| 2009年10月06日(火) |
グラン・トリノ(ネタバレ) |
イーストウッドにハズレなし。 とはいえ、この人は自分が映る作品はどうも一段落ちる気がする。 何かが「過剰」というか。 本人が出ない作品の「上品さ」、抑制された見せ方に比べ、ちょっと踏み出しすぎていて「やりすぎ」と思う部分がある。 たとえば、不治の病。 たとえば、スーが戻ってきたときのウォルトがコップを落とすベタな驚愕。 たとえば、スーを小突き回す黒人のチンピラ達。 特に理由もないのにやたらとしつこいタオの従兄弟達。 また、骨董品のようなウォルトがアメリカ文化をそのまま象徴しているのだが、これが私には馬鹿馬鹿しいというか、見ててしんどいのである。 マチスモでセクシストでレイシストで、もうなんというかとにかく「アメリカ男ってもののバカバカしさ」を感じてしまって楽しくない。 なので、彼をガイド役として大人になるタオもちょっとなーと思うし、大人になる通過儀礼が少々ぬるいのではなかろうか。 最後の選択も、確かに今までの流れを考えればそうなるのだろうけれど、よく考えたら他人である。 そこまでするか?という感想がふっと湧いてしまった。 むしろ、ぶっ殺しちゃってよかったんじゃなかろうか。 ウォルトの「贖罪」の物語だったのはわかるのだが、作中での彼のキャラからすると、「わらの犬」的ラストでもよかったんじゃないかと思う。 どうも、イーストウッドの「優等生ぶり」がアダになった作品だと思われる。 これまた世間ではかなり高評価なのだが、どうも私には合わなかった。
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