酔陽亭 酩酊本処
いらっしゃいませ。酔陽亭の酔子へろりと申します。読んだ本や観た映画のことなどをナンダカンダ書いております。批判的なことマイナスなことはなるべく書かないように心掛けておりますが、なにか嫌な思いをされましたら酔子へろりの表現力の無さゆえと平に平にご容赦くださいませ。
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2004年01月06日(火) 『Gift』 飯田譲治+梓河人

 早坂由紀夫は、真っ裸であるマンションのクローゼットから生まれた。記憶をまったく無くした状態で。記憶を無くす前の彼は、51億3千8百20万という金の行方の鍵を握っていたらしい。彼を取り巻くうさんくさいが心優しい人間達は、彼を運び屋として働かせ記憶を取り戻させようとする。どうやら彼は、誰かに何かを運ぶという行為になんらかの意味を持っているようだ。彼はさまざまなものを運ぶようになる。果たして彼は記憶を取り戻すことができるのか? 彼は運ばなければならない何かを誰かの元へ運ぶことができるのか?

 なつかしいですねー。数年前のキムサマ主演のドラマのノベライズです。飯田譲治+梓河人さんコンビの描く世界は大好きなので、ついつい夢中で読んでしまいました。当時のドラマもフラッシュバックのように思い出して、そう言えばキムサマがバタフライナイフを上手に扱って、若者がまねして困ったんだっけ〜なんてことまで思い出してしまいました。
 由紀夫の記憶喪失は、彼が過去の自分から生まれ変わるための神様からの‘Gift’でした。人間はほんのささいな別れ道の選び方を間違ってしまうと、腐った人間に落ちることもあれば、その人の才能をうまく伸ばして生きていけることもある。この小説はそれをわかりやすく教えてくれますね。
 ちなみに飯田譲治+梓河人さんコンビの小説では『アナン』が最高です。こちらの方を熱烈オススメします。

 そう、俺だって。どんなに逃げようとしても追いかけてくる過去の俺。それは誰でもない、俺が自分でつくった俺なのだ。

『Gift』 1997.6.25. 飯田譲治+梓河人 角川書店



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