酔陽亭 酩酊本処
いらっしゃいませ。酔陽亭の酔子へろりと申します。読んだ本や観た映画のことなどをナンダカンダ書いております。批判的なことマイナスなことはなるべく書かないように心掛けておりますが、なにか嫌な思いをされましたら酔子へろりの表現力の無さゆえと平に平にご容赦くださいませ。
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2004年03月28日(日) 映画『殺人の追憶』

 1986年、韓国ソウル近郊の農村で猟奇的強姦殺人事件発生。雨の日にFMから「憂鬱な手紙」が流れると女性が殺されるようになった。手足を女性の衣服で縛り上げ、陵辱の挙句、女性の局部に桃やボールペンなどを残すような犯人だった。しかし手がかりはほとんど残されていない。
 地元の刑事パク・トゥマンは同僚の短気な男チョ・ヨングとともに容疑者を拷問し自白を強要する。ソウル市警から派遣されたソ・テユンは、暴力でねじ伏せようとするふたりに対し、冷静な分析で捜査をすすめる。
 たくさんの容疑者が浮かんでは消えていく。そしてついに有力な容疑者が見つかるのだが・・・。

 人間というものは物事にオチをつけてスッキリしたい生き物なのだなぁとつくづく思います。桐野夏生さんが犯人は誰だかわからないとか、謎は謎のまま終らせるもどかしい物語を書いては私は悶々とさせますが、この映画を見終わった後の壮絶な悶々さは激しかった。あいつは本当に犯人だったのだろうか? そしてこういう終り方で締めくくった監督の勇気にちょっと感動。もどかしさをありがとう。ふ。
 これは実際にあった連続強姦殺人事件をもとに作られているし、現実にも未解決なままだそうです。フィクションに変えていますが、実際にあった生々しい被害者の様子はそのまま表現したとか。また、暴力でねじ伏せようとしたり、証拠を捏造しようとしたりする警察官の姿も恐ろしかった。その恥部をそのままさらけ出した韓国映画の真正直さに唖然としました。そのくせ物語全体を通してユーモアやペーソスまで滲み出ていて・・・なかなかあなどれない映画なのでした。



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