青春の思ひで。

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2005年04月10日(日) 春の病。

正門前の桜並木から、あの匂いがする。
春の夜の匂い。桜の香り。私にとってそれだけではなく。
あの春の夜の匂いなのだ。
あの匂いがこのからだ中に入って来て、いっぱいになって、頭がおかしくなりそうだ。頭の中まで犯される。

これが春か。これは業か。

私の存在などに関係なく救われないあんたと、あんたの存在故に救われない私の、救われない者同士が慰め合うように傷付け合う春の、夜。

口走ってしまった言葉には、しきれない程の後悔をするけれど、起こってしまった事実に対しては後悔をしない。否、できない。後悔できないのだ。

何が起こらなくとも、この2年の変化が一切なかったとしても、これは私の業なのだ。私が抱えていた大切な大切なものが、形を変えて現れただけの、私の業なのだ。
それでも、他人と切り結んだだけより深い業となったのだけれど。

あんたが、私とは全く別のところで一生救われなさを、この業を、抱えて生きていくように、それが故に、私はこれを、一生救われぬまま、業として抱えていかねばならないのだ。

嗚呼、救いなんてないとも。わかっている、ほんとは、それくらい。
救いなど、ない。
解決などできようはずもない。
引きずるなんて、そう、一生だ。一生。今、ここから見える範囲の一生だ。

救えなかった、理解できなかった罪悪感、ただそれだけだから。何も気に病むことなどない。
……病まずにいられようか。この病。

私が愚かだった。何よりも。
お願いだ。お願いだから。
私は、あんたが私に言ったことを覚えてはいないのだ。お願いだ。
麻薬のようなアルコールの力など借りずに、お願いだ。
わかっていても、少しでも、私は、救われたいんだ。助けて。助けて。助けてよ。
少しも、消せないんだ。消せるわけなんかない。それでもすがらずにいられない。


天上旋律 |前略プロフィールゲストブック永久少女天然色夢絵巻kitchen & closetMAIL

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