論外トーク

2005年05月24日(火) サークル参加も楽じゃない

昨日の日記の続き。
ウェブ拍手でコメントをいくつかいただきましてありがとうございます。

>オンリーは行ったことがないのですが、告知サイトなどでお門違いの書込みを見ると無条件で腹が立ちます。
>というか、なんで!?と思います。どう考えてもおかしいのに、なんで誰も言わないんだろうと思ってました

ねえ、なんで?と思いますよね…またそういう書き込みに限って匿名だったりしてな…
もちろん明らかに主催さんやスタッフさんに非がある場合もあるんでしょうが。
誰も言わないのは…かかわり合いになりたくないからでしょうね…目立つことするとすぐイタいとか言い出す輩がいるしね(だいたい一人か二人なんだけど、なぜかそういう人たちは「みんなそう言ってる」って言うんだよね…どこの世界のみんなだか教えてほしいものです)

>イベントスタッフお疲れ様です。私も以前主催サブしてたので、思い当たることがあって
>うんうんうなずいてしまいました。最近はオンから入ってオフのイベント活動自体をけなす人も多く、
>大変らしいです。えーっと怖いのはカーテンからちら見えする暗い窓の外です!

えーーーー!!なんだそれ!!そんな人いるんですか…初めて知った…<オフのイベント活動自体をけなす
どういう理由でけなされるのかわかりませんが…謎。そしてチラ見えする暗い窓の外、確かにこわい!


さて、前回は妙な言いがかりをオンリーイベントの主催に投げかける人の話を書きましたが、今回はたぶんもうちょっと多くありそうな話。
サークルさんにねー、「売り切れちゃったから買えなかった!」みたいに愚痴る人も結構いるらしいんですね…
いやもちろん、友人に愚痴ったり、自分の日記で「買えなくて残念!」て書くのは別にいいと思うわけ!残念だし、悲しいし、もっと刷ってくれれば…とかもっと搬入してくれれば…とか、今このジャンル人気だから百部ぽっちで足りるわけねーじゃん!とか、あなたは人気ある書き手さんなんだから、もっと刷ればいいのに!とか思ったって、思うだけなら別にいいと思うんですよ。思っちゃうもん私だって。

でも、それを、サークルさんというか書き手さん本人に言っちゃだめだろ!!
人にはいろんな都合があるんですよ!!!

同人誌を印刷するためには、お金がかかります。ほとんどの印刷所は完全前払いです(後払いのとこは一個しか知らないなあ…)万単位のお金がかかります。ページ数があれば十万単位いくこともあります。もちろん、たくさん刷ればたくさんお金がかかります。
作っている人は、ほとんどがプロの漫画家でも小説家でもありません。他に仕事をもっていたり、学生さんが他のバイトで稼いだりしたお金の中からやりくりして、印刷代として投じているわけです。投じられる金額は人によって異なります。どんなに求められても、百部以上は刷れない人だっています。家族に反対されている人、隠している人だっています。
この世界、どんなに絵が上手くても文が上手くても売れるかどうかなんてわかりません。「売れるでしょ」なんて思うのは結局他人の考えでしかない。判断するのは本人だし、お金払うのも本人、余って困るのも本人。百部刷って、一回のイベントで売り切ったらもう再版しない、というのだって、その人の考えです。
在庫を置く場所だってあります。ダンボール一個だって、置く余裕のないところに住んでいる場合もあります。本の種類が増えてきたら全体の冊数も増えます。預かってもらうにはお金が要ります。
また、ある程度部数が刷れている場合でも、たくさん搬入できない場合もあります。
人手がない場合。本人一人しか参加できず、誰もお手伝いがいなければ、お手洗いに行くこともままなりません。搬入、搬出も大変です。
同人誌はたいてい良い紙を使っているので、同人誌の詰まったダンボール箱は重いです。大きなイベントだと、搬入された荷物を置いてある場所からスペースに持ってくるだけでもひと苦労です。台車があればいいんですが、台車だって自分で持ち込めば台車が荷物になります。カートにくくりつけて運ぶのもやってみればわかりますがとても大変。これらを一人でこなすのは凄く大変です。
そして、全ての人に行き渡るようにたくさん搬入したら余ってしまった在庫を搬出するのがこれまた大変です。小さいオンリーイベントなどではそれほどでもありませんが、大きなイベントでは、まず搬出受付の場所までたどり着くのが大変です。早めにできればさっと一瞬で終わることもありますが、タイミング最悪だと荷物を引きずったまま列に並んで三時間、なんてことも冗談でなくあります。あるんです!!!列に並んでいる全ての人の目はうつろです。一人だとほんとさみしいです。ダンボル箱を渡して伝票をもらった後は、会計の列に並びます(これはもう少し早く終わりますが)で、やっと搬出を終えた後は更にえんえんと長く続くバスの列に並ぶのです(白目)。
サークル参加も、ほんっと楽じゃないのです。人より体の弱い人だっています。病気の人だっています。全ての人が同じように出来るわけではありません。

