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2005年09月18日(日) 情熱大陸(オダギリ・ジョー)

この番組を見たのは、これで2回目。
1回目は言うまでもなく「くさなぎつよし」の時だ。

録画しておいて、しばらく見れず、本日鑑賞(10/21)
理由は、あの時と同じ衝撃を受けてしまったらどうしよう?と言うことだ。

忘れることの出来ない、あの衝撃。
人の強い思いというのもが、コレほどまでに重いとは知らなかった。
だから見るのが。オダギリさんに押しつぶされそうになるのが、
今の自分には、ちょっと怖かったのだ。

だが見てみると、意外にもそうでもなかった。
おそらくだけど、くさなぎつよしに対する気持ちと、
オダギリさんに対する気持ちが、大きく違うからだと思う。

くさなぎつよしは、大好き。その個性までもが好き。
オダギリさんは、役者として好き。演じているソレが、好き。
そして多分、いや、確実に、わたしはオダギリさんを知らない。
それが一番、大きな原因だと思った。



「ドキュメンタリーは好きだけど、自分がその対象になるのは困る」

ちょっと構えているオダギリさん。
この取材クルーの人たちは、いったいボクになにを求めているのだろう?
そう簡単には、こっちは見せないぞ、という感じが体から発せられている。


「役者は素を見せる必要はない」

今更そんなことは言えない、くさなぎつよしとは正反対。
モロに見せてしまっている、もしくは見せていると思われている、
くさなぎつよしと、インタビューすらあまりお見かけしないオダギリさん。

「だって、見ている側も入り込みにくいし、やる方もやりにくい」

つまり、彼の言葉を借りれば、ゲイの役をやっているのに、
女好きだというイメージがあったら、観客が入り込みにくい。
だから役者と言うのは、七変化できるよう、
本当の自分は見せない方がいい、という理論。

「でもソレを超える時もあるよね」とスタッフ。
そしたらオダギリさん、うーん、となってしまった。
納得がいかないようだ。

だが自分もスタッフさんに賛成。
「僕の生きる道」の秀雄さんは、くさなぎつよしじゃなかった。
最終話のCMで「トヨタレンタリース」が放送されたが、
思わず「つよぽん、邪魔!!」と叫んでしまった。
それくらい、くさなぎつよしを邪魔に思い、
秀雄さんから「くさなぎつよし」を感じることはなかった。


まぁ、上をみたらキリがない。
わたしもそこまで思えたのは「僕の生きる道」くらいであって、
そう毎回毎回、くさなぎつよしにそう思うわけではない。
本当にアレはミラクル・ヒットだったのであって、
そうそう滅多にお目にかかれるものではないのだ。

だから、役者を本業とするオダギリさんが慎重になるのもわかる。
特にオダギリさんは、つよしくんより役を演じる回数は多い。
その都度、演じる人物を作り上げるのは、大変なことだと思う。

”手の内は隠していた方が、驚きが大きいはず”

おそらく、オダギリさんが考えているのは、そういう事じゃないかと思う。
そしてソレは絶対、正しいことだとも、思う。



変わった人だと思う。そして、非常に凝り性な人だとも思う。

摩訶不思議な衣装。
「自分で選んでいます」
そして彼は言う。
「いつもの服は、日常を送るための服であって、本当はコッチ」


番組の中で、スタッフは言う。

「この人は、オダギリ・ジョーを作り上げている」

芸能人とか役者さんとか。
いわゆる見られることを仕事にしている人に共通するのかもしれないが、
見られている自分が、自分でありながら、また商品である。

つまり、オダギリ・ジョーをプロデュースするのが小田切譲。
オダギリにとって最もベストなことはなにか?ソレを考える小田切。
オダギリに必要なものがあれば、それを用意するのは小田切の役目。
オダギリが成り立つには、小田切の100%の助けが必要。

「ボクがいちばんのオダギリ・ジョーのFAN」

他の番組、トップランナーで彼は、そう言っていた。
確かに。そうでなければ、そういつまでもオダギリには付き合いきれない。



ここで書いて、ふと思う。これって特別なことだろうか?

わたし「じゅり」という人間は、この世にひとりしかいない。
どんなふうに生きたいかとか、どんなふうに思われたいかとか?
そういう気持ちは漠然とではあるが、ある。
そして多分、そうするには、自分だけしかそれに関われない。
関われない、というより、自分にしか出来ない。

この頃私生活で考えることが多かったのだが、そういうことなのだろうか?
オダギリさんがやっていることは、何も特別なことじゃなく、
自分にも絶対的に必要なことなんだと、強く思う。
まったく、もうすぐ33になろうというのに、気がつくのが遅いな。
相変わらず、カメの歩みのようだが・・・・。


気がついていなかったワケじゃなかったと思う。
ある人の言葉を借りれば「意識が低い」ということなのだろう。
面倒くさいとか、どうせなにも変わらないとか。
そんなことを言い訳にしていたということだ。

