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- 2002年02月25日(月) 滝とボゴパイ。
パグサンハンに行く日だ。このパグサンハンってのは3年すんでいる仮面も知らなくて俺が持っていった「地球のあるきかた」を読んだ仮面が行きたいと言い出したところだ。丸太をくりぬいて作ったボートに乗って実にスリリングな川下りができるそうで、俺も行ってみたかった所なのだが、今日は仮面の母さんとドライバー、弟そして相方と一緒だった。実に遠い。高速の終点まで行ったのだが。車は2台で行っており仮面が先に、そしてあとからドライバーが追ってくる形だったが、例によってこの割り込み交通のおかげではぐれた。やっぱりこういうときに便利さを嫌というほどアピってくるのが携帯電話。
どうやら母さん仮面は俺たちが曲がったことに気づかず先に行ってしまったようだ。で、俺たちが後から追うことになった。どれくらい進んだろうか。いままでにぎやかだった町並みとは打って変わって非常にのどかな田園風景が広がる。 左右には田んぼ。そしてヤシの木。そういやこのミスマッチはインドの電車からも見たな。ただ1つ違うのは道が舗装されている所か。インドでは舗装されている道なんか見たことがなかった。よっぽど大きい道以外ね。
フィリピンは後進国とか言われているけどインドに行ってからだとそれほど遅れているのか?といった感を受ける。日本はそれこそ先進の部類に入りまくってるからそれと比べたらあかんよな。それこそ生徒対電車じゃないけど、戦う対象が違いすぎるよ。ぼろ負け必至やんか。
自家用車なのかはわからないけど車の数も多いし、インドと比べたら(インドばっかりですまんな)信号の数が多い。インドはイギリスの植民地だったから信号が無いのかな。ほれ、イギリスって信号の代わりに交差点はロータリーになってるやん。どうなんだろうか。
でもインドに行ってからはほんと、フィリピンはまだましだなと思った。でパグサンハンのラグナだかか?川下りの客引きが道路に立っていて、その旨を告げると勝手に車の後ろのしがみついてきやがった。それはユキチが発見したのだけど。あれ、本当後ろのワイパー動かしたら金玉あたってたよな。それから「ホンマにこんなところにあるんかい」って突っ込みたくなるような、車幅ぎりぎりのところを走っていったわけで。周りにいる地元フィリピン人は「なんやこいつら」みたいな珍しいものを見るような目つきで俺たちの車を眺めている。どうやら到着したようだ。
料金は一人あたり600ペソくらいやったかな?1800円ほど?実はここ、南国母さん仮面の恩恵にあずかったので俺は支払っていない。実のところ、おごってもらいまくりで到着した日から俺はペソを使っていない。で、はじめ2つのボートで3人ずつ別れて乗る予定だったが、2人ずつ3艘で出発することになった。 さあ、出発だ。 船はかなり狭い。俺は仮面と同じ船に乗ったのだが明らかに俺の方がでかいのに仮面の前に座ることになった。「お前、ちっさいから前」って。こいつらの目は節穴だと俺は強く思い、こいつらの船で俺は果たして大丈夫なのだろうか、と不安を覚えたりもしましたよ。
いきなりエンジン付きの船に引っ張ってもらうところから始まった。「ぷぷ!急流下りやのに、なんで引っ張ってもらうん?しかもめっちゃ緩やかな川やし」等と文句を2人で垂れていたそのとき。
「俺ここ来たことある」
弟のユキチだ。それに南国母さん仮面は「それ○○でしょ」(地名忘れた)それに引き続き南国仮面は「はい、お前の勘違い」と一蹴するもユキチはそれを認めようとせず「来たことあるって!」を繰り返していたよ。と、船頭が左を指差し「市長がいる」と。どうやら前大統領エストラダの親類らしい。しかし周りの子供にかまって偽善ぶりをアピールしているのか、本人と周りの空気が違いすぎてそのギャップがアイロニックな笑いを誘発してくれる。
手なんか振ってくるなって。水牛が水浴びしていたり、子供が川遊びをしてるのを眺めつつ「この川ってめっちゃ浅いんちゃうの」と確信したそのとき。
