「人間」菅井優児
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2004年02月11日(水) 涙

1ヶ月半も日記を更新してない・・・。
それはあやまる。

先週、今週にかけて涙だらけの毎日だった。

一番ショックだったのは、大切な友人ともう2度と逢えなくなってしまった事。

先週の土曜に普段はあまり電話してこない友達から電話があった。

なんか胸騒ぎがした。

その直感は当たってしまった。一番聞きたくない結末を。

電話を切って取り敢えず泣きじゃくった。

その晩に皆とあいつの家に行った。
あいつはまだ家に帰ってはなかったけど、両親と奥さんがいた。

なんて声をかけていいかも分からずに今回の経緯をただ聞いていた。
帰りの車の中、ハンドルに頭を埋めて泣いた。

次の日に写真の整理をした。
あいつが写っている写真を月曜日に持っていくために。
写真一枚一枚を見るたびに、その時の記憶が蘇ってきた。
その時の会話の内容は忘れてしまったけれど、笑顔で写っているって事はきっと楽しい事なんだろう。

月曜日の仕事帰り、写真を持って再び家にいった。
他の友達はもう来ていて、皆に取り囲まれるようにしてあいつは眠っていた。

「久しぶり」と俺は声を掛けて、冷たい額に手を当てた。
不思議と涙は出てこない。
「悲しい」よりも久しぶりに顔が見れて「嬉しい」というのが正直な気持ちだった。

他の友達が帰った後も、俺は残って奥さんと妹、もう一人の友達と色々と話をした。
気が付くと午前3時。
明日もあるので、帰る事にした。

「じゃあ、また明日ね」
といつもの調子であいつに声を掛けた。

火曜日、あいつは家じゃない別の広い場所にいた。
部屋の真ん中で箱に入ったあいつは今年のバーゲンで買った、
まだ一度も袖を通してなかったお気に入りのジャケットを着せてもらっていた。
大きな千鳥格子の柄で、いかにもあいつが着そうな服だった。

お父さんと妹がいたけれど、それをみてまた泣いた。

落ち着いて控え室に行くと、皆はもう来ていた。
昔の話で盛り上がる。キャンプの話やガストでの思い出・・・。

その時、あいつが何をしたとか何を話したとか延々と。
皆といると涙は出ない。
それどころかココロの底から笑う事ができる。

あいつはただ用事かなにかでここに来てないだけで、
本当はまだ俺達と同じ場所にいるんじゃないかという気にさえなる。

でも、あいつはもう俺達と同じ場所にはいない。
だから俺達がここにいるんだ。

今日の朝、あいつは沢山の人に見送られて長い長い旅に出る。
もう涙は出ないと思ってたけど。

声を上げて泣いた。
もう分かっていたんだ。認めたくなかったけど。

いつもマイペースで、時間にルーズで、友達想いで、下ネタ好きで
誰よりもポジティブで、誰よりも自分に厳しくて、
いつも人を振り回していたあいつは、最後の最後まで俺たちを振り回してくれた。


親愛なる君へ

君の人生は君にとってどうだった?
生まれてから今日まで、プラスマイナスで少しでもプラスだったなら最高だ。

俺はきっとまだマイナスだから、
今はプラスマイナス0になるように日々頑張ってる。

君と写ってる去年のキャンプの写真は、君が拾ってきてくれた流木の傍に飾ってある。
君が拾ったあの流木はあの曲のモデルだ。多分知ってるだろうけど。

吸いかけだった煙草は俺がもらったよ。
残り一本は吸わずにしまってる。

いつかまたもらった分は返すね。

君は待ちくたびれてしまうかもしれないけど、再び君と同じ場所で逢うのは何十年も先になるだろう。
というかそうでなきゃいけないと思う。
俺は君には散々待たされてたんだ。それ位我慢してくれ。

また皆で遊ぼうね。

それじゃまた、俺の親友の一人。


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