冒険記録日誌
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2022年03月08日(火) うざいリプレイを書いてみた 惑星不時着(安田 均・グループSNE/創元推理文庫)その2

 運勢値の判定に成功すれば、デュマレスト達は無事に惑星に不時着して生き延びることが出来ます。
 もしかすると「いやいや、いくら不時着と言っても、宇宙船が落下して生存って無理があるだろ。」と言う方がいるかもしれません。しかし、原作でも「聖なる惑星シュライン」「テクノ惑星カモラード」「刺客の惑星ヒアカーヌ」と数々のエピソードで、デュマレストの乗った宇宙船は次々に落下しますが、ちゃんと彼は生き延びています。つまりこれも原作通りで、何も不自然ではないのです。

 宇宙船が不時着した際のショックで気絶していたデュマレストですが、その間にシャラナは原住民に連れ去られてしまいました。幸い宇宙船は修理すれば再び飛ぶことができるそうです。
 シャラナを連れ去った原住民ですが、粗末ながらちゃんと服も来ているし、ある程度の文明的生活はしているようです。ただ、閉鎖的な社会でよそ者には非常に警戒感が高いのが特徴です。
 彼らはシャラナを開放する代わりに、彼らの宝物である水晶の女人像が盗まれたので、取り戻してこいと条件をつけてきました。
 ここで終盤でわかるネタバレを言うと、この水晶の女人像というのは、実は地球の星座である12星座の乙女座をイメージしたものでした。排他的社会かつ地球に関連するものを崇めているという特徴から、彼らの正体は原作でも滅多にその姿を現さなかった、オリジナル・ピープル(聖地教徒)と呼ばれる人達ではないかと思ったのですが、このゲームブックではそのことに触れられていません。

 とりあえず、たいした手がかりもなく、この惑星の首都がある島に単身で渡り、水晶像を探すデュマレスト。
 ここからは、今回は昔のプレイ記憶があったこともあり、最短ルートで終盤まで進めてしまいました。でも、この中盤部分は、一方向システムのゲームブックにしては、びっくりするほど行動の自由度が高く、艦船に乗って海上で海賊と戦ったり、金がなくなって鉱山で奴隷のように働く羽目になったりと、いろいろな展開に進めることができます。そこが本書の最大の魅力だけに、ちょっと勿体なかったかもしれません。しかし、デュマレストはアクシデントで回り道になる事はあれど、基本的に無駄なく行動する人なので、デュマレストらしく選択肢を選ぶのなら当然こうなるでしょう。
 またまた余談になりますが、この惑星ジェイドの貨幣は、金貨〇枚と表現しています。これは恐らく、主流だったファンタジーゲームブックに合わせることで、読者に親しみを感じてもらおうとした結果でしょう。それでも、デュマレストらしくないなと、本書で違和感を感じた数少ないポイントです。

 ゲームの結末の方ですが、水晶像を盗んだ一味のボスであった管理官を問い詰める場面で、警備員達との戦闘に負けてゲームオーバー。
 今回のプレイでは、かなり強い能力値を持つデュマレストですが、それでも負けてしまう程、本書は終盤の戦闘がきついのですよね。

続く


山口プリン |HomePage

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