ですから、人気サークルさんの本が早く売り切れちゃって買えなかったからといって「あの人の書いた◎◎本なら売れるに決まってるのに、あれしか刷らない/搬入しないなんて!」とか本人に言うなんて言語道断です。人には色んな事情があるのです。そんなに刷ってほしいならあなたが印刷代を払うといいと思います。もちろん搬入搬出も、在庫の管理もやってあげてください。通販してくれないなんて!私は地方でイベントに行けないのに!とわめくならあなたが通販処理も全部やってください。色んなありえねー申し込みしてくる輩とかいて、驚くぞー…?だから、書き手さんのプロデューサーでもないのにそんなことを言ってはいけません。
「売り切れてて悲しかったです…」とか本人にウェブ拍手やメールフォームで愚痴るのもやめましょう。デリケートな書き手さんは、「きちんとやることの出来ない私は、オフラインなんてやっちゃだめだわ」と本を出すのをやめてしまうことだってあります(あるんです本当に!!しかも少なくない数!!)遠くからたっけえ電車代かけて来て、一番欲しい本が売り切れだった時のむなしさ、悲しさ、辛さ、わかりすぎるほどわかります!でも、サークルさんは個人です!企業じゃありません!全ての人にいいように同人誌を提供することなんて、不可能です。
むしろそんなに好きな作家さんに人気があることを喜びましょう。たくさん売れたら、もしかして再版してくれるかもしれません。「このジャンルも○○さんもすごい人気なんだなと思って、少し嬉しかったです!」とか書きましょう。ものは言いようです。

これ、私がされたから書いてるんじゃなくて(私はたいてい余るように刷るので…)そうやって書き手さんがやめちゃったり、イベント後の日記とかで平謝りしてんの見ると、胸が痛むんですよ!
ごく最近も、ちょっと前まではすごくマイナーだったんだけど最近盛り上がってきたジャンルで、5月のシティでは(大きいイベントは申し込みが早いため)2〜3サークルしかなかったところのあるサークルさんに買い手が集中して、そりゃもう瞬殺だったわけです。
私も友達に買い物頼んだけど、売り切れてて。ちょっと予想してたのであーやっぱり、とそれほど落胆はしなかったのですが、その人の日記読んだらもうかわいそうになっちゃって…そんなに謝ったり反省したりすることないのに…と。搬入する部数や発行部数が読めなかったからといって、それを責めるのはまったくお門違いだと思います。人には人の事情があるし、一気に刷れる部数も決まってる。再版するの、お金かかるよ…?ほんとならやりたくなかったりするよ…?ほとんどのサークルさんは、儲けなんて出てないんですよ。趣味で、自分の経済事情の許せる範囲でやっているんだから…

しかしまあ、困った買い手さんというのは本当に一部なんですよね…だいたいこんな文を最後まで読んでくれる人というのはちゃんとしているものなんです…通販処理とかしてても、百人のうち九十八人は普通なんよ!一人ちょっとまずい、一人核弾頭級がいたりするんだけど。

サークルさんを擁護して書いてきましたが、良くないことをするサークルさんもいます。わざと列を作るように販売するとことかね!別にする必要ないのに何時から限定販売、とかしたり。あと、開場前にコピー本の製本が出来てないサークル!(今かなりの人数が耳を押さえましたね?)個人的にはそれより島中でわざと列を作るサークルの方が嫌いですが。ダサいし邪魔だしね。
ただ、限定販売っていうのをしたい!という気持ちはわかる!普段は五百部刷ってるけど、どうしてもこの本は五十部だけ刷って今日だけで終わりにしたい!っていう気持ちもわかんねん!そういう本出したい時ってあるよね!読み手からすると全部欲しいんだけど、作り手的には一瞬だけパッと出してパッとなくしちゃいたい本って、あんのよ!
ただそれが、周囲に迷惑になったりするような販売の仕方だとやっぱり良くないと思う。その辺の判断は難しいところですね…まあ、よくないやり方してるところはそういうサークルだと周囲に認識されるだけですが。

うーんまた凄く長くなってしまいました。イベントで起こった不測の事態の話はまた明日。


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ユタ