箱の日記
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2014年07月08日(火) 点と線



行き交う車

鼻をかむ女子高生

見えない線につまづく

わたしたち

ないものがあるように見えたり

あるものを見失ったり

友だちにも言えない

傷ついたり壊れたりしないためのしくみ

捨てられて消えないように確かめる

じぶんのなまえ

誰かなんてほんとうはどうだっていいのに



空から見えるのは

キリンであり   サイであり 

シマウマでもある かなしみ

と それの手を引く いつくしみ

点々と

うすいかたちで食べ歩く群れを

連れていく人間たち

消えてしまう前にきっと

きっとまだ戻っていける



ヘリコプターは高く上昇する

けぶる街の低い層にたちこめた

埃っぽい空気が紫に染まりはじめると

そこには

希望までもが混ざり合い

繰り返しをゆるしたものたちが集まり

これ以上悪くならない日々に乾杯する

わたしたちも

くしゃみをした女子高生も

そこで夕やけを仰いでいる

見えない無限の線で描かれた街が

きょうも消えてなくなりませんように






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