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2005年11月30日(水) 男の嫉妬はムラ社会

「男の嫉妬」というものについて考える機会があった。
それはグアム社員旅行のオマケの出来事。
ちなみに「林田さんのじぇらしー」に関しては、2005/11/12の
日記で記載済みだが、それとは別件である。


コトの発端は、ヨーコちゃんだった。
彼女は本社営業部の営業事務員で、じゅりちゃんの昔の仕事同じだ。

「営業と営業事務は夫婦の関係である」

他の会社では知らないが、当社ではそう言う。
じゅりちゃんが営業事務だった頃。
じゅりちゃんは一人で3人の営業マンを担当していた。
他に20名以上の営業がいるが、じゅりちゃんにとっては自分の担当する、
その3人の営業マンが、他の営業マンよりも優先される存在だ。

営業は外。事務員は内。
営業の外での仕事のバックアップが、営業事務のこととなる。
そして彼らは独自の営業スタイルを持っている。
同じ事柄でも場合によっては3人3様。対応を変えることがある。
彼らが営業をやりやすいように、融通を利かせる事もあるのだ。

じゅりちゃんの場合、一婦多夫の関係ではあるが、
それでも彼らにとっては「自分を優先してくれる存在」であり、
「自分のやり方を一番わかっていてくれる人」であり、
当然であるが「仕事上欠かせない存在」であるのだ。
そういうワケで担当変えをするときなど、ゴネる人も多い。

まさに「営業と事務は夫婦の関係!」
だからじゅちやんが、20代中盤の頃結婚願望が薄れた、と言うのは余談。


そしてヨーコちゃん。彼女は一人で一人の営業マンを担当している。
40歳になる部長代理。
いわゆるマンツーマンの関係で、その信頼関係も厚い。
彼女いわく「朝、顔を見ただけで、その日の体調がわかる」だそうだ。

そしてその部長代理とグアム旅行の話をしている時、最初は楽しく
話していたのに、途中から部長代理のノリが悪くなったと言うのだ。


「アッタマきちゃう。すっごい無視すんのっ!」

怒るヨーコちゃんの話を聞いて大笑い。
じゅりちゃんには、部長代理の不機嫌の理由がわかった。
なぜなら、ヨーコちゃんは、
「すっごい、いい人たちだったの! 楽しかったのっ!」
と、例のあの3人、たっちー・フランケン、そして江川君の話を、
超興奮し、満面の笑みで話した、と言うからだ。
それが原因だよ、ってヤツです。


「それは嫉妬だよ」そう言うじゅりちゃんに、
ヨーコちゃんは「意味がわからない」と言う。

あの地方混合の我々のあのグループ。
自分は、とても目立っていたように思う。特に本社の人からは。


じゅりちゃんはいい。管理部門だから地方社員とのやり取りがある。
だが本社営業事務員であるヨーコちゃんは、地方とのやり取りがない。
在庫調整に関しては、本社専属のセンターがあるから、
センターが地方と連絡を取合うので、本社営業部はソレをやる必要がない。

だから営業事務のヨーコちゃんが地方職員と知り合うことは、まずない。
そして本社営業部の人々も、当然のように地方職員を知らない。
だから彼らからすれば、なぜヨーコちゃんが知らない人と、
一緒にいるのかが、わからなかったのだ。それも「若い男」と(笑)


あの時。ヨーコちゃんが海で、江川君と水掛遊びをしていた時。
後発組の人々が到着した。そしてその中に、本社のお局の大御所もいた。

「ダレっ! ダレなのっ!!!」

お局様は、浜辺で「彼女からしたら知らない若い男」と
はしゃぐヨーコちゃんを目ざとく見つけ、猛烈な詰問口調で問い詰めた。
江川君は、相手の剣幕に驚いて、黙ってしまった。



話を部長代理に戻す。

「いい人だったの!」

ヨーコちゃんにしてみれば、彼ら、たっちー・フランケン・江川君は、
グアム旅行を楽しくしてくれた、大恩人である。
「運転をしてくれた」ということもあるが、「あそこに行きたい!」
と言えば、文句も言わず、連れて行ってくれる。
初対面であるから、失礼なことも言わず、紳士的である。
楽しく会話し、まさに彼らは、グアムでのヒーローである。

そしてヨーコちゃんの「いい人だったの!」な発言は完全な女の目線。
なぜなら、彼らとヨーコちゃんは、仕事上、直接関係がない。
言ってみれば「じゅりちゃんの友達を紹介された」と同じ。

