ぼくたちは世界から忘れ去られているんだ

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2004年07月30日(金) 天使のうそ
 天使様、とあたしはごく自然に呼んだ。
「天使様、なんか証拠とかないの?あんたが天使だっていうさ」
天使様は微笑んだ、かのようにあたしには見えた。
「ほら、金髪でしょ?天使らしいじゃない」
馬鹿云え、とあたしは突っ込んだ。
「そんなプリン頭のどこが天使の金髪なのよ。ぜんぜん見えないんですけどー」
天使様はちょっとくやしそうに続ける。
「あたしって生まれつき黒髪の天使なのよ。珍しいの。だから染めろって云われて、染めてるんだけど、ま、しょうがないでしょ」
そんなことあるわきゃーない、とあたしはまた突っ込んだ。
「あるのよ、そんなことが。あたしだってあの人に云われなきゃ染めないわよ」
あの人って?とのあたしの問いに天使様はごく自然に、それこそさっきあたしが「天使様」と呼んだときみたく自然に云った。
「神様に決まってるじゃない」
「神様あ?んなわけないない。んじゃ訊きますけど、さっき、あたしを救う、って云ったよね?それってどう救え、って神様には云われてんの?」
「あなたが救われた、って思えばそれで終わりよ」
あたしはよくわからなかった。でもまあ聞いていた。
「あなたが、ジュンコさん、あなたが救われたって思うときが必ず来ます。それは保証します」
「ジュンなんですけど?」
「あれえ、ジュンコって聞いてたんだけどな。あれあれ?」
「誰に?」
「そりゃあ、あの人よ」
「またうそついて」
「沢田ジュンコじゃないの?」
本当は沢田ジュンコであってる。でもあたしはうそをついていた。なんとなく。
「違います」
「そっかあ。失敗したなあ」

 その日から、あたしは家に帰ると天使様にその日あったことを報告して、一緒にご飯食べて、寝る(寝るときは別の部屋)、という生活を送り始めた。


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