冒険記録日誌
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| 2016年02月13日(土) |
源平討魔伝─神異妖魔界の変─(井上尚美、榊鬼丸/双葉文庫) |
本ゲームブックの主人公は源氏と平家の戦いの登場人物の一人、平景清(たいらのかげきよ)。 壇ノ浦の戦いが終わった鎌倉初期が舞台なんて、それだけでゲームブックには珍しい設定ですが、それに加えて主人公はプロローグの時点で既に死んでいます。主人公は頼朝を取り殺そうと黄泉がえった怨霊なのです。 登場人物紹介から敵味方どちらも怨霊仲間でまともな人間は一人も登場しません。黄泉の番人の安駄婆を始め、普通のゲームブックならヒロインにあたる娘まで般若面の鬼姫です。会話まで芝居がかったオドロオドロシイ感じで文字通り異次元の冒険ですよ。
私はビデオゲーム「源平討魔伝」は本書の原作であるファミコン版はおろか、有名なアーケード版もまったく知らなかったので、昔に本書を見たときは独特すぎる世界観についていけず、ずっと本棚に眠っていました。 しかし、ゲームセンターCXでPCエンジン版の「源平討魔伝」の回を見てから、本書を遊ぶとあら不思議。まさにあの怪しいゲームの雰囲気が忠実にゲームブックに再現されているのがわかり、一気に最後まで遊んでしまいました。というわけで、原作ありきのゲームブックではありますが、「源平討魔伝」のゲームブックとしては十分及第点に達している作品です。 (一応ゲームブックの原作はファミコン版「源平討魔伝」としていますが、ファミコン版はスペック的にアーケード版の移植が無理だったのか、横スクロールアクションからボードゲーム化というナナメ上の移植になっているそうです。しかし、作者の榊鬼丸氏が後書きでアーケード版を遊びまくったと書いているだけあって、気にせずアーケード版の移植と考えても良い感じになっています。)
原作でも大量のステージ数があるように、ゲームブックでもどこに行きたいか八か国くらいからの選択肢が出ます。 どこの国も、海に漂う無人の小舟だとか、道端にポツンとある墓とか、戦乱の幻影が見えるとか、シュールな光景が広がっています。選択肢が正しければ能力値がアップするし、間違えればダウンして、次の国に挑戦。時には竜や大ムカデと戦ったりもして、ひと通りの国を無事に探索し終わったら、また新たに八か国くらいの国が登場する、の繰り返しです。原作ゲームのようなボーナスステージっぽい国もあり、変化には富んでいます。さすがに原作のダジャレの国はありませんでしたが、むしろなくて正解でしょう。樋口明雄ゲームブックなら別ですがね。 最終盤のボスキャラ連続登場はクライマックスとして勢いがあって良かったです。弁慶が「これで勝ったと思うなよ」と捨て台詞を吐いたところなんかは、ああ、ゲームセンターCXで見たのと同じだ、とか思ったりして。 ゲーム性はちょっと弱いかな。能力値は怨力と妖力の管理が必要で、それから怨札というアイテムをよく入手しますが、怨力と妖力の意味の違いがよくわからないし、怨札がどんなものなのかも不明。ランダム要素のある命運の札(ページをパラパラめくって、ページ端に書かれている�狆�吉””大凶”などの札で分岐)も弓矢を放つシーンを除けば、あまり生かされていないです。 最初のプレイこそごく序盤で死んだものの、この後は素直にプレイしていたら、困る箇所もなく最後までクリアできたので、難易度は低い方だと思います。 もし今から遊ぼうという方に助言するなら、基本的に安駄婆のウザい忠告を始めとする、味方の助言にちゃんと従っていれば大丈夫です。変に逆らった選択肢を選ぶと、琵琶法師のような一部の厄介な敵相手に貴重な呪符や妖術を消耗するなどして、たちまちクリア不能になってしまうのでご注意を。
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