そして今、実はちょっとやっている。そしてちょこっと成果が見えている。
まだ実感するまでではないのだが、ほんのちょっとだけ、成果があった。

「自分がいちばんの、自分のFAN」

確かに。自分が好きでなければ、とことんまで出来ない。
自分は自分のことがすきなのだろうか?
多分、あんまり好きじゃない(笑)
だらしがなく、向上心もあるにはあるが、長続きしない女。

オダギリさんは、自分がとても好きなようだ。
それはとても幸せなことだ。
自分も自分が好きになれるように。がんばらないといけませんね。



「オダギリ・ジョーを作り上げる」

人にはそれぞれの思いがある。
オダギリさんには、オダギリさんの想い、目的がある。

ちょっと変わった人。寡黙な人。
そこには彼なりのこだわりがあったようです。

つよしくんとは正反対のアプローチ。
でもきっと、つよしくんとも共通するものがあると思うし、
そして、自分とも共通する部分、必要な部分もあると思う。


「自分自身をプロデュースする」

とても大事なことだと思いました。
どうプロデュースしたらいいかは、まだわからないけどもね(笑)



追伸

番組も後半になり、取材期間も終わりに近づく。

「そろそろ、番組の方向性を・・・・」

最初は頑なだったオダギリさん。
でも「自分」というものを放送されるのだから、という気持ちからか、
非常に取材に積極的になっていく。


「アナタはスターだ」

そう言われ、憮然とするオダギリさん。
4ヶ月もボクを見ていて、どうしたらそんな発想が出来るの?
と、かなりお怒りのご様子。穏やかな口調が、ちょっと乱れはじめる。

「本人にそのつもりがないのはわかるけど、でもそう感じる」

食い下がるスタッフに「なんでよっ!」と、あきれ気味でふてくされ(笑)
オレはそんなつもりもないし、そんなふうになんてなりたくないし、
思われたくもない! というのが、ありありと見て取れる。

だが取材はそこで終了。スタッフは番組の編集に入る。
が、そこで!!!


編集するスタッフの側に、オダギリ・ジョー参上(笑)
オダギリさんは「オダギリ、スター論」に納得もいかないし、
どんな仕上がりになるのかも心配で、来ちゃったのだ。

その議論、延々8時間(笑)
途中、お弁当を食べて、また再開(大笑)

お酒はなし、って感じ。ただただ、議論。
笑っていいですか? そこまでやるとなると、相当のこだわりだよ。


イスの上にあぐらをかくのは、オダギリさんのクセのよう。
蛇足ですが、彼の自宅の居間は、タタミかもしれません。
いやひょっとしたら、オダギリにタタミなんて!とか思って、
ムリしてソファーにしたけど、座り方はやっぱ純和風かもしれません。

いや、そんなことはどうでもよくって。

長時間の議論の予感と、どうしても伝えたい気持ちが、
彼にあぐらをかかせる。


そして8時間の議論の後日。

「しつこですよ」

そう言いながら、また編集スタジオに足を運ぶ、オダギリ・ジョー。
取材はとっくに終わっているのに、また来る!
おそらく、ここの部分は、ギャラとかそういうの、絶対関係がない。


「今日はね、編集、朝までかかりますよ」

そう言うスタッフの言葉に「え”ぇ〜!!」とイヤな顔のオダギリさん。


やったね。情熱大陸スタッフ。
「素は見せたくない」そう言ったオダギリさんの、
多分、放送中の、唯一の「素の顔、オダギリ・ジョー」

でもそれは、オダギリさんが最初に予想していた「素」とはちょっと違う。
その人が仕事に対して、どんな思いで接しているか。そういう「素」

最初の数十分は、おそらく前フリ。単なる前フリ(笑)
最後のオダギリさんの「え”ぇ〜!」な表情からよくわかる。

「この人、えぇ〜とか言ってるけど、絶対、朝まで生討論だ」

見ている人がそうわかるし、多分そうだったんだと思う(笑)


これぞ、情熱大陸スタッフが引き出したかった、オダギリ・ジョーの「素」

こだわる、こだわる。とことん、こだわる。
それが、オダギリ・ジョー。

見れて良かった。そう思える30分でした。



追伸2

かなりのヘビースモーカーとお見受けいたしやした。
吸っている銘柄までは、確認しなかったけどね(笑)
くさなぎつよしだったら、確実にやっている。

いいんだよ、オダギリさんがナニを吸っているかなんて。
吸っているその姿だけで、それで十分!かっこういいんだから!



追伸3

オダギリさんの言う、日常着(作業着)
確かに、フツー。ってか、オダギリ・ジョーに見えない(笑)
オダギリさんの言う、オダギリ・ジョーの着る服って、確かにあるんだな。
というか、オダギリ・ブランドを、彼がつくちゃったんだな。


追伸4

ナニが無口だ。
この人、自分のこだわりあることには、とことんしゃべる人だ。
そしてじゅりちゃんは、そういう人が好きだ(笑)


追伸5

でも、この人、本当に私生活って言うか、普段の彼が、
本当に! 見えない人だなぁ〜。

FANな人には、それでも見えるんだろうか? ものすごく不思議。
オダギリさんサイトで、妄想小説書いている人とか、いるんだろうか?
ちょっと書けないよなぁ、この人じゃ。


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