酔陽亭 酩酊本処
いらっしゃいませ。酔陽亭の酔子へろりと申します。読んだ本や観た映画のことなどをナンダカンダ書いております。批判的なことマイナスなことはなるべく書かないように心掛けておりますが、なにか嫌な思いをされましたら酔子へろりの表現力の無さゆえと平に平にご容赦くださいませ。
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| 2004年01月13日(火) |
『おおきくなりません』 白倉由美 |
平野月哉は42歳の‘一応’ミステリー作家。はっきり言えば売れていない。月哉は、7歳年下でもと漫画家の篠野麻巳美と一緒に暮らしている。月哉は優秀な頭脳を持つ[読書障害]。物語としてのお話を読んで理解することができない。神経症で変人の精神科医から抗精神薬をたんまり処方させている。 麻巳美は外見は35歳に見えないのをいいことに突如大学へ入学する。18歳でまかり通ってしまう不思議な女性。授業や試験に追われながら、ひょんなことから本を書くことになってしまう。 そして現れる月哉と麻巳美のドッペルゲンガー。ふたりがどこかに置き忘れてきた影なのだろうか。ふたりはおおきくなれるのだろうか。
うーん。すっごく不思議な物語でしたねー。作者の白倉由美さんは本当にもと漫画家さんだったそうです。私はまったく作品を知らないのですが。これは私小説なのかなぁと思います。 おとなになりきれない自分。そういう人間ってけっこう多く存在する気がします。今年の成人式でまた荒れる成人たちの姿を見ましたが、あぁいう人たちはまさにおおきくなれていませんね。体だけが大きな子供だ。自分についてはどうでしょう。対外的にはおとなのふりはできている気がします。でも内実共におとなかと言えば、疑問ですね。 だからこの物語は読んだ人の心を捉えるのではないでしょうか。私は惹きつけられています。月哉はともかく、麻巳美の成長をまだまだ読んでいたいと思います。 オススメですv
人はいつまでも子どものままでいてはいけない。 大人の役割を、世界を受け入れて、無償のやさしさを、皆にそして最愛の誰かにわけてあげなければならない。
『おおきくなりません』 2002.10.15. 白倉由美 講談社
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