であり、青木にもプロを目指して自分の形の完成を望みたい。


▼長島 潤 1991.07.05生 179cm/69kg GK 「ナガシマ」
 清水FC/清水第八SC (清水小)、※クラ選優秀選手 (06年)

 他の同期と同じく清水第八出身のGK。だが、清水FCでは控えであり、エスパルス入団後も静岡JFCの正GKである水野の後塵を拝し続けた。実に中2冬まで水野の控え。その後、1月のキンパラカップで水野の怪我のため出場機会を掴むと、水野復帰後も伯仲のポジション争いを繰り広げる。だが、クラ選東海から水野が再び怪我で離脱すると、夏のクラ選全国で優秀選手に選ばれる大活躍。これで完全に定位置を掴み、秋にはユースでも先発するなど大きく飛躍した。

 十分の身長に長い手足、高い瞬発力と、およそGKに求められる素質を生まれ備える。シュートに対する超反応は素晴らしく、Jrユースレベルでは長島と逆サイドにコースが空いた状況でもない限り、必ず弾き落としてみせた (こぼれ球を詰められることはあったが)。足下の技術にも自信があり、鮮やかなダッシュでDFラインの裏を広範囲でカバー。同時に、そのキックは攻撃の起点としても機能する。Jrユース時代には、練習試合にFWで起用され、あろうことが得点まで決めてみせた。その時の無邪気な喜びからも分かるとおり、精神的に明るく、へこたれない。
 一方、なまじ反応が鋭いだけに何でも飛びついてしまい、距離感を誤るきらいがある。クロス・セットプレーだけでなく、単純なロングボールに対しても前に出すぎてしまう (或いはそれを萎縮して出遅れてしまう)。全般に荒削りの部分が多く、冷静な判断やコーチングなど、今後プロに向けて経験を積んでいく必要があるだろう。ちなみに、好きな選手は西部洋平。なるほど、よく似ている。


▼畑 直樹 1991.07.11生 164cm/54kg FW 「ハタ」
 清水FC/清水第八SC (岡小)→清水JY、※クラ選MIP (06年)

 鍋田とは清水第八時代から前線での相棒。しかし、清水FCでは控えであり、エスパルス入団後も149cmと小さな体もあって、レギュラーには遠かった。中2でも鍋田が上級生チームへと抜けた時に代わりに入るような、準レギュラー的存在。体格が徐々に他の選手に近づくにつれ出番を増やしていくが、それでも夏までは櫻井・関口と横一線だった。クラ選全国でも当初、櫻井がレギュラーを務め、畑は準々決勝のガンバ戦が初先発。だが、この試合でバイシクルでゴールを決めると、続く準決勝・決勝も先発して3戦連発、4得点。まんまとMIPを受賞し、そのままチームでもレギュラーを掴んだ。

 不思議な空間把握能力を有し、浮き球の扱いに長けた「天才」。僚友の鍋田・青木とは阿吽の呼吸があり、小柄な体ながら先に落下地点に動き出してヘッド、ボレー、更にバイシクル、果てにはスコーピオンと超絶技術を披露する。巧みなトラップから相手を抜くプレーも得意としており、ヒールリフトもお手の物。しかし、それが彼にとっての標準であり、プレースタイル自体はFWとしてリアルそのもの。ボックス内のチャンスにしっかりシュートを枠に飛ばし、DFの裏への動き出しを欠かさず、下がっては巧みなトラップでポストとなり、中盤とのリンクになる。
 今後どれだけ成長するか分からないが、サイズや運動能力はスポーツ選手としては平凡であり、プロを目指すならば越えねばならない障害である。浮き球のあれほど巧く、強く処理できるのに対し、不思議とドリブルシュートに難を抱えており、せっかく裏に抜けながら1対1を外してしまうことも。この点は好きな選手、田中達也を是非、見習ってほしいものだ。


▼稲毛 拓也 1991.08.02生 174cm/66kg LB
 市原コスモス→柏レイソルU-15、※U-12NTC関東 (03年)

 柏レイソルU-15では夏のクラ戦でLBのレギュラー、冬の高円宮では清水に来ることが決まっていたためか、他の選手に先発を譲ることもあったが、厳しい展開・試合になると代わって出てきていた。状況によってはFWを務めることも。
 背丈はそれほどでもないが、非常に身体能力が高く、体格もがっしりしている。そのため1対1、特に空中戦に強い。スピードがある分、オーバーラップも直線的ながら効果的である。技術の基礎もよく訓練されており、その左足は種類こそ少ないが、とにかくパワフル。エスパルスにはなかなかいないタイプであり、上手く化学反応すると面白い。


▼山田 健太 1991.08.09生 173cm/59kg CH・CB・LH 「ヤマダ」
 焼津JFC/焼津西SSS→清水JY、※U-14NTC・静岡選抜 (06年)、静岡選抜 (05年)

