STOCKHOLM DIARY
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2005年04月13日(水) アメリカ

最近なんとなくなにをしてても緊張感、というか不安感がとれない・・・。なんでかな、と思ってよく考えてみると1ヵ月後に迫ったアメリカへの出張を今から重荷に感じてるみたい。スウェーデン語と英語(プラス日本語)が絶対ぐっちゃぐちゃになると思う。それに私では力不足なんじゃないのという気分がどうしてもぬぐえない。

でもこういう機会をせっかく与えてくれたことに感謝して十分楽しまないとな、と自分に言い聞かせてるところ(もちろんお仕事もちゃんとして)。別に言葉がぐちゃぐちゃになったっていいじゃん!場所もいい所らしいし!ちなみに私のSamboもちょうどそのころもしかしてアメリカ出張になるかもしれなくて、場所は離れてるけど同じ大陸の上にそのころいるのかも、と思うとちょっと不思議な気分。


2005年04月02日(土) 笑いは世界を救う?

私は小さい頃からお笑い番組が好きでいろいろよくテレビで見ていた。別にこだわりがあるわけじゃなく面白ければ何でもよくて、ブラックユーモア系でもばかばかしいナンセンス系でもシュール系でも面白がって何でもよく見てた(でもアメリカのホームコメディとか全然おもしろくない。カナダやイギリスのコメディは大好きなんだけどな)。三谷幸喜のドラマや舞台なんかも大好きだし、日本に帰ると必ずその時に人気のあるお笑いをチェックする。スウェーデンに来てからも、コメディーがなんとか判るようになってきたかなと自覚できるようになった1年位前からよくテレビで見たりスタンドアップコメディーを見に行ったりしている。

私自身は全然おもしろいことが言えるような機転はなく(天然とはよく人に指摘されるけど)、そのせいもあって常々コメディアンの才能はいろいろな意味で凄いと思ってはいたんだけど、今日の夜2回目のNorra Brunnに行って改めてそれを痛感させるコメディを見た(Norrabrunnについては2004年10月16日の日記参照)。

この日の夜Norra Brunnに行ったのは私の好きな二人のコメディアンMåns MöllerとÖzz Nûjenという人が出る日だったから。Måns Möllerはよくテレビ番組Time Outに出てるちょっと太めのブロンド君(染めてる)なんだけど、あっけらかんとしててちょっとお馬鹿っぽいところがかなり面白い。一方Özz NûjenはSTOCKHOLM LIVEとかTEVE TEVEとかのテレビ番組によく出てる人気あるクルド人のコメディアンだ。この人のネタは移民ネタも多くって(もちろんそれだけじゃないけど)、移民をからかう自虐ネタも多いけど同時にかなり際どいスウェーデン批判のネタも頻繁にやってる。

この日のNora Brunnの観客は一見して普通のスウェーデン人ばかりで得に移民っぽい人がよく目についたわけじゃないけど、このÖzzのネタは移民ネタも含めてほんとものすごくよく受けてた。で、私がびっくりしたのは下記のようなネタも普通のスウェーデン人に受けてて爆笑が起こっていたこと。覚えている限りでいくつか紹介してみると・・・


1.アメリカ人とかイギリス人とかがすごく強い母国語訛りで”Jag har bott i Sverige i 25år(スウェーデンに25年住んでます)”とかいっても全然OK、むしろスウェーデン人は“スウェーデン語がお上手ですねー”みたいな反応なのに、例えばアラブ人がものすごいアラビア語訛りで”Jag har bott i Sverige 9 År(スウェーデンに9年住んでます)” というのを聞くとスウェーデン人は「おいおい、いいかげんまともなスウェーデン語をしゃべれよ」という。これっておかしいんじゃないの?

2.チャンネル4のお天気を読んでる気象予報士の一人はノルウェー人。はっきりいって彼女の言ってることわかんないよ(ノルウェー語だし)!ここはスウェーデンなのにおかしくない? だったらいっそのことアラブ人がチャンネル4でお天気読んだっていいじゃん。というかソマリア人だっていいじゃんよ。これでソマリア人の失業率もちょっと下がるしね。

3.スウェーデンって「平和の構築に力をそそぐ」とかいって一方で武器を世界に売ってるのっておかしくない?

文章が悪くってこれを読んだだけではぜんぜん面白くないけど、実際のライブではその雰囲気やÖzzのからっとした話術でとてもおもしろおかしく感じるのだ。でもこれって、言い方によっては痛烈なスウェーデン批判になりえると思う。それをコメディーという媒介を通すとこんなにすんなりと普通の人にも受け入れられて、それで後になって考えさせられる。まあもともとÖzzが好きでNorra Brunに来てる人も多いだろうからそこらへんはちょっとは差し引かなきゃいけないかもしれないけど・・・。

私はスウェーデンにあっては外国人だから上に書いてあるようなこと前々から思ってたけど(特にノルウェー人は変だよ)、それを笑いを誘うような話術で浸透させるコメディアン、ひいてはコメディという媒体は実はすごいのではないかと思う。


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