酔陽亭 酩酊本処
いらっしゃいませ。酔陽亭の酔子へろりと申します。読んだ本や観た映画のことなどをナンダカンダ書いております。批判的なことマイナスなことはなるべく書かないように心掛けておりますが、なにか嫌な思いをされましたら酔子へろりの表現力の無さゆえと平に平にご容赦くださいませ。
DiaryINDEXpastwill


2004年07月31日(土) 『天切り松 闇がたり』 浅田次郎

 就寝時刻をとうに過ぎた夜更けに、雑居房へ老人がやってきた。なにやら看守が親しげである。この老人、伝説の義賊‘目細の安吉’の子分だった。興味津々の若い同居人たちに夜盗の声音‘闇がたり’(六尺四方から先は届かない)で昔話をはじめた。看守も同居人たちも老人の語りに引き込まれていくのだった・・・

 ろくでもない父親に放り出された松蔵の数奇な人生のこぼれ話。浅田のおっさんならではの軽快さとほろにがさがたまりません。昨日はドラマ化されたものを見てみましたが、やはり(と言うか、当然と言うか)原作には敵いませんでしたね。中でも吉原に売られた姉との再会・救出劇は涙なくしては読めませんでした。うるうるうる。浅田のおっさん、うまいなぁ。

 人間同様、世の中どんどん軽くって味気ねえものになって行きやすねえ。

『天切り松 闇がたり』 1996.7.31. 浅田次郎 徳間書店



酔子へろり |酔陽亭酔客BAR
enpitu