冒険記録日誌
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2022年03月19日(土) ドラゴンクエストII 悪霊の神々[上巻] (樋口 明雄/双葉文庫)その1

 他の家庭でもそうだったのかもしれませんが、ファミコンが流行っていた当時、TVゲームは子どもに悪影響があると親に思われていましたから、ファミコンはまるで悪い事でもしているかのように時間を盗んではコソコソ遊んでいました。皆が寝静まった後に隠れてファミコンで遊んでいると、「ゲームの音を聞くと頭痛がする。」と言いながら祖母が目を覚ましてくる始末で、音も出せない事が多かったです。そんな中でこの双葉文庫版ドラクエIIは、私がファミコンのドラクエIIを遊べない時に、その欲求を満たすものとして遊んだ、特に思い出深いものになっています。
 出版社もビックタイトルのゲームブック化に気合を入れたようで、双葉ゲームブックとしては唯一の上下二巻にわたる長編になっています。
 ところで、ドラクエIIの面白さは思い出補正もあってのものだろうかと、何年か前にファミコンを引っ張り出してドラクエIIを遊んだところ、当時と変わらずとても楽しく遊べました。むしろファイティングファンタジーシリーズの難易度がゲームの標準となっている私にとって、リメイク版のドラクエの方がヌル過ぎて遊べません。(笑)
 では、ゲームブックの方は今遊ぶとどうでしょうか。そんな疑問から今回は約35年ぶりの再プレイをしてみたいと思います。(本作品は、2002年6月23日の冒険記録日誌で一度話題に上げていますが、それすら20年前だという事実に驚く。)

 プレイ前に簡単に上巻の内容を説明すると、主人公であるローレシアの王子が、仲間となるサマルトリアの王子クッキーと、ムーンブルクの王女マリアを見つけ出すのが目的です。2人とも出会うと、後で再会の約束をして、すぐにキメラの翼を使って消えてしまうので、実質はドラクエIと同じく、ローレシアの王子単独の旅となっています。港町プルガナで2人に再開し、船旅を始めるところで上巻は終了です。
 ゲーム的には双方向システムで、管理する数値はHPとゴールドのみ。経験値は存在しないのですが、レベルは上巻ならLv1からLv5まであり、それらは主人公が何を装備しているかで決まります。例えば木刀と布の服を持っていればLv1、銅の剣に皮の鎧を持っているならLv2、銅の剣でも布の服のままならLv1という感じです。このレベルアップシステムは、経験値による能力値の成長と装備品による強化を簡潔にまとめて、プレイヤーの負担を減らした秀逸なシステムだと思います。
 ゲーム中の戦闘は、モンスターに遭遇すると、まず指定されたLvに達しているか否かで、展開が分かれ、続いてバトルポイント制というA〜J欄に1〜10の数字を当てはめたものを使って勝敗をつけるというものです。バトルポイント制は、双葉ゲームブックにはお馴染みのルールですが、あまり好きではありません。10面体のサイコロで代用しようかとも考えましたが、今回は普通に遊ぶことにします。
 さて、冒険のスタートです。

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 世界征服を企み、ムーンブルク城を滅ぼした、邪悪な大神官ハーゴンを討伐するため、皆に見送られながらローレシアの王子はローレシア城を跡にした。
 ここで信じられない展開が。以下、原文。

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 途中、武器の点検をするため立ち止まる。腰につけた剣を抜いてみた。
「あれ?」鋼の剣だと思っていたが、何と木刀じゃないか。そうなんだ。ぼくはうっかりと、練習用の木刀をつけてきてしまったのだ。いまさら引き返すのは、ちょっと恥ずかしいぜ。どこかの街に着いたら、剣を買おう。
──────

 マジか。鋼の剣といえばLv3の装備じゃねぇか。それが主人公のうっかり&恥ずかしいというポンコツ理由で、Lv1の武器から始めなきゃいけないなんて。そのくせ、後でローレシア城に戻ってきても、何故か鋼の剣に交換しないので武器屋から買うしかない。アホすぎる。
 もっとマシな理由付けがなかったものかと、この先の展開に若干の不安を感じてきたが、気を取り直して続ける。ファミコン版ドラクエIだって、王様がしょぼい支度金しかくれないから、竹やりかついで世界を救いに行く羽目になるからな。これくらい大したことはないか。

続く


山口プリン |HomePage

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