ぼくたちは世界から忘れ去られているんだ

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2002年08月27日(火) あたしと鴉と花とハイホー




 鴉が歌う。



 へたくそだな、とあたしは呟いて、君の教えてくれたあの旋律を乾燥しきった唇で奏でる。
 鴉はまだ歌っている。
 あの旋律ははるか遠くにとんでいってしまい、あたしは歌えなくなる。いつだってそうだ。美しいメロディはすぐにどこかへ飛んでいってしまい、鴉の歌だけが残されるんだ。でもそれでもいいのかもしれない。そう思えるのはあたしが鴉じゃないから。

 要約をするというのは、難しいね。なかなか君の言っていることを要約できない。君の言葉はばらばらになって、土の上に落ち、そして芽が出て花が咲く。
 無理をいうとすれば、その花をすべてつみとってしまいたい。いや、そんなの無理にきまっている。だって君の花にはとげが無数についている。


 荊の道を走りながら、わたしはハイホーを歌っていた。
 全然楽しくなんかないのに。ハイホーの旋律だけが白々しく陽気で。



 ハイホー


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