たっちーは短気。フランケンは、ずぼら。
江川君は、間違いを指摘されるのが大嫌い。

ヨーコちゃんは、彼らの仕事上の姿を知らない。
彼らだって、初対面の相手に、たった3日間である。
そりゃもう、いい面しか、絶対に見せないのである。
絶対に、ヒステリーだとか、提出期限を守らないとか、
正しい数値に直してくださいと伝えもやりゃしない、という姿は、
絶対、絶対、見せないのである。

ちなみにコレは、例としてあげたのであって、
彼らとのやり取りの実録ではないという事を、一応言っておく(笑)



ヨーコちゃんは言った。

「とっても、いい人だったのっ!」

毎日顔を合わせ、連携作業を行っている以上、いいことばかりじゃない。
ムリを承知で頼んだこと。自分のミスでの迷惑。不機嫌で八つ当たり。
仕事だから利害関係もあるので、衝突することだってある。

「いい人だったのっ!(るんっ!)」

部長代理だって、もう40。ヨーコちゃんとの歳の差は10以上。
そして妻子もちでもあるが、それでも彼は思う。

「いい人だったのっ!」(それって、オレに対する嫌味?)
「楽しかったの!」(そりゃオレとの仕事は、楽しくないだろーよ!)

そして部長代理は不機嫌になる。
相手を知っていれば、まだそこまでは思わなかったかもしれない。
だが部長代理からすれば、彼ら3人は知らない人。
そしてヨーコちゃんの様子からは、本当に楽しかったのがわかる。
それも仕事のことではなく、彼ら3人は、彼らのプライベートな魅力で、
彼の担当事務員の女性を、完全にノックアウトしてしまったのだ。


例えばである。
妻が夫の知らない男性を「とっても楽しかったのよ」と誉めたなら。
多少なら「ふーん」で終わる人もいるだろうが、
奥さんが、うっとり、もしくは、ものすごい興奮していたら?
ちなみにだが、たっちーも江川君も、猛烈に嫉妬し怒るだろう。
林田さんだって、奥さんがそうだったら、不機嫌に黙り込むだろう。


「見て見て!! グラムで撮った写真!!!」

ヨーコちゃんが、いかに自分が楽しかったかを伝えたいのに、
部長代理は、ちっとも見てくれない。
いつもの飲み会の写真なら、すっとんできて一緒に見るのに。
今回だけは、ガンとして自分のデスクからは動かなかったのだ。



「だからかっ!」 とヨーコちゃんが言う。

そのやり取りのあった後、いつもは声をかけてから外出する部長代理が、
その時はなにも言わず、外出してしまった。
「なんか機嫌悪っ!」
と、その時はまだ原因のわからないヨーコちゃんは思う。

そしてその後、外の部長代理から電話が入る。内容は、
「しあさっての手配をお願い」と言うものだった。

ルール違反である。明日の配送分なら夕方までにやらなければいけないが、
しあさっての手配なら、帰社後に自分でやればいい。
在庫が薄い商品なら、在庫確保と言う名目があるが、
別段、とくに普通の商品郡である。

「しあさっての手配なら、帰ってきてから自分で出来ますよね」

ヨーコちゃんの言うことは、当たり前である。
そういうルールであるのだから、部長代理の言うことは、正しくない。
部長代理は「はい・・」と言って、電話を切った。
ヨーコちゃんは「なんでそんなことを今更っ!」と、ぷりぷりだったのだ。


> ぶつくさ言われるのわかってて、それでも頼みごとをして
> 自分のことを優先してくれることで、
> 色々再確認するってのは、本当に勘弁してあげてほしい。

先日の「妻への手紙を書く男」に対するある感想を引用する。

つまりだ。部長代理はその「自分を優先してくれるか?」
の確認をしたのだ。「しあさっての手配というルール違反な行為」で。
ただそれは一過性のもので、翌日には部長代理はいつもの彼に戻っていた。


もうヨーコちゃんと大笑い。ヨーコちゃんも納得で、大笑いだ。

「わかるけど、なんでそう思うんでしょうねぇ〜。恋愛感情がないのに、嫉妬心」

部長代理の反応も、理論上は理解できる。だが、
なぜ仕事上の関係で発生するのか?という疑問がわいたようだ。
「夫婦の関係だから」というのもわかるが、そんなのはあくまで例え。
仕事の関係なのに、なんで? ということだ。