 入団当初はCBやSBで起用されていたが、控え。だが、徐々にCHの位置を自分のものにしていき、中2では不動のレギュラーに成長する。中3では山崎の怪我での離脱や荒井の成長に伴い、CBやSHも務めるプレー幅の広さを見せ、年間を通して活躍した。

 言動共に精力的で、頑張れるタイプ。人に対して強く、自ら競り合いに勝ってボールを奪うと前にパスを当て、自分はそのボールを追い越して前のスペースに飛び出すのが得手のパターン。パスをもらえず無駄に終わったとしても、この動きを飽きずに続けることで、チームに前にドライブするダイナミズムを与えている。足下の技術も一定水準以上あり、キープ力・パスの精度、共に十分以上で、洒落たターンを見せることも。一方で足だけでなく口も動かし続けるが、その内容はコーチングというより叱咤激励。「勝つぞ!」「点取るぞ!」が口癖なのからも分かるとおり、強気で闘争心に溢れる選手である。
 競り合いの強さを買われて守備的なポジションを任されることが多いが、奪ったら前に出る攻撃的なスタイルのため、相手に奪い返された時にマークすべき人やスペースを離していることがままあった。特に強豪を相手にした時にその粗が目立ち、しかし相手に合わせて動きを修正するような柔軟性が足りない。目標の選手、枝村に追いつくためには、パスを預けて前に出るだけでなく、苦しい展開で自らボールを持ち運ぶ力を身につけたいところだ。


▼小澤 蓮 1991.11.01生 173cm/60kg CB・RB・LB 「レン」
 清水FC/不二見SSS、※メニコン杯出場 (06年)

 清水FC出身のDF。CBだけでなく両SBをこなせる器用さを買われて中1から出場機会を得ると、中2では採用された3バックの一角を占めるようになる。中3時に4バックに戻ると、当初はSBで起用されていたが、地道に結果を積み重ねて次第に中央を任されるように。夏のクラ選では山崎不在の中、メニコン杯の選抜チームに推される活躍を見せ、山崎復帰後も不動のCBとして清水の守備を担った。

 課せられたタスクを理解し、真面目にそれをこなす職人肌の選手。守備ではマークする相手を離さず、常に体で押し込むことで相手の精度を落とさせる。それを可能とするのが、大半の相手と互角以上に渡り合える運動能力であり、競り合いで押し合う力だけでなく、その状態から一瞬相手より先に前に出て、相手へのパスをカットするのも得意にしている。キックの基礎技術も高く、両足ともに正確な長いボールを蹴ることができるほか、浮き球を合わせるお洒落なキックを見せることも。
 基本に忠実だが、逆に言えば応用力に不足しており、マークから離れてスペースをカバーするような判断に欠けている。パスやクロスでも判断が遅れることがあり、せっかくの高い技術が持ち腐れになることも。或いは本人が好きな選手に挙げる青山直晃を目指すならば、今でも高いレベルにある高さ・速さを更に磨き、圧倒的な1対1の強さを身につけるまで頑張ってほしい。


--- Jrユース在籍選手 ---
01:水野 祐太郎 GK 1991.04.16 178/64 ○◎ 静岡JFC/太陽FC (安東小)→清水東高、※静岡選抜 (05年)、U-13EP (04年)
04:櫻井 翔太  FW 1991.09.24 163/53 ○◎ 静岡JFC/田町新通FC (静大付属小)→清水東高、※U-12NTC東海 (04年)
05:西川 和輝  DF 1991.06.22 163/49 ○  静岡JFC/ピュアSC→清水東高
06:滝戸 卓  MF 1991.08.02 171/59 ○  清水FC/駒越小SSS→清水東高
08:本川 翔  MF 1991.06.08 166/53    静岡JFC/太陽FC (服織小)
10:加藤 喬大  DF 1991.09.06 162/63 ○◎ 焼津JFC/焼津港SSS→藤枝明誠、※静岡選抜 (05年)
11:大島 慎太郎 MF 1991.05.08 159/48    清水FC/三保第一SSS
13:荒井 航  DF 1991.08.24 168/52    愛知FC→清水東高
15:関口 弘樹  FW 1991.08.23 175/54 ○◎ 清水FC/不二見SSS、※U-12NTC東海 (03年)
17:植野 雄大  DF 1991.07.10 172/59 ○◎ 清水FC (有度一SSS)、※静岡選抜 (05年)、U-12NTC東海 (03年)
18:石原 聖太  MF 1991.08.05 169/64 ○◎ オール庵原 (由比小)→静岡西高

 身体情報・背番号他は、06年8月クラブ選手権の登録による。○は05年1月キンパラカップ登録選手、◎は05年9月スルガカップ登録選手。


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ひかる。 @H.P. [MAIL]

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