「地図」についての断片。覚え書。 - 2005年02月06日(日) その場所を旅した者によって記されたもの。過去の時間。 これからその場所を旅する者の手をひくもの。未来の時間。 過去と未来の結節点。 かつてあった世界の死体。これから生まれる世界の胚。 記されたことによって、記され得ないことを示すもの。 宝の在処をほのめかすもの。 物語を語らせるもの。 地図の端からは水があふれている。流されて落ちる船。 その世界の外から覗き込まれるもの。 誰が記したかわからないのに、すでにそこにあるもの。謎。 ムーミン谷の地図。 「くまのプーさん」の百ちょ森の地図。 「黒い郵便船」の「おもてまち」と「うらまち」の地図。 宝島の地図。 ロビンソン・クルーソーの地図。 RPGのダンジョン。 イタロ・カルヴィーノのフビライ汗とマルコ・ポーロの「見えない都市」の地図。時間の配列をシャッフルされたアトラス。 地図から蜃気楼のように立ち上がり、現前する幻想の都市。 その細部にまでわたしたちが足を踏み入れることができる幻想の路地。 そこを所有することを欲望させながら、そこを所有することを禁じるもの。 そこで迷うことを禁じながら、そこで迷うことを欲望させるもの。 - 読み終わったら押してみる。
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