俺たちの船を引っ張っていた船がロープをはずしたのだ。とうとうこぎ始めるのか。軽くどきどきした。しかし何のことはない。本当に普通にこいで進んでいる。後ろでこいでいる初老の船頭は多少の日本語を話せるのだが、こういう風に変な日本語を話されたら逆に怪しまれるって事がわかっていないようだ。ほんと、わかってない。
「メチャ楽シイネェー!」を連発。
そうか。しっかりこいでくれって感じだったがしばらく進むとほんと「メチャ楽シイネー」なことが起こる。もうまるで作られたかのような急流が目の前にあったのだ。その時気づいたのだが、その急流の川下に俺たちがいるってこと。今まで川をさかのぼってきた!?みたいな。とにかく岩でサイドを固めたせせらぎがあったわけで。
船頭は「ヨシ!」ってな具合で船を降り何をするかと思えば船を押し始めた。うわー。しかも俺たち重たいから大変だろう。あんたの押し具合見てたら「メチャ楽シイネェー」 でもそんな楽しい「船押し」もシャレにならなくなってくる。しばらく川を上ったらまた岩場。で船頭は船を降りて船を押す。「メチャ楽シイネー」なんて言う余裕は無くなってきたようで挙句の果てには「オモイ」など弱音を吐き出した。
それは長い距離だったね。岩場も川上に上がっていくにつれゴツゴツしてきていたし。後ろの初老の船頭(怪)は足滑らせて股間打っていたし。でも水がかかるのさ。俺の前の船頭が岩場クリアして船に乗り込むときに足についている水が俺に。 勘弁してくれよ。
眺めは最高だったよ。切り立った崖が左右にあるんだから。昔そこから落ちてきたであろう巨岩がある。落ちてきたら怖いななどと南国仮面と話ながらだったが、そのうちに崖の上から、ほんと水道しっかり閉めなかったからシャワーから垂れてきた水みたいな、滝と呼べるのかどうかショッボイ滝があったんだけどそれをみて初老の船頭(怪)が 「アカチャンタキ、アカチャンタキ」などとほざいた挙句
「メチャタノシイネー」
はいはい。
それからどれくらいかかったろうか。中継地点にさしかかる。そこには小さな露店みたいなものがありちょっとした食事ができる休憩所みたいな感じだった。どうやらそこで休憩のようだ。そこで焼き鳥ではないな、鶏肉と豚肉のバーベキュー(有料)とビールをご馳走になった。(南国母さん仮面に)そこのすぐそばに小さな滝があった。でもかなりしょぼいよ。地元の人にしかわからないと思うけど妙見山の初谷川の滝よりしょぼかったから。
地元でもわからんマイナーなネタだったかな。とにかく。滝と呼べるけどこれではなーって程度の小さな滝。このあたりで南国仮面が「俺の地元の箕面の滝よりこれから見に行く滝がしょぼかったら・・・」などと言い出した。「可能性としてはあったりして・・・・」言葉数も自然と減っていく。初老の船頭(怪)の減らず口だけは休憩してから復活だ。
「アトスコシアトスコシ ハンブンネ」
ちなみにこの休憩のあと俺と南国仮面の位置を間違えたってことに気づいた船頭2人組は俺を後ろに持ってきて南国仮面を前に持ってきた。後ろの方が水かかりやすいって気づいたけど時すでに遅しってやつだ。やつのしたり顔は忘れられない 「後ろの方がぬれるやろ!?」って。
船頭(怪)が30分とか半分とか、さっきから言ってるからあまりあてにはしていないんだけども。でもどうも終わりに近そうだ。
とうとう、到着した。船を降りて歩く足取りも軽い。たとえ途中水が入ってきてぬれていたとしても。さあ、待ちにまった滝だ!!!!!
・・・・・・・・・
「あれ」「・・・ってか箕面の滝の方が絶対でかい・・・」
なんてこった。だが、箕面の滝にはないものがここにはあった。いかだだ。どうやら滝つぼのすぐ近くまで行ってくれるらしい。有料。
しかし南国母さん仮面の恩恵にあずかる事となった俺と南国仮面、弟のユキチはそのいかだで滝壷に行くことにした。「いい経験になるよ!」(英語)で話す船頭(怪)。
いかだの乗組員が「ビシャビシャOK?」とかいうてくる。ユキチはビシャビシャNOT OKだからビニールのかぶりものを借りていた。さあ、出発だ。いかだの上に座ったらケツに一撃で水がしみてくる。滝はどんどん迫ってきたぞ!!うお!すごい迫力!!!!
