酔陽亭 酩酊本処
いらっしゃいませ。酔陽亭の酔子へろりと申します。読んだ本や観た映画のことなどをナンダカンダ書いております。批判的なことマイナスなことはなるべく書かないように心掛けておりますが、なにか嫌な思いをされましたら酔子へろりの表現力の無さゆえと平に平にご容赦くださいませ。
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2003年06月20日(金) 抱いて、そしてそのまま殺して 佐藤亜有子

 律子は、ネット上のうわさをたどってあるエージェンシーを見つける。ある依頼をするため律子はそのエージェンシーに接触するが、彼らはビジネスとして成立するかどうか確認作業のため律子の身辺を調査する。その調査の影を感じ、封じ込めていた昔のことが浮き上がってくるような不安に悩まされる。しかし、律子の希望は受け入れられ、エージェンシーは依頼を承諾してくれた。律子を殺してくれることを。

 東大卒の才媛が書いた『ボディ・レンタル』が数年前ある賞を受賞し、ちょっとした話題になりました。描いた物語が、心を切り離してカラダをレンタルする女性がヒロインというセクシャルなものだったからだと思います。言葉を変えようと自分を騙そうとやっていることは売春に過ぎない、と言うのが感想でした。
 今回、佐藤亜有子さんの本を手にとって見たのは、タイトルと表紙のイラストの魅力ゆえでした。傷を抱えたヒロインがこの世から消えるために殺人依頼をする。ヒロイン律子はどうなってしまうでしょう。

『抱いて、そしてそのまま殺して』 2003.5.30. 佐藤亜有子 河出書房新書



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