酔陽亭 酩酊本処
いらっしゃいませ。酔陽亭の酔子へろりと申します。読んだ本や観た映画のことなどをナンダカンダ書いております。批判的なことマイナスなことはなるべく書かないように心掛けておりますが、なにか嫌な思いをされましたら酔子へろりの表現力の無さゆえと平に平にご容赦くださいませ。
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2004年02月19日(木) 『天国の本屋』 松久淳+田中渉

 さとしは深夜のコンビニで22年の人生の中で確実に第1位となる大きなため息をついた。やる気のない就職活動が当然うまくいくはずもない。そこへ派手なアロハシャツを着た初老の男に声をかけられた。「噂どおりの冴えない奴だな」・・・失敬な。いや、それよりコレはあぶない。さとしは知らぬぞんぜぬを決め込み逃げ出そうとするがアロハ男にスカウトされてしまう。まぁ、拉致に近い形でさとしは連れて行かれてしまうのだ、天国の本屋へ。そしてアロハ男ことヤマキの代わりに店長代理として「ヘブンズ・ブックサービス」で働くことになってしまう。そこで出会った運命の人ユイ。不思議な色のユイの目を綺麗だと誉めてしまったことから、ユイに拒絶され途方にくれるさとし。ユイの瞳の色には重大なヒミツが隠されていたのだった・・・。

 当然のごとく涙が枯れるかと思うくらい泣けました。人の命は100歳と決まっていて、それより早く死んだ人は天国で100歳までの残りの時間を過ごすなんていう設定なんですよ。それならうちのトシは74年間もあの姿のままで天国で過ごしてるってことになるじゃありませんかー。今すぐ天国へ行く!っとじたばたしてしまいました。それが駄目ならせめてヘブンズ・ブックサービスで働かせて・・・。ううう。
 この本や舞台のことはなんとなく知っていましたが、目をそらしていました。先日、映画を観にいったときに、映画化と知り、観念して読んでみたわけです。とても心に優しい物語です。愛しい人を亡くした人にはたまらないと思う。やさしくてせつなくて。生きてること。死んじゃった愛しい人のこと。せつせつと胸に染み入るような気持ちになります。泣いたけど読んで良かった。

 「きっと、君を見つけてみせる」

『天国の本屋』 2000.12.31. 松久淳+田中渉 かまくら春秋社



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