てか、もうぶつかるって!!とまれって!!!まったく、限度ってのを知らないなー。なんて思っていたらなんとこのいかだは滝の中に突撃。叫ぶユキチ。かわいそうにビニールかぶっても滝の中くぐったら意味無かったね。ビシャビシャOK?
滝の裏はちょっとしたくぼみになっていてそこでションベン。そこで3名近くの男が用を足していた。で。帰りにユキチの借りたビニールにジッポを包んで帰ったのだがもちろん帰りも滝の中。
激しい打たせ湯。頭が痛いくらい水が落ちてくる。これが、滝か。 ある意味箕面の滝に勝ったなと確信したさ。帰りは寒くてぶるぶる。川も下りなんで早いものだ。それは急流下りだったのか?と言われるとそれには疑問を抱かざるを得ないが。 しかしそれは急流すべりなんかより滝のインパクトがすごくてどうでもよくなってしまった。
それよりもなによりうざかったのが帰りに「せんどうさん ガンバッタネ・・・」などと金の話。うざいうざい。タバコくれだのうるさいうるさい。 俺たちは全身ずぶぬれ、2階で着替える事になった。 南国仮面の相方は浴室で着替えていた。
俺の豪快な屁で皆の衆が苦しむさまは笑いを誘ってくれたぞ。
代えのズボンを持ってきていなかった俺はトランクス1枚で帰る羽目に。 下では南国仮面と南国母さん仮面を交えて船頭に支払うべきチップの話し合いを していた。今現在どれくらい要求されて1人アタマ40ドル(米)まで引き下げたか記憶が定かではないがこの交渉の最中南国仮面の名言が飛び出す。記憶しておいてもらいたい。
「Still タカイヨ」
これは中途な日本語を話す初老船頭(怪)が「ホカ タカイヨ、ココ ヤスイ」言う事に対する皮肉を込めたと本人は言っていたが、これは純粋に面白かった。 君の声と顔つきがまたものっすごいマッチしていて特に弟のユキチは幾度となく言ってたね。
「Still タカイヨ」って。
帰り道名産のボゴパイっていうココナッツパイを南国母さん仮面が買ってくれた。 これがまたものっすごいうまい。甘いんだけどしつこくない甘さだったね。 持って帰りたかったけどすぐ痛むものらしいし、買うお金が残るかどうかが疑問だったし。
南国仮面はものすごいスピードを出して高速をぶっとばしていた。それはものすごいスピードだ。 実録スリルドライブといったところだ(スリルドライブ:ゲーセンにある公道を乗用車で事故を起こさないよう暴走するゲーム)
高速に街灯なんてものはないし、皆はハイビームで走っている。ブリキでできたポンコツジープをあざ笑いつつ縫うように追い抜かす俺たちの車。そんな無敵と思わせる南国仮面の運転にも危険が迫る。
セイントローズの襲来だ。
セイントローズとペイントされた観光バスが後ろからものすごいスピードで路肩通行してくる(高速道路)2車線なのだがもう3車線状態だ。左の車線からは別の観光バスが迫ってくる。そう。いわゆる挟みうちだ。その観光バスに道を譲るや否や虎の威をかる狐といわんばかりにその後ろをついていくと本当に、面白いように進める。観光バス「セイントローズ」のクラクションがマニラの高速道路にこだまする。
すごいスリル、そして興奮。
この南国仮面が言うには観光バスがどこかの車にぶつけるという事故が起こったらしいが、その怪我の治療費などを払うくらいならと、一思いに押しつぶしてぶっ殺し行方を消したなどという話には肝を冷やしたが、そういったことがフィリピンでは日常茶飯事に起こっているそうだ。
帰宅してからはそれほどたいしたことも無く案の定、普通に夜更かしをして寝ただけだ。 あの滝くぐりは本当にすごかった。忘れる事はないだろう。
メチャタノシイヨー・・・・
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