酔陽亭 酩酊本処
いらっしゃいませ。酔陽亭の酔子へろりと申します。読んだ本や観た映画のことなどをナンダカンダ書いております。批判的なことマイナスなことはなるべく書かないように心掛けておりますが、なにか嫌な思いをされましたら酔子へろりの表現力の無さゆえと平に平にご容赦くださいませ。
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2004年01月25日(日) 『そのケータイはXX(エクスクロス)で』 上甲宣之

 しよりは失恋旅行で兵庫県と岡山県の派境にある温泉に流れ着いた。同行者の愛子の気まぐれに付き合わされた形で。不気味で排他的な村人たち。旅館でしよりはある携帯電話を手にする。その電話が鳴り、しよりに危険を知らせるモノノベという謎の男。しよりと愛子は別々に行動し、命を守るべく闘うのだが・・・。

 岡山って横溝正史のイメージ(最近では岩井志麻子)でおどろおどろしい風習の残るホラーな土地って気がする(苦笑)。
 この物語は『このミステリーがすごい!』大賞の最終選考に残り、宝島社さんが隠し玉として出版されたそうです。ふたつの恐怖の物語が同時進行するジャパニーズ・スプラッタ・ホラー?かな(笑)。面白いのですが、おおざっぱな感じがするのはどうしてだろう。もっと緻密に書き上げてくれればもっと怖かっただろうに。ちょっと残念。
 XX(エクスクロス)は、ふたりの物語がどこかで交差していたことを表しているようです。タイトルは確かに魅力的だけど、無理にふたつの物語を交差させなくてもよかったのでは。交差させるために省いたそれぞれの物語がおおざっぱ感を与えたのかもしれません。

 自分には理解できない、正体が知れないという単純な現象が、恐怖のさざ波をもたらすということを、わたしは身に染みて味わっていた。

『そのケータイはXX(エクスクロス)で』 2003.5.22. 上甲宣之 宝島社



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