冒険記録日誌
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2022年03月13日(日) 火吹山の魔法使いふたたび(イアン・リビングストン/SBクリエイティブ) その2

 そんなわけで「火吹き山の魔法使い ふたたび」は、私的にあまり期待していない状態で遊んだわけですが、遊んだ後の感想は、意外というかとても面白かった、というものでした。
 ただ、さっき書いたリビングストン作品の欠点は、そのまま残っています。火吹山の中では、「死の罠の地下迷宮」でいう宝石、「恐怖の神殿」でいう竜の置物、「迷宮探検競技」でいう指輪にあたる、竜の牙集めをさせられ、それを集めきった上に、鬼畜にパワーアップしたザゴールとの戦闘に勝利しなくてはなりません。カードを燃やされただけで泣いていた純朴な彼はどこに行ったのか。
 アイテムが足りないままザゴール戦まで突入しても、技術点12ならなんとかなるかもしれない、弱い主人公なら、竜の牙を集めきってザゴールを弱体化すれば勝てるかもしれない、というバランスが本来の姿だと思うのです。初期のファイティングファンタジーシリーズでは「真の道なら弱い主人公でもクリアできる」と説明してあったのだから。
 もっとも、私も心得ていたというか、昔よりは頭が柔らかくなっていたので、今回は主人公の技術点は最初から12点固定でプレイしました。このおかげと、元々の期待値が低かった事もあって、ゲームバランス的な問題は、それほど気にせずに遊ぶことができました。
 それよりもリビングストン作品の長所である完成された世界観や物語が、それを補って余るほどに素晴らしかった。火吹山に入る前の野外の冒険は、正統派のファンタジー小説を読んでいるようでしたし、ダンションに入れば「火吹き山の魔法使い」を遊んだ人への作者のサービス精神が感じられ、モンスターとの目玉食い競争や、オークの足の蚤を食べないと死んでしまう毒など、良い意味でヘンテコな仕掛け達には、ニヤニヤが止まりませんでした。まあ、「ダンションに入ってすぐの何気ないところに必須アイテムなんか置くなよ」とか、グチもこぼしながらのプレイではありましたが、アランシアの世界で再び冒険できる懐かしさもあり、不満点も素晴らしい挿絵も全部ひっくるめて帰ってきたという気分になれました。
 まとめるなら、「ゲームブックを知らない人に勧めるには難しいが、このシリーズのファンなら、本作の為だけでもコレクターセットを買って損はない作品」というところでしょうか。もしゲームブック未経験者が遊ぶなら、素直に前作の「火吹き山の魔法使い」から始めましょう。

 出版元もこのセットに一定の手ごたえを感じたのか、ファイティングファンタジーコレクションボックスは、第二弾が現在、予約受付中です。
 今回は5冊のうち3作品は「死の罠の地下迷宮」「サイボーグを倒せ」「地獄の館」の復刊です。山口プリン的にはどの作品も、死んで覚えて行くしかないゲームの難易度は嫌なのですが、それ以上の魅力が感じられる名作揃いだと思っています。また、タイタン世界の作品しか復刊対象にはならないのだろうと思っていたので、「サイボーグを倒せ」と「地獄の館」の復刊が地味に嬉しいです。ゲームブック未経験者でも、アメコミの世界観やホラーが好きな方には、勧められるかもしれませんね。
 残りが日本初翻訳作品で、実質新作が現代で2作品も遊べるという素晴らしさ。良い時代になった事を素直に感謝したいと思います。


(追記)
 もしも、そのまた次のコレクターセットが出るなら、「フリーウェイの戦士」を入れてほしいです。遊んでいて「ガソリンが少なすぎる」とか文句も出るけど、そんな理屈なんか関係なく、リビングストン作品では一番好きなんですよ。新装丁のインターセプターとアンバーちゃんの姿が見たいので是非。


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