酔陽亭 酩酊本処
いらっしゃいませ。酔陽亭の酔子へろりと申します。読んだ本や観た映画のことなどをナンダカンダ書いております。批判的なことマイナスなことはなるべく書かないように心掛けておりますが、なにか嫌な思いをされましたら酔子へろりの表現力の無さゆえと平に平にご容赦くださいませ。
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| 2004年09月04日(土) |
『ジェシカが駆け抜けた七年について』 歌野晶午 |
NMACは長距離専門の陸上競技クラブである。主催者はツトム・カナザワという日本人。クラブ運営と同時に監督やスカウトも努めている。ジェシカ・エデルはカナザワにスカウトされた。エチオピア出身のジェシカはチームメイトのアユミ・ハラダにホームシックから救って貰ったことがある。ある夜、眠れないジェシカはアユミが白装束で丑の刻参りをしている姿を目撃してしまう。アユミはアスリートとしての選手生命を潰した男を恨んでいたのだった・・・
《過酷な女子マラソンの世界。一人のランナーが挫折して命を絶った。それから7年。なにかに導かれるようにジェシカはやって来た。恨みを残して死んだ彼女のためにしてやれることといえば、もうこれしかないのだ…。》これがこの物語の惹句です。これが非常にうまいと読了後に感じました。 マラソンの練習に関する膨大な知識には唖然。こんなやり方があったのかと絶句したり。物語のトリックには、きちんと綺麗にアッサリ騙されました。私は単純だからなぁ。トリックがどうこうより、ジェシカの魅力に最後まで付き合ったという感じでした。すっと読めます。本人の語りでツトム・カナザワの視点や気持ちを知りたかったかな。
楽しむのが自分なら、リスクを負うのも自分。すべてが自己責任なのである。
『ジェシカが駆け抜けた七年について』 2004.2.19. 歌野晶午 原書房
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