ぼくたちは世界から忘れ去られているんだ

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2004年03月13日(土) 昨日の話をしようにも今日はもう今日で。
 あたしはシヨウ子が嫌いだ。





 シヨウ子はみんなに好かれている。
 朝学校に来るとおはようときいてきいての嵐。あたしは別に嫉妬しているわけじゃない。ただなんとなくシヨウ子が嫌いなだけ。
 でもそのことは誰にも云わない。云ったって、答えはわかりきってる。
「えー、なんでー。超いい子じゃん。シヨウ子って。なんで嫌いなの?」
なんで、なんて云われてもどう答えていいかわからない。ただ、子供が野菜を嫌いなように、嫌いなだけ。

 昨日、あたしは学校のトイレで泣いていた。理由は自分でもよくわからない。シヨウ子がマリイと楽しそうに話しているのをみて、なんか泣けてきた。
「何泣いてるんだよ」
ワタが云った。
「だって、シヨウ子とマリイが」
息も絶え絶えに答える。
「シヨウ子とマリイにいじめられたの?」
なんてやさしいワタ。
「ちがう。でも」
涙が止まらない。
「シヨウ子のこと嫌いなの!だから腹たったの!」
バカみたい。
「そっかぁ、嫌いなんだぁ」
「嫌いなの。どうだっていいでしょ」
「じゃぁどうして泣いてるわけ?」
「だってバカみたいじゃない、みんなに好かれてるシヨウ子のこと嫌いでさ。地球上にあたし一人みたいじゃない」
ワタはしばらく考えているように下を向いていた。
 そして、きっぱりと云った。
「じゃぁ、わたしもシヨウ子のこと嫌いになる」
「はぁ?なんでさ」
「そうしたらあんたは一人じゃない。わたしはシヨウ子のこと世界で一番嫌いになる。そしたら二人じゃない。怖いことなんてなにもないわ」
あたしはよくわからなかった。
でもワタに甘えたくなった。
「いいの?」
「いいさ。わたしにとってシヨウ子なんかよりあんたの方が大事だもん」
ちょっとうれしくなる。
「ね」
ありがとう、とあたしは云うと、走ってその場を去った。



 昨日はそんなわけでちょっといい日でした。


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