ソレイユストーリー
▽▲▽▲▽ ソレイユストーリー ▽▲▽▲▽

2003年07月13日(日) 14話 『街』

『NO.2-A』と表示された錆びたプレートが風に揺れる。
ドーラの巡視艇が停泊する桟橋は、海賊に破壊されてから、
住人達によって作り直された新しいものだ。

40人ほどの難民達は、めいめい家族の元へ帰った。
そして海賊との件を早速訊いた。

商人、農民、そしてスラムの住人達。
協力してジオテックドームの梁を直している。
毎年ここを通る大型低気圧から、街を守る為に、
頑丈な天蓋が必要なのだ。
街にはかつての活気が戻っていた。

ブルジョア層の館には、
海賊の残していった下品な落書きがそのままになっていた。
館の持ち主はここへ戻る気が無いのだろう。

スラムの外れにあるドーラの小屋。
×の字に釘打ちされた梁に、小さな張り紙。

「ガガスさんへ。戻ったら連絡くれ。モーズ」

モーズとは、酒飲みの仲買人のおやじさん。
ガガスとは、ここでのドーラの通り名だ。
ひととおり小屋の中を点検してから、
ドーラはモーズの住んでいたブロックへ足を運んだ。
自分がいない間、ここであったことを詳しく聴きたかった。


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路地を曲がるとオンボロトラックが止っていた。
モーズのだ。
赤ら顔の中年男がこっちに気づいて駆けて来る。

「よおよおー! ガガスー!」

頬の肉が緩む。

「おやっさん! お元気そうで」

「やっと戻ったんだな。まあ座れや。まあ飲めや。」

「そんなに強く叩かないで下さいよ〜」

「あははは。」

「待ってな。今上等のを持ってきてやる」

緑色の瓶を大事そうに持ってきた。

「・・・大変だったでしょう」

「なぁに。海賊なんざ屁でもねえ!」

「またまた」

「それよりおまえさんの方はどーだった?」

「ええ。いろいろありました」



     

        つづく


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