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2004年03月06日(土) 夜間巡航〜クラムボン@渋谷AX〜

 クラムボン『imagination』ツアー最終日@渋谷AX。会場の中は「ぜってぇ悪い菌もらって帰りそう…」なくらいの超満員。オープニングアクトにおおはた雄一。ギターの弾き語り。基本はフィンガーピッキングなんだけど、時にはギターをスティールギターみたいに、膝に置きながら歌ったり。ギターを自由自在にあやつる手品師みたい。
 3曲ほど歌った後、そのままギターを弾きながらメンバーをお迎え。4人で「Don’t you know」。郁子ちゃんは三つ編みにワンピース。まるで異国のお人形さんのよう。ミト&大助くんはちょっとこぎれいな仙人。今じゃクラムボンの音にギターが入るのもめずらしくない。最近はサポートが入ってたが、今回は基本的に3人だけの音。「便箋歌」「tourist on the 未来’n」と続く。ミトくんが弾いている(6弦ベース?)は低音を出しながら、高い弦の音も鳴っているので不思議。『レット・イット・ビー』でジョン・レノンが弾いてたのと同じようなものだろうか。

 長いドラムのリフレインからはじまった「シカゴ」。ゆっくりバージョンなのもいいけど、やっぱり元のが好き。曲に遊び心があるし、聴いてて誰もがリズムを取りたくなる。続いて「パンと蜜をめしあがれ」「ドギー&マギー」「君は僕のもの」の怒涛の前期クラムボンの応酬!やりなれている云々ではなく、あきらかに伝わるものが強くなってる。特に「君は僕のもの」はいつのライブで聴いても、違う切なさが聴こえる。自分の中でも、クラムボンの転機となる曲だと勝手に思っている。

 後半戦。「コントラスト」をはさんで、「Y・S・G・R」。ミトくんはウッドベースに持ち返る。頭ん中でつぶやいているひとり言を、そのまま詞にしたような曲。これといったサビがない分、気分によって引っかかる言葉が違う。「大変だ、大変だよっていうけど幸せそう」ってところが脳内ループ。「意味はない」はアルバムのアップテンポの感じとは全く違い、おどろおどろしいゆっくりとした曲に。このまま「ララバイサラバイ」に行きそうな重い空気だったけど、それは叶わず。後半テンポアップして欲しかったな。
 「サラウンド」。この曲を聴くといつもパ〜ッと明るくなって視界が開ける。ただ、この日は前の人の背が大きかったので、視界は半分…。それでも郁子ちゃんからは後光がさしていた。「メロウトロン」では最初にミトくんがループするフレーズを作って、それに合わせて演奏していったのだけど、それがホンのわずかズレていて、少しだけ気になる。「東京に限って…次は必ず!」とミトくん。本編ラストに「Folklore」。またもや6弦ベースが登場。それだけに目がいってしまう。「あと少しで」と郁子ちゃんとミトくんの声が重なるのが何とも切ない。最後はお客と一緒に合唱。

 アンコールで「こだま」。郁子ちゃんの弾き語り。しかもなんとギターで!!はじまるまではそわそわ緊張してたんだけど、はじまってしまえばもう郁子ワールド。いつか、こういうソロの弾き語りでずっと聴いてみたい。
 そして、今回の目玉。ケータイにダウンロードした音源を演奏中に鳴らす企画を「imagination」で実行。演奏が実際始まってしまうと、ケータイの音は微々たるものだから、あまり聴こえなかったけど、暗闇の中、ケータイを掲げて鳴らしているとまるで蛍火のよう。綺麗。マイクを通さない編成なら、もっと効果的だったかも。次の「ドブロノッツ」ではおおはたくんもギターで参加。郁子ちゃんとミトくんのふたりの声が暖かく重なっていた。今まで気付かなかったけど、この重なりってすごくいい!お互いの声を活かしあっている。
 二度目のアンコールに答えてフィッシュマンズのカヴァー「ナイトクルージング」。こだまするギターがゆっくりと音を奏でてる。ミラーボールの光にゆられながら、この時間がこのまま続けばいいなと思った。

 最新アルバム『imagination』の曲は今までに比べて、ちょっと詞が聴き取りづらい。それが曲をさらに難解に感じられた。ただ、ライブを観るといつもと同じ、そしてまた進化中の彼らがいる。これほど変化し続けるバンドを他に知らない。以前にミトくんが何かのインタビューで「クラムボンを一生続ける気はない」と語っていたが、これだけ変わり行く中で、辞める時が果たしていあるんだろうか。宮沢賢治の詩が元である謎の「クラムボン」とは、進化し続ける生き物のことなんだろう、きっと。


セットリスト


1.Don’t you know
2.便箋歌
3.tourist on the 未来’n
4.シカゴ
5.パンと蜜をめしあがれ
6.ドギー&マギー
7.君は僕のもの
8.コントラスト
9.Y・S・G・R
10.意味はない
11.タイムロス
12.charm point
13.Re-残暑
14.サラウンド
15.メロウトロン
16.Folklore



アンコール
17.こだま
18.imagination
19.ドブロノッツ
アンコール2
20.ナイトクルージング


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