酔陽亭 酩酊本処
いらっしゃいませ。酔陽亭の酔子へろりと申します。読んだ本や観た映画のことなどをナンダカンダ書いております。批判的なことマイナスなことはなるべく書かないように心掛けておりますが、なにか嫌な思いをされましたら酔子へろりの表現力の無さゆえと平に平にご容赦くださいませ。
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| 2003年11月29日(土) |
『鉄柱 (クロガネノミハシラ)』 朱川湊人 |
雅彦は上司の愛人と関係したことで、島流しにあってしまう。その町は久々里(くぐり)町と言う、異常なほどに親切な人ばかりが住んでいる町だった。神経質な雅彦の嫁、晶子でさえ町に馴染み、しあわせそうな笑顔を見せるようになる。雅彦も満更ではないなと思った矢先、自殺した女性を発見してしまう。どうやらこの町では自殺する者が後を絶たないらしい・・・?
うーん。この朱川さんって方は独自のホラー世界を確立されているなと思います。私の好きなホラー作家さんでは、高橋克彦さん・明野照葉さん・貴志祐介さんなどがいらっしゃいますが、やはり独自の世界を堪能させてくださいます。ホラーは、ただこわければいいと言うものでなく、後からボディブローのようにじわじわ効いてくるものも好みなのです。おそらく朱川さんはその路線のような気がします。昨日も書きましたが、せつなさや哀しさを感じさせるホラーっていいと思うなぁ。 この物語のこわさは幸福の臨界点の見極めを考えさせるところにありました。これ以上のしあわせはないと確信した時、あなたは死にたいですか?
願わくは花の下にて春死なむ、そのきさらぎの望月のころ 西行法師
『白い部屋で月の歌を』より 朱川湊人
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