じゅりちゃんも考え込む。
「ムラ社会の原理かなぁ・・・?」 ふと、そんな言葉がクチから出た。


部長代理からすると、ヨーコちゃんは自分の仲間。
つまり、同じムラの構成員である。
そして、たっちー・フランケン・江川君は、他のムラの男である。
もし彼らが本社社員なら、部長代理だって彼らを知っている。
知っているなら、あそこまで不機嫌には、ならないような気がする。

つまり、同じムラの女を、他のムラの男が、ということにある。
なぜ「男女」とするかは、ヨーコちゃんの感想が「女の感想」であり、
彼らを「男」として見ているからだ。

もしこれが「普通」とか「つまんなかった」なら、どーでもいい。
だが、他のムラの男が、自分のムラの女を、猛烈に楽しませた。
そういういところに、不快感があるんじゃないかと、自分は思った。



前にちょっと書いたが、龍兄のこと。
2005/10/25の「林田さん」、追記で書いた文章を覚えているだろうか?

>「僕らの前でも、見栄はってくださいよ。
> もういつもは、だらーっと化粧して、テキトーな顔してないで・・・」

と、龍兄が言ったことを。勿論、龍兄は、冗談で言ったのだ(と、思う)
だが、その数日後、たっくんの発言を聞いて、ちょっと驚いた。


会議に出席した他拠点のセンター管理者達。彼ら全員が男性である。
会議の終わった翌々日から、彼らから仕事の電話がかかってくるのだが、
当然「先日はどーも」という挨拶になる。

「この間は楽しかったですねぇ〜。またきてくださいねぇ〜」

はっきり言うが、林田さん以外は、全て社交辞令である。
だが、それくらいの社交辞令は、当然であり、当たり前である。
「今度いらしたら、皆でらくーあで遊びましょうね」と、
観覧車やジェットコースターに興味を示していた人には、そう言っておく。
ホントに乗るかは別として、それくらいは気を使って言う。


「なんかさぁ、じゅりさん、楽しそうだよね」
電話を切ると、たっくんが言う。
「全国の若い男と知り合いになって、じゅりさん、楽しそうだよ」
とまで、言われた。(若いのは数名だと思うんだけど・・)

ばかもの。こんなの社交辞令だ。
相手だって、そう言われれば、悪い気はしない。
「本社に行くの憂鬱だな」と、ただでさえ会議に出席で気持ちが
ブルーなのだから、せめて「歓迎していますよ」という姿勢は伝えたい。
しかし、たっくんは、言う。

「っていうかさっ! 遠い人にやさしくするのもいいけど、
今、目の前にいるボクたちも、大事にしてくださいよっ」

えっ? そんなふうに思ってたの? ってか、アタシ、やさしくない? 
更に言うけど、アンタたちだって、アタシに優しくないじゃん。
アタシが優しくしても、とーぜんとでも思っているのか、
感謝のカケラも感じられないんだけど。


龍兄の言葉だけなら、冗談だと思っていた。
だが、猛烈に珍しい言葉を、ほぼ同時期にふたりから聞いた。

「じゅりさん、もっと僕らにも、やさしく・気を使ってよ」

それは「嫉妬」である。じぇらしーである。
当然だが、彼らはわたしに対し、恋愛感情は、これっぽっちもない(断言)
そして、営業マンと営業事務のような、連携作業はない。
特にたっくんと私は専門分野が違うので、業務内容はまずかぶらない。
ホントは部署を分けたほうがいいんじゃないか?と思うほどに、違う。
だから「夫婦のような関係」とは、程遠いのに、だ。



「ね? ムラ社会だと思わない?」

ヨーコちゃんは納得してくれた。
そして多分、半年後に江川君が会議で東京を訪れた際、
ヨーコちゃんの部署にも挨拶に行く。
その頃には部長代理にも「どーでもいいこと!」になっているだろうが、
あんまりはしゃぎすぎると、また機嫌悪くなるかも知れんぜ、だ。


「男の嫉妬はムラ社会」

別に恋愛感情があるワケじゃないけれど。
そんなことでも嫉妬するのかなぁ、と、思った次第です。
いや、単なるこじつけの、思いつきでもあるんですが。
でも、なんとなく、そんな感じ? です。




追伸

実は「男の嫉妬は・・・」としたが、女だってそうだと思う。

じゅりちゃんが営業事務の頃。別の部署に「請求課」というのがあった。
文字通り「請求書だけを発行する部署」である。
営業マンは、その請求課の女性社員には、非常に優しかった。
それが営業事務には、ムカツクことだった。

