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2003年11月29日(土) 流転の王妃

薦めたからには、感想を、書かなきゃね、って感じですが、
こちとら、数年前に、原作を、読んでいますから。
今更、どうこう、思わないのが、現実です。


2日に分けての放送ですが、そうは言っても、足りませんね。
浩さんだけでなく、薄儀氏、薄傑氏の話も、入れ込まなくては、いけませんし。
個人的には、日本に帰ってきてからの方が、重要に思えるのですが、
そこらへんは、おふたりの、ということに主点を置くと、
やはり、短くせざる得ないようです。

原作と、多少違う部分も、ありましたね。
木村佳乃さんの役は、今回用に、設定されたのでしょうか?
自分は、知りませんでした。

また、薄儀・薄傑氏の、ロシアでの拘束は、軟禁状態であり、
ロシア側も、なにかの時に、うまく使えるのでは? というもくろみから、
かなりいい待遇で、まったく不自由がなかったのは、薄儀自伝より、です。
あんな、監獄みたいなところじゃ、なかったのよね。



つよしくんが、薄傑氏を演じたら、と、書きましたが、
竹ノ内さんも、すっごい、よかったなぁ、と、思いました。

押さえた感情と、常に、控えめな物腰。

つよしくんが演じたら、きっと、また、違ったでしょうから、
ほんと、どんな役者さんか、で、印象が、とても、違うのでしょうね。

キャスティングの難しさと、そこに潜む、大きな可能性を感じます。
役者さんって、いろいろな可能性で、スタッフの人に、吟味されるのですね。
言ってみれば、よりどりみどり、の中から、いろいろな条件のもと、
たったひとりが、選ばれるのです。

選ぶ方も、慎重で、また、おもしろく、そして、重要なカギ。
選ばれる方も、光栄で、そして、どっきどきの、境遇。
そこには、需要と供給、という、市場原理が、働いています。

役者である以上、自分という商品を、常に、みがいていなければ、いけない。
厳しい世界で、働いているんだな、と、竹ノ内さんと、想像でつよしくんを、
比べながら、そんなことを、思ったり。



前に、SMAPが好き、と、朝礼で言った、我社の専務が、
先日の朝礼で、この放送に関し、触れていました。
専務は、当社に来る前は、歴史の先生でしたので、当然、見ているとは、
思っていましたが、原作も、読んでいたようです。
まさに、歴史好き、は、職種が、変わっても、変わらないようです。
(専務は、兄である社長に、無理やり、入社させられたのです・笑)


”相手を思いやる気持ち”

それを、専務は、竹ノ内さん演じる、薄傑氏から、感じたようです。
自分は、薄傑氏のセリフより、前に立ち読みした雑誌での、
吾郎様の、”やさしい言葉ひとつ” と、思い出していました。


国も違い、そして、お互いの祖国が、戦争状態。
実際、浩さんが、中国に戻り、釈放後の薄傑氏と、暮らしている時も、
文化大革命により、相当の被害を、受けたようです。

夫の人質にも近い、日本での留学時代。
満州国では、腐敗と、横暴が、幅を利かせた挙句、敗戦。
別々の逃避行に、互いの生死すら、わからないまま。


”さぁ、浩さん”

最後の日より、いく年の月日が過ぎ、互いに、歳をとっても。
昔のまま、”わたしの腕につかまって、歩きなさい” と、恋人同士のように。


消えることない、恋心は。互いを必要とする、その気持ちは。

たぶん、毎日の生活の中での、お互いへの、思いやりの産物。
この人がいるから、という気持ちは、容姿とかお金とか、そういうことじゃない。



あの夫婦には、いろいろなものが、欠けていたように、思えます。
最も身内の薄儀氏にも、最初は、理解されず。
互いの文化も違うし、生活環境も、決して、安定していない。
なにより、苦しい時間が、とても、長かった。

でも、それをも、埋めるものが、ふたりをつないでいる。

あまりに複雑で、そして、苦しいからこそ。
シンプルだけど、人としての大事なことが、見えてくる。

波乱の人生ですが、とても、幸せな人生だと、思いました。
すばらしい限りです。



追伸

江角マキ子さん。ハマり過ぎです。


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