酔陽亭 酩酊本処
いらっしゃいませ。酔陽亭の酔子へろりと申します。読んだ本や観た映画のことなどをナンダカンダ書いております。批判的なことマイナスなことはなるべく書かないように心掛けておりますが、なにか嫌な思いをされましたら酔子へろりの表現力の無さゆえと平に平にご容赦くださいませ。
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2004年08月14日(土) 『影踏み』 横山秀夫

 ノビ師(寝静まった民家に忍び込む泥棒)の真壁修一は、2年前の事件で捕まっていた。出所して真壁は2年前に忍び込んだ家の女を調べる。あの女は亭主を焼き殺そうとしていた。生きたまま人間を焼き殺す。修一にとって許せない行為だった。15年前に母が双子の弟を焼き殺し、心中したからだ。弟も真壁もできのいい双子だった。しかし、たったひとりの女・久子を争い敗れたことから弟はやさぐれていた。そして死んだはずの弟は・・・

 横山秀夫さんが、こういう路線も書くのだなぁと最初は新鮮に思いながら読んでいました。しかしながら途中から「ちょっと待てよ」と。これってまるで浅田のおっさんの世界のパロディじゃーん。いや、横山秀夫さんが意識してパロったかどうかは定かではありませんが、浅田のおっさんありきな私としてはそう思えてなりませんでした。人にはそれぞれ持ち味ってあると思うので、横山さんはブレークした硬い作風の方がよいのではないかしら。さらりと読める面白い作品ではありますが、私的には疑問が残ってしまったのでした。

 顔形はおろか、自分の心のあり様まで似通った複製のごとき人間がこの世に存在することを呪った。いっそのこと消えてなくなれ。そう思った。

『影踏み』 2004.11.20. 横山秀夫 詳伝社



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