冒険記録日誌
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| 2008年01月22日(火) |
ウォーロック 第21号 1988年 9月 |
「蘇る妖術使い」の紹介記事を多摩豊さんが書いているのだが、ちょっとショッキングな書き出しだった。引用してみる。
****** 「蘇る妖術使い」が出版された。 ゲームブックなんかもう古いよなどといわないで、ぜひ遊んでみてほしい一作だ。 ******
この頃にしてすでにウォーロックですら、「ゲームブックなんかもう古いよなどといわないで」と言わなくてはならない時期だったのか。 この号の新刊情報には「蘇る妖術使い」だけでなく、「ベルセブルの竜」や「ブラッドソード2巻」、「魔城の迷宮」(タイトル不明だが500枚にも及ぶイラストを使った3D迷路のゲームブックと紹介されていた)と、ブーム円熟期の代表ともいえる作品の名前があがっているのですが…確かにあの頃は、私のまわりでもゲームブックファンが減っていたからなぁ。
近藤功司のコラムでは、T&Tソロやブラッドソードのような、ゲームブックとTRPGをつなぐような作品について語っていた。内容はゲームブック=TRPGの入門書という考え方である。さらにどうでもいいが、T&Tソロを過大評価しすぎじゃないかと思う箇所があったので、引用する。
****** T&Tを明日やろう。キャラクターも作った、僕は魔法使いだとはしゃいでいるプレイヤーを見つけたら、迷わず「ソーサラー・ソリテア」を渡してこう言えばいい。 「Aよ、まず魔法に慣れよ。そのために汝に一つの試練を課そう」 翌日、A君がベテランとまではいかないまでも、キチンと魔法を使っているのに、仲間はビックリするだろう。 ******
絶対無理。 また、この号の編集後記では、「ゲームブックはジャンルと考える人もまだまだ多いようですが、むしろ手法と考えてもいいのではないでしょうか」と書かれている。 広い目で見れば、ドラゴンランス戦記もゲームブックの一種とも言えるし、ゲームブックの手法でタイタンを描くのも、普通のファンタジー小説を書くのもそれは方法が違うだけで同じジャンル。ゲームブックとは一人称や三人称などの書き方の手法の一種ととらえるということだ。 確かに私もゲームブックに対してそんな発想をしたことはあるが、今月号の内容のあとだと、少々物悲しく読めてしまう。 今月号の短編ゲームブックは、T&Tソロシナリオの「剣の冒険」。 カザンの街にある大市場にぶらりとやってきた主人公という、シチュエーションらしい。 ショートショートゲームブックといってもいい容量で、パラグラフ数は50くらいかな? レベル4以下の戦士用のシナリオらしいのだが、この号はT&Tの新職業として僧侶魔法特集があったので、僧侶を主人公にしたシナリオを作ればいいのに、と思った。 とりあえず一度挑戦してみたのだが、普通の町を歩いただけのはずなのに、わずか数パラグラフ移動しただけで、オークの看護婦がくさい息を吐く病院送りにされてしまった。さらに治療代が払えないので、かわりにカザンの闘技場にて3回戦う契約をする羽目になってEND。 ポート・ブラックサンドやカーレより危険な街だな。
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