「なんで彼女達だけ大事にするのよ!」そう言うと営業は、
「彼女達には、しょっちゅう迷惑かけているから」と、ほざきやがる。

「ふざけんじゃないわよっ!
じゃ、アタシ達には迷惑かけてないって言うのっ!」

当然の応酬である。だがこれには理由があると、今の自分にはわかる。
つまりだ。彼女達は遠いのだ。請求書が作られてきたらチェックして返す。
それに比べ、営業事務とのやり取りは、多岐にわたる。
そして請求課は、取引先ごとに担当が違うから、
営業マンごとに担当している営業事務と比べ、
接し度は、はるかに薄く感じられる。

営業マンにしてみれば、営業事務は当たり前の存在(妻)であるが、
請求課は、まぁなんというか、愛人クラスなのだろうか?(笑)

だが営業事務からすれば、そんなことは関係がない。
大事にすべきは、まず我々(妻)。
毎日面倒を見ている、私たちこそ大事にされるべきだ、と思っている。


平行線をたどる両者の主張は、じゅりちゃんが営業部をやめた後も、
未だに、続いているっぽいようだ。



追伸2

妻へ手紙を書いた男から、早朝、携帯にメールが来た。
「ダレだっ! こんな朝っぱらから! うっ。知らないアドレス。削除!」
と、攻削除したら、「返事が来ない」と仕事中にクレームが来た。

再送してもらう約束をし、ワクワクしながら待つ。
手紙の件は結果を聞いた。
そして時期は少しずれている、この早朝のメール。
きっと、じゅりちゃんがもうひとつ懸念している「アノ件」の結果報告ね!

もう、すっごいどっきどきで待つ。がっ!

「息子と一緒に撮った写真をお送りします」

・・・・・・・。ふざけんなよ。
のん気な男だ。息子を自慢しているヒマがあったら、アノ件早く解決しろ。



追伸3

ふざけまくった大阪支店な人々から、ビデオが届いた。
大阪支店は東京本社と同じく、映像メディア部隊がある。
彼らがビデオを撮っていたのだが、猛烈に編集された作品があがってきた。
「プレミア試写会は大盛況!」とのことだが、
じゅりちゃんのシーンも大ウケだったとのこと。

「そんなに笑われたんですか? わたし」
「そりゃもう、みんな大笑いですわ」
「ヘンなことしたかなぁ〜(ちょっとしたとは思っているがとぼける)」

そしたら大阪支店の人!

「大阪中心で撮ったけど、本社の人も映っているんだよ。
なのに、ビデオを送ったのは、本社じゃ、じゅりさんだけでしょ?。
それ相応だと思ったほうがいいよ」

がーん! だから送ってくんのか! 親切心じゃないんだっ!
びくびくしながら再生(泣)

「たっちーが、じゅりさんに、花、プレゼントしたらしーよー!」

モト大阪支店勤務のたっちーが、岩田さんにからかわれている。
あぁ、岩田さん。アナタって、そんな人だったのね。
もう、ぶっちぎりで、酔っ払っていますよ。

そこへ! じゅりちゃん、ノコノコ登場してるし!
んでもって、旅行前日、その岩田さんに間違いを指摘され、
思い切り迷惑をかけてしまった負い目から、妙に仲良しを装っているし!
(電話では時折やり取りがあるか、モロに初対面!)
挙句の果てに、なんで二人で、写真、撮ってるかな? 
で、微妙な距離感が、妙に疎遠な感じ(笑)


「じゅりさん、たっちーのプレゼント見せてよ!」

みんな笑うなよ。
せっかくもらったプレゼントだからと、宴会の時もじゅりちゃんは、
その南国の髪飾りを、ずーっとつけていたのだ。
もう目立つ、目立つ。岩田さんも「花つけてるよ」と言っていた。
表彰された時も、そのまま社長の前に、立っただよ。


わいわい、わいわい。じゅりちゃんも妙にハイテンションだったから、
モデルポーズで、いろいろ撮らせてあげた。
そのバカっぷりが、大阪魂をゆさぶったのが、めでたく
「そして、大トリ!」と題されて、あの時の醜態が編集されていた。

あぁ。本社なのに。お堅い管理部門なのに。データに厳しい業務課なのに。

唯一の救いは、あんまりブスに映っていなかったことです。
よかった。きれいに撮ってくれて。
彼らの心には「美人のじゅりちゃん」で記憶されるハズ(言い切り)
とてもじゃないけど、本社での日常の姿なんか、見せられないよ。


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