ぼくたちは世界から忘れ去られているんだ

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2002年10月12日(土) フィクションで恋をして
「ねえ、チエコ。あたしたちってずっと一緒だよね」
 ミキコが甘える子供みたいに云う。あたしはうんうんと頷きながらも途方もなくむなしい気分になって、コンタクトが乾いていくのを感じていた。
 チエコ、チエコ、チエコ。ミキコはまるで頭の悪い九官鳥のようだ。
 ミキコが云う。
「チエコ髪伸びたね」
 チエコがのびたってことは、あたしも伸びたんだね。おっかしい。
 ミキコの笑い方は本当に嫌だ。たぶんミキコの一番嫌いな部分だと思う。

 あたしとミキコが嫌でもずっと一緒なのは、あたしたちが双子だから。
 すっごいバカバカしいと思う。

 でもしょうがないのかもしれない。

 ミキコの真っ黒な髪。
 あたしの真っ黒な髪。


 それがうっとうしくて、あたしは髪を金色にした。
 ひよこみたいな色。

 バッカバカしいったらない。


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