冒険記録日誌
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2005年04月13日(水) がはは ヒカルゲンジ物語(辻真先・夢かなえ/くもん出版)

 双葉のペパーミントゲームブックみたいな少女向けの作品が遊びたくなったので、ヤフオクで落として入手したのですが、字が大きくて平仮名の多い文章といい、ポップなイラストといい、合間合間に入っている星占いコーナーといい、良くも悪くもいかにも小学生の女の子向きという内容でした。
 現代人の女の子の精神が平安時代のヒカルゲンジの体に乗り移ってしまい、元の世界に戻るために怨霊退治をするというお話しですが、その内容が軽い。
 登場人物がジャニーズの光GENJIにそっくりだったり、超刺激キャンデー“シーパーパー”が怨霊退治の武器になったり、主人公と同じく現代から平安時代に迷い込んだ四村県(しむらあがた)というキャラがまともに志村ケンのバカ殿様だったり、サンマや山田邦子みたいなキャラも登場して、当時の流行り物のゲームブックに、同じく当時の流行り物を全てぶち込んで平安時代を舞台に無理矢理料理しましたといった感じです。
 それにしても平安時代で出会う紫式部が、「今年のアクタモリ賞は私のものよ。ロマンスグレーの審査員がパーティ会場で私の名前を呼ぶの」なんて普通言うか?水晶球の中に写る帝が「みずがめ座の守護神ウラーヌスに向かってお祈りするのだよ」なんて普通言うか?とにかくこの作品に時代考証というものはまったく眼中にないようです。
 ゲームルールとしては5つの宝玉を入手したかのチェックのみでとても簡単。最後の怨霊との戦いでバッドエンドになる可能性はありますが、基本的にだれでも児童書でも読んでいるかのようにスラスラとエンディングまでいけるとは思います。

 同じ平安ゲームブックならペパーミントの「薫の君によろしく! DOKIDOKI平安京ストーリー」の方が時代考証やゲームシステムが上と思うのですが(ペパーミントの方も、まだましというくらいのレベルですが)、本書は本屋でも女の子の星占いやおまじないコーナーあたりで売っていたのかな、という気もしますので比べることは無意味かもしれません。
 余談ですが最初の方のページを見ると宝玉のチェック欄があって、そこに鉛筆と消しゴムで何度も書いたり消したりした後がありました。この本を読んだ人(たぶん小さい女の子)が一生懸命に読んでいた姿を想像して微笑ましい気分になります。当時のゲームブックの人気と浸透ぶりを改めて感じることができましたね。


山口プリン |HomePage

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