酔陽亭 酩酊本処
いらっしゃいませ。酔陽亭の酔子へろりと申します。読んだ本や観た映画のことなどをナンダカンダ書いております。批判的なことマイナスなことはなるべく書かないように心掛けておりますが、なにか嫌な思いをされましたら酔子へろりの表現力の無さゆえと平に平にご容赦くださいませ。
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2003年07月04日(金) 『ZOO』 乙一

 今や飛ぶ鳥を落とす勢いの乙一くんの短編集。10の物語なのですが、何篇かは既読のものでした。なつかしかったなv どの物語りも乙一くんテイスト満載ですが、個人的には『GOTH』がすごすぎたのでちょっとインパクト不足だったかも。
 この短編集で気に入ったものは「カザリとヨーコ」と「SO-far そ・ふぁー」と「ZOO」の三作品でした。

「カザリとヨーコ」
 双子のカザリとヨーコ。カザリは母親に溺愛され、ヨーコは母親に虐待されている。耐え続けたヨーコの心の均衡が破綻した時、ヨーコが選んだ結末は・・・。

「SO-far そ・ふぁー」
 ある日、ボクの父と母は互いが見えなくなってしまった。ふたりの間に挟まれてふたりの言葉を伝えていくうちに・・・。

「ZOO」
 毎日ポストに届く写真。殺された恋人が腐敗していく写真だった。

 こうして簡単に紹介しているとインパクト強いですね(苦笑)。乙一くんの描く世界は虚構なのだろうけれど、若いくせに老成していてすごく驚いてしまいます。そんなに人生経験豊富だとは思えないのだけど・・・。やはり想像力の天才なのかな。

 何かを好きになればなるほど、それが失われたとき、私の心は悲鳴をあげる。

『ZOO』 2003.6.30. 乙一 集英社
 



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